これは【口裂け女】を倒した後の、いつかの出来事。まだ朝早くに、ある親子2人がジョギングをしていた。
光彦「正義(せいぎ)、疲れていないか?」はっ、はっ タッタッタ
正義「大丈夫だよ。」はっ、はっ タッタッタ
正義「大丈夫だよ。」はっ、はっ タッタッタ
この少年、[黄昏 正義(たそがれマサヨシ)]はある時から休日は父親の[光彦(ミツヒコ)]と一緒にジョギングをするようになった。まだ小学生なのに立派である。
朝日は、親子2人の影を映し出す。いや、3人・・・。【恐怖の大王】もである。
大王も正義少年とともにジョギング、いや飛んでいるのでフライングか、をしていた。
都市伝説も体を鍛える事は可能らしい。昔よりも高く、速く飛べるようになったかもしれない。
大王も正義少年とともにジョギング、いや飛んでいるのでフライングか、をしていた。
都市伝説も体を鍛える事は可能らしい。昔よりも高く、速く飛べるようになったかもしれない。
ジョギングが終わり、3人は自宅に戻った。例によって1番疲れているのは大王である。
しかし摂食はせずとも大王の体力は自然と回復する、ある意味経済的な都市伝説である。
しかし摂食はせずとも大王の体力は自然と回復する、ある意味経済的な都市伝説である。
光彦「正義、だいぶ良くなってきたな。ちょっと前まですぐバテてたのに。」
正義「もう、昔の事でしょ。ボクも鍛えてるんだよ。」
正義「もう、昔の事でしょ。ボクも鍛えてるんだよ。」
ふーん、と光彦は答えた。その後、正義ははと気付き、すぐさま正義はTVの前へと向かう。
TVには特撮戦隊ヒーロー番組が映し出されていた。正義は特撮好きなのであった。そしてその父も。
OPが流れている時、ふと横を見ると正義の兄、[裂邪(レツヤ)]がいた。
TVには特撮戦隊ヒーロー番組が映し出されていた。正義は特撮好きなのであった。そしてその父も。
OPが流れている時、ふと横を見ると正義の兄、[裂邪(レツヤ)]がいた。
正義「あ、お兄ちゃん居たんだ。」
裂邪「だから『居たんだ』はねぇだろ!」
光彦「仕方ないだろ。正義はジョギングに行ってたんだ。起きるのが遅いお前が悪い。なぁ正義。」
裂邪「だから『居たんだ』はねぇだろ!」
光彦「仕方ないだろ。正義はジョギングに行ってたんだ。起きるのが遅いお前が悪い。なぁ正義。」
明美「はいはい、朝ごはんですよ。」
正義の母、[明美(アケミ)]が朝食を配る。その時、明美は夫にこんな事を言う。
明美「ねぇミツ、いいかげん[マサヨシ]と呼んだら?」
光彦「別にいいだろ。オレは[セイギ]の方が良かったんだ。」
正義「ボクも[セイギ]でいいと思うよ。」
光彦「別にいいだろ。オレは[セイギ]の方が良かったんだ。」
正義「ボクも[セイギ]でいいと思うよ。」
「なー」と相槌を打つ夫を見て、「もう」言いつつ微笑む妻。そうしている内にCMが明け、また正義とその父がTVを見る。
大王は思う。なんて家族なんだと。
大王は思う。なんて家族なんだと。
大王「(普通、主人のいう事は絶対なんだぞ。にもかかわらず妻のいう事を聞いて妥協するだと?)
(父親からなって無いじゃないか!そもそも息子に[正義]と名付けている時点でダメか。)
(家庭崩壊しかけだったら、簡単に誘惑できたんだがなぁ・・・)」
(父親からなって無いじゃないか!そもそも息子に[正義]と名付けている時点でダメか。)
(家庭崩壊しかけだったら、簡単に誘惑できたんだがなぁ・・・)」
大王はまだ世界征服を諦めてはいない。
だが、正義少年が枷となり、その活動をする事ができないでいる。
正義少年のおかげで【恐怖の大王】は恐怖を与えられずにいた。
食事も特撮ライダーも終わり、TVを消したところで、父が言う。
だが、正義少年が枷となり、その活動をする事ができないでいる。
正義少年のおかげで【恐怖の大王】は恐怖を与えられずにいた。
食事も特撮ライダーも終わり、TVを消したところで、父が言う。
光彦「よし、そろそろ買い物に行くとするか。」
正義「わーい、ボクも行く!」
裂邪「あ、俺は散歩行くから。」
光彦「全く、裂邪は正義と違って可愛げがないなぁ。」
裂邪「別にいいじゃん。」
大王「(俺はついて行かないとな。)」
正義「わーい、ボクも行く!」
裂邪「あ、俺は散歩行くから。」
光彦「全く、裂邪は正義と違って可愛げがないなぁ。」
裂邪「別にいいじゃん。」
大王「(俺はついて行かないとな。)」
そして3人+大王は車で某デパートに着いた。食材を買いに来たはずが、約2名は玩具売り場に行っていた。
明美の説得もむなしく買い物袋の中には特撮系の玩具が入っていた。男のくせに玩具なんて買うとは、大王は情けないと思った。
明美の説得もむなしく買い物袋の中には特撮系の玩具が入っていた。男のくせに玩具なんて買うとは、大王は情けないと思った。
店員「ひったくりだぁー!!」
不意に店員の声が響く。「別にほっといてもいいだろ」という大王の意見は親子2人には届かなかった。
光彦と同時に走る正義。さらに大王に視線を送る。
光彦と同時に走る正義。さらに大王に視線を送る。
大王「はいはい、あれだな・・・。」
大王が念じると店の天井ぐらいに雲ができる。その下を犯人が通ろうとした時に、急に液体が降ってくる。
犯人「うわっ!」ズルッ
犯人は床で滑ってしまった。犯人はすぐに立ち上がろうとしたが滑って立てない。
もがいている内に正義の父が来てしまい、取り押さえられてしまった。
その場にいた者にも分からなかったようだが、大王は『油』を降らせたのである。
床が平らな店内では効果抜群で、時間が経てば証拠ごと消えるため正義が良く使う手である。
実際、周りの人間も何が降ってきたか分からず、周りも濡れていないので幻覚だと思っている。
もがいている内に正義の父が来てしまい、取り押さえられてしまった。
その場にいた者にも分からなかったようだが、大王は『油』を降らせたのである。
床が平らな店内では効果抜群で、時間が経てば証拠ごと消えるため正義が良く使う手である。
実際、周りの人間も何が降ってきたか分からず、周りも濡れていないので幻覚だと思っている。
つまり、大王は捕り物の手伝いをさせられている訳である。
犯人がもがく姿を見るのは楽しいが、何が悲しくてこんな偽善行為をしていられようか。
大王は少々自分が悲しくなっていた。
ここで、正義少年に『正義』のためと称して犯人を傷つけさせたりしたらいいと思った方はおられるだろうか?
なかなか良い手だが、正義には無駄である。なぜなら、
犯人がもがく姿を見るのは楽しいが、何が悲しくてこんな偽善行為をしていられようか。
大王は少々自分が悲しくなっていた。
ここで、正義少年に『正義』のためと称して犯人を傷つけさせたりしたらいいと思った方はおられるだろうか?
なかなか良い手だが、正義には無駄である。なぜなら、
正義「いい?こんな事しても(中略)だから盗んじゃダメだよ。それに(後略)」ペラペラ
犯人「・・・。はい、はい、・・・。」コク、コク
犯人「・・・。はい、はい、・・・。」コク、コク
この『地獄の説教タイム』があるからである。はたして少年の説教で更生する人間はいるのだろうか。
大王「(おそらく人を殺させようとしてもしないだろうな。まずこの性根から叩き折らなければ。)
(しかし少年の父よ、頷くな感心するな。)」
(しかし少年の父よ、頷くな感心するな。)」
こうして、犯人は少年の説教から解放され、警察に連行されるのであった。
その後、この犯人は更生して立派な社会人になったらしいがそれは別のお話。
その後、この犯人は更生して立派な社会人になったらしいがそれは別のお話。
帰る道中、大王は車の中で考え事をしていた。
大王「(何故、こんな人間と契約なんかしてしまったのだろうか。)
(せめてもっと強い人間と契約していればよかったのだが。)
(おかげで毎日利用されてばかり・・・。)」
(せめてもっと強い人間と契約していればよかったのだが。)
(おかげで毎日利用されてばかり・・・。)」
ふと、何かに気付く。
大王「(ん?そういえば、俺と契約してから少年が戦った事はあったか?)
(まさか俺が戦っているだけで強くなったと思いこんでいないだろうな。)
(よし、次に都市伝説が来たら―――。)」
(まさか俺が戦っているだけで強くなったと思いこんでいないだろうな。)
(よし、次に都市伝説が来たら―――。)」
失敗なら、それでも良い。ただ上手くいけば、或いは・・・。大王の顔に、自然と笑みが浮かんだ。
都市伝説よ、早く現れよ。そう願っていたが、今日は日が沈み、また明日を待つことにするのであった。
都市伝説よ、早く現れよ。そう願っていたが、今日は日が沈み、また明日を待つことにするのであった。
正義「おやすみ、大王。」バサッ
大王は黙ったままだったが、正義はそのまま寝ようとした。だが、なかなか寝付けない。いつか感じた事のある、何かの気配を感じる。
正義「大王。」
大王「あぁ、【都市伝説】だな。」
大王「あぁ、【都市伝説】だな。」
しかしどこから?そう考えている時、正義が言う。
正義「大王、ベッドの下に『石』を1つ降らせてくれない?」
大王「何故だ?まぁ、やってみるが。」
大王「何故だ?まぁ、やってみるが。」
大王の能力で石の落ちる音がする―――と思ったら、何かが暴れる音がした。
急にベッドの下から人が飛び出した。どうやら顔に命中したらしい。ベッドの下にいた男は混乱したのか、窓から飛び出していった。
急にベッドの下から人が飛び出した。どうやら顔に命中したらしい。ベッドの下にいた男は混乱したのか、窓から飛び出していった。
正義「追いかけるよ。」
大王「了解。」
大王「了解。」
大王と正義は窓から出て、大王が正義を抱えて飛んだ。
正義「大王、今日機嫌良いね。」
大王「ん?まぁな。」
大王「ん?まぁな。」
すぐにあの男に追いついた。男も戦う気のようである。家でよく見る刃物を持っている。
正義「やっぱり、【ベッドの下の男】かな?」
大王「そのようだな。」
大王「そのようだな。」
【ベッドの下の男】とは、凶器を持った男の事で、『1人はベッドで、その友人は床に布団を敷いて
寝ている時に突然友人は外へ出ようと誘い、しぶしぶ外へ出ると、友人は血相を変えて彼女に
「ベッドの下に包丁を握った男がうずくまっている」と言う。』という話である。
アメリカが始まりとされているが、他の国でも語られていたり、
日本の鎌倉時代の説話集『古今著聞集』にも似た話があるので事実か分からない。
寝ている時に突然友人は外へ出ようと誘い、しぶしぶ外へ出ると、友人は血相を変えて彼女に
「ベッドの下に包丁を握った男がうずくまっている」と言う。』という話である。
アメリカが始まりとされているが、他の国でも語られていたり、
日本の鎌倉時代の説話集『古今著聞集』にも似た話があるので事実か分からない。
近くに勇弥はいないが、彼が簡潔に話してくれた気がした。
正義「よし、じゃあ行くよ!」
大王「待て。今回、俺は相手にいっさい攻撃しない。」
正義「えっ!なんで?」
大王「理由なんてどうでもいいだろ。さぁ、がんばれ。」
大王「待て。今回、俺は相手にいっさい攻撃しない。」
正義「えっ!なんで?」
大王「理由なんてどうでもいいだろ。さぁ、がんばれ。」
大王が言い終わった頃、正義が文句を言う前に【ベッドの下の男】は攻撃を仕掛けてきた。
自慢の包丁が煌めき、正義を切り刻もうとする。しかし正義はとっさに横へ転がって回避し、大王に言う。
自慢の包丁が煌めき、正義を切り刻もうとする。しかし正義はとっさに横へ転がって回避し、大王に言う。
正義「じゃあどうやって戦えって言うのさ!相手は武器を持っているんだよ?」
大王「自分で考えろ。」
正義「だってボクは武器を・・・。そうだ!大王、『剣』を降らせてよ!」
大王「は?だから俺は攻撃しないと」
正義「『攻撃』はしなくていいよ。ただ降らしてくれるだけでいいから。」
大王「自分で考えろ。」
正義「だってボクは武器を・・・。そうだ!大王、『剣』を降らせてよ!」
大王「は?だから俺は攻撃しないと」
正義「『攻撃』はしなくていいよ。ただ降らしてくれるだけでいいから。」
自分無しでどれぐらい戦えるか、という意味で言ったのだが。大王はそう思ったが、武器無しではまともに戦えない、下手に戦って死なれるのも困る。おとなしくここは妥協しておく事にした。
大王「“チッ”仕方ないな。」
【ベッドの下の男】の前、少年より若干高いところに紫がかった黒い雲ができる。【ベッドの下の男】は不審に思い後ろに飛んで距離を置く。
逆に正義は雲に近づく。正義が雲の前に来た時、雲から剣が刃を下にして降ってくる。
正義は右手でその剣の柄を掴み、回転させて下に持っていき、剣を両手で構える。
逆に正義は雲に近づく。正義が雲の前に来た時、雲から剣が刃を下にして降ってくる。
正義は右手でその剣の柄を掴み、回転させて下に持っていき、剣を両手で構える。
正義「(かっこいい・・・。)」
少年の頭には、魔法か何かで出した剣を持つ勇者が浮かんでいた。しかしどこの世にパジャマの勇者が存在するのだろうか?
そんな事も忘れ、正義は【ベッドの下の男】に斬りかかる。
そんな事も忘れ、正義は【ベッドの下の男】に斬りかかる。
正義「えぇぇい!」ブン!
下男「・・・!」カキンッ!
下男「・・・!」カキンッ!
【ベッドの下の男】はその攻撃を防ぐが、すぐに次の攻撃が来るため、防戦一方である。
大王はふと、正義の武器の扱いの上手さに気付く。
大王はふと、正義の武器の扱いの上手さに気付く。
大王「(武器の扱いなんか練習させた覚えは無いのだが・・・。まさかあの特撮ごっこのおかげか!?)
(・・・もしそうならば、俺の手下には必ずあの番組を見せる事にするか。)」
(・・・もしそうならば、俺の手下には必ずあの番組を見せる事にするか。)」
打ち合いの果てに、正義の剣が【ベッドの下の男】の腹部を斬る。致命傷ではないが、初めて正義少年が都市伝説に与えたダメージ。
何故か正義が大王のところへ駆け寄る。
何故か正義が大王のところへ駆け寄る。
正義「どう?ボクだってやるでしょ?」
大王「油断するな。余所見をしているとやられるぞ。」
大王「油断するな。余所見をしているとやられるぞ。」
前を見ると、【ベッドの下の男】がいない。ただ自販機の音が“ヴゥゥーン”と鳴り響くだけである。逃げられた!?
大王「・・・たく、まだ遠くないはずだ!追うぞ!」
正義「うん!」
正義「うん!」
そう言って2人は急いで追いかけた。正義が自販機の前を通りすぎようとした時、その下から黒いものが出てきた。
とっさに正義は離れたが、どうやら脚を少し斬られたようだ。
とっさに正義は離れたが、どうやら脚を少し斬られたようだ。
正義「つ、た・・・・。何で?!」
大王「『ベッドの下にいる』という事が改変されて、狭い所ならどこでも入れるようになったのかもしれん。」
大王「『ベッドの下にいる』という事が改変されて、狭い所ならどこでも入れるようになったのかもしれん。」
【ベッドの下の男】は走りだした。どうやら逃げる気のようだ。
正義「くっ、まて!」
【ベッドの下の男】は角を曲がる。怪我をした脚でしっかり走れない正義が何とか曲がろうとした時―――その光景を見て唖然とした。
路上駐車の列だ。ただでさえ問題なのに、今回はさらに何倍も問題だ。
路上駐車の列だ。ただでさえ問題なのに、今回はさらに何倍も問題だ。
大王「通りすぎたら斬られる、か。下手に覗き込むのも不安だな。」
正義「でも放っておいたら犠牲者が出る。」
大王「小学生が小難しい言葉を。お前も怪我したんだからここは一度退いて」
正義「ボクもやられたから!だから放っておけないんだよ。」
正義「でも放っておいたら犠牲者が出る。」
大王「小学生が小難しい言葉を。お前も怪我したんだからここは一度退いて」
正義「ボクもやられたから!だから放っておけないんだよ。」
大王は、正義のこの性格を直しておこうと思ってはいたが、やはり直せそうにないようだ。
味方思いとなって良い方向に傾いてくれればいいか。今日は妥協の多い日だ。
味方思いとなって良い方向に傾いてくれればいいか。今日は妥協の多い日だ。
大王「“フゥ・・・”分かった。では、どうやってここから追い出す?」
正義「んー、囮はあまり好きじゃないし・・・。大王、『攻撃しなければ』何でもしてくれるよね?」
大王「(またか・・・。)で、何を降らせれば良い?」
正義「んー、囮はあまり好きじゃないし・・・。大王、『攻撃しなければ』何でもしてくれるよね?」
大王「(またか・・・。)で、何を降らせれば良い?」
一方、【ベッドの下の男】は予想通り車の下で、ただ正義達がこの横を通ろうとするのを待ちつつ隠れていた。
下男「・・・?」
後から妙な気配を感じる。何かに突かれた?何に?
【ベッドの下の男】の頭に最悪のシナリオが浮かぶ―――まさか、あの子どもが?!まずい、刺される!逃げろ!
【ベッドの下の男】は出せる限りの速度で走る。逃げろ逃げろ逃げろ―――。
急に何かにぶつかる。壁?何故こんなところに?いや待て、閉じ込められた?!
後は針、前は壁、左も壁、右は―――光!【ベッドの下の男】はとっさに右に飛び出す。助かっ―――
【ベッドの下の男】の頭に最悪のシナリオが浮かぶ―――まさか、あの子どもが?!まずい、刺される!逃げろ!
【ベッドの下の男】は出せる限りの速度で走る。逃げろ逃げろ逃げろ―――。
急に何かにぶつかる。壁?何故こんなところに?いや待て、閉じ込められた?!
後は針、前は壁、左も壁、右は―――光!【ベッドの下の男】はとっさに右に飛び出す。助かっ―――
正義「ボクの勝ちだよ。」
【ベッドの下の男】が出たところには、正義がもう既に剣を構えていた。そして―――
正義「―――いい、だからこんな事をするぐらいだったら(中略)それに包丁は人を斬るためのものじゃなくて(後略)」
下男「・・・。」コク、コク
下男「・・・。」コク、コク
現在に至る。簡単に説明すると、まず遠目のところに『鉄板』を降らせ、その後『棒』で突いただけである。
暗いところで何かされても、詳しくは分からないので大抵逃げると予想し、
次に鉄板で相手の出口を操作する。これは同時に相手に追い詰められたと錯乱させる事もできた。
もっとも、これは相手が人間のような精神を持っていないと効果は無いのだが。
暗いところで何かされても、詳しくは分からないので大抵逃げると予想し、
次に鉄板で相手の出口を操作する。これは同時に相手に追い詰められたと錯乱させる事もできた。
もっとも、これは相手が人間のような精神を持っていないと効果は無いのだが。
さらに、正義は剣を【ベッドの下の男】の顔の前、つまり地面に突き刺しただけであった。その後、恒例の説教をしている、という訳である。
無論、正義少年の声は大人達にも聞こえているのだが、もう町の人は当たり前のように思っているらしく、あまり気にしていないようだ。
無論、正義少年の声は大人達にも聞こえているのだが、もう町の人は当たり前のように思っているらしく、あまり気にしていないようだ。
正義「(前略)だから、キミも良い都市伝説として人を助けたりする事。分かった?」
下男「・・・。」コクコク
正義「じゃあ、もう帰ってもいいよ。またねー。」
下男「・・・。」コクコク
正義「じゃあ、もう帰ってもいいよ。またねー。」
こうして、【ベッドの下の男】は正義から解放され、夜の闇に消えてゆくのだった。
大王「本当に良かったのか?逃がしておいて。」
正義「不安だったら大王が倒したら?」
大王「おっと、そうだった・・・。少年、お前は『俺が居るだけで強くなった』と思い込んでいなかったか?」
正義「不安だったら大王が倒したら?」
大王「おっと、そうだった・・・。少年、お前は『俺が居るだけで強くなった』と思い込んでいなかったか?」
正義は、はっとした顔で大王の顔を見る。大王は話を続ける。
大王「『虎の威を借る狐』というのか、そういうやつはあまり好きでは無くてな。
(幹部候補の)自分の契約者がそんな人間だと思うと情けないと思ったんだ。」
(幹部候補の)自分の契約者がそんな人間だと思うと情けないと思ったんだ。」
正義はうつむいてしまった。それでも話は続く。
大王「本当は完全に俺無しで倒してほしかったんだが、少年は自分の力で倒したんだよな。
それはすごい事だ。
それにお前は俺の能力を最大限に引き出す事もできる。それが分かったから俺は充分だ。」
正義「・・・。大王、ありがとう。ボク、分からなかったんだ。
本当に今のままで良かったのか。でもこれで分かったよ。」
大王「(よし順調だな。これで少年を幹部に・・・。)」
正義「大王だけに戦わせてたら、大王に悪いよね。
これからはボクも、都市伝説と戦うよ。『正義』のために!」
それはすごい事だ。
それにお前は俺の能力を最大限に引き出す事もできる。それが分かったから俺は充分だ。」
正義「・・・。大王、ありがとう。ボク、分からなかったんだ。
本当に今のままで良かったのか。でもこれで分かったよ。」
大王「(よし順調だな。これで少年を幹部に・・・。)」
正義「大王だけに戦わせてたら、大王に悪いよね。
これからはボクも、都市伝説と戦うよ。『正義』のために!」
うーん、残念。ここからが本番だったんだが、ここでその言葉が出るとは。しかし、俺の能力もまだ限界に達していないようだな。
降らせた武器を手下に持たせて戦わせるとは考えもしなかったからな。
それにしても、【ベッドの下の男】が悪事をしたら、少年はどうする気なのだろうか?
降らせた武器を手下に持たせて戦わせるとは考えもしなかったからな。
それにしても、【ベッドの下の男】が悪事をしたら、少年はどうする気なのだろうか?
―――数日後、ある泥棒が捕まった。その犯人は、こんな訳の分からない事を言っていたそうだ。
“犯人「ベッドの下から、包丁を持った男が出てきたんだ!
そしてその男に追いかけられて、気がついたら交番に・・・。本当なんだ!信じてくれ!」”
そしてその男に追いかけられて、気がついたら交番に・・・。本当なんだ!信じてくれ!」”
―――世界征服への道は遠い。
第3話「晴れ時々鉄」―完―