【電磁人の韻律詩~1号~】
因果応報。
全ての事象には原因があり、全てが原因で事象を生み出す。
それがラプラスの悪魔を支えている理論。
人を殺せば殺される。
物を盗めば盗まれる。
眼には眼を歯には歯を。
誰もが納得できる単純で明快な理論。
ラプラスの悪魔のみならずこの世に生きる大抵の存在がこの因果の中で生きているのだ。
そして私の見る世界の中に今日もまたその理論に取り憑かれた人間が一人……。
因果応報。
全ての事象には原因があり、全てが原因で事象を生み出す。
それがラプラスの悪魔を支えている理論。
人を殺せば殺される。
物を盗めば盗まれる。
眼には眼を歯には歯を。
誰もが納得できる単純で明快な理論。
ラプラスの悪魔のみならずこの世に生きる大抵の存在がこの因果の中で生きているのだ。
そして私の見る世界の中に今日もまたその理論に取り憑かれた人間が一人……。
「っつー訳でよー、聞いてるかマッキー?」
「んあ?聞いているよ。」
高校生が二人歩いている。
片方は大柄で今風のチャラチャラした服装。
もう一人は所謂ヒップホップ・ファッションに身を包んでいる。
スニーカーはナイキのダンク、シャツはポロシャツ、ボトムスは細身のジーンズ。
絵に描いたような最新のヒップホップファッションだ。
小柄な彼の名前は明日真、通称はマッキー。
学校町のとある高校に通学している普通の高校生である。
高校に於いては不良として名前が通っている為、友人は少ない。
そんな彼だが夜の町ではクラブDJマッキーとして名前と顔が売れている。
一度高校を出て夜の繁華街に繰り出すと彼の顔を知らない人間の方が少ないのだ。
そして今、彼は学校町の夜の繁華街を歩いていた。
「んあ?聞いているよ。」
高校生が二人歩いている。
片方は大柄で今風のチャラチャラした服装。
もう一人は所謂ヒップホップ・ファッションに身を包んでいる。
スニーカーはナイキのダンク、シャツはポロシャツ、ボトムスは細身のジーンズ。
絵に描いたような最新のヒップホップファッションだ。
小柄な彼の名前は明日真、通称はマッキー。
学校町のとある高校に通学している普通の高校生である。
高校に於いては不良として名前が通っている為、友人は少ない。
そんな彼だが夜の町ではクラブDJマッキーとして名前と顔が売れている。
一度高校を出て夜の繁華街に繰り出すと彼の顔を知らない人間の方が少ないのだ。
そして今、彼は学校町の夜の繁華街を歩いていた。
「ハーメルンの笛吹きとかいう巫山戯た殺人鬼が居てよ、俺達の仲間も何人か行方不明になっているんだよ。
マッキーも何か知らないか?今俺達全員で探し回っているんだ。」
「わりいな、俺もなんにも知らないんだよ。」
マッキーも何か知らないか?今俺達全員で探し回っているんだ。」
「わりいな、俺もなんにも知らないんだよ。」
彼の隣を歩いているのは桐山の友人の一人、美作邦宏。
学校町では繁華街では有名なグループの構成員の一人だ。
最近、彼のグループの構成員が連続で何者かに誘拐され、行方知らずになっているのだ。
その事件はハーメルンの笛吹きとかいう半ば都市伝説のような殺人鬼によって起こされたことが解っている。
美作は血眼になってハーメルンの笛吹きを探して回っていた。
学校町では繁華街では有名なグループの構成員の一人だ。
最近、彼のグループの構成員が連続で何者かに誘拐され、行方知らずになっているのだ。
その事件はハーメルンの笛吹きとかいう半ば都市伝説のような殺人鬼によって起こされたことが解っている。
美作は血眼になってハーメルンの笛吹きを探して回っていた。
「それより今度のパーティー、大丈夫なのかよ?
人数足りないんじゃねえの?」
「ああ、それなら大丈夫だ。参加するのは俺達だけじゃないからな。
とりあえず危ないからマッキーもあんまり不用意に出歩くんじゃねえぞ。
お前みたいなDJが居なくなったらこの町の損失だ。」
「お前が褒めてくれると嬉しいね、それじゃあしばらくは静かにしているかな?」
その日も彼は行きつけのクラブで曲を流して家路についた。
殺人鬼が町に居る。
それは彼にも恐るべき事実だったはずだ。
しかし彼はそんな事よりも自分がDJをつとめるパーティーの方に興味があった。
グループとか仲間とかそういうことはどうでもいい。
彼は自分が好きなように曲を流してそれに乗っかって他人が騒いでいれば良いのだ。
そんな瞬間に彼は果てしない満足と一体感を感じていた。
人数足りないんじゃねえの?」
「ああ、それなら大丈夫だ。参加するのは俺達だけじゃないからな。
とりあえず危ないからマッキーもあんまり不用意に出歩くんじゃねえぞ。
お前みたいなDJが居なくなったらこの町の損失だ。」
「お前が褒めてくれると嬉しいね、それじゃあしばらくは静かにしているかな?」
その日も彼は行きつけのクラブで曲を流して家路についた。
殺人鬼が町に居る。
それは彼にも恐るべき事実だったはずだ。
しかし彼はそんな事よりも自分がDJをつとめるパーティーの方に興味があった。
グループとか仲間とかそういうことはどうでもいい。
彼は自分が好きなように曲を流してそれに乗っかって他人が騒いでいれば良いのだ。
そんな瞬間に彼は果てしない満足と一体感を感じていた。
さて翌日、彼はいつも通り学校に通っていた。
適当に授業を受けて適当に会話して適当に家に帰る。
やる気なさげなとある理系科目の教師が居眠りしているこっちを見ているが気にするまい。
繰り返す毎日。
「ただいまー。」
おかえり、という人間は居ない。
熱帯魚が水槽でふらふらと揺れているだけだ。
両親はどちらも仕事に忙しくて彼に構う時間は全くなかった。
優しかった祖母も3年前に死んでいる。
その時でさえ彼の両親は家に戻ってこなかった。
彼は熱帯魚に餌をやって鞄を部屋に放り出すと夕飯を食べる。
今日は何もせずにパソコンだけ弄ろうと彼は思っていたが勉強だけはやっていた。
彼の祖母が生きていた時は勉強しないと泣かれたのだ。
彼は今でも勉強をしていると彼は祖母が近くに居るような気がして落ち着く。
勉強を終わらせると彼は今度こそパソコンに向かい、ノトーリアスBIGとかの動画を見る。
そして夜になるとクラブに行ってDJをやる。
かれはそういう毎日をひたすら繰り返していた。
適当に授業を受けて適当に会話して適当に家に帰る。
やる気なさげなとある理系科目の教師が居眠りしているこっちを見ているが気にするまい。
繰り返す毎日。
「ただいまー。」
おかえり、という人間は居ない。
熱帯魚が水槽でふらふらと揺れているだけだ。
両親はどちらも仕事に忙しくて彼に構う時間は全くなかった。
優しかった祖母も3年前に死んでいる。
その時でさえ彼の両親は家に戻ってこなかった。
彼は熱帯魚に餌をやって鞄を部屋に放り出すと夕飯を食べる。
今日は何もせずにパソコンだけ弄ろうと彼は思っていたが勉強だけはやっていた。
彼の祖母が生きていた時は勉強しないと泣かれたのだ。
彼は今でも勉強をしていると彼は祖母が近くに居るような気がして落ち着く。
勉強を終わらせると彼は今度こそパソコンに向かい、ノトーリアスBIGとかの動画を見る。
そして夜になるとクラブに行ってDJをやる。
かれはそういう毎日をひたすら繰り返していた。
そして一週間後
彼はDJとして学校町のとあるクラブで曲を流していた。
どうやら大きなグループ同士がハーメルンの笛吹き事件について話し合う為にここが設定されたようだ。
自分はグループ等にはあまり関係がない人間なのでDJとして使うには都合が良いのだろう。
そんな理由でも自分の音楽を自由にできるというのは良いことだ。
彼はそう思っていた。
「おい、俺ちょっと休憩しているから代わっていてくれよ。」
「あ、明日さん。解ったッス。」
彼より年上なのに明日真をさん付けで呼ぶ青年に彼はDJを交代してクラブの二階に向かった。
その日は昼間から何も食べずにクラブに来てしまっていたので彼は軽食を取ろうと思ったのだ。
コンビニで買ってきたおにぎりを電子レンジで温める。
ブ~~~~ン………チンッ!
彼にとっては聞き慣れた音だ。
「偶には……、電子レンジで暖めた以外の物も食べたいな……。」
電子レンジを開けて中のおにぎりを取り出すと彼はそれにかぶりついた。
いつもながら味気ない夕飯だ、彼は嫌になっていた。
「おっけぃ!食べさせてあげようじゃないか!」
「――――――誰だ!?」
「私だよ、私!ついに気づいたか。」
彼が辺りを見回してみても誰もいない。
この部屋にあるのはソファーとテーブルと電子レンジだけだ。
どうやら大きなグループ同士がハーメルンの笛吹き事件について話し合う為にここが設定されたようだ。
自分はグループ等にはあまり関係がない人間なのでDJとして使うには都合が良いのだろう。
そんな理由でも自分の音楽を自由にできるというのは良いことだ。
彼はそう思っていた。
「おい、俺ちょっと休憩しているから代わっていてくれよ。」
「あ、明日さん。解ったッス。」
彼より年上なのに明日真をさん付けで呼ぶ青年に彼はDJを交代してクラブの二階に向かった。
その日は昼間から何も食べずにクラブに来てしまっていたので彼は軽食を取ろうと思ったのだ。
コンビニで買ってきたおにぎりを電子レンジで温める。
ブ~~~~ン………チンッ!
彼にとっては聞き慣れた音だ。
「偶には……、電子レンジで暖めた以外の物も食べたいな……。」
電子レンジを開けて中のおにぎりを取り出すと彼はそれにかぶりついた。
いつもながら味気ない夕飯だ、彼は嫌になっていた。
「おっけぃ!食べさせてあげようじゃないか!」
「――――――誰だ!?」
「私だよ、私!ついに気づいたか。」
彼が辺りを見回してみても誰もいない。
この部屋にあるのはソファーとテーブルと電子レンジだけだ。
「……え?」
しかし声が聞こえるのは目の前の電子レンジからだ。
いやいやいや、そんなこと有るわけがない、と彼は思っていた。
しかし声が聞こえるのは目の前の電子レンジからだ。
いやいやいや、そんなこと有るわけがない、と彼は思っていた。
「目の前に居るでしょ!解らないのかい?こっのスカタン!」
思いっきり叫び始める電子レンジ、しかも女性の声だ。
「いやいやいや……、有ってはならないだろうがよ。電子レンジが喋り始めるって……。」
「悪いが有るんだよねえ……、君は今、都市伝説『電子レンジで猫乾燥』の目の前に居る。」
「そんなラピュタ王みたいなこと言われても……。」
「あれは名作だよ、あの地~平線~♪」
「輝くのは~、……じゃなくて電子レンジがいきなり女の声で話し始められても困るわ!」
何故か電子レンジの声は女性の声だった。
しかも声の雰囲気は明日真の好みである。
「とにかく貴方にお願いがある。私と契約して欲しいのさ。」
「契約?どういうことだ。」
とまどう真。
「えっとねえ……。」
電子レンジの声が説明しようとしたときだった。
思いっきり叫び始める電子レンジ、しかも女性の声だ。
「いやいやいや……、有ってはならないだろうがよ。電子レンジが喋り始めるって……。」
「悪いが有るんだよねえ……、君は今、都市伝説『電子レンジで猫乾燥』の目の前に居る。」
「そんなラピュタ王みたいなこと言われても……。」
「あれは名作だよ、あの地~平線~♪」
「輝くのは~、……じゃなくて電子レンジがいきなり女の声で話し始められても困るわ!」
何故か電子レンジの声は女性の声だった。
しかも声の雰囲気は明日真の好みである。
「とにかく貴方にお願いがある。私と契約して欲しいのさ。」
「契約?どういうことだ。」
とまどう真。
「えっとねえ……。」
電子レンジの声が説明しようとしたときだった。
バリーン!
チチッ!チチッ!
ドゴォン!
急に壁が崩れたような音がする、ガラスも割れたようだ。
それと同時に天井裏を何匹かの鼠が走っていく。
「一体何が起きたんだ!?」
急な爆音に真は戸惑う。
「あちゃあ……、もう来ちゃったか?」
何かを知っていたような口ぶりに興味を示す真。
「もう来た?どういうことだ?」
「君、ハーメルンの笛吹きって知っているかい?今、ここに現れたのは奴さ。」
「ハーメルンの……。」
彼はその名前を最近聞いたことがある。
美作の言っていた殺人鬼だ。
そんな奴が何故此処にいる?彼の頭には疑問符が大量についていた。
「ここに居ると私も攻撃に巻き込まれてしまう。だから君、契約して私をここから連れて逃げてくれよ。」
「なんで奴が此処にいるんだ?そして何故お前はそれがわかる?」
「さぁ?此処にいる人達が彼にとって殺したい人種なんじゃないの?
奴らが来るって解ったのはほら、都市伝説同士だからなんとなく解るんだよ。」
「おいおい……!」
ハーメルンの笛吹きは昼間には絶対に活動しない。
それは夜の繁華街を歩く子供、それと幾ばくかの大人を相手に殺しを行っていた。
たしかに真夜中のクラブのパーティーならば彼が襲撃するのには丁度良いだろう。
「とにかく私と契約してよ、私と契約すればハーメルンの笛吹きから逃げる程度の能力は備わるよ?
ここで死にたくないでしょう?」
必死な声で電子レンジは真に迫る。
チチッ!チチッ!
ドゴォン!
急に壁が崩れたような音がする、ガラスも割れたようだ。
それと同時に天井裏を何匹かの鼠が走っていく。
「一体何が起きたんだ!?」
急な爆音に真は戸惑う。
「あちゃあ……、もう来ちゃったか?」
何かを知っていたような口ぶりに興味を示す真。
「もう来た?どういうことだ?」
「君、ハーメルンの笛吹きって知っているかい?今、ここに現れたのは奴さ。」
「ハーメルンの……。」
彼はその名前を最近聞いたことがある。
美作の言っていた殺人鬼だ。
そんな奴が何故此処にいる?彼の頭には疑問符が大量についていた。
「ここに居ると私も攻撃に巻き込まれてしまう。だから君、契約して私をここから連れて逃げてくれよ。」
「なんで奴が此処にいるんだ?そして何故お前はそれがわかる?」
「さぁ?此処にいる人達が彼にとって殺したい人種なんじゃないの?
奴らが来るって解ったのはほら、都市伝説同士だからなんとなく解るんだよ。」
「おいおい……!」
ハーメルンの笛吹きは昼間には絶対に活動しない。
それは夜の繁華街を歩く子供、それと幾ばくかの大人を相手に殺しを行っていた。
たしかに真夜中のクラブのパーティーならば彼が襲撃するのには丁度良いだろう。
「とにかく私と契約してよ、私と契約すればハーメルンの笛吹きから逃げる程度の能力は備わるよ?
ここで死にたくないでしょう?」
必死な声で電子レンジは真に迫る。
ピィーーーーー!
遠くから鳴り響く笛の音色。
「ほら、ハーメルンの笛だよ!貴方位の子供なら簡単に操られちゃうって!」
電子レンジの言葉通り、明日の眼から光が失われていく。
これが操られると言うことなのだろう。
彼の意識もどんどん遠のいていく。
それはたとえて言うならば自己が薄れていく感覚。
薄れていく感覚の中で彼は聞いた。
「おい、電子レンジ。お前と契約すれば良いんだな?」
今は疑問を差し挟んでいる暇はない。
明日真は決意した。
「うん、そうだ!急げ!君が契約に同意すると言えばそれで済むんだ!」
「解った、この俺明日真は……。お前との契約に同意する。」
「ほら、ハーメルンの笛だよ!貴方位の子供なら簡単に操られちゃうって!」
電子レンジの言葉通り、明日の眼から光が失われていく。
これが操られると言うことなのだろう。
彼の意識もどんどん遠のいていく。
それはたとえて言うならば自己が薄れていく感覚。
薄れていく感覚の中で彼は聞いた。
「おい、電子レンジ。お前と契約すれば良いんだな?」
今は疑問を差し挟んでいる暇はない。
明日真は決意した。
「うん、そうだ!急げ!君が契約に同意すると言えばそれで済むんだ!」
「解った、この俺明日真は……。お前との契約に同意する。」
チーン!
電子レンジの鳴る音。
契約完了の証だろう。
電子レンジの鳴る音。
契約完了の証だろう。
「完璧だ真!それじゃあそちらに移るぞ!」
彼の身体の中に何かが入ってくる。
全身が震えて電流が絶え間なく流れ続ける感覚が彼の身体を支配した。
その感覚が強くなればなる程彼の意識は再び明瞭になる。
「どうだい真、契約者になった感想は?」
電子レンジの声が聞こえる。
「ああ……、悪くない。」
「それじゃあ行こうか、そこの窓から逃げるんだ。
私がさっきまで入っていたその電子レンジは放っておいて良いからすぐに行こう!」
「そうだ、下にいた奴らはどうなっているんだ?助けに行かないと……。」
「え?今頃とっくに殺されているんじゃないかな。」
「ッ!それなら尚更じゃねえか、一人で逃げてなんて居られねえよ!」
「待てっ!」
明日真はドアを蹴ると二階の廊下へ飛び出した。
彼の身体の中に何かが入ってくる。
全身が震えて電流が絶え間なく流れ続ける感覚が彼の身体を支配した。
その感覚が強くなればなる程彼の意識は再び明瞭になる。
「どうだい真、契約者になった感想は?」
電子レンジの声が聞こえる。
「ああ……、悪くない。」
「それじゃあ行こうか、そこの窓から逃げるんだ。
私がさっきまで入っていたその電子レンジは放っておいて良いからすぐに行こう!」
「そうだ、下にいた奴らはどうなっているんだ?助けに行かないと……。」
「え?今頃とっくに殺されているんじゃないかな。」
「ッ!それなら尚更じゃねえか、一人で逃げてなんて居られねえよ!」
「待てっ!」
明日真はドアを蹴ると二階の廊下へ飛び出した。
チチッ!
チチチチイ!
廊下にはすでに大量のネズミが群がっていた。
大量のネズミがこちらに視線を向ける。
「こいつは……!」
「ハーメルンの笛吹きの能力さ。奴はネズミと子供を操る。」
「レンジ、どうすればいい!」
「さっき私と契約したでしょう?あれを使うんだ。」
「使い方なんて解らない!」
「ネズミをチンする姿を頭に思い浮かべろ!」
「あんまり思い浮かべたくねえよ!」
真は周囲を見回す。
ネズミ達はジワジワと真を取り囲んで距離を詰めてくる。
レンジでチン
何度も何度もそれを彼はやっている、やらされている。
両親の文字で「チンしておいて」
思い出す度に彼の胸に怒りがこみ上げてくる。
しかし今はそれが彼の戦う為の、生き延びる為の手段。
「レンジで……」
迫るネズミ達。
ネズミと言ってもこれだけの数だ。
襲いかかられたら一溜まりもないだろう。
目を閉じて集中を始める明日真。
黒い固まりが二階を埋め尽くすと同時に彼は始めて都市伝説を使用した。
「――――――――――――チン!!」
チチチチイ!
廊下にはすでに大量のネズミが群がっていた。
大量のネズミがこちらに視線を向ける。
「こいつは……!」
「ハーメルンの笛吹きの能力さ。奴はネズミと子供を操る。」
「レンジ、どうすればいい!」
「さっき私と契約したでしょう?あれを使うんだ。」
「使い方なんて解らない!」
「ネズミをチンする姿を頭に思い浮かべろ!」
「あんまり思い浮かべたくねえよ!」
真は周囲を見回す。
ネズミ達はジワジワと真を取り囲んで距離を詰めてくる。
レンジでチン
何度も何度もそれを彼はやっている、やらされている。
両親の文字で「チンしておいて」
思い出す度に彼の胸に怒りがこみ上げてくる。
しかし今はそれが彼の戦う為の、生き延びる為の手段。
「レンジで……」
迫るネズミ達。
ネズミと言ってもこれだけの数だ。
襲いかかられたら一溜まりもないだろう。
目を閉じて集中を始める明日真。
黒い固まりが二階を埋め尽くすと同時に彼は始めて都市伝説を使用した。
「――――――――――――チン!!」
バチィン!
電気の弾けるような音が少しばかり鳴った直後、彼の周囲にはは大量のネズミが倒れていた。
「解っただろう、真。これじゃあ下ももう駄目だ!すぐに逃げよう!」
「だけど下には俺のダチが……!」
「そんなこといっている場合じゃ………」
「解っただろう、真。これじゃあ下ももう駄目だ!すぐに逃げよう!」
「だけど下には俺のダチが……!」
「そんなこといっている場合じゃ………」
コツ………
足音だ。
コツ……
コツ………
コツ……
コツ…………
足音だ。
コツ……
コツ………
コツ……
コツ…………
階段から誰かが上がってくる音。
只の足音がこんなにも恐ろしく響くのだろうか?
きっとこの足音の主は………
「やぁ、そこのお兄さん、何処へ行くんだい?」
人の良さそうな笑みを浮かべた大学生くらいの男、足音の主が階段から現れた。
只の足音がこんなにも恐ろしく響くのだろうか?
きっとこの足音の主は………
「やぁ、そこのお兄さん、何処へ行くんだい?」
人の良さそうな笑みを浮かべた大学生くらいの男、足音の主が階段から現れた。
黒縁の眼鏡に臙脂色のYシャツ―――――返り血が目立たないからだろう――を着た優しげな瞳をした男だ。
身長はかなり高い。
始めて出会った人間なら
コンビニの募金箱におつりを毎回入れたり
地域のボランティア活動に積極的に参加したり
老人を負ぶって横断歩道を渡ったり
そういうことを平気でするようなどこにでもいる心優しい人間なのだろう、と思ってしまうような顔。
しかし今は違う。
彼は“荷物”を持って現れていた。
「美作……!」
優しく、悪魔のように笑う男は、美作と呼ばれていた人間の身体の一部を持っていた。
「ほう、彼は美作くんというのかい?
じゃあコレ、友人の君に返しておくよ。」
ブンッ!
ハーメルンの笛吹き、上田明也は荷物―――――美作邦宏だったものを投げつけた。
「美作っ!!お前一体何者だ!」
美作邦宏だった物を真はゆさぶるが……当然返事はない。
身長はかなり高い。
始めて出会った人間なら
コンビニの募金箱におつりを毎回入れたり
地域のボランティア活動に積極的に参加したり
老人を負ぶって横断歩道を渡ったり
そういうことを平気でするようなどこにでもいる心優しい人間なのだろう、と思ってしまうような顔。
しかし今は違う。
彼は“荷物”を持って現れていた。
「美作……!」
優しく、悪魔のように笑う男は、美作と呼ばれていた人間の身体の一部を持っていた。
「ほう、彼は美作くんというのかい?
じゃあコレ、友人の君に返しておくよ。」
ブンッ!
ハーメルンの笛吹き、上田明也は荷物―――――美作邦宏だったものを投げつけた。
「美作っ!!お前一体何者だ!」
美作邦宏だった物を真はゆさぶるが……当然返事はない。
「他人が誰か聞くときは自分が名乗るのが礼儀だが……。
あえて自己紹介するなら、ラスボスかな?」
戯けたように答えて、嘲るように笑う。
そこに居るのは人間などではなくもっとおぞましいものだ。
これを決して人間と呼んではいけない。
「ラスボスってのは君にとってのね、ここでゲームオーバーなんだからラストだろう?」
低く響く声は鼓膜を侵食する。
「マスター!一階は全員終わりました。」
一階からまだ中学生にもなっていないような金髪の子供が走って来た。
「ご苦労様、あとはこいつだけだよ。」
「新手の契約者ですか?」
こちらに向けて身構える子供。
当人は一生懸命なのだろうが状況にそぐわない姿の為かちぐはぐな印象だ。
「逃げるよ、真ッッ!子供の方が都市伝説だ!」
電子レンジの声が部屋から響く。
それと同時に彼は走り出した。
あえて自己紹介するなら、ラスボスかな?」
戯けたように答えて、嘲るように笑う。
そこに居るのは人間などではなくもっとおぞましいものだ。
これを決して人間と呼んではいけない。
「ラスボスってのは君にとってのね、ここでゲームオーバーなんだからラストだろう?」
低く響く声は鼓膜を侵食する。
「マスター!一階は全員終わりました。」
一階からまだ中学生にもなっていないような金髪の子供が走って来た。
「ご苦労様、あとはこいつだけだよ。」
「新手の契約者ですか?」
こちらに向けて身構える子供。
当人は一生懸命なのだろうが状況にそぐわない姿の為かちぐはぐな印象だ。
「逃げるよ、真ッッ!子供の方が都市伝説だ!」
電子レンジの声が部屋から響く。
それと同時に彼は走り出した。
「逃がさないぜ!新手の契約者!その能力だけでも見せて貰おう!」
大量のネズミが真の行く手を阻む。
仕方があるまい、そうおもいながら真は再び能力を使った。
大量のネズミが真の行く手を阻む。
仕方があるまい、そうおもいながら真は再び能力を使った。
――――――チンッ!
音が鳴り響いた次の瞬間にはネズミが動きを止める。
「ほう、面白い能力だ。」
「マスター!逃げられますよ!」
真の後ろから声が響く。
「構わないよ。」
あくまで余裕を崩す気は無いらしい。
声からそういう雰囲気が漂っていた。
BANG!BANG!
響く銃声。
真の足に二つの穴が空く。
「別に都市伝説だけが戦闘の道具というわけでもあるまい。」
コツ、コツ、コツ、足音が響く。
物凄い勢いで血液が流れていく。
真の倒れている辺りはまるで血の海だ。
「一人くらい生きて帰さないと都市伝説にならないから……、こいつにしようと思ってたけどやりすぎたかな?」
「く………。」
じわりじわりと明日との距離を詰める上田明也、ハーメルンの笛吹きの契約者。
悪魔のように唇をつり上げている。
「む……、この出血だと助からないよなあ……。」
嬉しそうに楽しそうに朝日を見下ろしている。
「くっそ………!」
明日真は、今、人生で始めて死という物を身近に感じていた。
明日真はしがない高校生だ。
どこにでも居てどこにでも居ない普通の高校生。
明日真は死んでも良いかと思っていた。
どうせ自分の両親は自分が死んでも悲しまない。
まあ……、良いか。とかれは考えて居た。
だがしかし、彼はこんな所で死にはしない。
「ほう、面白い能力だ。」
「マスター!逃げられますよ!」
真の後ろから声が響く。
「構わないよ。」
あくまで余裕を崩す気は無いらしい。
声からそういう雰囲気が漂っていた。
BANG!BANG!
響く銃声。
真の足に二つの穴が空く。
「別に都市伝説だけが戦闘の道具というわけでもあるまい。」
コツ、コツ、コツ、足音が響く。
物凄い勢いで血液が流れていく。
真の倒れている辺りはまるで血の海だ。
「一人くらい生きて帰さないと都市伝説にならないから……、こいつにしようと思ってたけどやりすぎたかな?」
「く………。」
じわりじわりと明日との距離を詰める上田明也、ハーメルンの笛吹きの契約者。
悪魔のように唇をつり上げている。
「む……、この出血だと助からないよなあ……。」
嬉しそうに楽しそうに朝日を見下ろしている。
「くっそ………!」
明日真は、今、人生で始めて死という物を身近に感じていた。
明日真はしがない高校生だ。
どこにでも居てどこにでも居ない普通の高校生。
明日真は死んでも良いかと思っていた。
どうせ自分の両親は自分が死んでも悲しまない。
まあ……、良いか。とかれは考えて居た。
だがしかし、彼はこんな所で死にはしない。
「ちょおっと待ったァ!」
「キャッ!」
ドスン!
ハーメルンの笛吹きが殴り飛ばされる。
そして殴り飛ばされたハーメルンの笛吹きが上田明也に直撃する。
「私の契約者は殺させないさっ!」
そこには朝日と同じくらいの年の少女が立っていた。
「ちっくしょ……、意志を持つ都市伝説だったのか!?」
「その通りだハーメルンの笛吹き!あんたが誰を殺そうがそれはあんたの勝手!
しかしこの男の子だけはやらせないよっ!」
少女は明日の前に立って彼を庇う。
艶のあって黒くて長い髪―――――電線みたいだ――――が揺れる。
「まさか……電子レンジ!?」
明日は驚いて声を上げた。
先程までの喋る電子レンジが今度は人間の姿で彼の前に現れたのだ。
「さぁっ!今度こそ逃げるよ!私の身体も大分オンボロなんだ!」
「逃しません!」
「待て!」
ハーメルンの笛吹きのタッグが立ち上がる。
しかし電子レンジは不敵に笑う。
「甘いね、――――――chin!」
チン、と電子レンジが呟くと先程殴り飛ばしたハーメルンの笛吹きの身体からジュー!という音が響く。
だが相手の様子をうかがう前に電子レンジの彼女は真の手を引っ張って走り出した。
「あっつ!」
拳銃を構えた男が銃を取り落とす。
電子レンジの二人はその隙をついて階段から逃げ出した。
「キャッ!」
ドスン!
ハーメルンの笛吹きが殴り飛ばされる。
そして殴り飛ばされたハーメルンの笛吹きが上田明也に直撃する。
「私の契約者は殺させないさっ!」
そこには朝日と同じくらいの年の少女が立っていた。
「ちっくしょ……、意志を持つ都市伝説だったのか!?」
「その通りだハーメルンの笛吹き!あんたが誰を殺そうがそれはあんたの勝手!
しかしこの男の子だけはやらせないよっ!」
少女は明日の前に立って彼を庇う。
艶のあって黒くて長い髪―――――電線みたいだ――――が揺れる。
「まさか……電子レンジ!?」
明日は驚いて声を上げた。
先程までの喋る電子レンジが今度は人間の姿で彼の前に現れたのだ。
「さぁっ!今度こそ逃げるよ!私の身体も大分オンボロなんだ!」
「逃しません!」
「待て!」
ハーメルンの笛吹きのタッグが立ち上がる。
しかし電子レンジは不敵に笑う。
「甘いね、――――――chin!」
チン、と電子レンジが呟くと先程殴り飛ばしたハーメルンの笛吹きの身体からジュー!という音が響く。
だが相手の様子をうかがう前に電子レンジの彼女は真の手を引っ張って走り出した。
「あっつ!」
拳銃を構えた男が銃を取り落とす。
電子レンジの二人はその隙をついて階段から逃げ出した。
一階は酷い有様だった。
あるものは殺し合い、あるものはネズミに食われ、またあるものは胴体ごと真っ二つにされている。
これがたった一人の人間によって行われたのだろうか?明日は口がふさがらなかった。
「さっきの男……、ラスボスを名乗ってた巫山戯た男。
もう一つ都市伝説を持っていたみたいだね。」
「もう一つ?」
「ハーメルンの笛吹きに人間の胴体を綺麗に二つに出来る力はない。
おそらく二つの都市伝説と契約している。
逃げておいて正解だったよ。」
「そう、………なのか?」
「多分ね、とにかく今は店から出よう!あいつが追ってくる!」
あるものは殺し合い、あるものはネズミに食われ、またあるものは胴体ごと真っ二つにされている。
これがたった一人の人間によって行われたのだろうか?明日は口がふさがらなかった。
「さっきの男……、ラスボスを名乗ってた巫山戯た男。
もう一つ都市伝説を持っていたみたいだね。」
「もう一つ?」
「ハーメルンの笛吹きに人間の胴体を綺麗に二つに出来る力はない。
おそらく二つの都市伝説と契約している。
逃げておいて正解だったよ。」
「そう、………なのか?」
「多分ね、とにかく今は店から出よう!あいつが追ってくる!」
二人は店を出ると走った。
とにかく明日の家まで、出来る限り速く。
トン!
「あ、ごめんねお兄さん!」
「おお、気をつけろよ。」
途中で黒服の男が歩いてきており、それに偶然電子レンジがぶつかる。
男はクラブの方向に歩いて行っていた。
しかし彼らはその男のことなど気にせずに走り続ける。
息が切れてもう走れなくなる頃には彼らは明日の家に着いていた。
「ハァ……、ハァ……。着いたか。」
「ここまで来ればもう追ってこないでしょう?」
「ああ、今日はありがとうよ……。」
「ところで、手を離してくれると嬉しいんだけど……。」
「あ、ご、ごめん………。」
やたら恥ずかしがる明日。
電子レンジはそんな明日を見て首をかしげる。
「妙に女の子が苦手みたいだね、もしかして……」
「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」
流れる気まずい空気。
「わ、私戻るから!それじゃあ後は頼んだっ!
お休みっ!良い夜を!」
そう言うと彼女は煙のように消えた。
あとにはクラブに置いてあった壊れかけの電子レンジが残っていた。
「………仕方ない。」
明日真は壊れた電子レンジを家の中に運び、そのままベッドに倒れ込んだ。
「ハーメルンの笛吹き……、巫山戯た野郎だ。
今度会ったら絶対、みんなの仇をとってやる……!」
それだけ呟くと、明日真はぱたりと倒れてぐっすり眠ってしまった。
翌日、ベッドの中に人間状態の電子レンジが居てちょっとしたパニックになったのはまたべつのお話である。
【電磁人の韻律詩~1号~ fin】
とにかく明日の家まで、出来る限り速く。
トン!
「あ、ごめんねお兄さん!」
「おお、気をつけろよ。」
途中で黒服の男が歩いてきており、それに偶然電子レンジがぶつかる。
男はクラブの方向に歩いて行っていた。
しかし彼らはその男のことなど気にせずに走り続ける。
息が切れてもう走れなくなる頃には彼らは明日の家に着いていた。
「ハァ……、ハァ……。着いたか。」
「ここまで来ればもう追ってこないでしょう?」
「ああ、今日はありがとうよ……。」
「ところで、手を離してくれると嬉しいんだけど……。」
「あ、ご、ごめん………。」
やたら恥ずかしがる明日。
電子レンジはそんな明日を見て首をかしげる。
「妙に女の子が苦手みたいだね、もしかして……」
「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」
流れる気まずい空気。
「わ、私戻るから!それじゃあ後は頼んだっ!
お休みっ!良い夜を!」
そう言うと彼女は煙のように消えた。
あとにはクラブに置いてあった壊れかけの電子レンジが残っていた。
「………仕方ない。」
明日真は壊れた電子レンジを家の中に運び、そのままベッドに倒れ込んだ。
「ハーメルンの笛吹き……、巫山戯た野郎だ。
今度会ったら絶対、みんなの仇をとってやる……!」
それだけ呟くと、明日真はぱたりと倒れてぐっすり眠ってしまった。
翌日、ベッドの中に人間状態の電子レンジが居てちょっとしたパニックになったのはまたべつのお話である。
【電磁人の韻律詩~1号~ fin】