「ふむ、つまり、結論から言ってしまえば、君はまた、謹慎処分を喰らった訳だな?」
『まぁ、そう言う事だな』
『まぁ、そう言う事だな』
電話の向こうの声は、やや力がない
友人、天地のその様子に、直希は申し訳なさを感じた
友人、天地のその様子に、直希は申し訳なさを感じた
「……すまない。僕が、君に助力を願ったばかりに」
『いや、お前のせいじゃないさ。俺がうまくやれなかっただけなんだから』
「………むぅ」
『いや、お前のせいじゃないさ。俺がうまくやれなかっただけなんだから』
「………むぅ」
天地はこう言ってくるが、直希としては、申し訳なくて仕方ない
天地が謹慎処分をくらった原因は、つい先日の悪魔の囁きの騒動で、命令なしでモンスの天使を動かしたのがバレたせいだ
……まぁ、あれだけ大々的に動かせば、バレるだろう、どう考えても
直希としては、少数のモンスの天使にこっそりと動いてもらって、コーク・ロア契約者を見つけてもらえば充分だったのだが
………過ぎた事は仕方がない
天地が謹慎処分をくらった原因は、つい先日の悪魔の囁きの騒動で、命令なしでモンスの天使を動かしたのがバレたせいだ
……まぁ、あれだけ大々的に動かせば、バレるだろう、どう考えても
直希としては、少数のモンスの天使にこっそりと動いてもらって、コーク・ロア契約者を見つけてもらえば充分だったのだが
………過ぎた事は仕方がない
『まぁ、謹慎とけたら、また映画でも見に行こうぜ』
「あぁ、そうだな……せめて、君の謹慎中も、君が望む物があるならば、僕が君の元に運ぼう。少しは、恩を返させてくれ」
『恩なんて…俺こそ、お前にゃ世話になってるんだから。気にするなって』
「あぁ、そうだな……せめて、君の謹慎中も、君が望む物があるならば、僕が君の元に運ぼう。少しは、恩を返させてくれ」
『恩なんて…俺こそ、お前にゃ世話になってるんだから。気にするなって』
明るく笑う天地
…その笑い声に、直希は少し、救われたような気がした
…その笑い声に、直希は少し、救われたような気がした
二言三言話して、電話を切る
ふぅ、と小さくため息をついて、直希はベンチから立ち上がった
ふぅ、と小さくため息をついて、直希はベンチから立ち上がった
悪魔の囁きの騒動は終結した
今は、いつくかの組織が事後処理で動いている最中、と言ったところだ
「仲介者」たる直希も、今回の件に関わった関係者への説明やら何やらで、このところあまり休んでいない
天使達にはそろそろ休むように言われているのだが、そう言う訳にもいかないのだ
今は、いつくかの組織が事後処理で動いている最中、と言ったところだ
「仲介者」たる直希も、今回の件に関わった関係者への説明やら何やらで、このところあまり休んでいない
天使達にはそろそろ休むように言われているのだが、そう言う訳にもいかないのだ
「……少しでも、翼の役に立ちたいしな…」
かつて、迷惑をかけてしまった親友の力に、少しでもなりたい
それが、直希の原動力の一つだ
朝比奈 秀雄との直接の戦いに参加できなかった分、事後処理面では役に立ちたい
それが、直希の原動力の一つだ
朝比奈 秀雄との直接の戦いに参加できなかった分、事後処理面では役に立ちたい
そんな事を考えながら、帰路につく直希
……そんな、直希に
迫る影、一つ
……そんな、直希に
迫る影、一つ
「愛しい人ーーーっ!!ここで出会えたのも、きっと何かの運命ですよn」
「貫け、カマエル」
「貫け、カマエル」
ずさしゅっ!!
周囲に人目がないのをいい事に、直希は遠慮なく、「光輝の書」の天使を召還した
槍を構えた天使は、直希に飛び掛ってきていた少女…マゾを、容赦なく貫き、すぐ傍の木に縫い付けた
周囲に人目がないのをいい事に、直希は遠慮なく、「光輝の書」の天使を召還した
槍を構えた天使は、直希に飛び掛ってきていた少女…マゾを、容赦なく貫き、すぐ傍の木に縫い付けた
「うわー…またか」
そんな、マゾの様子に
がっくりと項垂れながら、青年が駆け寄ってくる
直希には、見覚えのない青年だ
だが、どうやら、マゾの知り合いらしい
がっくりと項垂れながら、青年が駆け寄ってくる
直希には、見覚えのない青年だ
だが、どうやら、マゾの知り合いらしい
「かはっ………一瞬の迷いもない、心臓狙い……流石は直希様……!」
「…むぅ」
「…むぅ」
そこは、褒められても嬉しくないのだが
複雑な心境を抱く直希に、青年が頭を下げてくる
複雑な心境を抱く直希に、青年が頭を下げてくる
「何と言うか…………うちのマゾが、申し訳ない」
「…あぁ、もしや、あなたがあれの契約者か」
「……その通りだ」
「…あぁ、もしや、あなたがあれの契約者か」
「……その通りだ」
深々と、頭を下げる青年…マゾの契約者、山田
マゾに苦労しているらしいその様子に、直希は小さく、首を左右にふる
マゾに苦労しているらしいその様子に、直希は小さく、首を左右にふる
「あなたが謝る事ではないだろう。僕は、あなたからは迷惑をこうむってはいないのだから」
「そう言ってもらえると、ありがたい」
「そう言ってもらえると、ありがたい」
苦笑する山田
そんな山田の様子に、直希はカマエルを消して、マゾを貼り付け状態から解放した
マゾがちょっともの足りなさそうな表情を浮かべたが、無視することにする
そんな山田の様子に、直希はカマエルを消して、マゾを貼り付け状態から解放した
マゾがちょっともの足りなさそうな表情を浮かべたが、無視することにする
「…翼から、話は聞いている。あなたも、朝比奈 秀雄との戦い、力を貸してくれたそうで」
「……まぁ、関わってしまったからな」
「……まぁ、関わってしまったからな」
もう一度、苦笑する山田
山田のジャケットのポケットで、デビ田が居心地悪そうにもぞもぞ動いたが、直希はそれには気づいていない
山田のジャケットのポケットで、デビ田が居心地悪そうにもぞもぞ動いたが、直希はそれには気づいていない
「理由はどうあれ、翼の助けになってくれた事、感謝する。そちらの変態も、どうやら邪魔にもなったようではあるが、役に立たなかった訳では多分ないだろうし…………………一応、感謝しておく。ありがとう」
淡々と、いつもの、感情の薄い声で、感謝の言葉を告げた直希
山田と、マゾへと告げられた感謝
山田と、マゾへと告げられた感謝
先に反応したのは、マゾだった
「愛する者のためなら、当然ですとも!!……と、言うか、今、ありがとう、って言いました?言ってくれました!?これは関係前進の証拠ですねわかります!!!契約者、こちらの仲人も是非お願いしますy」
「屠れ、ゼルエル」
「屠れ、ゼルエル」
---話の途中ですが、ただ今、グロテスクなシーンが展開されております
無邪気にじゃれあっている子ライオンでも想像して、しばらくお待ちください
無邪気にじゃれあっている子ライオンでも想像して、しばらくお待ちください
「…いや、本当、申し訳ない」
「あなたが気にする事ではない」
「あなたが気にする事ではない」
斧で惨殺された状態のマゾを背負いつつ、頭を下げた山田
…何と言うか
これだから、マゾは油断できない
…何と言うか
これだから、マゾは油断できない
「じゃあ、またマゾが目を覚ますと面倒だと思うんで、俺はこれで…」
「あぁ。もし、何かあれば、僕はあなたの力になろう。これでも、都市伝説関係の人脈は、少しはある方なのでね」
「あぁ。もし、何かあれば、僕はあなたの力になろう。これでも、都市伝説関係の人脈は、少しはある方なのでね」
…できれば、そう言う状況にはなりたくないなぁ、と
平穏で普通な生活を願う山田は、こっそりと苦笑して
マゾを背負ったまま、この場を後にした
平穏で普通な生活を願う山田は、こっそりと苦笑して
マゾを背負ったまま、この場を後にした
直希も、ぱたん、と光輝の書を閉じて
「…さて、と。蟲毒の影響が街中に展開されている件も、気になるしな……姉さんやマステマ達の手伝いもしなければ」
…仲介者は、まだまだ多忙らしい
直希は疲労がたまってきている体を引きずりながら、街中の喧騒へと身を躍らせていくのだった
直希は疲労がたまってきている体を引きずりながら、街中の喧騒へと身を躍らせていくのだった
fin