「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 不良教師と骨と模型-a-2

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○月×日 23:23 防火シャッター前


「ねえ、兄さん。やっぱり、この穴からコーラ注いであいつ溶かしちゃ駄目?」
「やめておけ」

 蜘蛛の契約者との交渉やら、マッドガッサー達の説得やらで、大分面子が減った防火シャッター前
 そこで、コーラのペットボトルを持った青年が、にこにこと微笑みながら不良教師に尋ねていたが、一瞬で却下される
 どうやらいまだ、彼の中でハーメルンの笛吹きをここで始末する、という選択肢が消えていないらしい

「あの…そ、そう言う物騒な選択肢は、捨てた方が」
「えー、だって。僕、あいつ嫌い」

 なんとも重たそうな胸をした少女の言葉に、青年ははっきりとそう答えた
 なんとも、清々しい笑顔で

「え、嫌いだから、って…」
「利用できなさそうなんだよね、こいつ。利用できない奴嫌い」
「なんと言う最低人間だにゃ」

 あんまりにもあんまりな発言に、防火シャッターの向こうのハーメルン…上田が突っ込んできた
 えー、と青年は心外そうな表情を浮かべる

「子供狙いの連続殺人鬼には言われたくないなぁ」
「お前だって、「組織」の仕事で随分と殺しているんじゃないかにゃ?」
「うん、そうだよ」

 なんとも、あっさりとした答え
 …その答えに、不良教師がかすかに表情を歪ませたのだが、青年は彼に背を向けている為、それに気づいていない

「でも、君とは一緒にされたくないなぁ」
「どこが違うのかにゃ?人殺しに変わりはないにゃ」
「う~ん、まぁ、そうなんだけど」

 どこか子供っぽい仕草で、青年は首をかしげる
 …両親を失って以来、彼の心の成長は止まったまま
 いや、むしろ、より幼くなった状態で止まったままと言えるかもしれない

 心が幼いままであるがゆえに、子供っぽい残酷さをもっている
 それが、この青年なのだ

「…でも。無差別に子供を殺す外道よりはマシかな?って思うんだ」
「無差別じゃないにゃ。ロクでもない奴しか殺してないにゃ」
「それを証明する手段はない」

 ………青年と、同じ声で
 しかし、どこか決定的に違う質の声が、ハーメルンに投げかけられた
 背後に人体模型と骨格標本を従えたまま、不良教師は女装少年が空けた穴からハーメルンを睨み、続ける

「…お前が殺した子供達が、お前が言うところの「ロクでもない奴」であった事を、誰が証明する?それを証明できる証拠でもあるその子供達を、お前は殺している。
 それを証明する手段そのものも、お前は消し去っているんだ」
「周囲の話とか聞いていればわかるものだにゃ?」
「死人に口なし、って言葉知ってるかな?」

 くすくすと、青年が笑う
 酷く楽しげで、残酷な声

「生きている人達が何を言ったって、それが「事実」とは限らない。死んじゃったのをいい事に、勝手な事を言う人達だっているんだよ?」
「証明する手段など、どこにもない。故に、お前はただの「連続殺人鬼」としか、周囲に認識されはしない。
 ハーメルンの笛吹きという、狂人の殺人都市伝説。お前がしている事に共感するのは狂人か悪党だけだ」

 双子の、人の心を抉るような言葉が続く
 人を追い詰めるような、畳み掛けるような言葉
 常人ならば追い詰められるところかもしれないが、ここはハーメルンの笛吹き
 二人の言葉に追い詰められる事などない
 ただ

(…なんとも嫌なコンビネーションの双子だ、にゃ)

 とだけ、思った

 ……と、そうしていると
 ばたばたと、階段を登ってくる音が、響く

「…なんだ、まだそこにいたのか」

 あがってきたのは、「13階段」こと広瀬辰也と、「爆発する携帯電話」
 それに、「爆発する携帯電話」に抱かれているジャッカロープだ
 黒服Hの治癒が終わって、階段を上がってきたようだ
 彼らも…少なくとも、「爆発する携帯電話」の方は…マッドガッサー達を、止めようとしてくれているから

 ちらり、「13階段」は一瞬、防火シャッターの方を見て…小さな穴があいているのは確認したが、そこからハーメルンが脱出することはないだろう、と判断したのだろうか
 すぐに、視線をそらす

「…ハーメルンを閉じ込めたままでいてくれて、ありがとうよ」
「だって、出したら「13階段」をまた発動させちゃうんでしょ?」

 そんなのめんどくさいよ、と青年は笑った
 …青年に対して恐怖を抱いているのか、それとも、鼠と言う悪意の群れを使ったハーメルンが防火シャッターの向こう側にいる事が怖いのか
 「爆発する携帯電話」は、かすかに怯えるように「13階段」の影に隠れている

「…ま、そいつの猫耳姿が笑いものにされたんなら、俺はそれで満足だけどな」
「鬼かにゃ。お前らどれだけ鬼畜だにゃ」

 ハーメルンの突っ込みは、無視
 「13階段」は「爆発する携帯電話」の手を握り、屋上への階段へと続く廊下に視線をやる

「…ったく、どうしてこの学校はこうもバカ見たく拾いんだか」
『あの…そちらの女性、息を切らしていますが、大丈夫ですか?』

 骨格標本が、「爆発する携帯電話」の様子に気付き、心配そうに声をかける
 …元々、体力があまりない「爆発する携帯電話」
 「13階段」と合流するまで、校内を走り回っているのだ 
 走ったとしても、すぐに息を切らして止まってしまいそうな状態

「…だい、じょうぶ」

 ……それでも
 仲間を救いたい思いから、「爆発する携帯電話」は、先に進もうとする
 その意思を感じるからこそ、「13階段」もマッドガッサー達を説得しよう、と考えたのだから

「あ、あの」
「…?」
「さ、先に進むのなら、手伝います」

 女装少年が、そう提案する
 …何と言うか
 このままだと、「爆発する携帯電話」が倒れかねないような、そんな気がしたのだ
 そして恐らく、それが気のせいじゃない予感も

「………」

 かすかに、警戒を滲ませながらも、「爆発する携帯電話」の体力の消耗具合を感じて
 「13階段」は、女装少年の提案を承諾するように、頷いた







to be … ?




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