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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載-噂をすれば-08

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uwasawosuruhito

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その8 足助家の福の神争奪戦


学校町西区
工場が立ち並ぶこの区に、古い看板の工場が一軒建っていた。

”トイレからロケットランチャーまで、何でもおつくりします。足助工業”

家族経営のこの工場は、決まった製品はなく、注文さえあれば何でも作る。そんな経営をしている。
2月3日、この家に、かつて無い緊張が走っていた。


「さておまえら。今日は節分なわけだが、今年は寅年。そして俺は寅年生まれ。どういうことか分かるな?」

工場の駐車場、腕を組んで不適に笑うこの男。
鍛え上げられた巨大な体躯、その手にあるのは、巨大な金棒。
足助魑。足助工業社長にして足助家家長。年のころ48、年男である。
対峙するのは足助家長男、足助衛、そして次男足助透。
それぞれの手に、大きな枡を持ち、中に大豆をいっぱいに入れている。

魑「困難は、厳しければ厳しいほど、乗り越えた先にあるものもまた大きい。節分は鬼を払い、福を招き入れる。鬼が強ければ、招き入れる福もまた大きいのは道理だろう。」

魑は鬼の面を被り、金棒を高く掲げる。

「さあ来い。そして乗り越えて見せろ。この俺という鬼を!」

ドォン!!
金棒を振り下ろすと、工場全体が震えるほどの衝撃が走った。
足助家の、今年の福を巡る戦いが始まった。


絶え間なく、大豆が飛び交っていた。
衛と透から投げつけられる大豆を、魑は手にした金棒でことごとく打ち落としている。

透「くっそ!鋳鉄の金棒を棒切れみたいに振り回してやがる!」

衛「毎度ながらうちの親父は化け物だな!」

衛も透も一般人から見ればかなり運動の出来るほうである。
しかし魑はそんな2人の猛攻さえも問題にしないほどの怪力の持ち主である。
仕事の合間に作った金棒は、すべてが鉄で出来たもので、100kgを裕に越す。
そんな超重量の金棒を、魑は片手で軽々と振り回している。
十分人外の領域だが、都市伝説とは契約していない。
足助家で都市伝説と契約しているのは、次男の透だけで、他は都市伝説が実在することすら知らない。

魑「どうしたお前らぁ!そんな程度か?ならこっちからも行くぞ!」

金棒を両手に持ち替え振りかぶり、向かってくる大豆を、打ち返した。

透「うお!あぶねえ!」

散弾銃のように飛んでくる大豆を間一髪避けた衛と透は、たまらず停めてあるトラックの陰に退避する。

魑「なんだぁ!鬼から逃げるとは腰抜けが!そんなんじゃ今年の福は手に入らないぞ!」

衛「腰抜けだとぉ!おい透!挟み撃ちで行くぞ!」

簡単に挑発に乗せられた衛と透は、魑を挟み撃ちにする形に回り込んだ。

衛「とにかく投げまくれ!打ち返す余裕を与えるな!」

同時に2方向から飛んでくる大豆に、魑が少しずつ押され始めた。

魑「やるじゃねぇか!じゃあこっちも本気で行くぜ!ぅぉおおおおおおおお!」

魑は力任せにめちゃくちゃに金棒を振り回し、大豆そ方向かまわず打ち返す。
大豆を避けながら投げ続ける衛と透。金棒を振り回す魑。
もはや戦場の如く大豆の撃ち合いが展開されていた。

パリーン

透「あ、やべ。」

魑の打ち返した大豆があたり、工場の隣に建てられた我が家の窓ガラスが割れる音がした。
一旦攻防が中断されると、家から一人の女性が出てきた。

福江「あらあら、ちょっとはしゃぎすぎねぇ」

おっとりした様子の女性は、足助福江。魑の妻であり、衛と透の母である。
福江は地面に落ちた大豆を一粒拾うと、困った顔をして。

福江「まったく。むやみやたらと大豆を投げるから、ガラスを割るようなことになるのよ」
軽く振りかぶる。

福江「鬼を仕留めるなら、大豆は一粒で十分でしょう?」
次の瞬間

チュドォォン!
大豆にあるまじき音を立てて、大豆が着弾した。
魑は金棒を盾にして大豆を受け止めていた。
大豆は一瞬で粉砕し、金棒から煙となって舞い散った。
福江はにっこりと笑い

福江「私も参加してもいいかしら?我が家のガラスを割った乱暴な鬼を、懲らしめてやらないと。」

魑もそれに答えるようににやりと笑い

魑「ふん、面白い。いいだろう、3人まとめてかかってきやがれ!今年の福は、簡単にはやらねぇぞぉぉぉおおおおおおおお!」

魑の咆哮を合図に、さっき以上の激しい攻防がはじまった。


近所迷惑な大騒ぎは、夜遅くまで続いたそうな。


fin

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