「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-23

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ドクター 23


22:30頃

「はーいもしもし、『壁に耳あり』っす……は? マッドガッサー死んだ? いやまだ生きて……あーあー、アメリカの方ですか」
学校から離れたビルの屋上で、携帯電話を片手に『MI6』特製の超望遠双眼鏡を覗き込む『壁に耳あり』の契約者
「死因わかります? はー、呪殺。こっちのマッドガッサーにはあんま影響無いようですね。つーかそっち死んだなら俺帰っちゃダメですか? ダメですか」
電話の向こうに聞こえるように溜息を吐く
「こっちのマッドガッサーはぶっちゃけそんな害悪じゃないと思いますがね。今やらかしてる事を阻止して仲間の安全が保証されれば大人しくなると思いますよ、俺の『聞き込み』から判断して」
情報収集の段階で、断片的にではあるがマッドガッサー達の仲間意識の強さは文字通り耳にしている
仲間内で好意を向け合っており、マッドガッサーに至ってはほぼ恋人関係である契約者までいる様子
余談だが、教会には『耳』の他にこっそりと普通の盗聴器も仕込んであり、二人が契約の折の様子などを私的に録音していたりもした
それはともかくとして、今回の行動を阻止した上で、マッドガッサーを恨む攻撃的な面々と上手く交渉して安全な生活環境さえ与えられれば、案外あっさりと大人しくなりそうだと彼は判断しているのだ
「『教会』の連中と掛け合って『免罪符』の契約者とか寄越してもらえません? やっぱ無理? まあ、あいつら頭硬いもんなぁ……自分達も契約者抱えてる癖に異端は焼却だーみたいな連中ばっかりだしなぁ」
色々と根回しや交渉に使えそうなコネを頭の中で検索してみるが、あまりこれといったものは浮かばない
「俺じゃあぶっちゃけ役者不足だし……ジェームズの旦那も忙しいしなぁ。あんまり干渉できそうにないが、良いネタ浮かんだら連絡くれ。それじゃ」
ぴ、と携帯電話の通話を切り
「お話は終わりかね?」
背後から掛けられた声に、振り返りもせずに両手を上げる
「判断が早くて何よりだ。こちらも弾丸を無駄にせずに済んだよ」
拳銃を構えて立つ数名の黒服
その後ろにはリーダーなのか一人だけロングコートで目深に帽子を被り顔を見せない男が無言で立っている
「いや俺マジで諜報専門だしジェームズの旦那みたく秘密兵器の類も使えないから勘弁してもらえません?」
「我々は君に協力してもらいたくてね」
「銃向けながら協力とか言われてもなぁ」
「交渉は優位に立ってからするものではないかね?」
「うわー、正論」
「我々は君達とは別にアメリカのマッドガッサーを追っていてね。奴が死んだ今、片割れであるあのマッドガッサーの身柄を確保したいのだよ」
黒服の言葉に、『壁に耳あり』の契約者は首を傾げる
「いや、すりゃいいじゃないですか。俺より絶対強いでしょうあなた達」
「捕らえたいのでね。殺してしまっては意味がないのだよ」
よく喋る黒服の後ろで、もう一人の黒服がノートパソコンを開く
ビデオチャットでモニタに映る人物が、ゆっくりと口を開いた
その音が、自分の名前を呼んだ、そう認識し慌てて耳を塞ごうとしたが
《君がこの国を訪れたのは――我々の陰謀なのだよ》
そんな事実は無い、が
《君が隠している能力を使いマッドガッサーを捕獲し我々に捧げるのは》
一瞬で記憶が歪み、ありもしない命令が脳に刻み込まれていく
《そう、アメリカ政府の陰謀なのだよ》

「……あれ、俺何してたんだっけ」
ぼんやりとしていた思考を一つ一つ確認し、やるべき事を思い出す
「そうだそうだ、監視続けなきゃな。死なれたり他の組織に捕まったりしちゃあまずいんだっけ」
『壁に耳あり』の契約者は双眼鏡を手にし屋上にいるマッドガッサーの監視を再開する
「接触した事があるのは旧友のあいつだけだからな。上手い事マッドガッサーのところに辿り着いてくれれば」

ザクロの背中で意識を失っているバイトちゃんの喉の奥で、何か小さなものが蠢いた
それは小さな指
喉から生えようとしているその小さな指は、『壁に耳あり』の契約者が持つもう一つの能力
直接触れた事がある人間を媒介に、目的のものを掴み自らの元へ転送させる『喉から手が出る』という能力だった


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