…祐樹 ペリシャは悩んでいた
自分を救ってくれた青年と少女、そして、新たに駆けつけてきた、返り血まみれの少女
……どれも、「組織」の者のようだ
祐樹としては、「組織」とはあまり関わりたくない
祐樹にとって「組織」とは、自分とククージィを狙ってきた相手であり…彼にとって、唯一「組織」の者としては味方と認めている、優しいあの黒服を危険な目に合わせる存在だ
あまり、好ましい存在ではない
自分を救ってくれた青年と少女、そして、新たに駆けつけてきた、返り血まみれの少女
……どれも、「組織」の者のようだ
祐樹としては、「組織」とはあまり関わりたくない
祐樹にとって「組織」とは、自分とククージィを狙ってきた相手であり…彼にとって、唯一「組織」の者としては味方と認めている、優しいあの黒服を危険な目に合わせる存在だ
あまり、好ましい存在ではない
………だが
この者達は、自分を助けてくれた
だからこそ、判断に迷う
この者達は、自分を助けてくれた
だからこそ、判断に迷う
あまり、関わるべきではない、とそう考える
先ほどの眼帯の男、明らかに自分を狙っていた
助けてくれたのはありがたい
しかし、あまり巻き込みたくない
先ほどの眼帯の男、明らかに自分を狙っていた
助けてくれたのはありがたい
しかし、あまり巻き込みたくない
「………助けてくれた事、感謝する…巻き込んでしまって、本当にすまない」
傷だらけの…エーテルと呼ばれていた青年に、祐樹は小さく頭を下げた
いや、と、エーテルが首を振る
いや、と、エーテルが首を振る
「あいつは、こっちにとっても因縁のある相手だ……とにかく、君が無事で良かった」
「…祐樹 ペリシャ……いや、門条 祐樹。妾達としては、お前を保護したいのじゃが…」
「…祐樹 ペリシャ……いや、門条 祐樹。妾達としては、お前を保護したいのじゃが…」
…「門条」
返り血まみれの少女にその家名で呼ばれ、祐樹は複雑な表情を浮かべた
返り血まみれの少女にその家名で呼ばれ、祐樹は複雑な表情を浮かべた
「………その家名は、もう捨てた。俺は、祐樹 ペリシャだ。ククージィと生きる時に、そう決めた」
きっぱりと、祐樹はそう言い切る
自分を施設に捨てた存在の家名など…名乗りたくもない
それが、本音だ
自分を施設に捨てた存在の家名など…名乗りたくもない
それが、本音だ
祐樹の言葉に、しかし、エーテルは告げる
「君がそう考えていても、向こうはそう考えていない……あいつの狙いは、君自身だ」
「祐樹が狙われとるというのなら、わしが護るまでじゃ」
「祐樹が狙われとるというのなら、わしが護るまでじゃ」
そう口を開いたのは、ククージィ
契約者であり、孫同然でもある存在の祐樹を狙われ、彼としても頭に来ているのかもしれない
いつもより気が立っているのを、祐樹は感じ取った
契約者であり、孫同然でもある存在の祐樹を狙われ、彼としても頭に来ているのかもしれない
いつもより気が立っているのを、祐樹は感じ取った
「……でも……相手の戦力は、あの通り………二人だけじゃ、危険」
ぽつり、エーテルに心配そうに付き添っている少女が、そう口を開いた
確かに、相手は強敵だ
誰も巻き込まずに、自分達の身を護るのは不可能かもしれない
ならば
確かに、相手は強敵だ
誰も巻き込まずに、自分達の身を護るのは不可能かもしれない
ならば
「…身を護ってくれる勢力の、当てがない訳じゃない」
ぽつり、呟くように言って、携帯を操作し始める祐樹
仲介者に、連絡を取ろうとして…
仲介者に、連絡を取ろうとして…
「………?」
「祐樹、どうした?」
「…仲介者に、つながらない」
「祐樹、どうした?」
「…仲介者に、つながらない」
おかしい
彼は、連絡さえすれば、即座に返事を返してくるはずだ
電話に出られない状況でも、必ずメールで返してくるはず…
彼は、連絡さえすれば、即座に返事を返してくるはずだ
電話に出られない状況でも、必ずメールで返してくるはず…
それが、ない
……それすらできない状況に、陥っている?
……それすらできない状況に、陥っている?
仲介者の支援が得られない
……仲介者自身、何かしらの異常事態に巻き込まれている可能性が、ある
その事実に、祐樹は漠然とした不安を感じるのだった
……仲介者自身、何かしらの異常事態に巻き込まれている可能性が、ある
その事実に、祐樹は漠然とした不安を感じるのだった
to be … ?