「結局、目ぼしい物は写りませんでしたよ。」
少女は不機嫌そうに、机の向かいに座って薄く微笑んでいる相手に先日の報告をしている。
少女は不機嫌そうに、机の向かいに座って薄く微笑んでいる相手に先日の報告をしている。
その2 暴君の記念撮影
ここは学校町の西区にある工業高校。
本校舎から若干離れた位置にある機械科棟、その第6実習室に、我が写真部の部室は設けられている。
部活の名は冠しているが、活動内容は自由で、各々が撮りたいように撮った写真を見せ合って楽しんでいる、ずいぶんゆるい部である。
部室は建物の最上階の一番端にあり、やたらと狭いためここが授業で使われることは滅多にない。
それをいいことに部員の私物が置かれ、半ばたまり場になっている。
本校舎から若干離れた位置にある機械科棟、その第6実習室に、我が写真部の部室は設けられている。
部活の名は冠しているが、活動内容は自由で、各々が撮りたいように撮った写真を見せ合って楽しんでいる、ずいぶんゆるい部である。
部室は建物の最上階の一番端にあり、やたらと狭いためここが授業で使われることは滅多にない。
それをいいことに部員の私物が置かれ、半ばたまり場になっている。
今部室には2人しかいないが、週一の会議以外集まる決まりもなく皆来たいときに来ているだけなので特に問題はない。
「元々乗り気じゃ無いのに来てみたら私一人で、にもかかわらず写真撮って来いって!一人寂しく写真を撮る私は廃墟マニアですか!?何より赤いおっさんに襲われるし!ほんと死ぬところだったんですからねって聞いてんですか部長!」
部長と呼ばれた相手は、くすりと笑って
「ああすまない、君が一人寂しく廃墟を撮っているところを想像してしまってね。まあ、君の"噂をすれば影"の能力があればもし何かあっても大丈夫だろうと思っていたし、実際その通りだったじゃないか。」
と、さらりと無責任な返事をした。
ああもうこの人は。私は頭を抱える。
「元々乗り気じゃ無いのに来てみたら私一人で、にもかかわらず写真撮って来いって!一人寂しく写真を撮る私は廃墟マニアですか!?何より赤いおっさんに襲われるし!ほんと死ぬところだったんですからねって聞いてんですか部長!」
部長と呼ばれた相手は、くすりと笑って
「ああすまない、君が一人寂しく廃墟を撮っているところを想像してしまってね。まあ、君の"噂をすれば影"の能力があればもし何かあっても大丈夫だろうと思っていたし、実際その通りだったじゃないか。」
と、さらりと無責任な返事をした。
ああもうこの人は。私は頭を抱える。
私の目の前にいてさも楽しそうにしているのは、我が写真部の部長である。
因みに私は一応副部長だ。
彼女は、所謂美人だ。
緩くウェーブのかかった髪や灰色がかった目、整った顔立ちがミステリアスな魅力を感じさせている。
そのおかげで彼女のクラスのみならず、他の科や学年の男子の人気も高いようだ。
が、しかしその本性は傍若無人ないたずら大好きのドSである。
私は副部長の立場のせいか、しょっちゅう彼女の思い付きに振り回されてはひどい目に遭っている。
更に悪いことに、彼女は"都市伝説"と契約している。
私が彼女に逆らえない理由である。
因みに私は一応副部長だ。
彼女は、所謂美人だ。
緩くウェーブのかかった髪や灰色がかった目、整った顔立ちがミステリアスな魅力を感じさせている。
そのおかげで彼女のクラスのみならず、他の科や学年の男子の人気も高いようだ。
が、しかしその本性は傍若無人ないたずら大好きのドSである。
私は副部長の立場のせいか、しょっちゅう彼女の思い付きに振り回されてはひどい目に遭っている。
更に悪いことに、彼女は"都市伝説"と契約している。
私が彼女に逆らえない理由である。
「他人事だと思って....。第一、私の能力は一人じゃほとんど使い物にならないんですってば。」
「まあなんとかなったんだし良いじゃないか。それに全くの収穫無しって訳でも無いようだ。」
「まあなんとかなったんだし良いじゃないか。それに全くの収穫無しって訳でも無いようだ。」
と、部長は後ろの棚からポラロイドカメラを出しながら、私の後ろを指差した。
「?って、げぇっ!」
「?って、げぇっ!」
少女の後ろには、痩せた中年男の霊が、恨めしそうに立っていた。
「うん。"心霊スポットに行くと霊を連れて帰ってくる"って都市伝説かな。君は霊感が強い方だったな。」
「うわぁ、通りでここ3日体が重たかったわけだ。」
部長は幽霊に向かってカメラを構える。
「まあ行かせたのは私だし、取り憑いてずっと君の機嫌が悪いままなのも面倒だから、はがしておこうか。」
「え、ちょっと待って、私ごと撮r
カシャッ
ドサ
「うわぁ、通りでここ3日体が重たかったわけだ。」
部長は幽霊に向かってカメラを構える。
「まあ行かせたのは私だし、取り憑いてずっと君の機嫌が悪いままなのも面倒だから、はがしておこうか。」
「え、ちょっと待って、私ごと撮r
カシャッ
ドサ
シャッターを押した瞬間、幽霊の姿が消えた。
同時に急に魂が抜けたかのように少女は気を失った。
同時に急に魂が抜けたかのように少女は気を失った。
ポラロイドカメラから出てきた写真には、中年の幽霊と少女が写っている。
部長はハサミで写真の少女と幽霊を切り離した。
少女の写真を、気を失った少女の上にそっと置くと、血の気の引いた顔に赤みが差し、少女は目を覚ました。
部長はハサミで写真の少女と幽霊を切り離した。
少女の写真を、気を失った少女の上にそっと置くと、血の気の引いた顔に赤みが差し、少女は目を覚ました。
「これで大丈夫だ、心霊写真とは少し違うが、面白いものが撮れた。お疲れ様と言っておこう。」
「そうホイホイと人の魂を抜かないで下さい。絶対体に悪いですって。あーもう二度と部長の召集には応じませんからね。」
「そうか、仕方ないな......。ではまた次もよろしく。」
「そうホイホイと人の魂を抜かないで下さい。絶対体に悪いですって。あーもう二度と部長の召集には応じませんからね。」
「そうか、仕方ないな......。ではまた次もよろしく。」
にっこりと笑う部長を見て、ああ私はいつこの人から解放されるんだろう、と途方に暮れる少女だった。
fin