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A-No.218_conversation_01
『黒服。』
目の前のノートパソコンから、声が響く。
「どうしました、エイダ。」
『なぜ、名前を教えなかったのですか?』
「…私に、名前はありません。」
『なぜ、名前を教えなかったのですか?』
「…私に、名前はありません。」
エイダの問いかけに、一瞬の間をおいて答える。
『貴方には、マスターが付けた名前があるはずです。それを、橘野悠司に教えればよかったのでは?』
「あれは、彼が私に対して用いていた呼称に過ぎません。あれが私の名前であるという情報は、誤りです。」
「あれは、彼が私に対して用いていた呼称に過ぎません。あれが私の名前であるという情報は、誤りです。」
名前ではなく、呼び方に過ぎない。そう言った黒服。
『では、もしマスターと同じように、橘野悠司があなたに名前をつけたら、あなたはその名前を名乗りますか?』
「名前をつける、という言い方は適切ではありませんが、橘野悠司がその呼称を用いることを、私は拒否しません。」
「名前をつける、という言い方は適切ではありませんが、橘野悠司がその呼称を用いることを、私は拒否しません。」
名前は無いが、名前で呼ばれることを否定しない。
その矛盾した自らの考えに、黒服は疑問を抱かない。
その矛盾した自らの考えに、黒服は疑問を抱かない。
――――「組織」の黒服、A-No.218。「組織」の黒服に、名前は不要。
――――「組織」の黒服は、ただ忠実に、「組織」に臣従していればよい。
――――「組織」の黒服は、ただ忠実に、「組織」に臣従していればよい。
A-No.218_conversation_01_fin