アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ハーメルンの笛吹き-42a

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
【上田明也の探偵倶楽部17~禿、降臨~】


「笛吹さん、もうすぐ着きますよ。」

何処までも続く森林、長く伸びてうねる道の先が見える事なんて無い。
わずかに窓を開けると吹き込んでくる風には、わずかに木々と太陽の香りが混じっていた。
今回の事件の舞台はそんな山の中にポツンと佇む町だ。
名前を、プレゼントパレスと言う。
意味は『安らぎの村、心地よい村』だそうだ。

『解りました。それにしても極秘作戦番号801、『プレゼントパレス奪還作戦』か……。』
『巫山戯た名前に聞こえますが深刻な問題なんだて。
 この村に住んでいる女性は全員保護されているけれど男性は未だ見つかってないんだがね。
 私の父や叔父も今頃どうなっているか……。』
「そうは言っても村が突然裸の男に支配されて、女性の居ない変態の王国になっているだなんて……。
 正直誰が聞いても信じられませんよ?」
『それは知っているけど………これが事実なんだがね。』

黒いスポーツカーに乗っているのは俺と善良なアメリカ市民であるユナさん。
彼女は普段はアメリカのとある組織に勤めているらしいが、
日本から来た友人である笛吹君と偶々郷里で休暇を過ごそうとした所、
偶然謎の変態に占拠された自分の故郷を見つけてしまう、という設定になっている。

アメリカ政府が『組織』の構成員に攻撃したのではない。
あくまで偶然であってそもそもアメリカの町を支配していたそちらが悪い。
……ということにしたいらしい。
世の中そんな物である。



もうすぐ着きますよ、と言われてから5分ほどすると、山の中に一つの看板が立っていた。
「pleasantpalace」という文字を塗りつぶして「gay♂place」になっている。
俺達は車から降りて村への入り口へ向かう。

「……ここです。」
「こりゃあ、………ひどい。」

ユナの故郷であるというのどかな田舎町は筋肉と男だらけのハッテン場になっていた。
馬達の代わりに筋肉達磨が野山を優雅に駆け回り、
草をはむ牛たちの代わりにガチムチな全裸男が牧場でその裸体を誇示している。
その姿はまさにこの世の地獄と言うべきだった。
故郷の惨状を目にしたユナはその場で貧血を起こして倒れてしまう。
すかさず受け止めて介抱していると村の入り口に有る小屋から黒いブーメランパンツを履いた男が歩いてきた。

『お客サーン、貴方もハッテンしに来たノデスカァ?』
『はい、妻と一緒にガチムチに憧れて来たのですが……。』
『ちょ、ちょっと笛吹さん何言ってんだがね! ……ってベン叔父さん! 』
「え、親族の方? 」
「叔父です、農作業と家畜の世話を愛する心優しい人だったんですが……。
 事件が起きた際、他の村の男性と同じように行方不明になっていた筈です。」

男はどうやらユナの叔父らしい。
それにしても……マッチョである。
恐らく禿の黒服がハッしている兄気とやらの効果に違いない。

『ベン叔父さん!ベン叔父さんよね!? 』
『おや、ユナじゃないか! 妻ってことは……旦那さんきゃあ? ずいぶん良い男を連れてきたねえ?
 鍛え込みが足りないがここで二ヶ月も過ごせば立派なガチムチになれるぞぉ!
 アジア系の男がこの【ゲイパレス】には丁度足りなかったんだよ!』

背筋を冷えた汗が伝う。
ヤバイ、掘られる。




『叔父さん、キャシー叔母さんが心配しているわ!
 私達と一緒にこの村から逃げて! 』
『ハッハッハ、逃げるぅ?何を言っているのだ?
 マ神様は我々に尽きる事なき無限の筋肉と男同士の建設的な愛の形を教えてくれたのだ!』

どうやら新たな世界に目覚めていらっしゃるらしい。
ユナが必死で説得しているがどうにも埒が明かない。

『そんな! ベン叔父さん、目を覚まして! 』
『どうにも解ってくれないようがね、ユナ。
 ならば仕方がない。
 ……ケビン! ジョン! ボブ! アレを持って来させろ!
 そしてそこの男はマ神様に献上する! 』

ベンが村の方向に向けて大声で叫ぶ。
するとやはり全裸の男が村の方向から駆けてきた。

『ユナさん、説得は無駄なようだ。一旦逃げるぞ。』
『待ち給えそこの男♂性! 』

俺がユナの手を引いて一旦車まで逃げようとすると
人間とは思えない素早い動きでベンが回り込んできた。
これも兄気の影響なのだろうか? どうやら人体が強化されているらしい。

『君は我々と共に、このゲイパレスから始まる新世界の民となるのだ! 』

ジワジワとベンが距離を詰めてくる。



『おいおいベン、俺達を呼ぶなんてどうしたんだい? 』
『ウホッ、良い男! 筋肉さえ付けば俺は大好きだぜ。』
『ほう、これは我々の仲間になって貰うしかないな。』
『ケビン、ジョン、ボブ!あんた達まで!』
「こいつら誰? 」
「まぁ、幼馴染みです。彼らは村を離れていた筈なんですけど……。」

前方にはベン、左右と後方にはそれぞれ村から新たにやってきた三人が立ちはだかる。
簡単に言うと……囲まれた。
黒いブーメランパンツの男達に囲まれるというのは中々嫌な状況である。

「笛吹さん。ここは私に任せて下さい。」

ユナはそう言うと腰から銃を抜き取る。

「おいおい、親戚やら故郷の友人やらを撃つ気か? 」
「麻酔銃です。」

続けざまに四発の銃声が響く。
麻酔が効いたのか四人は簡単に崩れ落ちて眠ってしまった。

「うっひゃー、容赦ねえ。」
「無駄口を叩いていないで早く行きますよ、何時起きるか解らない。」

とりあえず俺達二人は村の外、車があった地点まで戻ることにした。




「こいつは……! 」
「やられましたね。」

俺達が村の近くに停めていた車は何者かの手によって破壊されていた。
恐らくガチムチ兄貴の手の物だろう。

「笛吹さん、これはこの村を開放するしか無いみたいですね。」
「しかし車が無い状況だと逃げ道が無いのが………。」
「確かにそれは気になりますね。応援も呼べないし……キャッ! 」
突然、白濁したガスを吹きかけられた。
「くそっ、何だこれ!? 」
『やめてえええええ! 』
「――――――ユナ!? 」
ガスを振り払って周りを見回すとユナはガチムチの男によって抱え上げられていた。

「あれは………!」
『男体化ガスですよ、笛吹丁、いいえ、ハーメルンの笛吹きさん。』
後ろから声をかけられる。
振り返るとそこには赤いブーメランパンツの男が居た。

『誰だお前は! 』
『この村の村長をしていた者です。ユナは我々の鍛錬の末に開発された男体化ガスの被験者になったのです。
 彼女への実験が成功すればいよいよ、我々の人類兄貴化計画が本格的に始動する。』
『人類……、兄貴化計画? ゾッとするね。』
『ふっ、筋肉のすばらしさが解らない愚かな民よ……。
 まあ貴方の処理は部下に任せましょう、貴方もまたガチムチ兄貴になるのです! 』

村長が号令を出すと良く引き締まった身体の全裸の男達が俺の周りを囲んだ。




『それではさようなら、笛吹さん。マッシブな肉体になったらまた会いましょう。』
『くそっ待て!』
俺はユナを取り返そうと村長に走り寄る。

『おっと』
『そうは』
『問屋が』
『おろしませんよー』

すると謎の筋肉四人組は俺の前に立ちふさがって、奇怪なポージングをとる。
『なんだお前ら!さっさと通せ!』
『くっくっく』
『それは』
『我々四人のポージングを』
『堪能してから言うのだな! 』
『『『『マッシブポージングZ!!!!』』』』

男達は四人で協力してボディビルディングのポーズのような物をとっている。
正直言って気持ちが悪い。
「この笛吹丁、容赦はせん!」
何時も持ち歩いているスタンロッドをロングコートの袖から取り出す。
ちなみに先程容赦はせんと言ったが勿論嘘である、元村人のようなのでちゃんと容赦はする。
俺は殺人鬼ではないのだ。
『われわれの……』
『ポージングを……』
『見ても……』
『平気だとは……、ガクリ』
とりあえず四人組を気絶させると俺は村の中に進んだ。





村の中には大量の兄貴が居た。
できるだけ目立たないように建物の影などに隠れながら村を進む。
さすがに村などと言ってもこの近代社会に於いて、村の中央付近はそこそこ都市化されていた。
当然、スーパーマーケットなどもある。
勿論、兄貴しか居ないのだが。

『おい! 居たぞ! 』
『あそこだ!追え!追え! 』
「やっべ見つかった! 」

ズボンの裾に仕込んでおいたスタングレネードを投げつけて兄貴軍団を足止めする。
その間にスーパーマーケットの段ボール置き場に身を隠す。

『お、こんな所に段ボール。』

丁度自分の身体がすっぽり入る。

「こちらス●ーク!大佐、聞こえるか! 」

…………アメリカに来てまで何をしているのかと。
いい年して何をしているのかと。
いや、アメリカだからある意味本場ではあるのだが。
自分のあまりの情けなさに涙を流していた所、ガチムチ兄貴に気付かれてしまったらしい。
まずは村の中央付近までまた逃げることにした。




「ぜぇ……、ぜぇ……、はぁはぁ……。」

そうだ、忘れていた訳ではないが俺は運動が苦手だ。
100mで言えば14秒より速く走れない。
だから必死になって走ってみても当然兄貴達に追いかけられて追いつかれる。
シカタナイヨネ。

『待ちなさいおにいさーん! 』
『貴方もここでガチムチ兄貴化して頂きマース! 』
「ええぃ! 五月蠅い奴らめ! 」

俺は村の中央付近の高台に追い詰められていた。
ちょっとした崖を背にして立ちすくむ俺。
周りを囲むのは当然黒いブリーフの変態筋肉軍団。
彼らは自らの筋肉を誇示しながら徐々に包囲網を詰めてきた。
俺、ピンチ。
かくなる上は崖を飛び降りて逃げてみるか?
崖の下を覗く。
『A・NI・KI!A・NI・KI! 』
なんということだろう。
崖の下には俺を追い詰めていた以上の筋肉軍団が居る。
ハーメルンの笛吹きの能力を限界まで使用して伝承の如く崖崩れを起こせばこの場はしのげる。

しかし

おれはもう殺人鬼は廃業しているのだ。
罪もない一般市民、訂正、罪もない変態兄貴の命を摘み取るのは
穀雨との、穀雨吉静との、組織から俺が奪った少女との約束を破ると言うことだ。
それだけは絶対にできない。



『ま、まあまあ少しお待ち下さいな。
 話せば解る、お互い理解し合える、ね? 』
俺は筋肉の集団に語りかける。
すると、その中の一人から返事が返ってきた。
『オーケィ、ただし肉体言語によるハッテン的な会話に限りマース! 』

今の変態兄貴の言葉を日本語で訳してみよう。
……さっさと掘られろ、ということである。
残念だ。
会話できる状態じゃないらしい。
じゃあ仕方がない、会話が出来ないならば戦争だ。
話合いなんて下らない、武器を取れ、一心不乱の大戦争だ。
先程殺さないと言ったが、あれは裏を返すと【殺し以外は何でもする】ということでもある。
手段に関して贅沢は言っていられない、俺は奥の手を使うことを決めた。

『わかった、それなら仕方がない。
 ところでせめて掘られるならばあなた方の中で一番マッチョな漢にお願いしたい。
 この場所に集まっている男の中で誰が一番マッチョな男なのでしょうかね?』

TEAM筋肉に動揺が走る。
これだけの数のマッチョマン達だ。
みんなそれぞれに我が筋肉こそは、という自負を持っているに違いない。
変態とてそこは人間である。
そのプライド―――酷く下らない自尊心―――を刺激してやれば……
あとは普通の人間と変わらない俺の思い通りに動く人形になるのだ。




誰かが言った。
「詩人の言葉は胸を貫く剣であり得る。
 だが同時にその胸の傷を癒す薬でなくてはいけない。」と。
俺の言葉はそのどちらでもない。
麻薬だ。
毒薬だ。
劇薬だ。
その薬は誰も癒しなどせず、悲しみとどす黒い微笑みばかりをそこに残す。

動揺し始めた筋肉達にさらに言葉を投げかける。

『この林檎を見て頂きたい。』
俺が懐から取り出したのは金色の林檎だ。
『この林檎は、かつて女神達が美の証明として競い奪い合った林檎だ。
 私はここに集まるあなた方の筋肉に古の女神に勝るとも劣らぬ美を見いだした。
 故に、この林檎を貴方達の中のもっとも美しい筋肉を持つ人に贈呈したい。』

林檎の黄金の輝きが一瞬だけ強くなる。
俺が瞬きしている間に林檎の表面には「もっとも美しい筋肉の持ち主へ」という刻印が為されていた。

『だが、私にはもっとも美しい筋肉の持ち主を判別することが出来ない。
 ――――――――――――故に!
 君たちでこの林檎の持ち主を決めて欲しい。』

筋肉グループの中から口々に我こそはという叫びが聞こえる。
良いぞ、この調子だ。
もっと欲せよ。
もっと望め。
もっと渇いてもっと飢えろ。


そうだ、古今東西、人を陶酔させる言葉が有った。
それを自在に操り、群衆を自在に動かし、自らはぬくぬくと安楽椅子に腰掛ける人間は何時だって居た。
今此処で、おれはきっとそれだ。
扇動者(アジテーター)と呼ばれた人間達の一人だ。
殺人鬼(シリアルキラー)よりは自分に似合った呼び名である。
そう思うと今までにないしっくりとした感覚が身体を支配し始めた。
舌はしっかり動く。
呼吸は正常だ。
態度は堂々としていて卑屈な所は一つもない。
さぁ、扇動者を始めよう。

『諸君 私はガチムチが好きだ
 諸君 私はガチムチが好きだ

 諸君 私はガチムチが大好きだ

 男が好きだ 漢が好きだ 兄貴が好きだ
 筋肉が好きだ 男●が好きだ 変態が好きだ
 レスリングが好きだ クソミソが好きだ ハッテンが好きだ

 平原で 街道で
 塹壕で 草原で
 凍土で 砂漠で
 海上で 空中で
 泥中で 湿原で

 この地上で行われる ありとあらゆる男色行動が大好きだ

 戦列をならべた男達の一斉発射で 意識が快感と共に吹き飛ぶのが好きだ
 空中高く放り上げられた筈のパンツが もう一枚有った時など心がおどる

 立派な物の持ち主の操るティ●● でアハンアハン と 男が撃破されるのが好きだ
 悲鳴を上げて 燃えさかる公衆便所から飛び出してきたノンケを
 MBでなぎ倒した時など胸がすくような気持ちだった

 先をそろえた男達の横隊が 敵の戦列を蹂躙するのが好きだ
 恐慌状態の新兵が 既にイキ絶えた敵兵を 何度も何度も掘削している様など感動すら覚える

 敗北主義のノンケ達を街灯上に吊るし上げていく様などはもうたまらない
 泣き叫ぶノンケ達が 私の降り下ろした手の平とともに
 金切り声を上げる●●●に ばたばたと堀り倒されるのも最高だ

 哀れなK察達 が 雑多な小火器で健気にも立ち上がってきたのを
 18cm の棒と42gの玉で ハッテン場ごと木端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える

 801の腐女子団に滅茶苦茶にされるのが好きだ
 必死に守るはずだった男達が蹂躙され 女子供に妄想で犯され殺されていく様は とてもとても悲しいものだ

 ノンケの物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ
 世間の目 に追いまわされ 害虫の様に地べたを這い回るのは屈辱の極みだ


 諸君 私はハッテンを 公衆便所におけるハッテンを望んでいる
 諸君 禿の黒服に付き従う筋肉戦友諸君
 君達は一体 何を望んでいる?

 更なるハッテンを望むか?
 情け容赦のない クソミソの様なテクニックを望むか?
 鉄風雷火の限りを尽くし 三千世界の鴉を殺す 嵐の様なスパンキングを望むか?

 『 ハッテン!! ハッテン!! ハッテン!! 』

 よろしい  ならばハッテンだ

 我々は満身の力をこめて今まさに突き上げんとする固い●●だ
 だがこの田舎町で 堪え続けてきた君たちに ただのハッテンでは もはや足りない!!

 大ハッテンを!! 一心不乱のホモ・セクシャルを!!

 君たちはわずかに一個大隊 千人にすら満たぬマイノリティーにすぎない
 だが諸君は 一騎当千 のテクニシャンだ と私は信仰している
 ならば君らは 総兵力100万のガチホモ集団となる

 君たちを忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている連中を叩き起こそう
 髪の毛をつかんで引きずり降ろ し 眼を 開けさせ思い出させよう
 連中に男根の味を思い出させてやる
 連中に我々のスパンキングの音を思い出させてやる

 天と地のはざまには 妖精哲学でなければ思いもよらない事があることを思い出させてやる

 一千人の兄貴 のガチホモ団で
 まずはこの村を燃やし尽くしてみろ

 「最後の変態 変態指揮官より全アニキへ」

 第二次 ゾーベリン(妖精)作戦 状況を開始せよ

 征きたまえ 諸兄
 君たちの手にこの林檎はある。』


そう言うと、俺は林檎を崖の下に放り投げた。





あとの事は正直あまり覚えていない。
わずかに記憶に残っているのはまるで氾濫した大河のような兄貴の群がその林檎に向かっていったことだけだ。
その結果として、俺は安全にこの騒動の原因の元まで近づくことが出来た。
安全と言うにはあまりに混沌とした状況ではあったが。
騒動の原因の傍では男性の身体になってしまったユナが眠っている。

「あんたが禿の黒服だな?そこの女性、まあ今は男性か、を返して貰おう。
 そしてこの村の兄貴汚染を解除して出て行くと良い。」
「おや、貴方は……! 」

俺の目の前には一人の黒服―――今回の騒動の原因―――が立っていた。
日本では禿の黒服と呼ばれていた漢だ。
彼は俺を見ると悲しげに首を振った。

「この村の平和を乱したのは貴方ですか………。」
「正当防衛だよ。」

蜻蛉切に手をかけて禿の瞳を真っ直ぐに見つめる。
向き合ってすぐにわかった、彼は強い。
自分では勝てるかどうか解らない、いいや、自分では勝てない。

勝てないと解っていても、それでも何故か俺の心は何故か躍っていた。




「良いでしょう、ここは私が譲ります。」
「――――――――――――エッ!? 」
「私は一旦この村を諦め、新たなゲイパレスを作ると言っているのです。
 幸い女性を男性にするガスも完成しましたしね。
 これで世界人類みんなが平和にハッテンできるのです。」

……見逃せばここで仕事は終わりか。
それならばそれで良い。お互い楽をしたい。

「解った。それじゃあその女性を寄越して貴方にはこの村を立ち退いて貰う。」
「ただし、ハーメルンの笛吹き、貴方を説得する組織の任務。
 それを果たしてからです。」
「なに……? 」

そういえば黒服Hが教えてくれた気がする。
禿の黒服が俺の説得に当たっているという話だ。
こいつからの説得なんて殺害の方が幾分か優しいと言う物である。

「行きますよ殺人鬼、心の力は存分に? 」
「かかってこいマ神、筋肉の鍛錬は完璧か? 」
俺の尻をかけた戦いがどうやら今此処で始まったようである。
【上田明也の探偵倶楽部17~禿、降臨~fin】

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー