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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 赤い靴・XNo-04

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だれでも歓迎! 編集
 敵とか、味方とか
 そんな区別は、存在しないんだよ

 誰かが、勝手にそう区別しているだけ
 本当は、そんな区別なんて存在しないんだよ

 ………なぜかって?
 だって、皆、生きている命である事に、変わりはないんだから





                   Darren Diefenbake












 学校町に、梅雨が訪れようかという時期
 じっとりとした、どこか空気が重い憂鬱な曇りの日の夜に
 上田は、その人影を見つけた


「なぁ、サンジェルマンにイクトミよ。そのザンとか言うX-No.0ってどんな外見してたのよ?遭遇して欲しくないっつっても、外見わからない事には知らんうちに遭遇する可能性もあるぜ」
「あー、それもそうだよなぁ」
「そうですね…今も姿が変わっていなければ、長い白い髪に銀色の瞳。身長170㎝代の西洋人男性、と言った外見ですね」
「俺が最後に確認した時も、その姿と変わってなかったぜ。眼鏡かけてて…白いスーツ着てたな」


 あの二人から聞いた、X-No.0…ザン・ザヴィアーの姿
 それを、見かけたのだ

 …学校町に、来ていたのか?
 あの二人の話を聞いた限り、「組織」からは追われている身であるようだし
 「組織」の監視の目が厳しい学校町に現れることはないと思っていたが…
 思わぬ相手を見つけたことで、つい、その人物を観察するように見つめてしまう

「………ん?」

 …そして
 あちらも、上田に視線を向けてきた
 銀色の眼差しが、上田を射抜いてくる

「…そこのお前、俺に何か用か?」

 どこか、ぼんやりとした…しかし、強い警戒を含んだ声で、そう尋ねられた
 …さて、どうするか
 やや警戒しつつ、上田は相手の出方を窺う

「いや、人違いだったら申し訳ないんだが……ザン・ザヴィアー氏で間違いはないかな?」

 ……ぴくり
 上田が発した、その名前に
 白髪の男は、はっきりとした警戒を滲ませてきた
 …ビンゴか

「何故お前、俺を知っている?」
「いやぁ、ちょっと、知り合いから聞いた事があってね?……まぁ、そう警戒しないでくれよ」

 …自分も警戒しながらじゃあ、説得力ないよなぁ、と内心苦笑しつつ
 上田は、ゆっくりと続ける

「まぁ、立ち話も何だ。どうだ?一緒に酒でも」
「………」

 じっとりと、重い湿り気を帯びた空気が纏わりつく
 己が、じわりと、嫌な汗をかいていっていることを上田は自覚した

 目の前のその男からは、特別強い威圧感は感じない
 威圧感だけで言えば、以前対峙した朝比奈 秀雄の方が、今にも殺されそうなほどの威圧感を感じたものだ
 今、目の前にいる男からは…逆に、確かに目の前にいるはずだと言うのに、本当にそこに「居」るのかと疑いたくなるような、存在感の希薄さすら感じた

「お前は俺の敵か?そうじゃないか?話はそれからだ」

 上田の誘いに、ザンはそう答えてきた
 ゆらりと、その体が僅かに揺れて

 ……ぞくり
 背筋に悪寒を感じるような、そんな眼差しを向けられた

「さぁ、少なくとも、俺はお前の敵になるつもりはないな、そっちが、俺の敵になるのならともかく」
「…………」
「そう、睨まないでくれって。サンジェルマンからいい酒を奪い………もらっているんだ。一杯くらいは付き合っても」

 ………サンジェルマン
 その名前を、出した、直後


 上田に、強い敵意が突き刺さった


「………あの、胡散臭い錬金術師の知り合いか………」
「え?何、その反応。もしかして、NGワードだった?」
「…あの野郎の知り合いなら………そうか、敵の可能性があるな」

 じろり、上田を睨みつけるザン
 一歩、上田との距離を詰めてくる

「待て待て待てっ!?サンジェルマンの知り合いだからイコール敵ってのは短絡的過ぎないか!?」
「…だが、味方である可能性も低い………しかも、あの野郎の知り合い、って事は「組織」関係者の可能性がある。だったら…………俺の敵だ」
「いやいやっ!?俺、「組織」関係者ではないから!むしろ、「組織」からは討伐対象一歩手前だし」

 嘘は言っていない
 いや、一度討伐対象になったりもしたが、今はギリギリ討伐対象ではない……はず……で、ある、多分きっと恐らく
 だから、嘘はついていない

 上田の言葉に、ザンは強い敵意を向けたまま、ぼそりと呟く

「そうか………なら、一撃必殺はやめておいて、もしかしたら死ぬかもしれない程度でやめておこうか」
「うぉいっ!?攻撃する事に変わりはないのかよ!?」

 上田のツッコミをスルーするかのように、また一歩、前に出たザン
 ……これ以上、距離を詰められるのはまずい!?
 距離を離すように、後方に跳ぶ上田
 だが

「あぁ、逃げても無駄。お前はとっくに、俺の射程範囲内に入ってるから」

 あっさりと、ザンはそう言いきって
 その直後……一瞬、ザンの体が、揺らいだ

 そして

「-------っがぼっ!?」

 上田の体は……大量の水に、飲み込まれた
 恐らくは、ザンを中心に発生していると思われる、大量の水
 思わず、少し飲み込んでしまったそれは、しょっぱい
 海水か?

 攻撃の正体を掴もうとした、その時

 何かに、体を包み込まれた

「っぐ!?」

 ----ざぱんっ!
 水が引いていく……いや、恐らくは、何かにせき止められていた訳でもないので、勝手に流れていっただけなのだろう
 呼吸ができるようになったはずなのだが、しかし、何かに体を締め付けられて、息が苦しい

「…これは…っ!?」

 にゅる、と
 不快な感触に包み込まれる

 …上田を包み込んだ、それ
 それは、巨大な、巨大な……烏賊か、蛸の足のようだった
 あまりにも大きすぎる触手のようなそれが、がっちりと、上田にまきついているのだ

 夜の、街中に
 大量の海水とともに……烏賊とも蛸ともつかぬ、巨大な化け物が、姿を現したのだ
 見れば、ザンは先ほどと変わらぬ様子で立っている
 ザンの姿が、この烏賊とも蛸ともつかぬ……それこそ、クラーケンとでも呼ぶに相応しい化け物に変わった訳ではない
 生み出したか、召還したか、どちらかと言ったところか

「--っが……サンジェルマン達から、こんな能力があるなんて、聞いてないぞ…!?」
「だろうな。俺の能力を全て知ってる相手は、俺以外には、この世でたった一人だからな」

 上田のうめきに、あっさりとそう答えるザン
 ギリギリと、クラーケンの足は上田を締め上げ、足についている吸盤が、ぺたりと上田に吸い付いて離そうとしない
 このまま締め上げられ続ければ、窒息死か…いや、その前に、全身の骨が粉々になるのは確実だ

 何とか脱出しようとする上田を、ザンは睨み続けて…

 ………
 …………

「……飽きた」

 ぼそ、と
 あんまりにも、あんまりな事を呟く

「…あぁ、そうだ。行く場所があるんだった。急がないと」
「っちょ……ま、待て、せめて、これを何とかして…っ」
「こんだけデカいもんが出りゃ、「組織」が出てきてどーにかしてくれるだろ。ま、頑張れ」

 無情にそう言いきって、上田に背を向けるザン
 数歩歩くと…その姿は、まるで最初からそこに存在していなかったかのように、忽然と消えてしまった

「うわ、マジで置いていきやがった…!?くっそ、放せ、この烏賊野郎!?」




 上田の訴えなど、聞いていないかのように
 クラーケンは、ただ、上田を締め上げ続ける



 不運としか言いようのない遭遇
 それは、上田にとって、最悪のファーストコンタクトだった



to be … ?






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