「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ビター・スウィート・ビターポイズン-12

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匿名ユーザー

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 最悪の状況
 そう呼べるような状況に、遭遇した事はあるか?
 俺は、何度かある
 その全てがその時には「最悪だ」と思える状況であり、命の危険を感じるような状況も何度もあった
 だが、その内のいくつかは、後々思い返せば大した危機的状況ではなかったりする事も、ある
 それでも、その瞬間瞬間は、俺にとって「最悪」の瞬間であり、何が何でも切り抜けなければならない最悪の状況である事に変わりはない
 恐らくは、落ち着いた状況でその状況を思い返した場合と、その瞬間とでの感じ方の違いなのだろう
 常に落ち着いて、冷静に、状況を把握し、最良の道を判断できるのならば、「最悪の瞬間」なんて状況は減っていくのかもしれない

 だが、残念ながら、俺はそこまで冷静な人間ではない
 俺の精神は、そこまで成熟してくれていない
 いつも誰かに守られ続けてきた俺は、未だに餓鬼の頃のまま、成長していないままなのだろう

 だからこそ、余計に成長したいと思う
 誰かに守られずに済みたいと思う

 少なくとも
 今の状況を「最悪の状況」だと感じなくなる程度には、成長したいのだ



「くそ…何だ、こいつら」

 バチバチと、安全装置が外されたスタンガンが音を立てる
 祐樹の足元では、そのスタンガンの餌食になった契約者(雑魚だった、祐樹が対応できるレベルなのだから)が倒れている

 そして
 祐樹は……氷の化け物に、囲まれていた
 氷の化け物
 そんな呼び名がピッタリな異形の存在達
 氷の彫刻が、そのまま動き出したような化け物
 ……氷の悪魔
 こう呼ぶ方が、正しいのだろうか?

 とまれ、自分を囲むその化け物達を前に、祐樹は考える
 ………この連中に、スタンガンは効果があるだろうか
 恐らく、無理だ
 その氷の表面を溶かしてやるくらいはできるかもしれない
 だが、その程度で相手が倒れてくれるとは、思えない

 どうする?
 祐樹は考える
 逃げ出すことは不可能ではない
 だが、リスクが大きすぎる
 祐樹の身体能力は、さほど高くないのだ
 人外の存在と追いかけっこなどすれば、すぐに力尽きるだろう
 そうなれば……結果は見えている

 ククージィが来るまで、何とか耐える?
 …最善の策はそれだろう
 だが、いつまでもククージィに頼り切りでいいのか?
 それに、今、どうやら学校町全体が、妙な空気に包まれている
 自分に襲い掛かってきた(雑魚)契約者のような者も、この氷の化け物も…恐らく、学校町中にいるのだ
 いくらククージィといっても、手間取る可能性もある

 どうするか?
 ……考える時間は、さほど多くはない
 何故ならば、祐樹が考え込んでいる間にも
 氷の悪魔達は、氷の剣を手に、じりじりと近づいてきていて


 そして
 その凍れる刃は、今にも
 祐樹のその体に、突き立てられようとしているのだから





to be … ?





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