「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-37c

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匿名ユーザー

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 会場内が、大分カオスな現状になってきたのがよくわかる
 …うん、酔っ払いには関わるべきじゃない
 そんな事を考えつつ、俺は花子さんに手を引かれて歩いていた
 さっき食べたシュークリームが美味しかったから、もう一度取りに行くらしい
 俺にも食べさせてくれる、と言うことか
 ぐいぐい、俺を引っ張っていく
 引っ張られていった先には…おぉ、いたいた
 何か敬称しがたい物を食べているように見えるが、気のせいだろう
 女の格好した、多分、俺と同じくらいの年齢と思われる奴が、テーブルに料理を広げていた
 …何故、女の格好してるんだろう、と疑問には思ったが、口には出さない
 趣味は人それぞれだ、あまり口出しすべきではないだろう
 若干顔が赤くなっているように見えるが、酒でも飲んだのだろうか

「…あ、また来てくれたの?」
「うん!シュークリーム美味しかったの!」

 にぱ、とそいつに笑ってみせる花子さん
 ありがとう、とそいつは女みたいな笑顔で笑った
 シュークリームだけじゃなくカステラまでもらって、花子さんはご満悦だ
 あむあむと、美味しそうに食いついている

「あ、あなたもどうぞ」
「…あぁ、ありがとう」

 手作りらしいシュークリームを受け取る
 …ここに来ている以上、こいつも契約者なのだろうな、と思う
 傍に契約している都市伝説らしき存在が見えない辺りをみると、俺や先生みたく実体のある都市伝説と契約しているんじゃないのだろうか
 それとも、単にその都市伝説と離れているだけか

「……あの?」

 …そんなにかたい表情をしていただろうか
 そいつは、怪訝な表情でこちらを見つめてきた
 何でもない、と小さく首を振る

「あの子の、契約者さんですか?」
「あぁ、「トイレの花子さん」と契約している」
「花子さんかぁ…よく聞く都市伝説ですよね」

 なんだか、興味深そうに花子さんを見ているようだ

「…あまり、他の都市伝説と接触した事がないのか?」
「あ、その、なんて言うか…この街に来て、一ヶ月くらいしか経ってないんで。この街って、かなり珍しい都市伝説もいるみたいだから…でも、あぁ言う普通の子もいるんだな、って」
「……普通、なぁ」

 うん、まぁ、花子さんは割りと普通の都市伝説だろう
 踊る変態とか男の骨格に女の心の骨格標本とかみたいな変わったタイプでもないし、花子様のような一種独特の進化を遂げた都市伝説でもない
 ある種、鋳型通りというか、そんな感じの都市伝説だ
 …おかしな都市伝説とか珍しい都市伝説も多いらしいこの街では、むしろ逆に珍しいのかもしれない

「…難儀な場所に引っ越してきたんだな」
「え?」
「都市伝説に契約していると都市伝説に関わりやすいらしいし、そうじゃなくとも、この街は都市伝説が多いせいで一般人が都市伝説に関わりやすいから……多分、苦労すると思うぞ」
「……まぁ、その、ある程度の覚悟はできてるんで」

 …それは、つまり
 この街が「そう言う場所だ」と言うことを知っていて、来たと言う事か
 どう言う理由で、この街に都市伝説が多く発生するのか…俺は、よく知らない
 しかし、その理由を知っている者もいるだろうし、知っていてあえて、この街に来る奴もいるんだと思う
 こいつは後者、という事なのだろう

 どうして、わざわざ理由を知っていて、あえてこの街に来たのか?
 …そこまで、詮索するつもりはない
 何かのトラブルに巻き込まれるのは、悪いが御免だ
 都市伝説が発生しやすいこの街の、ただでさえ都市伝説が発生しやすい高校に通っている身である
 クラスメイトたちが都市伝説絡みの事件に巻き込まれないよう、少しでも努力するので精一杯
 …俺に、それ以上の事ができる訳もないのだ

「………どこの学校に通っているのか、知らないが…もし、通っている学校の化学教師がやる気なさげな奴で、なおかつ、化学室に人体模型と白骨標本があったならば。放課後化学室に近づくのはお勧めしない」
「え?それって、どう言う…」
「関わりあいたくない変態と関わる意味で」

 うん、あのグロテスクダンサーとは関わらない方がいいだろう
 関わらない方が、人生健全に生きられる事は間違いない
 はぁ、とよくわかっていない様子で、そいつは頷いてきた

「…み?けーやくしゃ、シュークリーム食べないの?」

 ……と
 自分の分のシュークリームを食べ終わったらしい花子さんが、首を傾げてきた
 …おぉっと、口の周りにクリームがついてるついてる
 口の周りを拭いてやると、むー、と声を出してきた

「いや、食べるさ」

 そう言って、受け取っていたシュークリームに食いつく
 程よい甘さのそれを俺はしばし、味わった

「…兄妹みたいだなぁ」

 と、そいつが呟いた気がしたが
 まぁ、そう見えるならそれはそれで別に構わないか、とそう考える事にしたのだった




終わる







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