「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-30j

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匿名ユーザー

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○月×日 23:00 東区


 ずるずるずるずるずるずるずる
 黒いスーツを身に纏った少女が、青年を引きずっている
 青年は、首元に何かに噛み付かれた痕があり、顔色が血の気を失せて悪いが…まぁ、生きているようである
 ずるずるずるずるずるずるずるずる
 自分よりも身長の高いその青年を、少女は軽々、引きずっている

「まったく、H-360め。話している途中だったというのに、通話を切るとは何事じゃ」

 ぶちぶち、文句を言いながら歩く少女
 彼女の立場であれば、青年の回収は部下に任せることも可能だったのだが、あえて彼女は自分で青年を回収していた
 久々の外なのだ
 もう少し、外の空気を味わってもバチは当たるまい

「…じゃが……生きていてくれたなら、良かった」

 ほっとしたように、少女は笑みを浮かべる


 …Hナンバーの生き残り
 それは最早、H-96とH-360しか存在しない
 いや、厳密に言えばH-1がまだ生きていて、こうやって存在している訳だが…彼女の罪の証である、H-11以降のナンバーを背負わされた者の生き残りは、あの二人だけだ
 別々の実験の被害者二人
 あの二人がつながりを持ち、生き延びてくれている
 …その事実に、彼女はかすかに安堵する

 今回の事で、自分の罪が軽くなるとは、思っていない
 自分の罪は重すぎる
 己の身勝手な願いで、あそこまでの事をしてしまったのだ
 あの二人を一度助けただけで…その罪が、軽くなるはずもない

 だが、それでも
 …彼女は、たった二人の生き残りを助けたいと、そう願うのだ
 それが、彼女の罪の償いであり、そして…

「…さて、H-360は………いつ、妾の願いを、叶えてくれるかのぅ……」

 …彼との
 H-360との……取引の条件であり、彼女を縛る束縛なのだ



to be … ?





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