○月×日 23:00 東区
ずるずるずるずるずるずるずる
黒いスーツを身に纏った少女が、青年を引きずっている
青年は、首元に何かに噛み付かれた痕があり、顔色が血の気を失せて悪いが…まぁ、生きているようである
ずるずるずるずるずるずるずるずる
自分よりも身長の高いその青年を、少女は軽々、引きずっている
黒いスーツを身に纏った少女が、青年を引きずっている
青年は、首元に何かに噛み付かれた痕があり、顔色が血の気を失せて悪いが…まぁ、生きているようである
ずるずるずるずるずるずるずるずる
自分よりも身長の高いその青年を、少女は軽々、引きずっている
「まったく、H-360め。話している途中だったというのに、通話を切るとは何事じゃ」
ぶちぶち、文句を言いながら歩く少女
彼女の立場であれば、青年の回収は部下に任せることも可能だったのだが、あえて彼女は自分で青年を回収していた
久々の外なのだ
もう少し、外の空気を味わってもバチは当たるまい
彼女の立場であれば、青年の回収は部下に任せることも可能だったのだが、あえて彼女は自分で青年を回収していた
久々の外なのだ
もう少し、外の空気を味わってもバチは当たるまい
「…じゃが……生きていてくれたなら、良かった」
ほっとしたように、少女は笑みを浮かべる
…Hナンバーの生き残り
それは最早、H-96とH-360しか存在しない
いや、厳密に言えばH-1がまだ生きていて、こうやって存在している訳だが…彼女の罪の証である、H-11以降のナンバーを背負わされた者の生き残りは、あの二人だけだ
別々の実験の被害者二人
あの二人がつながりを持ち、生き延びてくれている
…その事実に、彼女はかすかに安堵する
それは最早、H-96とH-360しか存在しない
いや、厳密に言えばH-1がまだ生きていて、こうやって存在している訳だが…彼女の罪の証である、H-11以降のナンバーを背負わされた者の生き残りは、あの二人だけだ
別々の実験の被害者二人
あの二人がつながりを持ち、生き延びてくれている
…その事実に、彼女はかすかに安堵する
今回の事で、自分の罪が軽くなるとは、思っていない
自分の罪は重すぎる
己の身勝手な願いで、あそこまでの事をしてしまったのだ
あの二人を一度助けただけで…その罪が、軽くなるはずもない
自分の罪は重すぎる
己の身勝手な願いで、あそこまでの事をしてしまったのだ
あの二人を一度助けただけで…その罪が、軽くなるはずもない
だが、それでも
…彼女は、たった二人の生き残りを助けたいと、そう願うのだ
それが、彼女の罪の償いであり、そして…
…彼女は、たった二人の生き残りを助けたいと、そう願うのだ
それが、彼女の罪の償いであり、そして…
「…さて、H-360は………いつ、妾の願いを、叶えてくれるかのぅ……」
…彼との
H-360との……取引の条件であり、彼女を縛る束縛なのだ
H-360との……取引の条件であり、彼女を縛る束縛なのだ
to be … ?