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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤い靴・DNo-06a

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だれでも歓迎! 編集
 それは、裂邪と言う少年が、小学生だった頃の話
 彼にとっては、決して思い出したくない、忌まわしい記憶の一端



 その日、裂邪は赤マントの目撃情報があった地点に向かっていた
 学校で、噂になっていたのだ


 真っ赤なマントを羽織った男の人が、夕暮れの街中を彷徨っている
 見かけたら、すぐに逃げなくちゃいけないよ
 その男の人は、きっとこう尋ねてくるから

「赤と青、どっちが好きだい?」

 と
 駄目だよ、答えちゃいけないよ

 赤と答えたら、全身ズタズタに切り刻まれて、真っ赤になって死んじゃうよ
 青と答えたら、全身の血を抜かれて、真っ青になって死んじゃうよ

 だから、駄目だよ逃げなくちゃ
 赤マントを見かけたら、一目散に逃げるんだよ


 そんな噂を聞いたからこそ、裂邪はそこに向かう
 都市伝説狩りといこうじゃないか
 この間、注射男が出ると噂の場所にいったけど、出てこなくてガッカリだったし
 さぁ、今回こそは、出て来いよ

 時刻は夕暮れ時
 赤マントが現れる時間

 …そして
 裂邪にとっても、戦いやすい、時間帯だ

 しばし、歩いていると…ひた
 ひた、ひた、ひた
 足音が、近づいてくる気配を感じた

 前方から
 真っ赤なマントを羽織った男が、近づいてくる
 ひた、ひた、ひた
 ゆっくり、ゆっくり、近づいてくる

「…赤と青、どっちが好きだい?」

 にたり、その男は、笑って
 裂邪を見下ろし、尋ねてきた

 ニヤリ
 裂邪は、それに対して、無邪気に残酷に、笑って

「どっちも嫌……」

 い、と
 答えながら、ドロップキックを、その男…赤マントに放とうとした

 その、瞬間だった

「---っ危ない!!」
「へ?」

 裂邪の、体が
 後方に、引っ張られた
 その瞬間、赤マントの刃が、目の前を通り過ぎる

「--っぶな!?返答したら攻撃してくるんじゃなかったのか!?」

 思わず、そう叫ぶ裂邪
 この赤マントは、明らかに、裂邪の返答を聞く前に攻撃してきた

 ギラギラと、赤マントの真っ赤な瞳が、裂邪を見つめた
 …瞳、だけじゃない
 髪も、髭も、真っ赤
 マントと同じ、真っ赤な色
 狂った赤い瞳が、裂邪と、彼を引き寄せた存在を睨む

「…俺は…………「赤」が好きなんだよねぇええ………!」
「----っ!!」

 こいつ、ただの赤マントじゃない
 明らかに、おかしくなっている
 裂邪は、とっさにシャドーマンを呼ぼうとした
 周囲に、影はいくらでもある
 シャドーマンを呼び出すくらい、簡単だ

 だが、しかし
 裂邪を引っ張った、その腕が…さらに、裂邪の体を、引き寄せてくる

「うわっ…って、あんた、誰だよ!?」

 その段階になって、ようやく裂邪は、自分を赤マントの初撃から救った相手を確認した
 黒い髪に黒い瞳、褐色の肌…多分、20代前半くらいだろうか、西洋系の顔立ちをした、男だ
 少なくとも、裂邪には見覚えのない相手だ
 青年は、裂邪の体を、軽く抱きしめ、赤マントから護るようにしてきている

 裂邪の叫びに、青年は、少し困った表情を浮かべて
 しかし、すぐに、迫ってきた赤マントの刃に、慌てて後方に飛び退いた
 裂邪の体を抱きかかえたまま、軽々と数メートル、跳ぶ
 それなりの身体能力はあるようだ

「……っだ、駄目だよ、人を、襲うなんて………そ、そんな事、しちゃ駄目だよ…!」

 どこか、おどおどとした物言いで、青年が赤マントにそう告げる

 …何言ってんだこいつ?と裂邪はやや、呆れた
 そんな言葉、通じる相手には見えないのに
 何、無駄な事をやっているのだろうか
 っつか、とりあえず放せ
 戦えないから

 そんな、裂邪の考えなど、露知らず
 青年は、裂邪を護るように、赤マントの刃を避け……………飛んだ

「へ??」

 ふわり、と
 体が、宙に浮かんでいる
 ぱさり、首筋を何かが撫でた感触がしたので見れば…それは、長い黒髪
 再び、青年の姿を見上げると…青年の姿が、変貌していた
 短い黒髪が、腰まで届くような長髪となり、黒い瞳は赤く輝いている
 頭から山羊のような角が生え、背中からは、蝙蝠のような翼が生えていた

 …ゲームや漫画に登場する、人間に近い姿をした悪魔みたいだ、と裂邪は感じた
 もっとも、どこか気弱そうな表情のせいで、悪魔らしさは相当、薄いが

 蝙蝠の翼をはばたかせる青年
 そのまま、跳んで逃げるつもりだったのかもしれない

 しかし

「赤がぁ………好きなんだよぉおおおお!!!」
「っ!?」

 赤マントが、だんっ!!と
 驚異的なジャンプ力で…裂邪と青年が飛んでいる位置まで、ジャンプしてきた
 ぎらり、鋭い刃が夕日を反射して光り、裂邪に向かって襲い掛かってくる

 すぱぁん、と
 何かが、切れた音がして

「----ぅ、あ……」

 裂邪を庇うように抱きかかえた青年の、翼が…引き裂かれた
 バランスを崩し、よろよろと地面に落下する
 その段階で、青年はようやく、裂邪から手を離した
 体が、自由になる

「…逃げ、て」

 翼を切り裂かれた痛みを、堪えながら
 青年は、そう、裂邪に告げてきた
 赤マントが、ゆっくりと、近づいてくる

「あんたはどうするんだ?」
「……き、きっと…ちゃんと話せばわかってくれる、と、思うから…」

 何、馬鹿を言っているのだろう、こいつは
 話が通じない相手だと、わかりきっているではないか
 そんな相手を、説得するつもりなのか?
 なんて、馬鹿なお人好し

 …そして、この瞬間
 裂邪の脳裏に、残酷な考えが浮かんだ

 そうだ、こいつの考えを、台無しにしてやろう
 こいつは、あの赤マントを説得しようとしている
 だが、そんな事はさせない
 目の前で、あの赤マントをやっつけて、こいつを絶望させてやろう

 そんな、小学生に似つかわしくない考えを抱き
 裂邪はニヤリ、笑う

「さぁぁ……赤く、なろうかぁ……!」

 赤マントが、すぐ傍まで、接近してきて
 その、刃が、裂邪達に振り下ろされ…

「シャドーマン!!」
「オヤ、ヨウヤク出番カ」

 ずるり
 夕暮れ時の、裂邪の影から
 影そのものが起き上がったかのような存在…シャドーマンが、姿を現した
 ずるり
 それは、再び影へと、溶け込んで

「-----うぉ!?」

 無数の、黒い手が
 赤マントを………掴んだ

「え…」
「シャドーマン、さっさと消しちゃえ!!」
「…了解シタ」

 ずるり
 無数の手が、赤マントを掴み、暴れる体を押さえ込んで
 そして…影の中へと、引きずり込んだ

「っい、嫌だ……赤くない世界なんて、行きたくな…………-----っ!?」

 ずるり
 無慈悲に、手は赤マントを引きずり込んで
 最後の言葉は、闇へと飲み込まれた

「あー、すっきりした」

 まったく、戦闘を途中で邪魔されるし
 いや、相手の攻撃さけれたから、そこだけは感謝あげなくもない訳ではないが
 とにかく、戦闘の邪魔をした相手の考えを、邪魔してやれた
 それに、裂邪は満足する

 馬鹿みたいなお人好しが、救おうとした相手を消してやったのだ
 なんて、愉快なのだろう

 さぁさ、絶望しろ
 こちらを憎め怒れ

「…君は………契約者、だったんだね」

 ぽつり
 青年が、そう、声をかけてきた
 くるり、裂邪は青年へと、振り返る

 …裂邪の予想通り、青年はどこか、悲しそうな表情をしていた
 ざまぁみろ、と裂邪は、嘲おうとして


 そっと
 その体が、包み込まれた


「は?」

 ぎゅう、と
 優しく、優しく
 あの青年が、裂邪を抱きしめてきたのだと
 気付くのに、遅れた

「っちょ、何するんだよ。男に抱きしめられるなんて気色悪……っ」
「…御免、ね……ありがとう」

 ……は?
 「ありがとう」??

 かけられた、予想外の言葉に
 裂邪の思考が、フリーズする

「……助けてくれて、ありがとう………御免ね、君の手を、汚させて…」

 ……はぁ?
 何を言い出すのだ、こいつは
 助けた訳じゃない
 お前が、あの赤マントを説得しようとしていたから、邪魔しただけだ
 絶望させたかっただけだ

 だと、言うのに
 何故、感謝の言葉をかけられなければ、いけない

 そっと、頭を撫でられる
 酷く、優しく、優しく

「君のお陰で…助かったよ、本当に、ありがとう…」

 御免ね、と
 また、謝られた
 殺させてしまって御免、と


 やめろ
 謝るな、感謝の言葉をかけるな
 そんな言葉が欲しかったんじゃない!!


「…ダレンみたく、うまく説得できれば………こんな事に、ならなかったのに。本当に、御免ね…」

 何度も、何度も謝られて
 何度も、何度も、感謝の言葉を、かけられて



 この日
 裂邪は、その人生においてありえないほど何度も謝罪され、何度も感謝の言葉をかけられた

 世界制服を目指そうと、悪の道を目指そうとしている少年にとって
 この出来事は、非常に重たい、トラウマとなったのだと言う



fin




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