目が覚めた、その瞬間
恐怖が彼女を支配した
恐怖が彼女を支配した
「-------ぁ」
自分は
何をしていた?
何をしてしまった?
何をしていた?
何をしてしまった?
ただ、彼に振り向いて欲しかった
ほんのちょっとでも、彼に想いを伝えたかった
ただ、それだけだった、はずなのに
ほんのちょっとでも、彼に想いを伝えたかった
ただ、それだけだった、はずなのに
「ぁ、あ…………あぁあああああ………」
自分は
何をしてしまった
何をしてしまった
そして
自分は、何の力を借りてしまった
自分は、何の力を借りてしまった
にょろり
たこが蠢く
たこが蠢く
自分が生み出した、タコが
「っいやぁあああああああああああああああああああああああああ!!??」
彼女は悲鳴をあげた
恐怖に、絶望に
恐怖に、絶望に
自分が、このタコを生み出した?
こんな、あまりにも大きな……化け物じみた、タコを
いや、それよりも、人間がタコを生み出すなんて、ありえない
一体、自分の体はどうなってしまっているのだ?
こんな、あまりにも大きな……化け物じみた、タコを
いや、それよりも、人間がタコを生み出すなんて、ありえない
一体、自分の体はどうなってしまっているのだ?
そして、ここはどこだ?
自分と、よくわからない筋肉質の男二人以外には、誰もいない空間
どんなに助けを求めても、誰もない
誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰もだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれも……
自分と、よくわからない筋肉質の男二人以外には、誰もいない空間
どんなに助けを求めても、誰もない
誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰も誰もだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれもだれも……
恐怖と絶望が、彼女の精神を支配する
それは、彼女の精神の限界を、超えようとしていて
その精神を、完膚なきまでに、壊してしまいそうで……………---------
それは、彼女の精神の限界を、超えようとしていて
その精神を、完膚なきまでに、壊してしまいそうで……………---------
ずる、と
その体が、どこかに引きずり込まれる
それは、彼女の心に新たな恐怖を生み出した
引きずり出された場所が、どこなのかもわからず、彼女は悲鳴を上げ、暴れ続ける
その体が、どこかに引きずり込まれる
それは、彼女の心に新たな恐怖を生み出した
引きずり出された場所が、どこなのかもわからず、彼女は悲鳴を上げ、暴れ続ける
「嫌、嫌、嫌ぁああああああああああっ!!??」
「っちょ、せっかく出してやったんだから、暴れるなっ!?」
「っちょ、せっかく出してやったんだから、暴れるなっ!?」
小さな女の子の声が聞えてきた気がした
でも、きっと違う
これは、女の子なんかじゃ、ない
でも、きっと違う
これは、女の子なんかじゃ、ない
----化け物だ
彼女の本能が、そう告げてくる
嫌だ
怖い
どうして、自分がこんな目に
嫌だ
怖い
どうして、自分がこんな目に
「嫌だ、怖いよ……助けて、日景、く…………」
彼女の言葉は、最後まで続かなかった
暴れ、泣き喚く彼女の顎を、何かが強引に掴む
無理矢理顔をあげられ…そこには、ツギハギの傷をもった顔の男が、いて
それが、サングラスを外したのを見たのを、最後に
彼女の意識は、闇へと消えた
暴れ、泣き喚く彼女の顎を、何かが強引に掴む
無理矢理顔をあげられ…そこには、ツギハギの傷をもった顔の男が、いて
それが、サングラスを外したのを見たのを、最後に
彼女の意識は、闇へと消えた
「…記憶の消去が完了した。この女性に、都市伝説と関わった記憶は一切、残っていない」
「そう………手間をかけさせたわね」
「そう………手間をかけさせたわね」
G-No.1の無感情な言葉に、そう答える望
G-No.1の代わりに、ヘンリエッタが望に告げる
G-No.1の代わりに、ヘンリエッタが望に告げる
「構わんよ。アフターケアも、「組織」の仕事のうちじゃからの」
「本当なら、永遠に鏡の中に閉じ込めておいても良かったんだけどね」
「私が鏡の前通るたんびに、発狂寸前の悲鳴が聞えまくりだよ?こっちが気が狂いそうになるってば」
「本当なら、永遠に鏡の中に閉じ込めておいても良かったんだけどね」
「私が鏡の前通るたんびに、発狂寸前の悲鳴が聞えまくりだよ?こっちが気が狂いそうになるってば」
ため息をつく望の言葉に、そう訴える詩織
そう、藤崎 沙織から、悪魔の囁きが消滅して以降……元々、都市伝説と言う存在を受け入れてなかった彼女は、己の現状に発狂しかけていたのだ
そして、彼女のその悲鳴は、鏡と言うツールを通して詩織に伝わり続ける訳で
…いくら彼女が都市伝説とは言え、発狂寸前と言うか、ほぼ発狂した人間の悲鳴を聞き続けるのは、少々精神衛生面によくない
そう、藤崎 沙織から、悪魔の囁きが消滅して以降……元々、都市伝説と言う存在を受け入れてなかった彼女は、己の現状に発狂しかけていたのだ
そして、彼女のその悲鳴は、鏡と言うツールを通して詩織に伝わり続ける訳で
…いくら彼女が都市伝説とは言え、発狂寸前と言うか、ほぼ発狂した人間の悲鳴を聞き続けるのは、少々精神衛生面によくない
そこで、大樹に頼むのは、少々気が引けたのだ
ヘンリエッタを通して、G-No.1に、藤崎の、都市伝説に関する記憶の消去を頼む事にしたのだ
ついでに、藤崎が「タコ妊娠」と契約してしまっている状態も、どうにかしてもらうつもりだ
ヘンリエッタを通して、G-No.1に、藤崎の、都市伝説に関する記憶の消去を頼む事にしたのだ
ついでに、藤崎が「タコ妊娠」と契約してしまっている状態も、どうにかしてもらうつもりだ
「…まったく、私も甘くなったわね」
こっそりと、望は苦笑する
翼が、なるべく殺すなと言ったから、藤崎を殺さなかった
…藤崎を、詩織の能力から解放したのも
鏡から綺麗な藤崎を出せばどうにかなるかとも想ったが、冷静に考えると、大樹にはその真実がバレるから、と言うのもあったのだ
大樹の胃痛の種は、増やしたくない
翼が、なるべく殺すなと言ったから、藤崎を殺さなかった
…藤崎を、詩織の能力から解放したのも
鏡から綺麗な藤崎を出せばどうにかなるかとも想ったが、冷静に考えると、大樹にはその真実がバレるから、と言うのもあったのだ
大樹の胃痛の種は、増やしたくない
こうして
望の寛大な処置やらなにやらで、藤崎 沙織は現実の世界に戻ってきた
彼女から都市伝説が剥がされ、彼女が日常に戻った時
彼女は、今回の騒動に関わった、その全てを忘れ去っていた
望の寛大な処置やらなにやらで、藤崎 沙織は現実の世界に戻ってきた
彼女から都市伝説が剥がされ、彼女が日常に戻った時
彼女は、今回の騒動に関わった、その全てを忘れ去っていた
ただ
残った恋心は、永遠に叶う事はないのだと言う
ほろ苦い想いだけを、残して
残った恋心は、永遠に叶う事はないのだと言う
ほろ苦い想いだけを、残して
fin