「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ビター・スウィート・ビターポイズン-11c

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 どさり
 また一人、倒れる
 倒れるはしから、それは光の粒子となって消えていく

「…くそ、数が多すぎる…!」

 次から次へと現れるダンピール達
 それを前に、想軌は疲労してきていた
 吸血鬼でありながら、ダンピールをものともしないククージィが、無数の蝙蝠や狼に姿を変えて次々とダンピールを葬っていってはいるが、いかんせん数が多すぎるのだ
 ククージィが裁ききれなかったダンピールを、想軌が相手する
 想軌の背後では、せめて紗江良を護ろうと、祐樹がスタンガンを手に警戒していた

 …この研究所に入り込んでから、ずっとこの状態が続いている
 彼らと共にここに入り込んだ朝比奈 秀雄と、仲介者こと玄宗 直希は、今回の騒動の元凶を抑えるべく、階下へと降りている
 想軌は、紗江良と祐樹をその階段の前に立たせ、自分はさらにその前に立ち。ダンピール達が階下に雪崩れ込まないよう、抑えるのに必死だ

「大丈夫かの?」

 やや大柄な蝙蝠…ククージィの本体が、想軌の傍まで飛んできた
 あぁ、と想軌は頷いてみせる

「まだ、いけるさ」
「ほっほ……なら、良いのじゃがの」

 ばさばさと羽ばたく蝙蝠
 ダンピール達の集団を睨みつけながら、続ける

「…この研究所の入り口に、お前さん達の仲間らしき連中が来よったようじゃぞ」
「え?」
「……お前さん達、「組織」じゃろ?……それらしい連中が来ておるよ」

 祐樹には、想軌達が「組織」の一員である事をなるべく知らせたくないのか、小声で言ってくるククージィ
 ククージィの一部である蝙蝠が、それを発見したらしい
 …自分達以外にも、「組織」の人間が動いている?
 想軌が疑問を感じた、その時

「伏せろっ!!!」

 聞こえた叫び
 自分達への注意喚起と判断、想軌は素早く伏せた
 ククージィも、迫る何かを避けるように、天井近くまで飛び上がる

 その、直後
 ぴしっ………と、空間に、ヒビが入ったように見えて
 そのヒビが広がり、ダンピール達に触れた瞬間…発生した爆発に飲み込まれて命を落としていく
 その一撃を避けた者達もまた、追撃のように飛んできた光の攻撃によって、あっさりと倒されていってしまう

「無事か!?」

 駆けつけてきたのは、高級そうな黒スーツに身を包んだ、真紅の髪の男、ゴスロリ姿の銀髪の少女と、黒髪の少女
 そして、顔にツギハギの跡を持つ、黒いスーツに身を包んだ大男
 エーテル、マクスウェル、ヘンリエッタ、ジェラルドだ
 …紗江良の女の勘が「先ほどの空間にヒビを入れた攻撃はこの四人によるものではない」と告げてきてはいるが……特に、問題はなさそうだ
 エーテル達の姿を見て、祐樹が少し、ほっとしたような表情を浮かべた、

「…無事、だったのか」
「何とかのぅ……そちらも、無事じゃったか」

 てとてとと、祐樹に駆け寄るヘンリエッタ
 …地下へと続く、深い階段を見下ろす

「………ハンニバル達はこの下、か」
「下から聞こえてきた音、もう、静かになってますねぇ」

 そっと階段を覗いて、そう呟く紗江良
 彼女の勘が、「下にはもう危険はない」と告げてきている

「…………様子を、見てくる」
「あ、おい!」

 想軌の静止も聞かず、階段を駆け下りていく祐樹
 ククージィが、人の姿に戻りながら小さく苦笑する

「…まぁ、危険がないなら大丈夫じゃろ、止めないでやっておくれ……あの子も、やっとわかった家族がこの下にいるとなると、いてもたってもおられんじゃろ」
「?それは、どう言う…と、言うか、お前達は門条 天地の様子を見に行っていたはずじゃ」

 それに、と
 ちらり、想軌と紗江良に視線をやるエーテル
 想軌達と同様、自分達以外に「組織」の人間が動いていた事を驚いているようだ

「色々あってのぅ」

 ほっほ、と笑ってみせるククージィ
 …さて
 祐樹を一人で行かせたまま、という訳にもいかない
 説明しながら、追うとしようか
 エーテル達にこれまでの状況を説明し始めながら…ククージィもまた、会談へと足を向けた



to be … ?




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