それは、朝比奈 秀雄が三つ目の都市伝説の力を解放させたのと、ほぼ、同時だった
その雑居ビルを中心に、結界が展開されていく
結界は、一瞬にして学校町全体を、包み込んだ
その雑居ビルを中心に、結界が展開されていく
結界は、一瞬にして学校町全体を、包み込んだ
「結界設置、完了しました。少なくとも一般人は、あのドラゴンの存在を認識しないですみます」
「……間に合ったか」
「……間に合ったか」
ふぅ、とため息をつく、黒服S
意識を取り戻した黒服Cから情報を読み取り、朝比奈 秀雄の三つ目の都市伝説の招待を知った彼は、事情を説明し、一般人がそれを認識しない為の結界を発動させるよう、申請したのだ
…間に合って、良かった
意識を取り戻した黒服Cから情報を読み取り、朝比奈 秀雄の三つ目の都市伝説の招待を知った彼は、事情を説明し、一般人がそれを認識しない為の結界を発動させるよう、申請したのだ
…間に合って、良かった
「これ…ドラゴン、ですよねぇ?」
目の前の画面に映し出される存在…朝比奈 秀雄が三つ目の都市伝説の力を解放させた姿を見て、そう呟く紗江良
あぁ、とSは頷いた
あぁ、とSは頷いた
「東洋の龍ではなく、西洋の竜……悪の代名詞ともされる、ドラゴンだな……それも、「黄金伝説」のドラゴンと複数契約しているようだ」
「……「黄金伝説」?」
「「聖人伝」とも言うな。あれには、聖人に倒されたドラゴンの話が多数書かれている……朝比奈 秀雄は、その「聖人伝」に書かれたドラゴン数匹と契約しているようだ」
「……つまり……正確には、三重契約以上の、多数契約…?」
「そう言う事になるな」
「……「黄金伝説」?」
「「聖人伝」とも言うな。あれには、聖人に倒されたドラゴンの話が多数書かれている……朝比奈 秀雄は、その「聖人伝」に書かれたドラゴン数匹と契約しているようだ」
「……つまり……正確には、三重契約以上の、多数契約…?」
「そう言う事になるな」
Sが、Cから読み取った情報
それは、彼女が「恐怖のナポリタン」の能力で何時の間にか知ってしまっていた、朝比奈 秀雄がドラゴンと契約した時の様子
朝比奈の前方に、複数のドラゴン達が群がっていて…朝比奈が、その全てと契約し、耐え抜いた姿
ドラゴンだけで、少なくとも6匹の都市伝説と、朝比奈は多重契約を結んでいる事となる
それは、彼女が「恐怖のナポリタン」の能力で何時の間にか知ってしまっていた、朝比奈 秀雄がドラゴンと契約した時の様子
朝比奈の前方に、複数のドラゴン達が群がっていて…朝比奈が、その全てと契約し、耐え抜いた姿
ドラゴンだけで、少なくとも6匹の都市伝説と、朝比奈は多重契約を結んでいる事となる
「それって、人間が耐えられるんですかぁ?」
紗江良の疑問ももっともだ
6つ以上の都市伝説との多重契約など、危険すぎる
たとえ、似たような種類の都市伝説であったり、一つの都市伝説から派生したいくつかの説と別々に契約したのだとあっても、その代償は大きい
しかも、朝比奈はドラゴンの他に、悪魔の囁きやクールトーとも多重契約を結んでいるのだ
通常ならば、とっくの昔に器の容量を越えて、都市伝説に飲み込まれているはずだ
6つ以上の都市伝説との多重契約など、危険すぎる
たとえ、似たような種類の都市伝説であったり、一つの都市伝説から派生したいくつかの説と別々に契約したのだとあっても、その代償は大きい
しかも、朝比奈はドラゴンの他に、悪魔の囁きやクールトーとも多重契約を結んでいるのだ
通常ならば、とっくの昔に器の容量を越えて、都市伝説に飲み込まれているはずだ
「…恐らく……朝比奈 秀雄は、元々器の容量が大きかったんだろう。たまに、いるからな……人並外れた器の持ち主が」
もっとも
理由は、それだけではないだろうが
理由は、それだけではないだろうが
「朝比奈 秀雄の執念もあるんだろう。都市伝説を憎みながらも、都市伝説の力を借りてまで……あの男は、目的を達しようとしているようだからな」
「目的……」
「目的……」
…ちらり、と
紗江良は、Cがおきだす前まで見ていた資料に、目を落とす
そこに記載されている、「門条 晴海」と言う女性のデータ
紗江良の女の勘は、彼女が、朝比奈にとって大切な存在であったと…恋慕の対象であったと、告げてきている
紗江良は、Cがおきだす前まで見ていた資料に、目を落とす
そこに記載されている、「門条 晴海」と言う女性のデータ
紗江良の女の勘は、彼女が、朝比奈にとって大切な存在であったと…恋慕の対象であったと、告げてきている
しかし、門条 晴海は、19年前に死亡している
……「組織」に、殺されている
朝比奈 秀雄の目的を、「組織」は正確には把握していない
Sも紗江良も知らない事であるが、Dが日景家の事情を「組織」に知らせないために、正確な情報を伏せ続けているからだ
…だが、今のSと紗江良には、朝比奈 秀雄の目的の、その一端が見えてきていた
……「組織」に、殺されている
朝比奈 秀雄の目的を、「組織」は正確には把握していない
Sも紗江良も知らない事であるが、Dが日景家の事情を「組織」に知らせないために、正確な情報を伏せ続けているからだ
…だが、今のSと紗江良には、朝比奈 秀雄の目的の、その一端が見えてきていた
復讐
「組織」への、復讐
それが、朝比奈 秀雄の願いの一つ
「組織」への、復讐
それが、朝比奈 秀雄の願いの一つ
それを成し遂げようという意志の強さが、無茶な多重契約を成功させたのだろう
深い執念が、そこから滲み出て来ている
深い執念が、そこから滲み出て来ている
「…まったく…確か、「黄金伝説」のドラゴン達は、「教会」が封印してるって聞いた事があるんだが…どうやって、それを手に入れたのやら…」
頭の痛い問題だ
この騒動が落ち着いたら、「教会」に問い合わせる必要があるだろう
……あそこが、まともな返答を返してくれるかどうかは、疑問なのだが…
この騒動が落ち着いたら、「教会」に問い合わせる必要があるだろう
……あそこが、まともな返答を返してくれるかどうかは、疑問なのだが…
「……あの、Sさん」
「………うん?」
「………うん?」
じっと、じっと
門条 晴海の資料を見つめていた、紗江良が、ぽつり、呟く
門条 晴海の資料を見つめていた、紗江良が、ぽつり、呟く
「…この、門条 晴海さんって……もしかしたら…」
「…………」
「…………」
…す、と
紗江良が言わんとしている事を、Sは制した
小さく、首を左右に振る
紗江良が言わんとしている事を、Sは制した
小さく、首を左右に振る
「…気にならない訳ではないが、今は、朝比奈 秀雄の件が優先だ……考えるとしたら、その後でだ」
「………はぁい」
「………はぁい」
こくん、と頷いた紗江良
そっと、資料を机の上に戻す
そっと、資料を机の上に戻す
…Sとて、気にならなかった訳ではない
資料に目を通した瞬間に気づいていた
資料に目を通した瞬間に気づいていた
「門条 晴海」
門条、というそのどこか珍しい苗字
それが、学校町に来たばかりのSと紗江良の護衛を担当した、門条 天地と
全く同じ苗字である、事実に
門条、というそのどこか珍しい苗字
それが、学校町に来たばかりのSと紗江良の護衛を担当した、門条 天地と
全く同じ苗字である、事実に
to be … ?