「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-59k

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だれでも歓迎! 編集
 状況は、限りなく最悪に近い
 ……だと、しても
 何か行動を起こさなければ、状況はますます、悪い方向へと転がるばかりだ

「………辰也………」
「お姫さん…」

 ぽつり、不安そうに呟く恵
 …まったく、辰也の奴め
 惚れた相手をこうやって心配させていては、駄目だろうに
 だが、恵が来てくれた事は、好都合だ
 Tさんもいる、となれば、なおさら
 悪いが、巻き込まれてもらおう

「…辰也を追いかけたいのはわかるが、ちょいと待ってろよ?」
「………」

 こくり、小さく頷く恵
 さて、と、宏也はヘンリエッタ達に近づいていく

 ハンニバルの、最強の目
 それを封じる方法を、ヘンリエッタは把握しているようだ
 ならば、彼女に任せるべきだろう
 だが……ヘンリエッタの、その様子から
 かすかに、不安材料が見える

「ジェラルド、本部で…………………を、借り出してくれ。それが必要になる」
「…了解いたしました……しかし、お嬢様」
「お前がそれを持ち出すまでに、「目」の本体を見つけ出してみせる。安心せい」

 違う
 ジェラルドが感じた懸念は、それではない
 ……目を離したら、その隙にヘンリエッタが死んでしまうのではないか
 ジェラルドが心配しているのは、そこだろう

 ………まったく
 自分の周りには、自分がどれだけ周囲から心配されているのか、自覚していない連中が多くて困る
 某過労死候補生の慈悲深いお人好しを思い出し、宏也はこっそりと苦笑した

「お嬢さん?その場所に、一人で行く気か?」
「妾一人で、十分じゃ」

 …ここまで弱った状態で、よく言う
 今回の騒ぎすら、彼女は自分の罪であると考えている節がある
 だからこそ、ここまで無理をしようと言うのか

 ……ちらり、宏也はエーテルに視線をやった
 勘がいいうえ、頭のいい男だ
 ヘンリエッタの状態に、気づいている事だろう
 それを予測して…しかし、口には出さずに
 この男なら気づくだろう、と視線で訴える

 ……お嬢さんに、付いていって、傍で様子を見ていないと
 …恐らく、お嬢さんは死ぬぞ?と

「……お前がついていくんじゃないのか」

 ぽそり
 どうやら、感じ取ってくれたようで、そう告げてきたエーテル
 宏也は肩をすくめ、答える

「俺は、辰也を止める方が優先だ。お嬢さん相手に、そこまでしてやる義理もないしな」
「………」

 宏也の、やや冷淡さすら感じさせる答えに、一瞬、エーテルは眉をひそめたが
 すぐにヘンリエッタに向き直り、告げる

「お嬢さん、俺とマクスウェルも、そっちに向かう。構わないな?」
「む?……じゃが……」

 …あっちは、うまくやってくれるだろう
 こちらは、辰也を追いかけると同時に、佳奈美と愛華の安全を保障して
 ……そして

「………」

 影守の傍で、座り込んでいる美緒の姿に
 さて、どうしたものか、とこっそりと苦笑するのだった



to be … ?




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