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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - モンスの天使-12

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 それは、ある日の事
 仕事から自宅…「組織」が用意している、主に元人間の黒服達が利用しているマンションに戻った黒服C
 近頃は忙しい日々が続いており、ややぐったりとしていたのだが…
 ……郵便受けに入っていたそれを見て、その疲れが吹き飛ぶ
 やっと届いた!
 部屋に入り、うきうきとそれを郵便受けから取り出す
 がさがさとあけて、中身を確認
 うん、間違いない!

「ふふ~♪」

 上機嫌になっていく黒服C
 さて、早速使わせてもらおう
 そう考えて、彼女はそれを、す、と構えた


 そして、その翌日
 彼女は、職場にもそれを持ち込んでいた
 ……うかつだった、と彼女は思う
 せっかくそれが届いたのに、自分はそれを満足に活かせる状態ではなかったのだ
 もうちょっと、我慢していれば良かった…!
 が、過ぎた事は仕方ないことだ
 ならば……これを活かせる状態の相手を、見つけ出すだけである

(…そうは言っても…)

 今、「組織」は酷く忙しい状況だ
 昨年から発生し続けていたコーク・ロア…「コーラにはコカインが含まれている」の、支配型契約者の大量発生
 それが、今年から発生し始めた「悪魔の囁き」の騒動に関係している事がわかり
 そして、その二つの騒動は先月の終盤辺りから、一気に拡大していったのだ
 ただでさえ、昨年秋祭最中の「夢の国」騒動以降、元人間ではない、純粋な「組織」の黒服の数が激減し、それはほとんど補充されていない
 「組織」の方針転換で、元人間の黒服を中心とした組織作りを目指すようになったせいだ
 かく言う彼女自身もまた、「夢の国」騒動以降に補充された…と言うか、発見された…元人間の黒服なのだが
 とにかく…そうやって人員があまり補充されていないせいで、1人1人の仕事は自然と増える
 そんな状態で、この騒ぎである
 忙しくない訳がない
 当然、彼女自身も、忙しさに押しつぶされそうである
 それを試す余裕も、それを使う相手を見つける余裕もない

「ふ~……」

 ぐぐぅ、と背伸びする黒服C
 体勢的に、その見事なバストが強調されるような姿勢
 彼女本人は、無駄に大きいだけで肩がこりやすいし恥ずかしいと感じているのだが、もたざる者にとっては羨ましい限りの胸である

「少し、休憩したら?」

 声を駆けられたので顔をあげると、先輩同僚である黒服Oの姿があった
 黒服Cより数段、デスクワーク能力は高い彼女は、黒服Cにとってはちょっと憧れの存在だ

「い、いえ、あの、だ、大丈夫です」

 わたわた、そう返事するのだが
 黒服Oは小さく苦笑して、続けてくる

「疲れを溜め込んだ状態で仕事を続けても、効率が下がるだけよ?過労死候補の彼なんかは、そんな状態でも仕事の効率、不思議と下がらないけど」
「……だから、過労死候補生って呼ばれるくらいに、疲労を溜め込んじゃうまで仕事しちゃうんでしょうね…」
「真面目なせいもあるけどね…」

 うん、と
 二人で納得したように頷きあいながら、その過労死候補生な先輩同僚の姿を思い浮かべる黒服C
 ……黒服H辺りに、彼を見習わせたいものだ

「それじゃあ、ちょっと仮眠室行ってきます…」

 立ち上がり…その瞬間、少しよろけた
 思ったより、疲れていたし寝不足だったようだ
 てとてとと仮眠室に向かう
 そこには…

「…………あ」
「あ」

 あ
 …目があった
 仮眠室には、先客がいた
 これまた、先輩同僚の黒服Yだ
 寝ていた様子にも見えなかったが、ひょっとして…

「………サボり、ですか?」
「あー……うん、その、Oには黙っててね?」

 やや子供っぽい仕草をしつつ、そう言って来た黒服Y
 また、黒服Oに怒られるのが嫌なのだろう
 それなら、サボらなければいいのに

 ………
 待てよ、と
 黒服Cは、少し考えて…
 にこり、黒服Yに笑顔を向けた

「…何?そのちょっと嫌な予感がする笑みは」
「え?そんな事ないですよ?」

 にこにこにこにこにこにこにこ
 微笑みながら、仮眠室の扉を閉める

「さぼってた事は黙ってますから……ちょっと、お願いしていいですか?」
「何?仕事以外の頼みなら聞くけど」
「…もう。本当に、Oさんに怒られちゃいますよ?」

 小さく苦笑して、仮眠用の硬いベッドに腰掛ける
 そして、ぽんぽん………と、己の膝を、叩いた

「はい、頭を置いてください」
「…………?」

 首をかしげる黒服Y
 そんな彼を眺めつつ、黒服Cは、懐からそれを取り出す

「…耳かき?」
「はい。耳掃除させてください」

 にっこり、微笑みながらそう告げた黒服Cの言葉に、黒服Yは、やや気の抜けた表情を浮かべる

「お願いって、耳掃除させてって事?」
「そうですよ。ほら、早く早く。他の人が来たらまずいですし」

 早く、先日届いたばかりのこの耳かきを試したい
 うずうずした様子の黒服Cに、黒服Yは苦笑しながらも…
 ぽふん、と
 彼女の太ももに、頭を置いてきた

 …………いざ!!

 黒服Cは、うきうきと黒服Yの耳掃除を始めた
 耳の縁から、丁寧に丁寧に、耳かきを滑らせて行く

「注文していた耳かきが折角届いたのに、私、最近自分の耳掃除をしたばっかりで……うまく、これを活かせる状態じゃなかったんですよね」
「何?耳かきって、注文してまで買う物?」

 かり、かり、かり、かり…
 耳掃除しつつ口にした黒服Cの言葉に、黒服Yがやや呆れたようにそう言って来た
 だって、と黒服Cは笑う

「一本一本、手作りで作るって言う名人お手製ですよ。買いに行きたくても、仕事で忙しくてそこまで行けないし。そうなったら、注文するしかないじゃないですか」

 …かり……がさ、がさ……ぺりっ

「いや、まず注文するって発想がなくてさ……ドラッグストアとか、最近はコンビニにも置いてるでしょ、耳かき」

 かり、かり……ぺり、……ずりずり………がさがさ

「うーん、そうなんですけど、そう言うのももってますけど…やっぱり、どうせならいい物を試してみたいじゃないですか」

 かり…………こり、こり……………ぺりっ

「…ひょっとして、C、耳掃除マニア?」
「え?あ、ま、マニアって、事もないと思いますけど」

 わたわた
 思わず手を止めて、言い訳を開始する黒服C

「べ、別に、マニアって程じゃないですよ?ただ、耳掃除の瞬間って気持ちいいな~って思ったり、そうしていると疲れとか色々吹き飛んだり、自分の耳だけじゃなくて他人の耳をやってもそんな気持ちになったり。その至福を味わう為に色んな耳かき試していつの間にか10本以上溜まってたりしてますけど、マニアじゃないですよ?」
「いや。マニアって言っていいと思う、それは」

 あぅあぅあぅあぅあぅあぅ
 …どうやら、言い訳したつもりが墓穴を掘ってしまったらしい
 ぷっしぅ、赤くなってフリーズする

「…それで、終わったの?」
「あ、まだです。反対の耳もまだですし」

 ……えぇい
 バレてしまったなら、仕方ない
 彼の耳で、思う存分、欲求不満を解消するまで

 色々と、開き直った黒服Cによって
 黒服Yは、しばし解放されなかったそうだが………まぁ、彼は元々仕事をサボリ勝ちだったので、特に問題は起こらなかったと言う




終われ




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