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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある警察幹部の憂鬱-07

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 ふぅ、と彼女は小さくため息をついた
 …都市伝説事件の報告が、多い
 近頃多いのは、「コーク・ロア」による被害か
 犬が、突然何者かに操られたかのように姿を消して…帰ってきた犬は血塗れだった、という報告もある
 マッドガッサー騒動が終わり、クリスマスのあの妙な騒ぎも終わり……落ち着いてきたと思ったら
 この学校町にいる限り、都市伝説騒動からは逃れられないのだろうか?

(…まぁ、それをわかっていて、私はこの街にいるのですが…)

 わかりきっていることだ
 それはわかっているが……憂鬱である

 …と、部屋がノックされた
 入りなさい、と声をかけると、よく都市伝説事件に首を突っ込み、始末書を書くはめになっている年上の部下が入ってきた
 …いつも通り、その手に持っているのは、始末書だ
 書かせたのは自分だが

「始末書、ですね。ご苦労様です」
「あぁ、本当に」

 部下から始末書を受け取る
 …ここで、いつもなら、部下はすぐに自分の職場に戻るところだ
 だが、今日に限って、戻らない
 じっと、彼女を見つめてくる

「…どうしました?用件は、もう終わったでしょう?」
「あぁ、いや……顔色が悪いぞ、少し、休んだ方がいいんじゃないのか?」
「気遣いは無用です。そして、それは上司にかける言葉づかいとして問題がありますね。訴えますよ?勝ちますよ?」

 確かに、このところ、少々睡眠時間が不足している傾向にある
 だが、休んでいる暇などあるものか
 ちょっと目を放せば、目の前の部下は都市伝説事件に首を突っ込んでしまうのだ


 もし
 もし、それが原因で
 この部下が、命を落としてしまったら

 また、私は部下を救えなかった事になる

 4,5年前になるか……あの、事件で
 命を落としてしまった、部下二人 
 飛び降りだと通報されたあの事件が、都市伝説絡みであると知ったのは、部下二人の死体が見付かってからだった

 「組織」が彼女に接触してきたのは、その直後だ

『都市伝説を知っているか?お前達の常識が通用しない化け物共の事を……そいつらが起こす事件から、部下を護りたいだろう?』

 自分に接触してきた、「組織」のエージェント、H-No.360
 彼と初めて出会った時のあの衝撃を、彼女は決して、忘れる事はない


「まぁ、言葉づかいに付いてはさておき、だ」

 じ、と
 この、問題ばかり起こす部下は、彼女をじっと見詰めてきた
 静かに、告げてくる

「…あんたの親父さんが死んだ事件も。あんたの兄さんが行方不明になった事件も。どちらも都市伝説絡みだ。その点から、神経質になるのもわかるが…少しは、こっちを信用してくれたらどうだ?」
「……都市伝説と契約していない人間が、都市伝説と戦うなど、自殺行為です。認める訳にはいきません」
「だからって、あんな未成年に戦わせるのか?しかも、あの少年、獄門寺家の跡取り息子じゃないか」

 …わかっている
 そんな事は、わかっている

「…彼に関しては、強制しているわけではありません…彼自身が、協力を申し出てきてくれているのです。あなた達のような、都市伝説と契約していない一般人が、都市伝説事件によって、命を落とさないように」
「だからって…」
「………わかっています!」

 たえきれずに
 彼女は、声を荒げた

「わかっています!……彼のような未成年を、事件に巻き込むことなど間違っていると……わかっています、そんな事は!!」

 わかりきっている事だ
 だが

「…しかし…私は、これしか方法を知りません。「組織」に頼り切る訳にもいかないのです」
「……あの黒服の兄ちゃんじゃあ、頼りにならないのか?広瀬警部補殿よ」
「できれば、彼とはあまり、顔を合わせたくありませんから」

 思考が、冷静さを取り戻してくる
 …らしくもない
 声を荒げてしまうなど……部下の前で、なんたる失態だ

「…とにかく、始末書は受け取りました……下がりなさい」
「…………」

 …まだ、何か言いたそうではあったが
 とりあえず、部下は「失礼します」と、そう言って部屋を出た

 ……椅子に沈み込み、項垂れて
 彼女は、あの黒服の事を、H-No.360のことを考える


 そうだ
 あの男とは、あまり顔を合わせたくない

 彼は、あまりにも似すぎているのだ
 10年前に失踪した、彼女の兄と
 10年前に失踪した、あの当時の兄の姿と…あまりにも、似すぎていて

 だが、違う
 あれは、兄ではない
 あれが、自分の兄であるはずなどないのだ
 彼だって、否定してきたではないか
 そんなはずが、ない


「…あんな、男が………辰也兄さんのはずが、ない…」


 頭ではわかりきっている
 だが、それでも
 彼と顔を合わせれば、嫌でも兄の事を思い出して…もしかしたら、目の前の男が兄なのではないか、と錯覚してしまう
 だから…彼女は、彼とあまり、顔を合わせたくはないのだ



to be … ?


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