それは、まだD-No.0が「組織」にいた頃の話
「あ…マ、マクスウェルちゃん」
「………?」
「………?」
エーテルの元へ、仕事の資料を届けようとしていたマクスウェル
そんなマクスウェルに、一人の青年が声をかけてきた
そんなマクスウェルに、一人の青年が声をかけてきた
…D-No.0の親衛隊の一人の、D-No.4だ
彼は、分類的に言えば悪魔に属する都市伝説だ
そのせいか、一応、マクスウェルは彼との面識があった
D-No.4という「組織」的なナンバーではなく、ちゃんと本名も知っている
彼は、分類的に言えば悪魔に属する都市伝説だ
そのせいか、一応、マクスウェルは彼との面識があった
D-No.4という「組織」的なナンバーではなく、ちゃんと本名も知っている
D-No.4は、何か紙の束を抱えて、少しおどおどした様子で、マクスウェルに尋ねてくる
「えぇと、その……エ、エーテル様、今、忙しい…かな…?」
「…?…エーテルに、仕事…?」
「う、うん…」
「…?…エーテルに、仕事…?」
「う、うん…」
申し訳無さそうに、うなづいたD-No.4
忙しい所に、追加の仕事を持ち込んだのが申し訳ないのだろう
そんなD-No.4に、す、とマクスウェルは、手を伸ばす
忙しい所に、追加の仕事を持ち込んだのが申し訳ないのだろう
そんなD-No.4に、す、とマクスウェルは、手を伸ばす
「…仕事の書類なら……私が、エーテルのところに持っていくよ……」
「え……あ、で、でも、エーテル様、忙しいんだよね…?」
「……どんなに忙しくても…エーテルなら、大丈夫だよ………ちゃんと、仕事を完璧にやり遂げてくれるから…」
「え……あ、で、でも、エーテル様、忙しいんだよね…?」
「……どんなに忙しくても…エーテルなら、大丈夫だよ………ちゃんと、仕事を完璧にやり遂げてくれるから…」
大丈夫、と
D-No.4の持っている書類を、マクスウェルは受け取ろうとする
D-No.4は、申し訳無さそうな表情をしながら、マクスウェルに書類を手渡した
D-No.4の持っている書類を、マクスウェルは受け取ろうとする
D-No.4は、申し訳無さそうな表情をしながら、マクスウェルに書類を手渡した
「そ、それじゃあ、お願いするね……」
「…任せて……………それにしても…」
「…?」
「……本当…あなたは、淫魔らしくない……」
「…あ、あはは、よく言われるよ…」
「…任せて……………それにしても…」
「…?」
「……本当…あなたは、淫魔らしくない……」
「…あ、あはは、よく言われるよ…」
マクスウェルが何気なく発したその言葉に、苦笑するD-No.4
…そう、彼は淫魔なのだ
人を制的に誘惑し、堕落させ、精を吸い取る存在
…その、はずなのだが
彼はどうにも気が弱く、女性を誘惑する事も、襲う事もできない
………いや、その気になれば、できるのだろうが
…それを、しないのだ
他者を襲い、それを糧とする事を、彼は己の存在に逆らって否定し続けている
その行為が、自殺行為に等しい事を…同じ悪魔だからこそ、マクスウェルは理解する
人を制的に誘惑し、堕落させ、精を吸い取る存在
…その、はずなのだが
彼はどうにも気が弱く、女性を誘惑する事も、襲う事もできない
………いや、その気になれば、できるのだろうが
…それを、しないのだ
他者を襲い、それを糧とする事を、彼は己の存在に逆らって否定し続けている
その行為が、自殺行為に等しい事を…同じ悪魔だからこそ、マクスウェルは理解する
「あなたは……その生き方が、辛く、ないの…?」
「体に関してはともかく…精神的には、辛くないよ」
「体に関してはともかく…精神的には、辛くないよ」
マクスウェルの、その問いかけに
D-No.4は、どこか誇らしげに、そう答えた
その辛い生き方を選んだ事を、微塵も後悔していない表情
笑顔すら浮かべて、D-No.4は続ける
D-No.4は、どこか誇らしげに、そう答えた
その辛い生き方を選んだ事を、微塵も後悔していない表情
笑顔すら浮かべて、D-No.4は続ける
「僕の、この生き方を…認めてくれる人達が居る。支えてくれる人が居る………僕は、弱いから。誰かがそうして支えてくれていないと、壊れてしまうだろうから………皆に支えられている今は、きっと…僕は、幸せ者なのだと思う」
だからね、と
D-No.4は、綺麗に、綺麗に、笑った
D-No.4は、綺麗に、綺麗に、笑った
「僕は…この生き方を選んだ事を、後悔はしない。たとえ、それで命を落とす結果になっても……僕は、微塵も後悔なんて、ないんだよ」
「……そう………強いね、ディランは……」
「……そう………強いね、ディランは……」
マクスウェルの、呟きに
D-No.4は、少し困ったように、笑う
D-No.4は、少し困ったように、笑う
「あはは……強くなんてないよ。僕はちっぽけな弱い淫魔だから」
「…自分の生き方を後悔しないというのは……とても、難しい事………それができているのだから、十分、強い…」
「…自分の生き方を後悔しないというのは……とても、難しい事………それができているのだから、十分、強い…」
マクスウェルの言葉に、やはり、D-No.4は少し困ったような表情を浮かべて
それじゃあ、と尋ねてくる
それじゃあ、と尋ねてくる
「それじゃあ、マクスウェルちゃんは……エーテル様の傍にいる事を、どう思ってるの?……周りからは、大変だろう、って、よく言われているんでしょう…?」
「……後悔なんて……ある訳、ないよ…」
「……後悔なんて……ある訳、ないよ…」
マクスウェルの言葉に
D-No.4は、優しく笑う
D-No.4は、優しく笑う
「それなら、君だって、強いよ。君は、エーテル様の傍にいるという生き方を肯定して、後悔していないのだから」
「……それは」
「大切な人の傍に居続ける事を、後悔なんて、しないって言いたいかな?」
「……それは」
「大切な人の傍に居続ける事を、後悔なんて、しないって言いたいかな?」
……こくり
ちょっぴり、ほんの、少しだけ、頬を赤らめて頷くマクスウェル
その様子に、どこか和んだように、D-No.4は笑った
ちょっぴり、ほんの、少しだけ、頬を赤らめて頷くマクスウェル
その様子に、どこか和んだように、D-No.4は笑った
「…エーテル様は、幸せな方だね。君のような子に、思われているのだから」
「~~~~~~っ」
「~~~~~~っ」
からかいとか、そんなものは一切無く
ただただ純粋にそう言われて、どこか、恥ずかしく
ただただ純粋にそう言われて、どこか、恥ずかしく
「…よ、用件は、これだけ……?なら、もう、行くね……」
「え、あ、う、うん」
「え、あ、う、うん」
なんだか、これ以上D-No.4の前にいると
エーテルへの想いを、知らず知らずのうちに、どんどんと表へ引き出されてしまいそうで
逃げるように、マクスウェルは、D-No.4の前を後にした
エーテルへの想いを、知らず知らずのうちに、どんどんと表へ引き出されてしまいそうで
逃げるように、マクスウェルは、D-No.4の前を後にした
「……僕、何か、悪い事言ったかな…?」
…そんな、マクスウェルの後ろ姿を見送って
D-No.4は、おろおろと、途惑った表情を浮かべるのだった
D-No.4は、おろおろと、途惑った表情を浮かべるのだった
…マクスウェルがD-No.4の姿を見たのは、それが最後
何せ、この数日後…D-No.0の暗殺事件が発生し
D-No.4の側近であった彼もまた、「組織」から姿を消したのだから
何せ、この数日後…D-No.0の暗殺事件が発生し
D-No.4の側近であった彼もまた、「組織」から姿を消したのだから
to be … ?