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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - Tさん、エピローグに至るまで-神智学協会-46

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 モニカは皆が居るロッジを飛び出し、徹心が管理する異界内を何かから逃げるように走っていた。
 行くあては無い。ただ息を切らして走る彼女が思うのはあの場に居た皆の事だ。
 ……わたしのせいで、フィラちゃんもみんなもすごくこまってる。
 疫病神とモニカを評したウィリアムの言葉が脳内で何度も繰り返される。
 自分という危険物が存在するせいで両親も祖父もユーグも殺し合い、≪神智学協会≫は徹心達と事を構えている。
 ウィリアムがモニカの≪杞憂≫を暴走させる為にかけた精神を揺さぶる言葉の数々は事実なのだ。徹心達がしていた話を聞いていてよく分かった。自分はやはり危険な生き物なのだ。
 ……わたしは、本当に居ないほうがいいのかもしれない。
 そう思いながら目尻に浮かぶ涙を強引に拭うモニカの内部の≪杞憂≫は、昨日のように暴走する事はない。
 元々モニカは≪杞憂≫と≪聖槍≫の制御用に造られた器だ。ウィリアムが行ったように精神的・肉体的な苦痛を長時間に渡って与えられない限り、彼女に施された調整は都市伝説の暴走を抑制する。モニカ自身もその事を体感的に把握していた。
 しかし、
 ……また≪杞憂≫が暴走するかもしれない。暴走しないなんてほしょうは無いんだもん……そして、≪杞憂≫はわたしから離す事は出来ない……。
 ≪杞憂≫それ自体は≪悪魔の密輸≫で封印され、ウィリアムの≪心霊手術≫で解放されたように、実体を持たない都市伝説だ。それのみを破壊する事はできないし、契約の解除も不可能だとウィリアムがかつて口にした。
 ならば、以前のように≪杞憂≫の封印を……それも無理なら、いっそ戦いの火種になるわたし自身を……。
「消してくれればいいのに……っ」
 吐き捨てるように言い、疲れた足を止めて息を吐く。
 がむしゃらに走りまわったモニカが辿りついたのは、どこまでも美しい景色が広がる異界にたくさん生えている木の内の一本。
 この異界から出て行く術をモニカは心得てはいない。
 行くあての無いモニカは、膝を抱えてその木の根元に座り込んだ。


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「モニカはどこまで行ったと思う?」
「子供の足だ。それほど遠くには行けないだろう。すぐに見つける事が出来ると思うが」
 そう言葉を交わし合い、由実達はモニカを探す為に二班に分かれた。
 片方はTさん、舞、リカちゃん、徹心でTさんの≪ケサランパサラン≫とリカちゃんのかくれんぼの能力を駆使した班。
 もう片方は由実と千勢とケウの、ケウの鼻に任せた班だ。
 二班に分かれての捜索を開始してすぐの事。千勢はケウに気を使いながら、傍らの由実に謝罪した。
「すまないな……それでもあの子には、自分が今後どのような認識を受ける事になるのかを知っておいてもらいたかった」
「やっぱりあの話、わざと聞かせたのね?」
 あっさりと答えてきた由実に千勢は少し意外そうな顔をする。
「気付いていたのか?」
「なんとなく、ですけどね。あなた達にしては迂闊に子供の前で話し過ぎなんですもの」
「だからフィラちゃんに話を止められる事がなかったのか」
 なるほどなるほどと頷く千勢に由実はまあ、と小声で零す。
「あなた達は気にせず話を続けそうですけどね」
 耳聡く聞き取った千勢は、ははっ、と小気味よく笑う。
「そこまで私は傍若無人ではないさ――ん? なんだその半目は。……まあいい。それにしても、今回の事で肝が据わったようじゃないか。いい顔をしている」
「ありがとう。強くなくっちゃいけないって思ったのよ、少しでも……ね」
「あの≪フィラデルフィア計画≫の扱い方は様になっていた。見事だ」
 褒めているのだろうその言葉に由実は苦笑する。
「あまりああいう使い方はしたくないわね」
 戦闘は苦手だ。昨日改めて実感した事を確認しながらの言葉に千勢は同意する。
「うむ、≪フィラデルフィア計画≫の鉄箱が痛んでしまうからな」
 そういうわけではないのだけれど、ね……。
 内心で由実が困っている間にも捜索は続く。
 ケウがしきりに鼻を鳴らしている。傷が癒え切っていない中、あまり無理はさせたくないが、ケウ自身は大丈夫だと言わんばかりに働いてくれている。当初は千勢もケウを動かす事には乗り気ではなかったが、どうしても付いてこようとするケウの態度に折れ、「犬気質だからな」と言って笑った千勢が印象的だ。
 この異界には良い匂いが溢れている。その中からモニカの匂いを追うのは今のケウにはなかなか大変だろう。そう思いながら、由実は呟く。
「……Tさんを育てたあなたのように、親や姉として、あの子を立派に導いていけるような存在になりたいわ」
 本心からの褒め言葉に千勢は何とも言えない妙な顔をした。
 喜んでいるような、困ったような。その表情の意図を取りかねていると、千勢は盛大に息を吐き出した。
「馬鹿弟子は勝手に大きくなっていったよ。私はそんな大層な事はしていない」
「あら、謙遜する事ないのに。Tさんだって真剣に聞けばあなたの背中を見て育ったって言ってくれると思うわよ?」
「いらん」
 突っぱね、語気が強いと思ったのか、千勢は「あー」と言葉を探すように長い髪をかき回しながら唸って、
「……それは、なんというか、照れくさい」
 そう言って顔を逸らした。
 めずらしい光景も見れたものだ。そう思いながら由実はモニカの姿が無いか視線を巡らせて、
「――ケウ?」
 いきなり走りだしたケウに驚いた。
「モニカの匂いを掴んだな」
 千勢がそう言ってケウを追って走り出す。彼女の背中越しに声が飛んでくる。
「行くぞフィラちゃん!」
「ええ!」


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 木の下で息を整えていると、モニカのすぐ近くで人の気配がした。
「――?」
 驚いて首を巡らせると、いつの間にか近くに人型のソレが居た。
 ここは徹心の異界の中だ。侵入される恐れがあるとは言っても≪神智学協会≫が侵入してきたという事も無いだろう。そう思いながらモニカはソレに話かける。
「……? あなた、だれ?」
 ソレは無言でモニカがさっき走って来た方角を指差した。
「戻れっていうの?」
 ソレは無言で頷く。
 モニカは首を振った。
「……だめだよ」
 ソレは無言でモニカを見下ろし、やがて何かに気付いたように顔を上げた。
 モニカも気付く。複数の足音がするのだ。その足音は急速に近付き、
「モニカ!」
「フィラちゃん……」
 ケウを先頭にして千勢と由実がやって来るのが見えた。
 モニカの所へと辿りつくと、千勢がソレに労いの言葉をかけた。
「すまないな。徹心にも報告しておいてくれ」
 無言で去ったソレを見送り、由実が問いかける。
「あれは?」
「徹心の使役する兵だ。奴の契約都市伝説の一つだな。けっこう数がいるぞ」
「そうなの……初めて見たわ」
「見張りをしておいてくれたのだろうな。いくらこの中が守られているとはいえ、危険がいつ迫って来るか分からない時期だ」
「そうね」
 去っていくソレに礼をした由実を見上げて、モニカは小さく漏らす。
「見つかっちゃったね……」
「まったく……あんまり心配させちゃダメよ」
「ごめんなさい……でもね、フィラちゃん。わたし、考えたんだ」
 そう言ってモニカは決然と顔を上げた。
「わたしはいちゃいけないんだよ。みんなが力をほしがって、戦っちゃうから。だからわたしを――」
「消してくれとでも言うつもりか?」


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 モニカは自分の言葉を遮った声の主に目を向けた。千勢がその人を認めて声をかける。
「馬鹿弟子か」
 Tさんはモニカ達へと近付きながら目礼する。彼を追い越して舞とリカちゃんが走って来た。
「先にみつけられちゃったの」
「やっぱ犬系の鼻には敵わねえな」
 そんな事を言いながら、全力で走ってきたのか、舞の息は上がっている。
 悪い事をした。そう思いながら、モニカが近付くTさんに言葉をぶつけた。
「いけないの? その方がきっとみんなけがをしないですむんだよ?」
 眼前まで近付いて来た舞が緩い手刀を振り下ろしてきた。
「よくねえな。俺の後味がとても悪い」
 Tさんも賛意を示す。
「俺も舞の意見に賛成だよ」
「でも――っ!」
 モニカは息を吸い、勢いよく言葉を吐き出す。
 とても大きな存在に対して、自分の言葉を簡単の却下されないようにと意志を込めて。
「わたしが居たせいで、お父さんもお母さんもユーグおじさんに殺されたの! おじいちゃんもお父さんたちに殺されて、ユーグおじさんだって、昨日助けてくれた。きっと、今でもずっと前にわたしに優しくしてくれたあのおじさんのままなのに! 全部……全部わたし自身のせいで、周りが全部不幸になってくの!」
 ウィリアムは言った。モニカは厄病神だと。冷静になって今までの人生を反芻してみればよくわかる。それらはモニカにとって厳然たる事実だ。
「それだけじゃないよ! 昨日の戦いで一体何人の人が死んじゃったの!? その前だって、ウィリアムが海でいっぱい人が死んだって言ってたもん! こんな事がこれからも続くんなら……っ!」
 続くのならば、
「わたしなんていなくなればいいんだ!」
 叩きつけられた言葉に舞が気圧された。それらを見てTさんが眉尻を下げた淡い、何かを懐かしむような笑みを浮かべ、彼の後ろから追いついて来た徹心が厳しい顔で首を振る。
「そんなものは、君の周囲の人間が勝手にしているだけだ。君自身にはなんの非もありはしない」
「でもわたしが居なくなれば、おじさん達がやってるこの戦いも終わるよね?」
「それはどうだろうな」
 千勢が冷静に言葉を差し挟んだ。
「確かにモニカ、お前はこの戦いの争いの火種の内の一つだろう。しかしな、よしんばこのままモニカが死んだとしても、死体から≪杞憂≫を引き上げる為に戦いが発生しないとも限らん。争いの火種は複数あり、しかも火は既に燃え上がっている。今更火種の内の一つが消えようとこの一連の争いの勢いはもはや止まらんよ」
「でも、わたしが居なくなれば≪杞憂≫が危なくなるような事も無いんだよね。それに、わたしが居なくなれば他の人達の力も借りやすくなったりするんじゃないの?」
 Tさんが頷く。
「確かに≪杞憂≫を最大規模で扱いきれるような人間は居ないだろうからその点では安泰ではあるが、それでも魅力的な力を欲する者はいくらでも出て来る。高部徹心の話は聞いていたな? ≪杞憂≫との契約ができなかった≪拝上帝会≫の天帝は、それでも≪杞憂≫を牽制に使って一定の効果をあげていたそうだ。危険物であるという点ではどこに存在していようと変わりはしない」
 それに、だ。と千勢が言葉を引き継ぐ。
「あまり私達の力を嘗めてくれるなよ? 下手な増援が居た方が足手まといでしかない」
「まあ、そのようなわけで、大船に乗ったつもりでいてくれて構わない。それに、協力者にはいくらか心当たりがある。モニカはそのような事を気にする事は無い。――が、そうだな……」
 そう言い差して、Tさんはモニカの眼前に指を一本立てた。
「一つ、決めてもらおう」
「何を……?」
「なに、簡単な事だ」と言ってTさんは薄く笑む。
「今までの話を聞いた上で考えるんだ。これからモニカ、お前はどうする? このまま大人達の身勝手な計画に使われてしまうか、死をもって今回の件のいくつかの条件を振りだしまで戻すか、それとも――」
 Tさんは力強い笑みでもって三つ目の選択肢を提示した。
「抗ってみせるか? 妄執を抱える敵へと」
「わたし……は」
 どうしたらいいのだろう。そう思う反面、既にモニカ自身の中では選びたい選択は決まっていた。
 しかしそれを選ぶと言う事は、他のどの選択をするよりも目の前の人達に対して迷惑をかける事だ。
 その選択が与える負担を考えるために、モニカは俯き、沈黙を保つ事になった。
 その沈黙の意味を察したのか、由実と、舞がそれぞれモニカの頬を片方ずつ摘んで引っ張った。
「――っ、おねえひゃんたひにゃにひゅゆの!?」
 口が動かせないために言葉が変になる。その変な発音を聞いて舞が破顔した。
「おお、面白えな!」
「この質感……若さかしら」
 由実もなにやら真剣に呟きながらモニカの頬を摘んで引っ張っている。
 モニカはゆったりと状況を見守っているTさんに救援を求めようとして手を伸ばし、その手は左右の由実と舞に止められた。
 それぞれに手を握り込まれる。
 右手側、舞が言う。
「モニカ、おっちゃん達は結局ほっといても戦うんだからさ、そのついでに助けやがれとか言っとけ言っとけ。んでもって世界もそのついでに救われるんだ。いい事じゃねえか」
 左手側、由実が言葉を接ぐ。
「そうね、ここまでさんざんやってくれたんだから、そろそろ落とし前をつけさせてもいいんじゃないかしら?」
 そう言って二人はモニカの手と頬を解放した。
 モニカは頬を抑えながら遠慮がちにぽつりぽつりと言葉を零す。
「でも、お姉ちゃん……わたしは」
「まったく――」
 唐突の衝撃。
 ――――ッ!?
 何をやられたのかとモニカが疑問した時には、モニカは由実の胸に抱き抱えられていた。
 声が暖かい胸の感触越しに降って来る。
「もしあなたが自分を消そうなんて思っても私が止めるわ。嫌でも生きてもらう――姉の愛はしつこいのよ?」
 フィラちゃん男前だなぁと声が聞こえ、舞の手の感触がモニカの頭を軽く叩いた。
「いい加減、全部吐き出しちまえって。不安な事も何もかもさ……。長い事溜めこんで来たんだろ? ここに居るのはリカちゃん以外皆モニカより年上なんだ。愚痴の一つや二つ、年長者として聞いてやらなくっちゃな!」
 明るい声。その声を聞いて、モニカはぼんやりと考える。
 …………ずっと、我慢してきたような気がする。
 なかなか会う事の出来ない両親。繰り返される実験と検査。今まで住んでいた場所からの逃亡と追っ手。逃亡先での両親の死とそれをもたらした親しい存在。その場に居合わせて助けてくれた女性。姉と慕ったその女性とも≪首塚≫という集団に預けられてからはなかなか会う事が出来なかった。
 でも、それはフィラちゃんが忙しいからで……。
 距離を無視して瞬時の移動を為す事が出来る能力。その力の保持者たる由実は常にどこかへと跳び回っている事が多かった。
 大事な仕事なのにわたしが行かないでって言う事ができるわけがなくて……。
 だからいつも思った事は胸の中にしまい込んでいた。それが今はどうしたことだろう、口が動く。めったに言った覚えが無い、わがままを口にしようとしている。
「……だ」
 最初は小さく、躊躇いがちに。
 頑張れと姉達が応援する。
 だから、とモニカは息を吸って、
「いやだ……一人は、さびしいよ……」
 わがままを言った。
「生きたいよ……っ、お姉ちゃんと、一緒にっ、なかよく……っ!」
 いつの間にか泣いている。嗚咽で声が、訴える言葉が上手く出てこない事にもどかしい思いをしていると、左右の姉が優しく背を叩いてくれた。
 良く頑張ったと褒める左右の姉の向こう、Tさんが変わらぬ笑みで応じる。
「賢いな。あの時の俺よりも……」
 彼はモニカの髪に軽く触れ、
「では、その選択を選ぶ権利を剥奪しようとする者達を――≪神智学協会≫を退けようか」
 約束を口にした。


            ●


「いやー、よかった」
 心の底からそう言って、俺は一息ついた。
 俺達が見守る中、モニカがフィラちゃんに抱きついて泣いている。それこそ、子供みたいにだ。
 ひとまずこれでモニカのネガティブな部分が解消されたのかな……。
「まあ、俺達が変に気にしなくてもフィラちゃんが一人で解決してたような気がするけど」
 いろいろと心配をしたけど、まさに杞憂だ。実際の所はわがままの言い方を知らない子供がやっとそれを口にできたってだけなんだからな。
 フィラちゃんの腕の中で泣いてるモニカを見ながらそんな事を思う。
 そんな中、Tさんと千勢姉ちゃん、徹心のおっちゃんが何やら話し合っている。
 この後どうするのか決めるんだろう。≪ピリ・レイスの地図≫とやらで俺達の居場所はそう遠く無い内にばれるらしい。そして向こうさんが連れていこうとしてるモニカをこっちが渡す気がさらさら無いことから戦いが避けられないって事はもう間違いないんだろう。
「それも、たぶん徹心のおっちゃんがずっと続けてきた≪拝上帝会≫の時から続く戦いの最後の決戦か……」
 口に出して言葉にしてみるけど、どうにも現実味が無い。自分自身で体験したはずの昨日の戦いの事を思い出しても、思わずぼーっとしちまう。
 けど、
 ……うん、分かってる。確かに戦いがあって、そんで多くの血が流れてんだ。
 昨日見たあの兵士や都市伝説の群れを俺は憶えてる。たくさんの死が起こったんだ。
「お姉ちゃん?」
 リカちゃんの声が、何故かいつもより遠くから聞こえる。
「んー? どうした?」
「お姉ちゃん、ゆれてるの」
「へ?」
 なんのこっちゃ? そう思ってると、Tさんが俺の方を向いて眉を寄せた。近付いて来て気遣う声色で声をかけてくる。
「大丈夫か? 舞、顔色が――、」
 Tさんの姿がぶれた。と思った次の瞬間には俺の目の前には地面があった。
 どうも地面に向かってダイブをしかけていたらしい。
「あれ……?」
「あれ、じゃない」
 顔面ダイブを止めてくれたTさんは俺を抱え上げた。
 咄嗟に暴れようとして、体が思うように動かない事に気付く。
「あー……」
 こいつは参ったなぁと口の中で呟いて、
「わり、運んでくんね? 安心したら腰が抜けちまった」
「分かった。……ただ、腰が抜けたわけではないと思うぞ」
「んー……?」
「……いいから寝ておけ」
 Tさんはそう言って徹心のおっちゃんが持つコテージの方へと歩いて行く。
 皆が後ろをついてきながら何か訊いて来る。
 Tさんがそれに答える様子を遠くに聞きながら、俺はのんびりと二度寝と洒落込む事にした。



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