占い師と少女 日常編 08
「――――さて」
バレンタインデーも終わった二月。
部屋に帰ると、いつものように占い師さんは私の頭の上に手を置いた。
能力を使った、簡易的なスキャン。
脈拍数から血圧、果てには血糖値までの人体における全てを数値化するその行為は、多分そこら辺のお医者さんよりはよっぽど信頼できるものだと思う。
ただ、その分気にする程でもない細かな部分にまで占い師さんが気にしてしまうのがネックと言えばネックだった。
部屋に帰ると、いつものように占い師さんは私の頭の上に手を置いた。
能力を使った、簡易的なスキャン。
脈拍数から血圧、果てには血糖値までの人体における全てを数値化するその行為は、多分そこら辺のお医者さんよりはよっぽど信頼できるものだと思う。
ただ、その分気にする程でもない細かな部分にまで占い師さんが気にしてしまうのがネックと言えばネックだった。
「…………ん?」
開始から僅か2秒。
何かを見つけたのか、占い師さんが軽く首を傾げた。
細かった目がさらに細められる。
何かを見つけたのか、占い師さんが軽く首を傾げた。
細かった目がさらに細められる。
「……卵、か。どこでこんな物を拾って来たのやら」
わしゃわしゃと自分の髪をかく占い師さん。
(……卵?)
自分で自分見る事もできるが、精神に少し負担がかかる。
だから占い師さんの言っている「卵」が比喩的な物なのか、はたまた本当に卵が私の身体の中にあるのか。
特にこれと言って卵を食べたような記憶はないのだけれど……。
思わず首を傾げる私をよそに、占い師さんは手を私の頭から離して
だから占い師さんの言っている「卵」が比喩的な物なのか、はたまた本当に卵が私の身体の中にあるのか。
特にこれと言って卵を食べたような記憶はないのだけれど……。
思わず首を傾げる私をよそに、占い師さんは手を私の頭から離して
「ちょっと待ってろ」
ポン、ともう片方の手で頭を叩いてから、リビングを出て行った。
その行動に、ちょっと疑問を抱く。
占い師さんの能力は、基本的に微生物や血中の詰まりなどを対象に出来る。
つまり、その気になれば大概の治療はものの数秒で行えるはずなのだ。
しかし、占い師さんはそれをしなかった。
その行動に、ちょっと疑問を抱く。
占い師さんの能力は、基本的に微生物や血中の詰まりなどを対象に出来る。
つまり、その気になれば大概の治療はものの数秒で行えるはずなのだ。
しかし、占い師さんはそれをしなかった。
(……治療、出来なかった?)
一体私の中には何が入っているのか。
そこまで思考して、身体に寒気が走った。
そこまで思考して、身体に寒気が走った。
「……ああ……い……だが……お……」
時々リビングの外から聞こえてくる占い師さんの声。
どうやらどこかに電話しているようだ。
時折占い師さんの怒ったような、どこか疲れた声が聞こえてくるのを見ると、電話先とは上手くいっていないのか。
どうやらどこかに電話しているようだ。
時折占い師さんの怒ったような、どこか疲れた声が聞こえてくるのを見ると、電話先とは上手くいっていないのか。
「……あ……まっ……る」
数秒が経ち、やっと話しが終わったのかガチャリ、と受話器が降ろされたような音が聞こえてきた。
同時に、占い師さんの少し疲れたようなため息も。
それからすぐに、リビングと廊下を繋ぐ扉が開いた。
少し疲れた……と言うより、何だかげんなりした表情をした占い師さんが、そこから入ってくる。
同時に、占い師さんの少し疲れたようなため息も。
それからすぐに、リビングと廊下を繋ぐ扉が開いた。
少し疲れた……と言うより、何だかげんなりした表情をした占い師さんが、そこから入ってくる。
「すぐにじいさんがここに来る。もう少し待っててくれ」
そう言った占い師さんは、げんなりを通り越して苦虫をつぶしたような顔をしていた。
まるで、その「じいさん」に頼らなければならない事態になってしまった事を少し後悔しているかのように。
私は、記憶の中から「じいさん」に該当する人物を引っ張り出す。
引っ張り出して……ああ、と何となく占い師さんの表情を何となく理解した。
まるで、その「じいさん」に頼らなければならない事態になってしまった事を少し後悔しているかのように。
私は、記憶の中から「じいさん」に該当する人物を引っ張り出す。
引っ張り出して……ああ、と何となく占い師さんの表情を何となく理解した。
「あのおじいさんですか……」
初めて占い師さんと出会ったときにも一緒にいた、一人の老人。
この世に何千年も生きる最古の都市伝説の一人……らしい。
私自身おじいさんが力を振う所を見た事がないので何とも言えないのだが、その気になれば都市の一つや二つ軽く更地に出来るとかできないとか。
正直眉つばな気がしなくもない。
この世に何千年も生きる最古の都市伝説の一人……らしい。
私自身おじいさんが力を振う所を見た事がないので何とも言えないのだが、その気になれば都市の一つや二つ軽く更地に出来るとかできないとか。
正直眉つばな気がしなくもない。
「えっと……確か、『仙人』でしたよね?」
「……ああ。俺が『見て』確認もしてる」
「……ああ。俺が『見て』確認もしてる」
苦虫をつぶしたような顔が、苦虫を二十匹ほど潰したような顔になった。
私と出会う以前に何があったのかは分からないが、かなり深い確執か何かがあるのかもしれない。
……と、窓の外で何かが光ったような気がした。
私と出会う以前に何があったのかは分からないが、かなり深い確執か何かがあるのかもしれない。
……と、窓の外で何かが光ったような気がした。
「……って、あの馬鹿っ」
占い師さんも気づいたのか、窓の方へと顔を向け
――――瞬間、窓が吹っ飛んだ。
跡形もなく、まるでそこだけ抉り取られたかのように。
占い師さんが咄嗟に何かしたのか、幸いガラスが飛び散るような事がなかった。
――――瞬間、窓が吹っ飛んだ。
跡形もなく、まるでそこだけ抉り取られたかのように。
占い師さんが咄嗟に何かしたのか、幸いガラスが飛び散るような事がなかった。
「……ふむ。少し行き過ぎてしまったようじゃの」
その爆発の中心。
ガラスまみれになりながら、一人の老人が立っていた。
身長は140センチあるかないか。白く染まった髪に、服なのか布なのかよく分からない白い何かを纏っている。
年を取らないのか、その姿は10年前に出会った時と何も変わっていなかった。
服も、身長も、それと多分髪の本数まで。
ガラスまみれになりながら、一人の老人が立っていた。
身長は140センチあるかないか。白く染まった髪に、服なのか布なのかよく分からない白い何かを纏っている。
年を取らないのか、その姿は10年前に出会った時と何も変わっていなかった。
服も、身長も、それと多分髪の本数まで。
「『行き過ぎてしまった』じゃない。人ん家の窓を壊すな、窓を」
「仕方ないじゃろう。お前さんが『急げ』と言ったから急いで来たんじゃ。むしろ褒めて称えて『仙人様最高ー!』と言いながら拍手してもバチは当たらんと思うが」
「誰が褒めるか称えるか拍手するかっ」
「仕方ないじゃろう。お前さんが『急げ』と言ったから急いで来たんじゃ。むしろ褒めて称えて『仙人様最高ー!』と言いながら拍手してもバチは当たらんと思うが」
「誰が褒めるか称えるか拍手するかっ」
……おお。何だか10年前にタイムスリップしたみたいだ。
確かあの時も二人はこんなやり取りをしていたような気がする。
果たして変わらなくてよかったと喜ぶべきか全く成長していないと嘆くべきか。
確かあの時も二人はこんなやり取りをしていたような気がする。
果たして変わらなくてよかったと喜ぶべきか全く成長していないと嘆くべきか。
「……で、未来ちゃんの体内に異常があるらしいの」
占い師さんと半ばどツキアイ漫才状態だったおじいさんが、ふっと真面目な顔で私の顔を覗きこんできた。
ついでに、一瞬視線が私の胸のあたりにまで下がったような気がする。
ああ……本当に変わってないな、この人。
ついでに、一瞬視線が私の胸のあたりにまで下がったような気がする。
ああ……本当に変わってないな、この人。
「ふむ……全く、お前さんが付いていながらこの体たらくとはの。やっぱり未来ちゃんはわしが預かって――――」
「死ね、じいさん」
「死ね、じいさん」
おじいさんの言葉が最後まで終わらない内に、占い師さんが近くの大事典を一冊、おじいさんの頭に振り下ろした。
普通のご老体なら確実に死ぬような一撃。
……しかし飛び散ったのは肉片ではなく、粉々になった大事典の方だった。
何が起こったのか、私の目でもよく分からない。
おじいさんに大事典が触れる一瞬。
その一瞬、赤い何かがおじいさんの身体を包み、それに触れた途端、大事典が飛び散ったのだ。
普通のご老体なら確実に死ぬような一撃。
……しかし飛び散ったのは肉片ではなく、粉々になった大事典の方だった。
何が起こったのか、私の目でもよく分からない。
おじいさんに大事典が触れる一瞬。
その一瞬、赤い何かがおじいさんの身体を包み、それに触れた途端、大事典が飛び散ったのだ。
「くそ、高いんだがな、これ」
「振り下ろしたお前さんが何を言うか……」
「振り下ろしたお前さんが何を言うか……」
全く無傷で、少し呆れたように言うおじいさん。
その身体に纏っていた何かは既に消えていた。
その身体に纏っていた何かは既に消えていた。
「本当に暴力的な弟子じゃのう。やっぱり未来ちゃん、わしと一緒に――――」
「死ね」
「死ね」
……仲が良いのか、悪いのか。
また再び漫才状態に戻ってしまった二人を見て、何だか懐かしいような気分になる。
いや、昔はこんなバイオレンスな状況じゃなかったような気がするが。
また再び漫才状態に戻ってしまった二人を見て、何だか懐かしいような気分になる。
いや、昔はこんなバイオレンスな状況じゃなかったような気がするが。
「…………とにかく、未来ちゃんの治療が先じゃ。全く」
「全くと言いたいのはこっちの方だ。まだ女を囲い足らないのか、この助平が」
「なっ……な、何を言うか。わわわわしはべべべつに女を囲ってなど……」
「………………」
「ああ未来ちゃん引くでない。この馬鹿弟子の戯言に決まっておるじゃろう」
「あんなに動揺した後で説得力なんて皆無だろうが」
「違うわい。わしが襲おうとしても全員『彼女』に守られてるから指一本出せないんじゃよ」
「……それ、否定になってないからな」
「全くと言いたいのはこっちの方だ。まだ女を囲い足らないのか、この助平が」
「なっ……な、何を言うか。わわわわしはべべべつに女を囲ってなど……」
「………………」
「ああ未来ちゃん引くでない。この馬鹿弟子の戯言に決まっておるじゃろう」
「あんなに動揺した後で説得力なんて皆無だろうが」
「違うわい。わしが襲おうとしても全員『彼女』に守られてるから指一本出せないんじゃよ」
「……それ、否定になってないからな」
一歩。
何だか色々な危機を感じて、おじいさんから離れた。
何だか色々な危機を感じて、おじいさんから離れた。
「ああ違うんじゃよ未来ちゃん。大体わしがここへ来たのはこやつに頼まれたからで、別についでに未来ちゃんを連れて帰っちゃおうだとかそんな事は毛もうも――――」
「思ってたのかこのエロじじいっ!」
「思ってたのかこのエロじじいっ!」
再びバイオレンスが始まろうとして
「待て待て待て。とかく未来ちゃんを治すのが先じゃろう」
「…………ああ」
「…………ああ」
慌てたように言ったおじいさんの制止の声で、何とかこの場は収まったようだ。
再び私の方へと向き直るおじいさん。
その視線が再び下へと向かったのは……うん、気にしないでおこう。
少し私を観察してから、おじいさんは口を開いた。
再び私の方へと向き直るおじいさん。
その視線が再び下へと向かったのは……うん、気にしないでおこう。
少し私を観察してから、おじいさんは口を開いた。
「……心の内に植えつけられた卵、かの。ふむ、お前さんの言ってた通りか」
私たちのような「目」を持っていないおじいさんでも、どうやら私の異常は分かるらしい。
それだけ容態が悪いのか、それともただおじいさんが優れているだけか。
今の私には、そのどちらか判断できなかった。
それだけ容態が悪いのか、それともただおじいさんが優れているだけか。
今の私には、そのどちらか判断できなかった。
「あの……悪いんですか? それ」
「なに、別段孵ったわけでもなし。すぐに取り除けばこれと言った害悪もなかろうて」
「なに、別段孵ったわけでもなし。すぐに取り除けばこれと言った害悪もなかろうて」
その言葉に、少しほっとした。
「……さて。今から取り除くが、よいかの?」
「じいさんが不埒な真似さえしなければ幾らでも」
「……ふむ、人を信用しない弟子じゃの」
「じいさんが不埒な真似さえしなければ幾らでも」
「……ふむ、人を信用しない弟子じゃの」
そう少し渋い顔をして、おじいさんは少し背伸びをした。
そのまま何とか私の頭上に手をかざす。
どうやら、特に何かを唱えたり薬を飲む必要はないらしい。
一瞬、その手が光ったような気がして
パキン、と何かが割れるような音が、私の「身体の中」で鳴った。
そのまま何とか私の頭上に手をかざす。
どうやら、特に何かを唱えたり薬を飲む必要はないらしい。
一瞬、その手が光ったような気がして
パキン、と何かが割れるような音が、私の「身体の中」で鳴った。
「……特に破片が飛び散るような事もない。もう大丈夫じゃろうな」
「あ……えっと、ありがとうございました」
「何、未来ちゃんのためならどこへでも駈けつけるぞ。だからわしと一緒に――――」
「どこへでも駈けつけるなら一緒にいる必要もないだろう」
「……全く、師匠孝行しない弟子を持つと大変じゃのう」
「あ……えっと、ありがとうございました」
「何、未来ちゃんのためならどこへでも駈けつけるぞ。だからわしと一緒に――――」
「どこへでも駈けつけるなら一緒にいる必要もないだろう」
「……全く、師匠孝行しない弟子を持つと大変じゃのう」
また一つため息をついて、おじいさんは背伸びを止めた。
衣服の乱れを直して、コキコキと首を鳴らす。
衣服の乱れを直して、コキコキと首を鳴らす。
「さて。あまり家を開けるわけにもいかん。わしはそろそろ帰るぞ」
「ありがとうございました」
「悪いな。忙しい所呼びつけて」
「悪いと思うとるなら未来ちゃんをじゃな――――」
「さっさと帰れ。じいさん」
「ありがとうございました」
「悪いな。忙しい所呼びつけて」
「悪いと思うとるなら未来ちゃんをじゃな――――」
「さっさと帰れ。じいさん」
全く、と軽いため息をついて
途端、おじいさんの服が淡く光り出した。
服から身体へと、それは瞬く間に広がっていく。
途端、おじいさんの服が淡く光り出した。
服から身体へと、それは瞬く間に広がっていく。
「また来るからの、未来ちゃん。この無粋な男が嫌になったらいつでも来なさい」
「あの、えっと……」
「人を困らせるな、人を」
「ほっほ、困っている内はまだいいんじゃよ。まだのう」
「あの、えっと……」
「人を困らせるな、人を」
「ほっほ、困っている内はまだいいんじゃよ。まだのう」
そうおじいさんは笑って、身体を少し回転させた。
全身の光が一本に纏まって、矢のような形へと変化する。
既に、もうどこが顔なのかが分からなくなっていた。
全身の光が一本に纏まって、矢のような形へと変化する。
既に、もうどこが顔なのかが分からなくなっていた。
「ではの。今度来る時は『愛好会』のみなも連れてこよう」
「ああ、それは少し楽しみだな」
「ほっほ……女ばかりじゃからの」
「……そういう意味じゃない」
「ああ、それは少し楽しみだな」
「ほっほ……女ばかりじゃからの」
「……そういう意味じゃない」
ほっほ、と最後にまた一つ笑って
おじいさんはその場から消えた。
……また一つ、窓ガラスを打ち破って。
おじいさんはその場から消えた。
……また一つ、窓ガラスを打ち破って。
「入ってきた窓から出ろよ、おい……」
窓ガラスを修復すべく、ガラスの散乱する窓辺へと占い師さんが寄る。
その後をとことこと付いて行きながら、私は占い師さんに尋ねた。
その後をとことこと付いて行きながら、私は占い師さんに尋ねた。
「結局、私の中には何が入ってたんですか」
「ん……? ああ、『悪魔の囁き』の卵みたいな奴だな」
「悪魔の囁きって言うと……よくテレビの中で天使と対になって出てくる、あれですか?」
「イメージ的にはそんな感じだ。これと言って力を持たない、小さな犯罪を引き起こすだけの都市伝説って所か」
「ん……? ああ、『悪魔の囁き』の卵みたいな奴だな」
「悪魔の囁きって言うと……よくテレビの中で天使と対になって出てくる、あれですか?」
「イメージ的にはそんな感じだ。これと言って力を持たない、小さな犯罪を引き起こすだけの都市伝説って所か」
一枚一枚、ガラス片を能力で繋ぎ合わせながら、占い師さんは何かに気付いたかのように「そういえば」と呟いた。
「あの青年も『悪魔の囁き』に取り憑かれていたみたいだが……あれから何も聞かない以上、何とかなったのか」
「あの青年?」
「いや、何でも無い」
「あの青年?」
「いや、何でも無い」
そう言って、黙々を作業を進める占い師さん。
そこに、私はまた一つ、質問をぶつける事にした。
さっきから微妙に心の隅に引っかかっている、一つの疑問。
そこに、私はまた一つ、質問をぶつける事にした。
さっきから微妙に心の隅に引っかかっている、一つの疑問。
「……『愛好会』って何ですか? 何やら如何わしい響きですが」
「ああ、別に如何わしくも何ともない。ただの『占い愛好会』だ。さっきのじいさんが主催してる」
「ああ、別に如何わしくも何ともない。ただの『占い愛好会』だ。さっきのじいさんが主催してる」
何だか休日に老人ホームで行われていそうな名前が出てきた。
「……何だかもうちょっと規模が大きいのを想像してたんですが、随分と小さくなりましたね」
「いや、『占い愛好会』なんて言っても世界に数千の加盟者がいるんじゃないか。詳しくは俺にも分からないが」
「数千って……」
「いや、『占い愛好会』なんて言っても世界に数千の加盟者がいるんじゃないか。詳しくは俺にも分からないが」
「数千って……」
それって『組織』何かよりよっぽど多いんじゃないだろうか。
「まぁ、加盟してるって言ってもその加護が欲しくて『名前だけ一応』ってなような奴がほとんどだし、大した活動もしてないがな」
「加護って……まるで宗教みたいですね」
「そこら辺の宗教よりはマシだな。加盟するだけで他の組織から狙われなくなる特典付きだ」
「…………はい?」
「加護って……まるで宗教みたいですね」
「そこら辺の宗教よりはマシだな。加盟するだけで他の組織から狙われなくなる特典付きだ」
「…………はい?」
他の組織から狙われなくなる。
一体何をすればそんな事が可能になるのだろうか。
一体何をすればそんな事が可能になるのだろうか。
「さっきじいさんも言ってた『彼女』の力なわけだが……詳しい話は後で、な。今は修復の方が先だ」
「あ、はい……」
「あ、はい……」
一枚一枚、能力を使って破片を張り付けていく。
正直、暇である。
綺麗に、その痕すら残さずに修復できるのはいいが、いかんせん時間がかかるのだ。
だから、ついでにもう一つ質問をぶつけてみる事にした。
正直、暇である。
綺麗に、その痕すら残さずに修復できるのはいいが、いかんせん時間がかかるのだ。
だから、ついでにもう一つ質問をぶつけてみる事にした。
「……私たちも、その『愛好会』のメンバーなんですか? 何だかそんな感じの会話でしたけど」
「ん……そうだな。入ってるって事になるのか、一応」
「そう、ですか」
「ん……そうだな。入ってるって事になるのか、一応」
「そう、ですか」
あのマッドガッサーの件で会った、様々な組織の人たちの事を思い浮かべる。
「組織」に「首塚」、「第三帝国」に「怪奇同盟」。
色々と格好良い名前が並んでいたような気がする。
そして、そんな中私たちは「占い愛好会」
……何だか締まらないような気がするのは、私だけなのだろうか。
「組織」に「首塚」、「第三帝国」に「怪奇同盟」。
色々と格好良い名前が並んでいたような気がする。
そして、そんな中私たちは「占い愛好会」
……何だか締まらないような気がするのは、私だけなのだろうか。
「…………あ」
そんな中、私は一つ、ある重大な事に気がついた。
「どうした、未来」
「……破片が、足りないんですが」
「……破片が、足りないんですが」
目の前のガラス。その破片がどう見ても足りない。
このままでは中央付近に穴が開いたガラスになってしまうだろう。
占い師さんはそれを見て、軽くため息をついて
このままでは中央付近に穴が開いたガラスになってしまうだろう。
占い師さんはそれを見て、軽くため息をついて
「…………じいさんに請求するか」
電話をしようと、またリビングから出て行った。
――――それから数分後、抗議をしに来たおじいさんがまた一つ窓ガラスを割り、さらに騒動が広がったのだが……それはまた、別のお話だ。
【終】