「---ん」
「おい、大丈夫か?」
「おい、大丈夫か?」
…よし
かなり、酔ってきているな
ニヤリ、魔女の一撃の契約者は口の端に笑みを浮かべた
たまたま顔を合わせたから飲みに誘ったら、少し迷いつつも乗ってきた
なかなか酔ってくれる相手ではないが……こっそりと、混ぜ物の酒を飲ませてやったら、この状態だ
この状態ならば…
かなり、酔ってきているな
ニヤリ、魔女の一撃の契約者は口の端に笑みを浮かべた
たまたま顔を合わせたから飲みに誘ったら、少し迷いつつも乗ってきた
なかなか酔ってくれる相手ではないが……こっそりと、混ぜ物の酒を飲ませてやったら、この状態だ
この状態ならば…
「…大丈夫か?歩けるか?」
「………ん」
「………ん」
こくり、頷いてはきたが…そろそろ、頭が回らなくなっているだろう
この状態なら…!
この状態なら…!
「…家に送ってやるからな」
さぁ、連れて行ってやろう
そこで、こいつを裏切ってやろう
こいつは酔っている間の記憶はないから、目が覚めたその瞬間に、裏切ってやるのだ
さぁ、どんな顔をしてくれるだろうか?
女の体になっているこいつを支え、歩き出そうとして…
そこで、こいつを裏切ってやろう
こいつは酔っている間の記憶はないから、目が覚めたその瞬間に、裏切ってやるのだ
さぁ、どんな顔をしてくれるだろうか?
女の体になっているこいつを支え、歩き出そうとして…
「……おや?どうなさったのです?」
「------っ!!」
「------っ!!」
っち!!
どうして、こいつはいつもいつも、肝心な時に来やがるんだ!
やや憎々しげなものを感じながらも、それを隠して…魔女の一撃の契約者は、声をかけてきた黒服の男に振り返った
どうして、こいつはいつもいつも、肝心な時に来やがるんだ!
やや憎々しげなものを感じながらも、それを隠して…魔女の一撃の契約者は、声をかけてきた黒服の男に振り返った
夜の、南区繁華街
「組織」での仕事の帰り、そこを通って帰ろうとしていたら…「日焼けマシン」の契約者が、幼馴染の青年と歩いている様子が見えた
ただ…遠目に見て、なんだか様子がおかしくて、急いで駆け寄って声をかける
「組織」での仕事の帰り、そこを通って帰ろうとしていたら…「日焼けマシン」の契約者が、幼馴染の青年と歩いている様子が見えた
ただ…遠目に見て、なんだか様子がおかしくて、急いで駆け寄って声をかける
「こんばんは、黒服さん」
「こんばんは……大丈夫ですか?」
「こんばんは……大丈夫ですか?」
青年に小さく頭を下げて…すぐに、「日焼けマシン」の契約者の様子を窺う
ほんのり頬が赤く…視線が、定まっていない
ほんのり頬が赤く…視線が、定まっていない
「一緒に飲んでたんですけど、こいつ、酔っ払ったみたいで」
「この子がですか?…珍しいですね」
「この子がですか?…珍しいですね」
本人も、酒は強い方だ、と言っていたのだが…
友人と一緒に飲んでいたのだから、少し飲みすぎてしまったのだろうか?
小さく苦笑する
友人と一緒に飲んでいたのだから、少し飲みすぎてしまったのだろうか?
小さく苦笑する
「これから帰るところですから、私がこの子を連れて行きますよ」
「そうですか?………あぁ、今、一緒に暮らしてるんでしたね?」
「そうですか?………あぁ、今、一緒に暮らしてるんでしたね?」
はい、と頷いてみせる
「日焼けマシン」の契約者の友人は、黒服をじっと見つめ…続けてくる
「日焼けマシン」の契約者の友人は、黒服をじっと見つめ…続けてくる
「…本当、こいつを変なことに巻き込まないでくれよ?俺の大事な友人なんだからよ」
「………努力いたします」
「………努力いたします」
「日焼けマシン」の契約者の体を受け取る
ぽふりっ、何の抵抗もなく、黒服に寄りかかってきた「日焼けマシン」の契約者
眠ってはいないようだが…ぼんやりしていて、あまり周りの様子が目に入っていないように見えた
…しかし
自分が寄りかかった対象が、黒服であると気づいたのか
きゅう、とそのスーツを握り緊めてきた
ぽふりっ、何の抵抗もなく、黒服に寄りかかってきた「日焼けマシン」の契約者
眠ってはいないようだが…ぼんやりしていて、あまり周りの様子が目に入っていないように見えた
…しかし
自分が寄りかかった対象が、黒服であると気づいたのか
きゅう、とそのスーツを握り緊めてきた
「…ほんっとう、あんたに懐いてんだなぁ」
「日焼けマシン」の契約者の友人が、そう言って苦笑してきた
「それじゃあ、俺はこれで。そいつ、昔から酔ったら色々と大変な奴なんで気をつけて」
「はい、それでは…………ところで、あなたたちは三年ぶりにあったはずで。三年前と言いますとどちらも未成年ですのに、何故、酔っ払った状態を知って」
「それじゃっ!!」
「はい、それでは…………ところで、あなたたちは三年ぶりにあったはずで。三年前と言いますとどちらも未成年ですのに、何故、酔っ払った状態を知って」
「それじゃっ!!」
逃げるように、この場を後にした「日焼けマシン」の契約者の友人
…これは、後にでも「日焼けマシン:の契約者に、聞いておく必要があるかもしれない
…これは、後にでも「日焼けマシン:の契約者に、聞いておく必要があるかもしれない
「ほら、帰りますよ?」
「……んん」
「……んん」
ふるふると、首を左右に振ってきた「日焼けマシン」の契約者
ぎゅう、と黒服にしがみ付き、歩こうとしない
ぎゅう、と黒服にしがみ付き、歩こうとしない
……仕方ない
ひょい、とその体を抱き上げる
女性の体になっている今の状態ならば、何とかそれができる
女性の体になっている今の状態ならば、何とかそれができる
「日焼けマシン」の契約者の体を抱きかかえながら、黒服は足早に帰路に付いた
家に帰ると、「はないちもんめ」の少女はまだ起きていた
申し訳ないと思いながら、彼女に水を用意するよう頼んで、「日焼けマシン」の契約者をそっとソファーに横たわらせる
申し訳ないと思いながら、彼女に水を用意するよう頼んで、「日焼けマシン」の契約者をそっとソファーに横たわらせる
「…大丈夫ですか?意識はありますか?」
「………」
「………」
意識が、あるのかないのか
「日焼けマシン」の契約者は、ぼんやりと黒服を見つめ続けている
「日焼けマシン」の契約者は、ぼんやりと黒服を見つめ続けている
「水、持ってきたわよ」
「あぁ、ありがとうございま……………っ!?」
「あぁ、ありがとうございま……………っ!?」
はないちもんめから、水を受け取ろうと立ち上がろうとした、その時
ぎゅう、と……「日焼けマシン」の契約者に、抱きつかれた
ぎゅう、と……「日焼けマシン」の契約者に、抱きつかれた
ぴき!!と、はないちもんめから何かそんな音が聞こえたような気がしたが、気のせいだろうか?
「どうしました?」
「…………や」
「…………や」
ゆっくりと、「日焼けマシン」の契約者が口を開く
その声は…はっきりと、震えていた
その声は…はっきりと、震えていた
「や、だ………嫌、だ、置いて、いかないで………あんな家……帰りたく、ない……」
「………?」
「………?」
…これは、もしや
今、この子が言っている「家」は……
今、この子が言っている「家」は……
「…あなたの、ご実家に、ですか?」
「…や、だ……もう、あんな場所……戻りたく、ない………!」
「…や、だ……もう、あんな場所……戻りたく、ない………!」
声が、体が、震えている
こちらを見あげてくる眼差しは……この子が、小さかった頃
まだ、出会った頃のあの頃、向けた来たものに、よく似ていて
こちらを見あげてくる眼差しは……この子が、小さかった頃
まだ、出会った頃のあの頃、向けた来たものに、よく似ていて
「俺は、物じゃ、ない……人形なんかじゃない……っ、…あんな、連中のところに……戻りたくない……!」
「……大丈夫ですよ」
「……大丈夫ですよ」
そっと、はないちもんめから水を受け取って
黒服は、「日焼けマシン」の契約者と視線を合わせた
黒服は、「日焼けマシン」の契約者と視線を合わせた
「大丈夫です、あなたは、ちゃんと人間です…私と、彼女の家族です」
「………ぁ」
「大丈夫ですから…そんな、泣き出しそうな顔をなさらないでください」
「………ぁ」
「大丈夫ですから…そんな、泣き出しそうな顔をなさらないでください」
今にも泣き出しそうな顔
この子が幼かった頃、家に帰そうとするとよく浮かべていた表情
…あれと、まったく同じなのだ
今、この子が浮かべているのは
この子が幼かった頃、家に帰そうとするとよく浮かべていた表情
…あれと、まったく同じなのだ
今、この子が浮かべているのは
こちらの言葉に、少し安心したのだろうか
かすかに、笑みを浮かべて
かすかに、笑みを浮かべて
「………あ」
こてん、と
力尽きたように、倒れこむ
力尽きたように、倒れこむ
聞こえてきたのは、小さな寝息
…どうやら、眠ってしまったようだ
せめて、水を一口でも飲ませたかったのだが……明日、二日酔いに苦しまないといいのだが
…どうやら、眠ってしまったようだ
せめて、水を一口でも飲ませたかったのだが……明日、二日酔いに苦しまないといいのだが
「…もしかして、酔っ払うと幼児退行するタイプ?」
「……かも、しれませんね」
「……かも、しれませんね」
はないちもんめの言葉に、小さく苦笑して見せた
…あれは、幼い頃の「日焼けマシン」の契約者そのものだった
実の父親からの、まるで物のような扱いに苦しみ
実の母親から、愛情を向けてもらえないことに苦しみ
それらに悲しみ、家に帰る事を拒絶していた、その姿
実の父親からの、まるで物のような扱いに苦しみ
実の母親から、愛情を向けてもらえないことに苦しみ
それらに悲しみ、家に帰る事を拒絶していた、その姿
…今、この子と、はないちもんめと暮らしているこの家
この家は…この子にとって、「帰りたい」家だろうか?
「帰りたい」家になっているだろうか?
この家は…この子にとって、「帰りたい」家だろうか?
「帰りたい」家になっているだろうか?
……なっていればいい、と
黒服は、そう考えずにはいられないのだった
黒服は、そう考えずにはいられないのだった
fin