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連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-極秘資料-2

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 ---そう、難しくない仕事のはずだった
 行方不明になっていた実験体の捜索
 見つけたそれを捕縛するだけでいい
 たったそれだけの仕事のはずだった
 ターゲットの居場所を特定し、仕事はすぐに終わるはずだった


 ーーーーーーーなのに、この状況は、何だ?


「あぁ、畜生。畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生」

 ガタガタと、みっともなく体が震えている
 どうしようもない恐怖に支配される
 傍らには、絶命した仲間の腕が落ちていた
 引きちぎられた腕
 残りの部分がどうなったのか、考えたくもない

「畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生畜生………」

 嫌だ、死にたくない
 こんなところで命を落として溜まるか
 自分だけでも、生き延びてやる……!

 悲鳴が聞こえてくる
 何かを引きちぎる音が聞こえてくる
 仲間が、死んでいっているのがわかる
 それが、どうした
 仲間がどうした
 そんなものは……もう、どうでもいい
 自分さえ生き延びる事ができれば、それでいい
 自分は死にたくなんかない
 なんとしてでも生き延びるのだ……!

 この場から逃げ出そうと、彼女は立ち上がる
 物陰に隠れながら、とにかく、この場を離れようとして…

「-------ぁ」

 ざわり
 黒い、殺意の奔流が……彼女を、見つけた

 純然たる殺意が、憎悪が
 真っ直ぐに、彼女に注がれた

「ぅ、あ……」

 その、黒い渦の中心
 そこに立つ男と、目があってしまった

 その目に浮かぶのは、憎悪と、殺意と
 そして、絶望と狂気
 それらが入り混じった、向けられるだけで気が狂いそうな感情

 ガチガチと、歯が鳴っている
 ---恐れていてはいけない
 自分は、ここから逃げ延びなければいけないのだ!

「……紫鏡!!」

 懐から、紫色の鏡を取り出した
 それを、目の前の相手に向けて…



 ---------キィン



 乾いた音が、響き渡って
 ---紫鏡は、真っ二つになった

「……ぁ」

 キィン、キィン、と
 音が響き…紫鏡は、粉々に砕かれる
 しゅるり、紫鏡を砕いたのと同じ……黒い、黒い、細いそれが、無数に彼女に絡みついて

「-----ちく、しょう」

 今にも、彼女を引き裂こうとする、そいつに
 彼女は……タップリの憎悪を向けて、睨みつけ、叫ぶ

「こ、の……………化け物が!!!」
「-----------っ」

 一瞬
 ほんの、一瞬だけ
 彼女を殺そうとしていた黒い渦の中心に立つ男の目に……絶望の色が、深くなって

 その直後、彼女の体は、ばらばらに引き裂かれた

 ごとんっ、と
 その、頭だけが…無傷のまま、血溜まりの中に、落ちて
 それを見下ろした男は…最早、彼以外誰も生き延びていないその場から
 ふらり、幽鬼のように揺れながら、暗闇の中、消えていった






          • 以上、報告を終わる

実験体番号 H-360の危険性を認識
これより、その存在を確認し次第、捕縛ではなく廃棄する事
次の作戦では、H-0、及びG-1も作戦に加わる
他、50名体勢にて、H-360を捜索を行う…………












fin ?










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