ぶっちゃけて、言おう
この手の相手は戦いにくい!!
この手の相手は戦いにくい!!
「花子さん、後ろっ!?」
「みゅ!?」
「みゅ!?」
白い、壁
その一点に現れる、黒い染み
慌てて花子さんはそこから離れ、俺に抱きついてきた
…染みは、すぐに消えて見えなくなる
その一点に現れる、黒い染み
慌てて花子さんはそこから離れ、俺に抱きついてきた
…染みは、すぐに消えて見えなくなる
「まいったな…」
「みー…」
「みー…」
花子さんも、困っている様子だ
…今回、俺たちが戦っている、都市伝説
それは、「白い壁の穴」
白い壁に、一点、現れる黒い染み
その穴は異次元に繋がっている
うかつに近づいたり触れたりすると吸い込まれる…そんな、都市伝説だ
無差別に人を吸い込む危険な都市伝説である
しかも、吸い込まれた人間は、どうなるかわからない
本当、危険極まりない都市伝説だ
…今回、俺たちが戦っている、都市伝説
それは、「白い壁の穴」
白い壁に、一点、現れる黒い染み
その穴は異次元に繋がっている
うかつに近づいたり触れたりすると吸い込まれる…そんな、都市伝説だ
無差別に人を吸い込む危険な都市伝説である
しかも、吸い込まれた人間は、どうなるかわからない
本当、危険極まりない都市伝説だ
だが…これと戦う、となると
どうやって戦えというんだ、これ!?
壁に黒い染みが浮かび上がり、こちらを吸い込もうとしてくる
どうやら、一定距離近づくと吸い込まれてしまうようだ
なるべく、壁に近づかないように
しかし、ある程度近づかないと、あちらも出現しない
…ってか、どうやって倒せって言うんじゃゴルァ!!
穴だぞ!?
本体、あの穴だぞ!?
どうしろと!?
どうやって攻撃しろと!?
どうやって戦えというんだ、これ!?
壁に黒い染みが浮かび上がり、こちらを吸い込もうとしてくる
どうやら、一定距離近づくと吸い込まれてしまうようだ
なるべく、壁に近づかないように
しかし、ある程度近づかないと、あちらも出現しない
…ってか、どうやって倒せって言うんじゃゴルァ!!
穴だぞ!?
本体、あの穴だぞ!?
どうしろと!?
どうやって攻撃しろと!?
「けーやくしゃ、あの穴に向かって攻撃したら、効くかな?」
「うん?……どうだろうな」
「うん?……どうだろうな」
うむむ
…確かに、先ほどからこちらは避けてばかり
何とか、攻撃しなければならないのだ
駄目元で、攻撃すべきか?
…確かに、先ほどからこちらは避けてばかり
何とか、攻撃しなければならないのだ
駄目元で、攻撃すべきか?
「花子さん、確か、職員女子トイレは、壁が白かったよな?」
「うん」
「うん」
こくり、頷く花子さん
よし…そこで、勝負に出るしかないか
よし…そこで、勝負に出るしかないか
「走るぞ!」
「うん!」
「うん!」
花子さんの手を引いて、俺は走り出す
何せこの学校、全体的に白い壁が多い
相手のテリトリーが多すぎるのだ
ならば、こちらも有利なテリトリーに入り込み、相手を誘うしかない
職員用女子トイレに、俺たちは入り込んだ
…うん、この真夜中なら、他に人いないしな!!
人目がある時なんて入れる訳ねぇよ畜生
中学生の頃からそれは思っていたけど、高校生になったら尚更だっ!
あの不良教師も、白い壁の穴がいつ襲ってきてもいいように、準備しているとは思うが…狙われたのは、こちら
ならば、こちらが迎え撃つまでだ
何せこの学校、全体的に白い壁が多い
相手のテリトリーが多すぎるのだ
ならば、こちらも有利なテリトリーに入り込み、相手を誘うしかない
職員用女子トイレに、俺たちは入り込んだ
…うん、この真夜中なら、他に人いないしな!!
人目がある時なんて入れる訳ねぇよ畜生
中学生の頃からそれは思っていたけど、高校生になったら尚更だっ!
あの不良教師も、白い壁の穴がいつ襲ってきてもいいように、準備しているとは思うが…狙われたのは、こちら
ならば、こちらが迎え撃つまでだ
「…来たぞ」
…ぼぅっ、と
白いトイレの壁に浮かぶ、一点の、染み
ず、ずず…と
それが、大きくなっていく
…あちらも、勝負を仕掛けるつもりか!
白いトイレの壁に浮かぶ、一点の、染み
ず、ずず…と
それが、大きくなっていく
…あちらも、勝負を仕掛けるつもりか!
「花子さんっ!」
「うん!」
「うん!」
ばんっ
ばんっばんっばんっばんっばんっばんっ!!
一斉に、トイレ中の扉が、開く
ごぽぽぽぽぽぽぽぽぽ…っ
そして、全てのトイレから、一斉に水が溢れ出した
それは激流となり、白い壁に浮かび上がり、人一人を飲み込みそうなほどの大きさになった染みに、襲い掛かる!
ずぼぼぼ…と
黒い染みは、花子さんが生み出した激流を、飲み込んでいく
ばんっばんっばんっばんっばんっばんっ!!
一斉に、トイレ中の扉が、開く
ごぽぽぽぽぽぽぽぽぽ…っ
そして、全てのトイレから、一斉に水が溢れ出した
それは激流となり、白い壁に浮かび上がり、人一人を飲み込みそうなほどの大きさになった染みに、襲い掛かる!
ずぼぼぼ…と
黒い染みは、花子さんが生み出した激流を、飲み込んでいく
「花子さん、とにかく、攻撃し続けてみてくれ」
「うん、頑張る!」
「うん、頑張る!」
じゃぼぼぼぼぼぼぼぼ
水は、際限なく溢れ出す
それを、黒い染みはどんどんと飲み込み続けていっている
…どうだ?
通用するか!?
水は、際限なく溢れ出す
それを、黒い染みはどんどんと飲み込み続けていっている
…どうだ?
通用するか!?
一応、あちらはあれ以上、大きくなる事はないようだ
こちらを引き寄せようと…しているらしいが、花子さんが生み出す激流に阻まれ、こちらを攻撃できないでいる
がぼがぼがぼがぼがぼがぼがぼ
そのまま、水を飲み込み続けている
…もしかして
何かを飲み込んでいる最中は、移動できないのか?
俺が、それに気付いたその時…
こちらを引き寄せようと…しているらしいが、花子さんが生み出す激流に阻まれ、こちらを攻撃できないでいる
がぼがぼがぼがぼがぼがぼがぼ
そのまま、水を飲み込み続けている
…もしかして
何かを飲み込んでいる最中は、移動できないのか?
俺が、それに気付いたその時…
…がぼっ
ごぼぼぼぼっ!?
ごぼぼぼぼっ!?
「お?」
「あ、逆流してるの」
「あ、逆流してるの」
ごぼっ!!
がぼごぼっ!!
飲み込む限界を、超えてしまったのだろうか
黒い染みから、水が逆流し始めた
ゆらりっ
黒い染みが、揺らぐ
ごぼぼぼぼ………っ
飲み込みきれない水を、吐き出して
…しゅぅ、と
まるで、最初から何もなかったかのように、黒い染みは…消えた
がぼごぼっ!!
飲み込む限界を、超えてしまったのだろうか
黒い染みから、水が逆流し始めた
ゆらりっ
黒い染みが、揺らぐ
ごぼぼぼぼ………っ
飲み込みきれない水を、吐き出して
…しゅぅ、と
まるで、最初から何もなかったかのように、黒い染みは…消えた
「先生ー、そっちに何か出たか?」
『いや出てないな。やったか?』
「多分」
『いや出てないな。やったか?』
「多分」
消えた、黒い染み
黒い染みが現れていた壁は、ぐっしょりと濡れてしまっているだけで…他に、異常はない
ぺとぺとと花子さんが触れているが、問題はなさそうだ
どうやら、俺たちは勝ったらしい
黒い染みが現れていた壁は、ぐっしょりと濡れてしまっているだけで…他に、異常はない
ぺとぺとと花子さんが触れているが、問題はなさそうだ
どうやら、俺たちは勝ったらしい
「やったね、けーやくしゃ!」
ぺとしっ
嬉しそうに飛びついてくる花子さん
よしよし、と俺は花子さんの頭を撫でてやった
嬉しそうに飛びついてくる花子さん
よしよし、と俺は花子さんの頭を撫でてやった
「さて、今日はこれで終わりだな」
「そうだね………み?」
「そうだね………み?」
…ん?
花子さんが、きょろきょろしだす
………?
どうしたんだ?
まさか、まだ白い壁の穴が、生きているのか?
花子さんが、きょろきょろしだす
………?
どうしたんだ?
まさか、まだ白い壁の穴が、生きているのか?
「あのね、あのね、けーやくしゃ。別の都市伝説の気配がするの」
「別の都市伝説?」
「うん」
「別の都市伝説?」
「うん」
こっくり、花子さんは頷いてきた
…新手か?
まったく、一夜に二体も出るなんて、面倒な
…新手か?
まったく、一夜に二体も出るなんて、面倒な
「ん~…でも、あれ?」
「どうした?」
「…私の知り合いかも」
「どうした?」
「…私の知り合いかも」
ん?
花子さんの、知り合い?
花子さんの、知り合い?
「体育館横のトイレに向かってるみたい。行ってみる?」
「…だな、一応、念のため」
「…だな、一応、念のため」
わかった、と頷いて、花子さんはてちてちと、奥から三番目のトイレに向かった
そこから、一気に移動するつもりなのだろう
俺も、体育館横のトイレに向かうべく、職員トイレを後にするのだった
そこから、一気に移動するつもりなのだろう
俺も、体育館横のトイレに向かうべく、職員トイレを後にするのだった