「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 占い師と少女-a01

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占い師と少女 マッドガッサー決戦編 01


○月×日 17:30

同業者のじいさんから電話があったのは、もう日も暮れ、次第に辺りも暗くなった時刻だった。
当初はマッドガッサーの居場所の発見を催促する電話かと思ったが、どうやら違うらしい。
珍しく少し慌てた様子のじいさんが話始めるのを聞き――

「……な!? どういう事だ、じいさん!」

――数十分後、大声で叫んでいた。
叫んでしまってから、はたと気付く。炬燵で小説を読んでいた未来が、驚いてこちらを見ていた。
(……気にすんな)
こちらへ寄ってきそうな未来をちょいちょいと手で制して、子機を片手に廊下へと出る。

「……で、それ本当なのか?」
「さっきも言ったじゃろう。わしだけじゃなく、先見の能力を持たないお前さんを除いて、他全ての占い師が同じ結論を下した、と」
「だけどな、別にこっちで不穏な動きなんて……」
「聞け、1時間半前、マッドガッサーの被害者と思わしき女性が数名保護された」
「……ほう、そりゃいい事じゃないか」
「その場所にいたはずの黒服が一人、行方不明になったとしても、かのう?」
「なっ…………」

マッドガッサー一味の被害者が救出され、現場にいたはずの黒服が行方不明……。
なるほど、確かに不穏な動きだ。

「……で、さっきのじいさん達が言ってた未来は、確実に来るのか?」
「保証はできんが、な」
「いや、じいさんとこの都市伝説がこぞって同じ未来を予測したって事は本当なんだろうが……」

お騒がせながらも、あくまで小規模に行動を行ってきたマッドガッサー。
そんな野郎が、いきなりそんな暴挙に出るのか……?

「とにかく、今夜8時、マッドガッサー一味が本格的な行動にでる。……それも、「夢の国」と同規模、学校町全体を覆うほどの」
「……分かった。知らせてくれて感謝する」
「ああ……気をつけるんじゃぞ。お前さんが死ぬのは構わんが、契約者の子が死ぬのは頂けんからな」
「……すっげぇ、気が削げる激励をありがとう」
「なに、構わんよ」

ほっほ、と笑って切られた子機をしばらく見つめる。
そして、現在時刻を確認しようと腕時計を見て――

「後1時間ちょいしかないじゃねぇかっ!?」

電話がかかってきてから、軽く1時間以上は話し込んでいたようだ。
――そのあまりの少なさに、軽くめまいがする。
逃げようにも、これでは大して学校町を離れられないだろう。
(…………やるしか、ねぇか)

「……おい、未来っ!」

恐らく未だ炬燵で小説を読んでいるだろう未来を呼び、部屋のドアへと向かう。
避けられないなら、戦うしかない。
……今は、できるだけの準備をしよう。




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