「ねぇ、ちょっと話があるんだけど」
「赤い靴の嬢ちゃん?どうしたんだ?」
「…ここじゃあ、ちょっと」
「…ここじゃあ、ちょっと」
辺りを見回し、そう呟く赤い靴の少女
ここは、人どおりの多い繁華街だ
赤い靴を交えて話すには、向かない場所だ
青年たちも察してくれたのか、話すのに適しているであろう場所まで赤い靴の少女を案内する
…人気のない、路地裏へ
ここは、人どおりの多い繁華街だ
赤い靴を交えて話すには、向かない場所だ
青年たちも察してくれたのか、話すのに適しているであろう場所まで赤い靴の少女を案内する
…人気のない、路地裏へ
「それで、どうしたんだ?」
「どうしたのー?」
「どうしたのー?」
ひょこんっ
少女の鞄から、人形が顔を出した
人目がないから、遠慮なく話せるという事だ
…それは、こちらも同じ
少女の鞄から、人形が顔を出した
人目がないから、遠慮なく話せるという事だ
…それは、こちらも同じ
「ちょっと、見てもらいたいものがあるのよ……赤い靴」
「あぁ」
「あぁ」
赤い靴を履いた少女の背後に、それは現れた
その姿を見て…青年たちは、不思議そうな表情を浮かべた
いつも、どこか悟ったような表情を浮かべている青年のこんな表情は、非常に貴重ではないだろうか?
その姿を見て…青年たちは、不思議そうな表情を浮かべた
いつも、どこか悟ったような表情を浮かべている青年のこんな表情は、非常に貴重ではないだろうか?
「…え、誰?」
人形をつれた少女が、どこか間の抜けた声をあげる
まぁ、わからないだろうな、と赤い靴を履いた少女は思った
自分だって、本当ならわかりたくない
まぁ、わからないだろうな、と赤い靴を履いた少女は思った
自分だって、本当ならわかりたくない
「あー、やっぱわからんか。俺だ、赤い靴だ」
………
…………
…………
「はぁっ!?」
「おぞましいけど、真実よ」
「っで、でも……女じゃん!?」
「おぞましいけど、真実よ」
「っで、でも……女じゃん!?」
人形の少女は、赤い靴を履いた少女の背後の美女を指差し、叫んだ
……そう
美女、である
たゆんっ、となんとも重たそうな胸を揺らす、美女だ
赤い靴と呼ばれた美女は、肩をすくめて見せた
……そう
美女、である
たゆんっ、となんとも重たそうな胸を揺らす、美女だ
赤い靴と呼ばれた美女は、肩をすくめて見せた
「だが、間違いなく俺は赤い靴だぞ?証拠でも見せようか?」
「いや、いい」
「いや、いい」
制してきたのは、青年の方
ふむ、と赤い靴を見つめ、続けてくる
ふむ、と赤い靴を見つめ、続けてくる
「…面影が、まったくない訳ではないが。そうは言っても、すぐにはわからないだろうな」
「え……マジ……?」
「え……マジ……?」
じーーーーっ、と赤い靴を見つめる人形の少女
人形も、じーっと見つめていて…人形という幼女に見つめられて照れたのか、赤い靴は若干嬉しそうだ
…数秒後
人形の少女は、盛大に爆笑し始めたのだった
人形も、じーっと見つめていて…人形という幼女に見つめられて照れたのか、赤い靴は若干嬉しそうだ
…数秒後
人形の少女は、盛大に爆笑し始めたのだった
「…あれだ、流石にちょっと傷ついたんだが」
「いや、悪い悪い」
「そう言いつつ、何故フラッシュ連打」
「いや、悪い悪い」
「そう言いつつ、何故フラッシュ連打」
見事に、人形をつれた少女に写真を取られまくっている赤い靴
元々、2メートル近くあった長身は、180㎝台に縮んでいて、その立派だった体格はやや華奢になっている
だが、一番目を引くのはやはり…その胸元
見事な、見事な……Gカップ
爆乳である
服装も、元々纏っていたものとは違い、女物を纏っていた
下着までは、本人の必死に抵抗により女物ではないが
元々、2メートル近くあった長身は、180㎝台に縮んでいて、その立派だった体格はやや華奢になっている
だが、一番目を引くのはやはり…その胸元
見事な、見事な……Gカップ
爆乳である
服装も、元々纏っていたものとは違い、女物を纏っていた
下着までは、本人の必死に抵抗により女物ではないが
「あー、何か、黒服さんが女になってた時を思い出すなぁ」
「…黒服って、ドナドナの時の、あの?」
「あぁ。確か黒服さんは、マッドガッサーにくらったガスの影響でそうなっていたな」
「…黒服って、ドナドナの時の、あの?」
「あぁ。確か黒服さんは、マッドガッサーにくらったガスの影響でそうなっていたな」
……ガス
赤い靴の少女は、やや不機嫌に表情をゆがめた
赤い靴の少女は、やや不機嫌に表情をゆがめた
「俺がこの姿になった原因も、多分それだ。ガスマスクをつけた黒尽くめの奴に、ピンク色のガスを吹き付けられてこうなった」
当時の状況を思い出し、赤い靴は己の迂闊さを呪った
いつも通り、弱そうな都市伝説を探していて…実際、見つけたのだ
弱そうな、ガスマスクをつけた都市伝説を
実際、あいつは戦闘力は大した事はなかったのだろう
…代わりに、自分をこんな姿にした、あのガスを使ってきたのだ
いつも通り、弱そうな都市伝説を探していて…実際、見つけたのだ
弱そうな、ガスマスクをつけた都市伝説を
実際、あいつは戦闘力は大した事はなかったのだろう
…代わりに、自分をこんな姿にした、あのガスを使ってきたのだ
「嬢ちゃんの方は、何ともないのか?」
「赤い靴に異空間に押し込められたから、平気よ」
「赤い靴に異空間に押し込められたから、平気よ」
そう、幸いだったのは、契約者を異空間へ退避させるのは間に合ったことだ
あのガスが、ロリ相手にはどんな影響を及ぼすかはわからないが…少なくとも、契約者にガスを吸わせずにすんだ
代わりに、自分はこんな状態だが
あのガスが、ロリ相手にはどんな影響を及ぼすかはわからないが…少なくとも、契約者にガスを吸わせずにすんだ
代わりに、自分はこんな状態だが
「…で、話なんだけど」
「元に戻る手段を知らないか、とでも聞きたいんじゃないか?」
「元に戻る手段を知らないか、とでも聞きたいんじゃないか?」
青年にそう言われ、う、と赤い靴の少女はややバツの悪そうな表情を浮かべた
しかし、背に腹は変えられない
しかし、背に腹は変えられない
「何とかできないかしら?……Tさん」
「そうは言われてもな。万能の力を持っているわけじゃないからな」
「そうは言われてもな。万能の力を持っているわけじゃないからな」
どこが?という視線を青年…Tさんに向ける赤い靴の少女
彼女からしてみれば、Tさんの能力は充分に万能なのだが
彼女からしてみれば、Tさんの能力は充分に万能なのだが
「申し訳ないが、元の姿に戻してやる事は、俺にはできないな」
「……そう」
「あ!でも、黒服さんは都市伝説なら、一週間くらいで元に戻ると思う、って言ってたぞ」
「……そう」
「あ!でも、黒服さんは都市伝説なら、一週間くらいで元に戻ると思う、って言ってたぞ」
実際、それくらいで元に戻ったみたいだし、と
俯いてしまった赤い靴の少女に、人形の少女はそう言ってくれた
しかし、一週間…短いようで、それは長い
俯いてしまった赤い靴の少女に、人形の少女はそう言ってくれた
しかし、一週間…短いようで、それは長い
「その姿だと、やはり不都合があるのか?」
Tさんの、その疑問に
あぁ、と先に口を開いたのは赤い靴
あぁ、と先に口を開いたのは赤い靴
「乳が重くて肩がこって」
「腕力が落ちてるのよ。元々人外の腕力だから、戦えない訳じゃないんだけど」
「腕力が落ちてるのよ。元々人外の腕力だから、戦えない訳じゃないんだけど」
赤い靴の言葉を遮り、赤い靴の少女はそう答える
そう、若干ではあるが、腕力が落ちているのだ
当然、能力で自分に備わる腕力も下がっている
戦闘力が落ちているのは、大問題だ
そう、若干ではあるが、腕力が落ちているのだ
当然、能力で自分に備わる腕力も下がっている
戦闘力が落ちているのは、大問題だ
「仕方ない、一週間、大人しくするしかないだろ?」
「…せめて、マッドガッサーとか言うあのガスマスクの変態を倒せば元に戻ればいいんだけど」
「あ、そうだ。マッドガッサーにやられて、その姿なんだよな?マッドガッサー自体はどうしたんだ?」
「どうしたのー?」
「…せめて、マッドガッサーとか言うあのガスマスクの変態を倒せば元に戻ればいいんだけど」
「あ、そうだ。マッドガッサーにやられて、その姿なんだよな?マッドガッサー自体はどうしたんだ?」
「どうしたのー?」
Tさんの契約者と、人形…リカちゃんの疑問に、赤い靴はすぐに答える
「『爆乳サイコー!』とか叫びながら飛び掛ってきたんで、とっさに殴り飛ばした。かなり高く吹き飛んでヤバイ角度で頭から地面に落ちて、首の骨でも折れたような音がしたんだが…すぐに起き上がって何事もなかったかのように走って逃げられた」
「随分と丈夫な体の持ち主な事だ」
「随分と丈夫な体の持ち主な事だ」
まったくだ
赤い靴自身も体の丈夫さには自信があるが、マッドガッサーはそれ以上じゃないだろうか?
赤い靴自身も体の丈夫さには自信があるが、マッドガッサーはそれ以上じゃないだろうか?
「…とりあえず、あんたたちも気をつけた方がいいんじゃない?こんな変態まで女にしてくるくらいですもの。かなり、節操のない相手みたいよ?」
「…見た目で変態かどうか判別するのが、至難の技だと思うのだが」
「…見た目で変態かどうか判別するのが、至難の技だと思うのだが」
そう言って、Tさんは苦笑してくる
まぁ、そもそも、赤い靴の姿は能力を発動しない限り、一般人には見えないのだが
まぁ、そもそも、赤い靴の姿は能力を発動しない限り、一般人には見えないのだが
「うむ、節操がないらしい事については、同感だな」
「あぅあぅ。今世紀最大の変態かもしれないのです」
「あぅあぅ。今世紀最大の変態かもしれないのです」
突如、その場に響いた声
ひらりっ、と…赤い靴たちと、Tさんの間に、真っ赤なマントが姿を現した
翻されたマントから、赤いはんてんが顔を出して
そして、赤マントの姿も露になる
ひらりっ、と…赤い靴たちと、Tさんの間に、真っ赤なマントが姿を現した
翻されたマントから、赤いはんてんが顔を出して
そして、赤マントの姿も露になる
………そして、訪れる沈黙
「うむ、言いたい事はよくわかるので、あまり胸を凝視しないでくれ。元々は男とは言え、恥ずかしい」
「あー……」
「あー……」
…赤マントの体格が、若干小柄になっている
そして、胸元で揺れる推定Cカップ
そして、胸元で揺れる推定Cカップ
「赤マントのおっさんも被害にあってんのかよ!?」
「はっはっは、愛らしい幼女がいたので観察していたら、突然ガスをかけられてね」
「はっはっは、愛らしい幼女がいたので観察していたら、突然ガスをかけられてね」
油断した、と赤マントは笑う
ガスをかけられたさいのその様子に、赤いはんてんはじとーっ、と赤マントを睨みあげていた
ガスをかけられたさいのその様子に、赤いはんてんはじとーっ、と赤マントを睨みあげていた
「なお、その幼女はその直後に狼になって襲い掛かってきたので、私はその場から逃げた。よって、ガスをかけてきた相手の姿は見てないんだが…まぁ、同一犯だろうな」
「お前たちの話を聞いていたら、一週間の我慢が必要ですか…その間、赤マントは女のままなのですか」
「お前たちの話を聞いていたら、一週間の我慢が必要ですか…その間、赤マントは女のままなのですか」
あぅぅ…と、赤いはんてんは不満そうだ
ぽつり、呟く
ぽつり、呟く
「…馬鹿なことを言った時、殴りにくいのです」
「普段から殴るのはやめてくれたまえ」
「…とりあえず、マッドガッサーには、仲間もいるらしいな」
「普段から殴るのはやめてくれたまえ」
「…とりあえず、マッドガッサーには、仲間もいるらしいな」
赤マントの証言から、それは事実だろう
赤マントがうっかりと目を引いた幼女は、マッドガッサーの仲間だったと考えるのが自然だ
赤マントがうっかりと目を引いた幼女は、マッドガッサーの仲間だったと考えるのが自然だ
「無差別に女体化させてくんのかー……Tさん、気をつけた方がいいんじゃないか?」
「…そうらしいな」
「…そうらしいな」
少なくとも、知り合い二人が被害にあっている
もしかしたら、もっと被害者は多いのかもしれない
…何か、深刻そうで、そうじゃなさそうな、しかし、被害者たちにとっては、非常に深刻な事件が、学校町では起こっているようで
……本当に、ここは厄介な町だ、と
Tさんは、深くため息をついたのだった
もしかしたら、もっと被害者は多いのかもしれない
…何か、深刻そうで、そうじゃなさそうな、しかし、被害者たちにとっては、非常に深刻な事件が、学校町では起こっているようで
……本当に、ここは厄介な町だ、と
Tさんは、深くため息をついたのだった
終