【上田明也の探偵倶楽部】
「ひどく雪の降る日のことだった。
俺は意味もなく外に散歩に行ったんだ。
今になってはあれが幻だったのかどうかも解らない。
しかし俺は気付くと真っ暗な洋館に居たんだ。」
俺は意味もなく外に散歩に行ったんだ。
今になってはあれが幻だったのかどうかも解らない。
しかし俺は気付くと真っ暗な洋館に居たんだ。」
【上田明也の探偵倶楽部9~幽霊屋敷調査の事~】
暗くて古くてかび臭い洋館。
其処にいた
「なんてのは嘘で、今俺はこの洋館の持ち主に頼まれてここを調査している所なんだ。」
誰に言うとでもなく置かれた状況を解説する男、上田明也。
彼に寄せられた依頼はとても単純な物だった。
「どうも最近別荘で不審者をみかけるんだ、調べてくれ。
ちょろい依頼だとおもったんだよ俺も。
こんなの都市伝説の力を使えば楽勝じゃないか?って。」
其処にいた
「なんてのは嘘で、今俺はこの洋館の持ち主に頼まれてここを調査している所なんだ。」
誰に言うとでもなく置かれた状況を解説する男、上田明也。
彼に寄せられた依頼はとても単純な物だった。
「どうも最近別荘で不審者をみかけるんだ、調べてくれ。
ちょろい依頼だとおもったんだよ俺も。
こんなの都市伝説の力を使えば楽勝じゃないか?って。」
そう言ってから
「ところがどっこいだよ。」
「あ゛あ゛ぁぁあ……。」
「あ゛あ゛ぁぁあ……。」
「あ゛あ゛ぁぁあ……!」
「あ゛あ゛ぁぁあ……。」
「あ゛あ゛ぁぁあ……!」
うめき声を上げながらにじり寄ってくる化け物。
肉は腐り、瞳は理性の光を完全に失っているが、それは確かに人の形をしている。
世間一般ではそんな化け物をゾンビという。
肉は腐り、瞳は理性の光を完全に失っているが、それは確かに人の形をしている。
世間一般ではそんな化け物をゾンビという。
ガチャン!
鉄と鉄の触れ合う音。
パチン!
ひらりとたなびく臙脂色のコートから上田は黒く艶やかに光る大型拳銃を取り出した。
BANG!BANG!BANG!BANG!
ゆっくり迫るゾンビの頭部にそれぞれ二発ほど拳銃弾を撃ち込む。
崩れ落ちる二体のゾンビ。
しかしまだ背後の方には5,6体程残っている。
「このままじゃ埒が明かない。」
タン!
左足で地面を強く蹴る。
そうすると彼の履いていたゆるめのジーンズから松ぼっくりのような丸い物体が落ちてきた。
鉄と鉄の触れ合う音。
パチン!
ひらりとたなびく臙脂色のコートから上田は黒く艶やかに光る大型拳銃を取り出した。
BANG!BANG!BANG!BANG!
ゆっくり迫るゾンビの頭部にそれぞれ二発ほど拳銃弾を撃ち込む。
崩れ落ちる二体のゾンビ。
しかしまだ背後の方には5,6体程残っている。
「このままじゃ埒が明かない。」
タン!
左足で地面を強く蹴る。
そうすると彼の履いていたゆるめのジーンズから松ぼっくりのような丸い物体が落ちてきた。
「こいつでも喰らってな!」
ドゴォン!
まず最初に光が走った。
次に熱い風が彼の頬を掠め、それと同時に爆音が響く。
服の左袖からナイフを取り出す上田。
上田は爆音と同時に前へ走り出し前方にいた残り一体のゾンビをまるでバターのように
頭部からナイフで真っ二つにした。
全身が武器のような男である。
次に熱い風が彼の頬を掠め、それと同時に爆音が響く。
服の左袖からナイフを取り出す上田。
上田は爆音と同時に前へ走り出し前方にいた残り一体のゾンビをまるでバターのように
頭部からナイフで真っ二つにした。
全身が武器のような男である。
「ごらんの通り、とんだバイオ●ザード。
まさに洋館事件状態。
当然、最初は逃げようとしたんだが……。
外の風景が変わっているんだよね。
ここはこの町の郊外に建っている寂しい屋敷だと思ったんだが?」
まさに洋館事件状態。
当然、最初は逃げようとしたんだが……。
外の風景が変わっているんだよね。
ここはこの町の郊外に建っている寂しい屋敷だと思ったんだが?」
上田明也は焦っていた。
そんな自分を落ち着ける為に状況を話し続ける。
彼が脱出しようと思った時、既に洋館の外には一面の森が広がっていたのだ。
正直、何が起こっているのか彼自身もあまり理解できていないだろう。
そんな自分を落ち着ける為に状況を話し続ける。
彼が脱出しようと思った時、既に洋館の外には一面の森が広がっていたのだ。
正直、何が起こっているのか彼自身もあまり理解できていないだろう。
「俺のやるべきことはそう多くない。
一つ、依頼主から料金を出来る限りふんだくること。
一つ、この屋敷のどこかからインターネットに接続すること。
それが無事に帰る条件だ。
手に入れた地図によれば幸い、地下五階にパソコンがあるらしい。
地下三階にも研究棟があるからそこでメールが受け取れるならオーケーだ。
とりあえず俺のやるべき事はこれだ。」
一つ、依頼主から料金を出来る限りふんだくること。
一つ、この屋敷のどこかからインターネットに接続すること。
それが無事に帰る条件だ。
手に入れた地図によれば幸い、地下五階にパソコンがあるらしい。
地下三階にも研究棟があるからそこでメールが受け取れるならオーケーだ。
とりあえず俺のやるべき事はこれだ。」
彼の現在地点は地下一階、すでに何体かのゾンビを倒して地下に繋がる鍵を手に入れていたのだ。
「BOW!BOWBOW!」
肉が腐りかけたドーベルマンが長く続く廊下の正面から走り寄ってきた。
上田は苦笑いをしながら今度は服の右袖からワルサ―P99を取り出して一回だけ引き金を引く。
パァン!
乾いた銃声が響いた。
「キャインキャイン!」
情けない声を上げて吹き飛ぶゾンビ犬。
ビュン、ザク!
上田はナイフでその胸を切り裂く。
肉が腐りかけたドーベルマンが長く続く廊下の正面から走り寄ってきた。
上田は苦笑いをしながら今度は服の右袖からワルサ―P99を取り出して一回だけ引き金を引く。
パァン!
乾いた銃声が響いた。
「キャインキャイン!」
情けない声を上げて吹き飛ぶゾンビ犬。
ビュン、ザク!
上田はナイフでその胸を切り裂く。
「はい、一丁上がり。」
ナイフをそこら辺のカーペットで拭くと鞘にしまう。
「弾丸は節約しないとなあ……。」
愚痴る上田。
銃弾が時々転がっているし彼のコートにはまだかなりの弾が有るので簡単に弾が切れることは無いのだが
「赤字になっちまう。」
日本に於いて銃弾は高い。
勿論サンジェルマン伯爵に頼めば買ってきてくれるのだが、
それ以前に仕事の経費が報酬を上回るような真似を彼が好まないのだ。
「あいつ……、今頃俺の様子を見て笑っているに違いない。」
上田明也はサンジェルマンの顔を思い出す。
彼のことだから橙辺りと一緒に今の俺の状況を見て大笑いしているに違いないのだ。
上田明也は確信していた。
一方その頃
愚痴る上田。
銃弾が時々転がっているし彼のコートにはまだかなりの弾が有るので簡単に弾が切れることは無いのだが
「赤字になっちまう。」
日本に於いて銃弾は高い。
勿論サンジェルマン伯爵に頼めば買ってきてくれるのだが、
それ以前に仕事の経費が報酬を上回るような真似を彼が好まないのだ。
「あいつ……、今頃俺の様子を見て笑っているに違いない。」
上田明也はサンジェルマンの顔を思い出す。
彼のことだから橙辺りと一緒に今の俺の状況を見て大笑いしているに違いないのだ。
上田明也は確信していた。
一方その頃
「おい、伯爵。上田明也が面白いことになって居るぞ。」
窓のような物を眺める幼女、橙・レイモン。
「妙な都市伝説に捕まりましたね……。
まあ某ゲームにそっくりだことで……。」
それと青年、サンジェルマン伯爵。
「助けなくて良いのか?」
「良いです、勝手に脱出するでしょうし……。
まあ浮気者だからこうなるんですよ。」
「なんだ、また幼女に手を出したのか?」
呆れたように首を振る橙。
「ああ、その件についてあとで説明しますよ。
それより今はこのリアルバイ●ハザードを楽しみましょう。」
「まあそうだな、ハーメルンの笛吹きには面倒ごとに巻き込まれているから帰るの遅れるって連絡しておくぞ?」
「ああ、お願いします。」
概ね上田の予想通りだった。
窓のような物を眺める幼女、橙・レイモン。
「妙な都市伝説に捕まりましたね……。
まあ某ゲームにそっくりだことで……。」
それと青年、サンジェルマン伯爵。
「助けなくて良いのか?」
「良いです、勝手に脱出するでしょうし……。
まあ浮気者だからこうなるんですよ。」
「なんだ、また幼女に手を出したのか?」
呆れたように首を振る橙。
「ああ、その件についてあとで説明しますよ。
それより今はこのリアルバイ●ハザードを楽しみましょう。」
「まあそうだな、ハーメルンの笛吹きには面倒ごとに巻き込まれているから帰るの遅れるって連絡しておくぞ?」
「ああ、お願いします。」
概ね上田の予想通りだった。
さて、場面は元に戻る。
彼は先程から愚痴ばかり言っているがそれ程悪いことばかりだった訳でもない。
この屋敷には割と武器が落ちているのだ。
それに弾薬も。
上田明也とて最初からあそこまで非日常な武器を手にしていたわけではないのである。
手榴弾は最初から手持ちの物と洋館で五つ拾った。
銃弾も今まで使った分ほどではないが9mmパラベラムをそこそこ拾うことが出来ている。
極めつけはこれだった。
彼は先程から愚痴ばかり言っているがそれ程悪いことばかりだった訳でもない。
この屋敷には割と武器が落ちているのだ。
それに弾薬も。
上田明也とて最初からあそこまで非日常な武器を手にしていたわけではないのである。
手榴弾は最初から手持ちの物と洋館で五つ拾った。
銃弾も今まで使った分ほどではないが9mmパラベラムをそこそこ拾うことが出来ている。
極めつけはこれだった。
「MPS社のAuto Assault-12じゃねえか!」
嬉しい悲鳴をあげる上田。
彼の目の前には映画のフィルムのようなマガジンとショットガンが転がっていた。
「AA-12の特徴は非常に高い連射速度とメンテナンスの容易さ、そして低反動にある。
オリジナルのAA-12から引き継いだ、長大なリコイルスプリングを用いる独自の「コンスタント・リコイル」という技術により、
片手でも射撃が可能なほどの低反動を実現している。
また、使用する弾倉は従来の散弾銃のようなチューブラーマガジンではなく、脱着式の箱型弾倉とドラムマガジンとなっている。
使用できる弾薬には12ゲージのバックショット弾やスタンダードなスラッグ弾、そして新開発の特殊弾薬「FRAG-12」がある。
FRAG-12はMPSがアクション・マニュファクチャリング・カンパニー社などと共同開発した12ゲージ榴弾である。
通常のショットシェルの中に安定翼付の18.5ミリ弾頭が納められており、弾頭の種類は榴弾(HE)や徹甲弾(HEAP)で特に徹甲弾は厚さ0.5インチの鉄板を貫くことが可能とされる。
さらにこの他にもセンサーを併用し空中で爆発、飛散するエア・バーストが可能な破片弾頭(HEAB)も研究されているという。
まあ……、マニア垂涎の品だわな。
お、こんな所にタイプライター。
……だからなんだよ!
セーブとかないから!
これ、現実だから!」
彼の目の前には映画のフィルムのようなマガジンとショットガンが転がっていた。
「AA-12の特徴は非常に高い連射速度とメンテナンスの容易さ、そして低反動にある。
オリジナルのAA-12から引き継いだ、長大なリコイルスプリングを用いる独自の「コンスタント・リコイル」という技術により、
片手でも射撃が可能なほどの低反動を実現している。
また、使用する弾倉は従来の散弾銃のようなチューブラーマガジンではなく、脱着式の箱型弾倉とドラムマガジンとなっている。
使用できる弾薬には12ゲージのバックショット弾やスタンダードなスラッグ弾、そして新開発の特殊弾薬「FRAG-12」がある。
FRAG-12はMPSがアクション・マニュファクチャリング・カンパニー社などと共同開発した12ゲージ榴弾である。
通常のショットシェルの中に安定翼付の18.5ミリ弾頭が納められており、弾頭の種類は榴弾(HE)や徹甲弾(HEAP)で特に徹甲弾は厚さ0.5インチの鉄板を貫くことが可能とされる。
さらにこの他にもセンサーを併用し空中で爆発、飛散するエア・バーストが可能な破片弾頭(HEAB)も研究されているという。
まあ……、マニア垂涎の品だわな。
お、こんな所にタイプライター。
……だからなんだよ!
セーブとかないから!
これ、現実だから!」
誰に言うとでもなく突っ込む。
しばらく探索を続けると上田は地下二階に続く階段を発見した。
上田は拳銃を構えながら地下二階に向かうことにした。
「ふむ、ここは……?」
地下二階は植物園になっていた。
人工の照明とコンピュータによる水や養分の制御で育てているのだ。
「多分、こう言うところには……。」
上田は拳銃を構えながら地下二階に向かうことにした。
「ふむ、ここは……?」
地下二階は植物園になっていた。
人工の照明とコンピュータによる水や養分の制御で育てているのだ。
「多分、こう言うところには……。」
ブゥン……
ブゥンブゥン!
ブゥンブゥン!
「虫か!?」
なんということだろう。
植物園には巨大なゴキブリがそこら銃を飛び回っているのだ。
ゴキブリは上田に気付くと素早く飛びかかってきた。
植物園には巨大なゴキブリがそこら銃を飛び回っているのだ。
ゴキブリは上田に気付くと素早く飛びかかってきた。
ダァン!
ダァアン!
ダァアン!
壁を背にしてショットガンで応戦する。
「音に反応して次々襲いかかって来やがる!」
何度撃ってもきりがないことに気付くと上田は次の回への階段を探し始めた。
できるだけ狭い道を選んで歩き、取り囲まれないようにしながら上田は地下二階を探る。
すると彼はちょっとした広場に辿り着いた。
広場の中央には何かの花のような巨大な植物が生えている。
その影には階段のような物が見えた。
「………ここだけ虫がいない。」
「音に反応して次々襲いかかって来やがる!」
何度撃ってもきりがないことに気付くと上田は次の回への階段を探し始めた。
できるだけ狭い道を選んで歩き、取り囲まれないようにしながら上田は地下二階を探る。
すると彼はちょっとした広場に辿り着いた。
広場の中央には何かの花のような巨大な植物が生えている。
その影には階段のような物が見えた。
「………ここだけ虫がいない。」
ブウウゥゥゥウン!
ビス!
ごっしゃごっしゃ………
ビス!
ごっしゃごっしゃ………
「――――――なんだ!?」
それは一瞬の出来事だった。
上田を追ってここまで来た虫が彼の目の前の巨大な植物に喰われたのだ。
「食虫植物か!」
上田を追ってここまで来た虫が彼の目の前の巨大な植物に喰われたのだ。
「食虫植物か!」
ヒゥン……
ヒゥン……
ヒゥン……
触手を振り回しながら辺りに獲物がないか探る巨大植物。
それは触手を上田の方向に向けると数を頼りにいきなり彼に向けて襲いかかってきた。
「あぶねえ!」
すかさずそれに反応して真横に回避する上田。
パチィン!
床を転がりながら手榴弾のピンを外して食虫植物に投げつける。
大気を揺らす爆発が起きるがそれでも植物はまだ元気そうに動いている。
焼けた葉や茎の部分がぽろぽろと落ちて後から新しい部分が出来るのだ。
それは触手を上田の方向に向けると数を頼りにいきなり彼に向けて襲いかかってきた。
「あぶねえ!」
すかさずそれに反応して真横に回避する上田。
パチィン!
床を転がりながら手榴弾のピンを外して食虫植物に投げつける。
大気を揺らす爆発が起きるがそれでも植物はまだ元気そうに動いている。
焼けた葉や茎の部分がぽろぽろと落ちて後から新しい部分が出来るのだ。
「結構固いなあ………再生してやがる、ってわあ!?」
触手が上田の足に絡みつく。
触手は上田を空中で逆さづりにしてゆさゆさと振り回し始めた。
その勢いでどんどん零れ始める彼の武器コレクション。
「うわ、ちょやめてそれ精密機械なの!」
当然言葉は通じない。
ナイフが零れて地面に激突し、刃が毀れる。
銃器が落ちて地面に激突し、綺麗なステンレスのボディに傷が付く。
銃器刀剣マニアの上田としては発狂しそうな光景が目の前で繰り広げられていた。
触手は上田を空中で逆さづりにしてゆさゆさと振り回し始めた。
その勢いでどんどん零れ始める彼の武器コレクション。
「うわ、ちょやめてそれ精密機械なの!」
当然言葉は通じない。
ナイフが零れて地面に激突し、刃が毀れる。
銃器が落ちて地面に激突し、綺麗なステンレスのボディに傷が付く。
銃器刀剣マニアの上田としては発狂しそうな光景が目の前で繰り広げられていた。
「蜻蛉切ぃ!」
このまま続くと危ないと感じたのか契約した都市伝説を呼び出す。
足下の触手を素早く切断して食虫植物から逃れた。
食虫植物は切られた触手を再び生やそうとするが……生えない。
「妖刀から貰った傷が、そう簡単に治ると思うなよ!」
地面に着地すると上田はシャツの中から照明弾を取り出して拳銃に込める。
BANG!BANG!BANG!
照明弾は真っ赤な光を上げて食虫植物に命中する。
「恐らく、熱や音に反応して攻撃しているんだろう?
だったら照明弾の光と音で俺の場所は解らない筈だ。
さらに、植物なんだから熱には弱いはず。」
上田が蜻蛉切を片手に走る、走る、走る。
ダン!
地面を蹴り、大きめの葉を踏み台にして上田は食虫植物に飛びかかる。
「再生し始める前に、こいつで止めを刺す!」
足下の触手を素早く切断して食虫植物から逃れた。
食虫植物は切られた触手を再び生やそうとするが……生えない。
「妖刀から貰った傷が、そう簡単に治ると思うなよ!」
地面に着地すると上田はシャツの中から照明弾を取り出して拳銃に込める。
BANG!BANG!BANG!
照明弾は真っ赤な光を上げて食虫植物に命中する。
「恐らく、熱や音に反応して攻撃しているんだろう?
だったら照明弾の光と音で俺の場所は解らない筈だ。
さらに、植物なんだから熱には弱いはず。」
上田が蜻蛉切を片手に走る、走る、走る。
ダン!
地面を蹴り、大きめの葉を踏み台にして上田は食虫植物に飛びかかる。
「再生し始める前に、こいつで止めを刺す!」
一回、二回、三回、人工照明の光をはね返して蜻蛉切が光る。
そのたびに食虫植物の解体が進んでいく。
数分後、そこには肩で息をする上田と完全に動かなくなった食虫植物の姿があった。
上田は食虫植物の身体の中から妙な物が光っていることに気がついた。
「Tーvirus?……何かのウイルスか。箱に入れて保管してある。
とりあえず貰っておこうか。」
上田はそれを自らの服の中に収納して目の前の階段を降りることにした。
そのたびに食虫植物の解体が進んでいく。
数分後、そこには肩で息をする上田と完全に動かなくなった食虫植物の姿があった。
上田は食虫植物の身体の中から妙な物が光っていることに気がついた。
「Tーvirus?……何かのウイルスか。箱に入れて保管してある。
とりあえず貰っておこうか。」
上田はそれを自らの服の中に収納して目の前の階段を降りることにした。
地下三階は研究所になっている。
「うわーん!うわーん!」
上田がしばらく歩いているとどこからか鳴き声が聞こえてきた。
子供の物だ。
「……こんな所に子供?そんな馬鹿な。」
その声を頼りにしばらく歩くと狭い研究室に男の子が座り込んでいた。
「おい、坊主、こんな所でなにやっている?」
もしかしたらこの都市伝説の契約者かもしれない。
これは絶対に近づかないか密着するしかない。
上田明也はそう考えて一気に距離を詰めた。
何か妙な真似をしたらすぐ殺せると思ったのだろう。
結果としてそれは幸運だった。
「お父さんが腐っちゃったの!それでみんなを……。」
「お父さんが腐っちゃった?ここに居た研究員の子供か……。」
「僕だけここに逃げ込んだんだけれど……、お父さんは追いかけてくるの。」
「ふむ……泣ける親子愛だな。」
「お兄ちゃん誰なの?助けて!」
キラキラとした綺麗な瞳で上田を見つめる少年。
上田明也は……このような瞳に弱い。
「うわーん!うわーん!」
上田がしばらく歩いているとどこからか鳴き声が聞こえてきた。
子供の物だ。
「……こんな所に子供?そんな馬鹿な。」
その声を頼りにしばらく歩くと狭い研究室に男の子が座り込んでいた。
「おい、坊主、こんな所でなにやっている?」
もしかしたらこの都市伝説の契約者かもしれない。
これは絶対に近づかないか密着するしかない。
上田明也はそう考えて一気に距離を詰めた。
何か妙な真似をしたらすぐ殺せると思ったのだろう。
結果としてそれは幸運だった。
「お父さんが腐っちゃったの!それでみんなを……。」
「お父さんが腐っちゃった?ここに居た研究員の子供か……。」
「僕だけここに逃げ込んだんだけれど……、お父さんは追いかけてくるの。」
「ふむ……泣ける親子愛だな。」
「お兄ちゃん誰なの?助けて!」
キラキラとした綺麗な瞳で上田を見つめる少年。
上田明也は……このような瞳に弱い。
「チッ……しゃあねえなあ。立てるか?付いてこい。」
そう言って上田が少年に手を差し出した瞬間だった。
ドスン!
彼の背後で床を突き破る轟音が響いた。
上田が振り返ると槍のような物が床を貫通しているのだ。
場所は丁度先程まで彼が立っていた所だった。
警戒して子供に近づいていなかったら……。
上田明也の背を冷たい汗が流れる。
「お父さん!」
「はぁ!?」
ぬる……べちゃり
どすん、どすん……………
「あ゛あ゛あ゛あああああああああああ!!!」
とあるゾンビが敵のゲームをやっている人間なら十人中十人が言うだろう。
「タイラ●トじゃねえか……!」
上田明也は子供を抱えて走り出す。
パリィン!
上田は研究所の窓を割って中庭へ躍り出た。
体力の続く限り、走る。
「坊主、ここってパソコンとか無いか?」
「この先の部屋にあるけど……。」
「最高だ。インターネットはできるか?」
「うん。でもそれがどうしたの?」
「実はねえ、お兄ちゃんは魔法使いなんだ。それさえあれば君を助け出す位は簡単だ。
だからそこまでの道順を教えてくれ。」
「えっとね、ここをまっすぐ行って研究棟の中に入ってすぐだよ!」
「解った。」
ドゴォン!
鉄筋コンクリートが粉々になる音。
どうやらお父さんが近くまで来ているらしい。
「仕方ないな……おい、坊主。これ持ってそのコンピュータの有る部屋に逃げな。」
コートのポケットから小型の拳銃を取り出して少年に渡す。
「お兄ちゃんはどうするの?」
「君のお父さんを助けてから行くことにするよ。
これが安全装置、このレバーをここに合わせれば弾は出ない。
で、弾そのものは十五発入るから数を覚えておくように。
なくなったらこれを使え。」
シャツの胸ポケットから弾倉を取り出して、少年の掌の上にのせた。
「ちゃんと後から来るんだよ!」
「ああ、お互い無事逃げられたら飲みに行こうぜ。おごってやる。」
少年はすばやく走り出した。
上田明也は彼の無事を祈り、少しだけ目をつむった。
そう言って上田が少年に手を差し出した瞬間だった。
ドスン!
彼の背後で床を突き破る轟音が響いた。
上田が振り返ると槍のような物が床を貫通しているのだ。
場所は丁度先程まで彼が立っていた所だった。
警戒して子供に近づいていなかったら……。
上田明也の背を冷たい汗が流れる。
「お父さん!」
「はぁ!?」
ぬる……べちゃり
どすん、どすん……………
「あ゛あ゛あ゛あああああああああああ!!!」
とあるゾンビが敵のゲームをやっている人間なら十人中十人が言うだろう。
「タイラ●トじゃねえか……!」
上田明也は子供を抱えて走り出す。
パリィン!
上田は研究所の窓を割って中庭へ躍り出た。
体力の続く限り、走る。
「坊主、ここってパソコンとか無いか?」
「この先の部屋にあるけど……。」
「最高だ。インターネットはできるか?」
「うん。でもそれがどうしたの?」
「実はねえ、お兄ちゃんは魔法使いなんだ。それさえあれば君を助け出す位は簡単だ。
だからそこまでの道順を教えてくれ。」
「えっとね、ここをまっすぐ行って研究棟の中に入ってすぐだよ!」
「解った。」
ドゴォン!
鉄筋コンクリートが粉々になる音。
どうやらお父さんが近くまで来ているらしい。
「仕方ないな……おい、坊主。これ持ってそのコンピュータの有る部屋に逃げな。」
コートのポケットから小型の拳銃を取り出して少年に渡す。
「お兄ちゃんはどうするの?」
「君のお父さんを助けてから行くことにするよ。
これが安全装置、このレバーをここに合わせれば弾は出ない。
で、弾そのものは十五発入るから数を覚えておくように。
なくなったらこれを使え。」
シャツの胸ポケットから弾倉を取り出して、少年の掌の上にのせた。
「ちゃんと後から来るんだよ!」
「ああ、お互い無事逃げられたら飲みに行こうぜ。おごってやる。」
少年はすばやく走り出した。
上田明也は彼の無事を祈り、少しだけ目をつむった。
「よし、行くぜ化け物。」
気合いを入れて叫ぶ上田。
「があああああああああああああああ!!!!」
雄叫びが聞こえる。
大気がビリビリと振動する。
地面も軽く揺れているようだ。
ああ、血の臭いだ。
上田明也はスーツの下から小型の機関銃を取り出した。
高速で近づいてくる少年の父親、だったもの。
一目でわかる、駄目だ。
彼はもう救えない。
それどころか放っておけば彼はもっと救えない何かになってしまう。
だから上田は撃った、撃ちまくった。
ドン!ドン!ドン!ドン!
点ではなく面で
二次元ではなく三次元で行われる攻撃は確実にそのゾンビを捕らえていた。
カチッ!カチッ!
「弾切れか!」
少年の父親が動きを止めたのを確認して、上田はありったけの手榴弾を取り出してピンを抜く。
直接彼を狙うのではない。
それではまだ回避される可能性がある。
できるだけばらけさせる形で投げつけるのだ。
爆発が爆発を呼んで少年の父親は炎に包まれ始める。
「うごっ、うがあああああ!?」
「止めはこれだ。」
上田がコートの中から長い筒を取り出した。
間違いない。
あれは個人が携行できる最大威力の武器。
ロケットランチャーだ。
「動くなよ?動けないとは思うけどさ。」
ヒュルルルルルル……バチィン!
「え……?」
彼は確かにロケットランチャーを撃った。
撃ったのだが………弾かれた。
ドゴォン!
弾かれたロケットランチャーの弾は研究所の壁を破壊する。
というかこんな地下でそんな物を爆発させたら危ないではないか。
しかし現在、突っ込み役は不在だ。
気合いを入れて叫ぶ上田。
「があああああああああああああああ!!!!」
雄叫びが聞こえる。
大気がビリビリと振動する。
地面も軽く揺れているようだ。
ああ、血の臭いだ。
上田明也はスーツの下から小型の機関銃を取り出した。
高速で近づいてくる少年の父親、だったもの。
一目でわかる、駄目だ。
彼はもう救えない。
それどころか放っておけば彼はもっと救えない何かになってしまう。
だから上田は撃った、撃ちまくった。
ドン!ドン!ドン!ドン!
点ではなく面で
二次元ではなく三次元で行われる攻撃は確実にそのゾンビを捕らえていた。
カチッ!カチッ!
「弾切れか!」
少年の父親が動きを止めたのを確認して、上田はありったけの手榴弾を取り出してピンを抜く。
直接彼を狙うのではない。
それではまだ回避される可能性がある。
できるだけばらけさせる形で投げつけるのだ。
爆発が爆発を呼んで少年の父親は炎に包まれ始める。
「うごっ、うがあああああ!?」
「止めはこれだ。」
上田がコートの中から長い筒を取り出した。
間違いない。
あれは個人が携行できる最大威力の武器。
ロケットランチャーだ。
「動くなよ?動けないとは思うけどさ。」
ヒュルルルルルル……バチィン!
「え……?」
彼は確かにロケットランチャーを撃った。
撃ったのだが………弾かれた。
ドゴォン!
弾かれたロケットランチャーの弾は研究所の壁を破壊する。
というかこんな地下でそんな物を爆発させたら危ないではないか。
しかし現在、突っ込み役は不在だ。
「うがああああ!」
少年の父親がまっすぐに突っ込んでくる。
上田は遠慮無く持っていた武器を捨てるとそれをゴロゴロと転がって回避した。
「――――――!?」
急に上田の動きが速くなった。
少年の父親だった化け物はそのことに気づき首をかしげる。
上田明也は突然、化け物の目の前から消えたのだ。
ガサゴソ…
わずかな物音に反応して化け物は右を振り向いた。
ビュン!
ドス!
化け物の右目にボウガンの矢が突き立つ。
上田は遠慮無く持っていた武器を捨てるとそれをゴロゴロと転がって回避した。
「――――――!?」
急に上田の動きが速くなった。
少年の父親だった化け物はそのことに気づき首をかしげる。
上田明也は突然、化け物の目の前から消えたのだ。
ガサゴソ…
わずかな物音に反応して化け物は右を振り向いた。
ビュン!
ドス!
化け物の右目にボウガンの矢が突き立つ。
上田の動きが速くなったのは実は当たり前のことなのだ。
今、彼は大量に持っていた武器を全て捨てている。
それだけ軽くなった彼の動きは一瞬だけでも消えたと思わせるには充分だった。
今、彼は大量に持っていた武器を全て捨てている。
それだけ軽くなった彼の動きは一瞬だけでも消えたと思わせるには充分だった。
さらに、その隙を突いて視覚を破壊し、その死角から追撃を狙う。
「蜻蛉切!」
上田は化け物の右腕をすかさず切り落とした。
そして返す刃で化け物の首を二つに裂く。
最後に左腕も右腕と同じようにして、蜻蛉切を振るう腕を止める。
「蜻蛉切!」
上田は化け物の右腕をすかさず切り落とした。
そして返す刃で化け物の首を二つに裂く。
最後に左腕も右腕と同じようにして、蜻蛉切を振るう腕を止める。
「流石にタイラ●ントでも首さえ落ちれば動けないだろう……。」
上田は呟くと蜻蛉切をしまい込んだ。
上田は呟くと蜻蛉切をしまい込んだ。
「よし、少年の所に向かうとするか……。」
タイラ●ントの首を遠くに蹴り飛ばすと先程捨てた武器を再びしまいながら上田は歩き始める。
「今回武器の経費が高く付いたなあ……、向坂に怒られちまう。」
上田明也は再び愚痴を吐く。
まあしかし生きて帰る見通しが付いたことに彼は安堵していた。
ストン
命が落ちるときの音は何時だってシンプル。
上田明也が背中から胸にかけて感じる妙な衝撃と熱い感覚は死を予感させるに充分だった。
「…………は?」
化け物は……もう一体居た。
上田明也の目の前が真っ白になっていく。
化け物はもう彼を死んだと判断したのだろう。
背中を見せて遠ざかっていく。
上田明也は再び愚痴を吐く。
まあしかし生きて帰る見通しが付いたことに彼は安堵していた。
ストン
命が落ちるときの音は何時だってシンプル。
上田明也が背中から胸にかけて感じる妙な衝撃と熱い感覚は死を予感させるに充分だった。
「…………は?」
化け物は……もう一体居た。
上田明也の目の前が真っ白になっていく。
化け物はもう彼を死んだと判断したのだろう。
背中を見せて遠ざかっていく。
そんな状況で上田明也は考えて居た。
どうすればあいつを倒せる?
どうすればあいつを殺せる?
もっとも効率の良い手段。
あいつはどうしてあそこまでつよくなった?
理由は明確。
おそらくウイルスを投与されたからだろう。
自分が奴だったならば胸を貫かれても死にはしない。
先程まで拾った武器を漁る。
あいつに届く何かは無いかと。
そして、彼は迷うことなくとある物を手に取った。
どうすればあいつを倒せる?
どうすればあいつを殺せる?
もっとも効率の良い手段。
あいつはどうしてあそこまでつよくなった?
理由は明確。
おそらくウイルスを投与されたからだろう。
自分が奴だったならば胸を貫かれても死にはしない。
先程まで拾った武器を漁る。
あいつに届く何かは無いかと。
そして、彼は迷うことなくとある物を手に取った。
コンピュータールームに付いた少年は上田明也を待っていた。
突如化け物になった父親。
そして仲の良かった研究所の人々の死。
あんなに自分に懐いていた犬までもが彼に牙を剥いた。
この悪夢は一体いつまで続くのだろう?
たとえ自分が助かったとしても意味は無いのではないだろうか?
彼の絶望と恐怖が極限にまで達したとき、ドアが乱暴に破られる。
少年の目の前に現れたのは自分の父と同じ、化け物だった。
「――――――――――――ああ。」
何故か少年は呟いた。
結局駄目だったのか。
少年は自分が死ぬらしい段になって思い出していた。
これは彼が契約して囚われた都市伝説だったのだ。
呪いのゲーム。
それはクリアしない限り出ることの敵わぬ悪夢。
少年はクリアすることもゲームをやめることも出来ずに延々とここで死に続けていたのだ。
それには常に誰かが巻き添えになっていた。
勿論、少年を見殺しにして逃げ出してこの悪夢から抜けた人間も居たのだが……
そんなことは今はどうだって良い。
とにかく自分は今回もここから出られない。
そう思って彼は目をつむった。
突如化け物になった父親。
そして仲の良かった研究所の人々の死。
あんなに自分に懐いていた犬までもが彼に牙を剥いた。
この悪夢は一体いつまで続くのだろう?
たとえ自分が助かったとしても意味は無いのではないだろうか?
彼の絶望と恐怖が極限にまで達したとき、ドアが乱暴に破られる。
少年の目の前に現れたのは自分の父と同じ、化け物だった。
「――――――――――――ああ。」
何故か少年は呟いた。
結局駄目だったのか。
少年は自分が死ぬらしい段になって思い出していた。
これは彼が契約して囚われた都市伝説だったのだ。
呪いのゲーム。
それはクリアしない限り出ることの敵わぬ悪夢。
少年はクリアすることもゲームをやめることも出来ずに延々とここで死に続けていたのだ。
それには常に誰かが巻き添えになっていた。
勿論、少年を見殺しにして逃げ出してこの悪夢から抜けた人間も居たのだが……
そんなことは今はどうだって良い。
とにかく自分は今回もここから出られない。
そう思って彼は目をつむった。
化け物は槍のような腕を腕を振り上げると少年に向けて真っ直ぐ降ろした。
ガキィン!
突如響き渡る金属音。
何事かと思い少年は目を開ける。
「おい、少年。俺は見ず知らずのお前の為に命を張る。笑うか?」
化け物の腕をショットガンで受け止めていたのは先程まで血だまりの中で倒れていた上田明也だった。
「お兄ちゃん!」
「これから、こいつをサクッと倒してここから出ようと思う。
少しばかりそこで待っていろ。」
「………うん!」
少年の返事を聞くと、上田明也はあっさりショットガンを捨てて化け物の横に回り込む。
「すこし広い場所で戦おうぜ?」
上田は蜻蛉切で化け物の足を切ってから化け物の身体を廊下に蹴り飛ばす。
そして蜻蛉切を腰の鞘にしまうと服の袖から拳銃を取り出して何発か撃ち込む。
「がぁああぁああ!」
しかしそれは大したダメージにはならない。
化け物は撃ち込まれた銃弾を指先に集めると走り寄ってきた上田に向けてそれを放った。
空を裂いて上田に飛来する銃弾。
それをジッと見詰める上田。
彼はまるで掠るか掠らないかのギリギリの状態を楽しむように首をわずかにひねる動きだけでそれを回避して見せた。
ひねった動きのせいでシャツの首の辺りから隠れていた糸のような物が見える。
上田はそれを引き抜くとクルクルと化け物の身体に巻き付けた。
巻き付いた糸には特に何か仕掛けがしてあるという雰囲気ではない。
何事かと思い少年は目を開ける。
「おい、少年。俺は見ず知らずのお前の為に命を張る。笑うか?」
化け物の腕をショットガンで受け止めていたのは先程まで血だまりの中で倒れていた上田明也だった。
「お兄ちゃん!」
「これから、こいつをサクッと倒してここから出ようと思う。
少しばかりそこで待っていろ。」
「………うん!」
少年の返事を聞くと、上田明也はあっさりショットガンを捨てて化け物の横に回り込む。
「すこし広い場所で戦おうぜ?」
上田は蜻蛉切で化け物の足を切ってから化け物の身体を廊下に蹴り飛ばす。
そして蜻蛉切を腰の鞘にしまうと服の袖から拳銃を取り出して何発か撃ち込む。
「がぁああぁああ!」
しかしそれは大したダメージにはならない。
化け物は撃ち込まれた銃弾を指先に集めると走り寄ってきた上田に向けてそれを放った。
空を裂いて上田に飛来する銃弾。
それをジッと見詰める上田。
彼はまるで掠るか掠らないかのギリギリの状態を楽しむように首をわずかにひねる動きだけでそれを回避して見せた。
ひねった動きのせいでシャツの首の辺りから隠れていた糸のような物が見える。
上田はそれを引き抜くとクルクルと化け物の身体に巻き付けた。
巻き付いた糸には特に何か仕掛けがしてあるという雰囲気ではない。
シュ!
上田がわずかに糸を引く。
するとタイ●ントのような化け物の身体が二つに「割れた」。
「ふむ、洒落程度に持っていたが……中々使えるじゃないかこの糸も……。」
上田は満足そうに微笑むと、化け物に背を向けて少年の待つ部屋に帰る。
ポケットに違和感を感じる。
「ああ、そうだ。入れっぱなしだった。」
ポケットからvirusと書かれた注射器を捨てるとそれを踏みつぶし、扉を開けた。
するとタイ●ントのような化け物の身体が二つに「割れた」。
「ふむ、洒落程度に持っていたが……中々使えるじゃないかこの糸も……。」
上田は満足そうに微笑むと、化け物に背を向けて少年の待つ部屋に帰る。
ポケットに違和感を感じる。
「ああ、そうだ。入れっぱなしだった。」
ポケットからvirusと書かれた注射器を捨てるとそれを踏みつぶし、扉を開けた。
【上田明也の探偵倶楽部9~幽霊屋敷調査の事~ fin】
「という夢を見たんだ。」
上田はメルに長い夢の話を語り終えた。
「所長、大分疲れていますね。」
「言ってくれるなよメル。糸使いとして目覚めた俺はきっと格好良かった。」
「●ウイルスなんて自分に使ったら危ないじゃないですか。
上スカーか?上スカーなのか?」
「えー、俺は好きだぜ上スカー。」
そう言って上田明也は洗面所に向かっていった。
上田はメルに長い夢の話を語り終えた。
「所長、大分疲れていますね。」
「言ってくれるなよメル。糸使いとして目覚めた俺はきっと格好良かった。」
「●ウイルスなんて自分に使ったら危ないじゃないですか。
上スカーか?上スカーなのか?」
「えー、俺は好きだぜ上スカー。」
そう言って上田明也は洗面所に向かっていった。
【上田明也の探偵倶楽部 続く】