生徒会室で予備の釣り銭を貰い、教室に戻ってきた紗奈。
教室では、一時的に会計を代わってもらっていた獄門寺が、同人誌のモデルの青年(先ほどの会話を聞きとった限りでは、翼という名前らしい。機会があったら改めて聞いておこう)と何やら話しこんでいるらしかった。
教室では、一時的に会計を代わってもらっていた獄門寺が、同人誌のモデルの青年(先ほどの会話を聞きとった限りでは、翼という名前らしい。機会があったら改めて聞いておこう)と何やら話しこんでいるらしかった。
「あ、おかえりなさーい」
「ただいまー。はい、予備貰ってきたよ」
釣り銭をもう一人の会計担当の女生徒に渡す。ふと教室の壁時計が目に止まり、そういえば、もうすぐ獄門寺の休憩時間だった事に気づいて声をかけようとして――
「ただいまー。はい、予備貰ってきたよ」
釣り銭をもう一人の会計担当の女生徒に渡す。ふと教室の壁時計が目に止まり、そういえば、もうすぐ獄門寺の休憩時間だった事に気づいて声をかけようとして――
「そうか……でも、気負いすぎて、無理すんなよ?」
「はい…それに、実際のところ、俺は翼さんを護れる程、強い訳でもないですから」
「はい…それに、実際のところ、俺は翼さんを護れる程、強い訳でもないですから」
このやり取りと、翼が獄門寺の頭を撫でてB組を後にするのを目撃した。
(獄翼キター!!やばい…頭撫でるとか萌え死ぬかも……ってそうじゃなくて!!)
妄想の世界に旅立ちかけた意識を慌てて現実に引き戻し、獄門寺に声をかける。
「獄門寺君、そろそろ休憩時間じゃない?」
「ん?……あぁ、そうだな」
「ん?……あぁ、そうだな」
「ねぇ、さっきの男の人、ずいぶん親しいみたいだったけど…知り合い?」
「ん?…………あぁ、そうだが。どうした?」
「いや、獄門寺君の知り合い、ってイメージの人じゃなかったから」
「ん?…………あぁ、そうだが。どうした?」
「いや、獄門寺君の知り合い、ってイメージの人じゃなかったから」
獄門寺は普段、クラスでは極力目立たないように振舞っている。
そんな獄門寺と、派手な格好をしたあの青年は、一体どこで知り合ったのだろう…?
そんな獄門寺と、派手な格好をしたあの青年は、一体どこで知り合ったのだろう…?
「……家の関係で少し、な」
あまり詳しく聞かれたくないことだったらしく、短く説明した後改めて休憩室に向かう獄門寺。
「(家の関係…家族ぐるみで付き合いがあるとかかな?)あ、おかえりなさいませ、ご主人様」
彼が隣のクラスから手伝いに来てくれていた宮定 繰に話しかけられているのを視界の端に捉えながら、接客に戻って行った。
彼が隣のクラスから手伝いに来てくれていた宮定 繰に話しかけられているのを視界の端に捉えながら、接客に戻って行った。
続く…?