12月24日 11:50
厨2病の昼食を作り終え、「首塚」拠点のラブホテルを出た「日焼けマシン」の契約者
さて、「死人部隊」と「一年生になったら」にも、クリスマスケーキは届けてやったし…早く、帰ろう
「日焼けマシン」の契約者は、そのまま家路につこうとして
さて、「死人部隊」と「一年生になったら」にも、クリスマスケーキは届けてやったし…早く、帰ろう
「日焼けマシン」の契約者は、そのまま家路につこうとして
「------メッリィイイイイクリィスマァアアアアス!!」
「っ!?」
「っ!?」
すたん!!と
目の前に突然降り立ってきた不審人物の姿に、即座に警戒する
目の前に突然降り立ってきた不審人物の姿に、即座に警戒する
「何者だ?」
目の前に現れたのは…サンタクロース、の、姿に見えた
どう考えても、都市伝説だろう
サンタクロースの姿をした、危険な都市伝説は多い
「日焼けマシン」の契約者は、油断なくサンタクロースを睨みつけた
どう考えても、都市伝説だろう
サンタクロースの姿をした、危険な都市伝説は多い
「日焼けマシン」の契約者は、油断なくサンタクロースを睨みつけた
「さぁ、プレゼントだ!」
背負っていた袋を開くサンタクロース
ずるり
その中から、どさり、どさり
二人の人間が……引きずり出された
ずるり
その中から、どさり、どさり
二人の人間が……引きずり出された
「……………え」
それは
黒服と、少女の………死体
全身に、無数の切り傷を負った、血塗れの……惨殺死体
黒服と、少女の………死体
全身に、無数の切り傷を負った、血塗れの……惨殺死体
「………ど、して」
何故
何故、この二人が、こんな状態に?
状況を理解しきれずに……
何故、この二人が、こんな状態に?
状況を理解しきれずに……
「日焼けマシン」の契約者の意識が、闇に飲み込まれた
-------ごぉぉぉぉう!!
「っな!?」
窓の向こうに上がった火柱
それに、料理を思わず喉に詰まらせそうになりながら、厨2病は驚いた
ホテルから近い…と言うか、ホテルのまん前!?
一体、何だと言うのか
急いで、窓から外を確認して
それに、料理を思わず喉に詰まらせそうになりながら、厨2病は驚いた
ホテルから近い…と言うか、ホテルのまん前!?
一体、何だと言うのか
急いで、窓から外を確認して
「……チャラ男!?」
窓の外、ホテルの前で
「日焼けマシン」の契約者が、炎に包み込まれている様子が、見えた
彼の前に、何やらサンタクロースのような姿をした者がいて…そいつも、炎に包み込まれている
「日焼けマシン」の契約者が、炎に包み込まれている様子が、見えた
彼の前に、何やらサンタクロースのような姿をした者がいて…そいつも、炎に包み込まれている
何があったというのだ!?
厨2病は窓を開け放ち、外へと飛び出した
都市伝説の能力で、無傷で地上に降り立つ……若干、道路にヒビは入ったが、それは気にしない方向で
厨2病は窓を開け放ち、外へと飛び出した
都市伝説の能力で、無傷で地上に降り立つ……若干、道路にヒビは入ったが、それは気にしない方向で
「おい、チャラ……………うぉ!?」
ごぉおおおおう!
炎は、激しく燃え盛っている
炎に包み込まれて、サンタクロースのような格好をした…多分、男が、容赦なく焼き尽くされていこうとしていた
…「日焼けマシン」の契約者は、これだけの炎に包み込まれながらも、火傷一つ負っていない
炎は、激しく燃え盛っている
炎に包み込まれて、サンタクロースのような格好をした…多分、男が、容赦なく焼き尽くされていこうとしていた
…「日焼けマシン」の契約者は、これだけの炎に包み込まれながらも、火傷一つ負っていない
「…多重契約とやらの、炎の力か…!」
彼が、自分が契約したのとはまた違う「厨2病」と契約した事は、話に聞いていた
だが、その炎は手から出すものだったはずだし…ここまで、大規模なものではなかったはずだ
一体、どうなっている!?
熱風が吹き荒れる中、目を凝らすと…「日焼けマシン」の契約者の足元に、二人分の死体が転がっているのが見えた
しかし、それはよくよく見れば酷く作り物めいていて…偽物の死体に見える
だが、その炎は手から出すものだったはずだし…ここまで、大規模なものではなかったはずだ
一体、どうなっている!?
熱風が吹き荒れる中、目を凝らすと…「日焼けマシン」の契約者の足元に、二人分の死体が転がっているのが見えた
しかし、それはよくよく見れば酷く作り物めいていて…偽物の死体に見える
まさか
あの偽物の死体を本物と思い込んで…正気を失って、力を暴走させている?
あの偽物の死体を本物と思い込んで…正気を失って、力を暴走させている?
ぞくり、悪寒が駆け抜ける
どう言う力の暴走の仕方をしているのか知らないが…これは、ヤバイ
炎は、どんどん、どんどん、激しく荒れ狂っていっている
このままでは、周囲一体を焼き尽くしかねない
どう言う力の暴走の仕方をしているのか知らないが…これは、ヤバイ
炎は、どんどん、どんどん、激しく荒れ狂っていっている
このままでは、周囲一体を焼き尽くしかねない
「おい!チャラ男!!……聞こえねーのか!?」
呼びかけるが、反応はない
炎は弱まるどころか、強くなる一方で
炎は弱まるどころか、強くなる一方で
…このままでは、不味い
方向性が違うとは言え、厨2病と言う都市伝説と契約しているからこそ、この危険性がわかる
このまま暴走し続けたら、何よりも…「日焼けマシン」の契約者の体が、持たない
方向性が違うとは言え、厨2病と言う都市伝説と契約しているからこそ、この危険性がわかる
このまま暴走し続けたら、何よりも…「日焼けマシン」の契約者の体が、持たない
「おいコラ!聞け!!このままじゃ、お前が燃え尽きるぞ!!!」
聞こえていない
その表情は、空虚に支配されているようにも見えて
その表情は、空虚に支配されているようにも見えて
何も見えていない
何も聞こえていない
何も…………--------
何も聞こえていない
何も…………--------
「------翼!!」
-----ピクリっ
聞こえてきた、声に…「日焼けマシン」の契約者の体が、反応した
聞こえてきた、声に…「日焼けマシン」の契約者の体が、反応した
「!お前ら…」
「翼!」
「翼!」
路地からかけてきたのは、黒服と、はないちもんめの少女
息を切らせ、炎に包み込まれている「日焼けマシン」の契約者に駆け寄ろうとしている
「日焼けマシン」の契約者の足元に転がる、自分達とそっくりな姿の惨殺死体(作り物)にやや眉を顰めつつ、黒服は叫ぶ
息を切らせ、炎に包み込まれている「日焼けマシン」の契約者に駆け寄ろうとしている
「日焼けマシン」の契約者の足元に転がる、自分達とそっくりな姿の惨殺死体(作り物)にやや眉を顰めつつ、黒服は叫ぶ
「私達は生きています!それは偽物です!!」
「------ぁ」
「------ぁ」
炎が
ゆっくり、ゆっくりと……勢いを弱めて、消えていく
炎が消えた頃には、サンタクロースは焼き尽くされていて…その姿が、風に拭かれて灰すら残らず消えていく
同時に、作り物の死体も、消えた
ゆっくり、ゆっくりと……勢いを弱めて、消えていく
炎が消えた頃には、サンタクロースは焼き尽くされていて…その姿が、風に拭かれて灰すら残らず消えていく
同時に、作り物の死体も、消えた
…とすん
「日焼けマシン」の契約者が、膝をついた
「日焼けマシン」の契約者が、膝をついた
「大丈夫ですか?」
「ちょっと、しっかりしなさいよ」
「ちょっと、しっかりしなさいよ」
黒服と少女が、彼に駆け寄る
厨2病も、流石に心配しながら近づいた
厨2病も、流石に心配しながら近づいた
「おい、チャラ………」
「----------た」
「----------た」
…つぅ、と
「日焼けマシン」の契約者の頬を流れた、それに
思わず、言葉がとまる
「日焼けマシン」の契約者の頬を流れた、それに
思わず、言葉がとまる
「…良かった……生きて、くれていて…」
「っきゃ!?」
「!」
「っきゃ!?」
「!」
ぎゅう、と
「日焼けマシン」の契約者は、目の前まできた黒服と少女の体を抱きしめて
ぽろぽろ、ぽろぽろと
涙を流し、泣き始めた
嗚咽の声が、辺りを支配する
「日焼けマシン」の契約者は、目の前まできた黒服と少女の体を抱きしめて
ぽろぽろ、ぽろぽろと
涙を流し、泣き始めた
嗚咽の声が、辺りを支配する
「翼…」
「…もう、大丈夫ですよ」
「…もう、大丈夫ですよ」
……あいつでも、泣くのか
厨2病は、そんな感想を抱いてしまう
泣きそうになっても、その目に涙をためたとしても…「日焼けマシン」の契約者は、泣いている様子を見せた事がない
弱みを見せる事を嫌うように、泣こうとしないこの男が…人前で、一目を気にせず、泣くとは
厨2病は、そんな感想を抱いてしまう
泣きそうになっても、その目に涙をためたとしても…「日焼けマシン」の契約者は、泣いている様子を見せた事がない
弱みを見せる事を嫌うように、泣こうとしないこの男が…人前で、一目を気にせず、泣くとは
それだけ、安心したのだろし…
…あの偽物の死体が、強い絶望と恐怖を与えた、ということか
…あの偽物の死体が、強い絶望と恐怖を与えた、ということか
「……悪趣味なサンタがいたもんだ」
焼き尽くされたサンタが立っていた跡の、黒こげたそこを見て
厨2病は、胸糞悪い物を感じながら呟いた
厨2病は、胸糞悪い物を感じながら呟いた
…はらはら、はらはらと
静かに降り続ける、雪は
焼け焦げた道路を白く染め上げて…何もなかったかのように、全てを覆い隠したのだった
静かに降り続ける、雪は
焼け焦げた道路を白く染め上げて…何もなかったかのように、全てを覆い隠したのだった
fin