「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - モンスの天使-05a

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匿名ユーザー

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 それは、とある昼下りの事

「なぁ」
「うん?」

 職場(「組織」)での愚痴を粗方吐き出し、すっきりしたモンスの天使契約者
 そんな彼に、彼の愚痴をじっと聞いていた仲介者が、ふと、顔をあげて言ってくる

「少々、相談したい事があるのだが。構わないだろうか?」
「相談?」

 あぁ、と頷いてくる仲介者
 構わない、とモンスの天使契約者は答えて見せた
 散々、愚痴を聞いてもらったのだ
 相談くらい、のらなければ

「ありがとう……実を言うと、前々から悩んでいた事なのだがね」

 ぱたん、と
 開いていた本を閉じて
 仲介者は、真剣な表情を見せてきた

「…僕は、そんなに男らしく見えないだろうか?」

 ………
 …………
 ……………

「……は?」

 と、モンスの天使契約者は、やや間の抜けた声をあげてしまったが
 それは、決して彼の罪ではないだろう

「どうしたんだよ、突然」
「いや、つい最近、同窓会があったのだがな。その席で皆に言われたのだよ。「相変わらず中性的だ」、と」

 淡々と語ってくる仲介者
 表情は、相変わらず感情が薄いが真剣そのものだ

「友人達も、僕を男らしくはない、と言ってきてな……そこまで、男らしくないだろうか?」
「…男らしく、ねぇ」

 しげしげと、モンスの天使契約者は改めて、友人である仲介者を見つめた
 顔立ちも体付きも中性的で、着ている服が男物だから、という理由で、辛うじて男性である事がわかる、と言ういでたちだ
 声も、聞いただけでは男か女かはっきりしない領域
 立ち振る舞いすらも、どこか中性的で
 そして、思い返せば、彼の趣味は読書……は、まだいいとして
 他の趣味がケーキ屋巡りと雑貨屋巡り

 ………
 …………
 ……………

「うん」
「何を納得しているのかね?」
「いや、悪い。正直、そいつらの言い分を俺は否定できない」

 男らしくない
 全くもって、否定できない

「…それは、僕が女らしい、ということだろうか?」
「いや、そう言う訳でもないが」

 女らしいか?
 そう聞かれれば、NOと答える事が出来る
 だが、同時に、男らしいか、と聞かれてもNOと答える事ができる
 目の前の青年は、どこまでも中性的なのだ

「…僕としては、男らしくあろうとしているつもりなのだがね」

 うまくいかないものだ、と仲介者は小さくため息をついた
 モンスの天使契約者は、友人のそんな様子に苦笑する

「まぁ、男らしい、つっても色々あるしな」
「僕としては、レディに対しては常に男らしくあろうとしているつもりなのだが」
「……努力は認める」

 若干、ズレている部分もあるが
 この男、女性に対する言動など、狙ってやっているのではなく天然だから困る

「ただ、な…男は喫茶店に入って、ケーキセットを頼むまではいいとして、そのケーキに愛らしいクマの形をしたケーキは選ばないと想うぞ」
「む、そうか?甘くて美味だったが」
「いや、美味いまずいの問題じゃなくて、だな」

 仲介者が平らげたケーキは…それはもう、愛らしいクマの形をしたケーキだった
 どちらかと言うと、小さな子供向けや女性向けのケーキだ
 男らしく、という点から見ると、ちょっと違う

「っつか、どうしたんだよ、急に。男らしく、なんて」
「流石に、年齢=彼女いない暦がちょっと寂しくなってきた」

 すっぱり
 正直に答えられた
 ……あ、気にしてたのか、と少し驚くモンスの天使契約者
 彼女がいない事をからかっても、淡々と返してきていたからてっきり気にしていないかと思っていたが…今度から、その点をからかうのは自重しよう

「まぁ、友人の一人も似たような状況だし、と悠長に構えていたら、その友人はいつの間にやら、男と幼女の両手に花状態。若干悔しかった」
「ちょっと待て。それ、両手に花か?ちょっと違わないか?」

 幼女、は人によっては素敵に花だろうが
 男は待て
 ちょっと待て
 自分以外の仲介者の友人に関して、モンスの天使契約者は仲介者の言葉の中からしか情報を知らないが
 …男を花と認識するのはちょっと待て

「あぁ。彼にとって愛しの大切な相手だからな。花だろう?」
「…………そうか」

 …あぁ、そうか
 こいつの友人、そっち系なのか
 モンスの天使契約者は、そう理解した
 …こいつも中性的だから、狙われていやしないのか
 若干、心配になったのだった


「---っくし」
「風邪?移さないでよ?」

 どこか遠くで、くしゃみしていたチャラい格好の青年がいたが、どうでもいいことである




続かない



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