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青年と雪姫-02c

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匿名ユーザー

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女装した青年が厨房へと逃げ込んで行った後、獄門寺が様子を見に厨房へと向かっていった。
(しかし、何故に女装…?フェアリーモートって、そういう店だった…か?)
(殿方が、何故あのような格好を…)
徹とユキが固まっていると、紗奈から声を掛けられた。

「徹兄、獄門寺君の様子見に行こ?」
「え…ああ」
……そんな訳で、皆で厨房に入る。
「みー?けーやくしゃー?」
「獄門寺くーん、花子さんが、やっぱり気になるって…」
「っぎゃーーーー!!??」
中には、店員達と獄門寺と先ほどの青年がいた。
…青年が悲鳴を上げた。
(…うん。気持ちは分かる…生きろ)

青年が色々落ち着いてから話を聞いたところ、あの迷惑な客を精神的ダメージで追い出すための算段だったらしい。

「大丈夫よ、日景君。似合ってるから!!」
「そう言う問題じゃねぇっ!?」

店員達のリーダー格らしい女性に言われて、突っ込んでいる青年だったが、他の店員達にも懇願されて押し黙る。
しばし視線を彷徨わせた後
「……わかった。やってやるよ。だから、そのデジカメと携帯に取った映像を今すぐ消せ」
「「「「「えー」」」」」
(説得するなら、デジカメや携帯を構えながら言うなよ…)

青年は、じゃあ言ってくる…と、迷惑な客達が頼んでいたものをお盆に載せて、席に向かって行った。
(…まぁ、自棄でも起こさねえとやってられねぇよな…)
やり取りを見ていたところ、いい奴なのだろうが…あの青年には同情せざるを得ない。

「…なーんか、大切な事を見落としているような?」
彼らの横で、リーダー格の女性が考え込んでいた。

…そして、異変は起きた。
他の店員にはユキの姿は見えないため、さりげなくではあるが、ユキの目を塞ぐ。
「…あの、主様…前が、見えないのですが…」
「…見ない方がいい事もある」
視界を手で覆われて、状況が分からずおろおろとするユキ。
彼女には、この光景は見せられない。

迷惑な客達への精神的ダメージを狙い、青年が接客に行ったのだが…
青年の格好は、『男の娘もいいよね!』と、逆に彼らの新世界の扉を開くきっかけになってしまったらしい。
気のせいだと思いたいが…同性相手だからか、セクハラがパワーアップしているように思える。

リーダー格の女性が手を打った。
「そうだそうだ。日景君はオーナーに新世界の扉開かせた人だから、あぁなる可能性があったんだった」

「見落としとして酷すぎる」
獄門寺の呟きには全面的に同意せざるを得ない。

(見落とすなよ、その可能性を!かわいそうだろ!?)
内心で突っ込みを入れる。

「…と、言うか。あれは止めなくていいのか?」
ユキの目を塞ぎながらぼそりと呟く。


と、店内に誰かが飛び込んできた。
その人物は、青年とセクハラ客の間に割り込んでいく。
「………っ!」
ぞくり、と悪寒を感じた。
表情はここからでは見えないが…悪鬼の如き表情をしているであろう事は、容易に想像できる

「え、な……誠?」
店内が静まり返ったからか、青年の声がはっきりと聞こえてきた。

「………俺の翼に手ぇ出そうとは、いい度胸だ………!」
「誰がてめぇのもんだぁあああああああ!!!???」

(何だ……このカオス………学校町ってこういう性癖の人間多いのか?)
問題発言を聞いて、少し泣きたくなった。

だが、発言は置いておくとして…あの気迫は、只者ではない。
 喩えるならば、魔王だ。

「うん、問題なかったわ。日景君があの手のピンチを迎えたら、魔王と大魔王がくるのは予測できたし」

魔王は、先ほど店内に飛び込んできたあの青年で間違いなさそうだが……大魔王?

そう疑問に思った直後

「――――っ!!」

先ほどよりもさらに強い悪寒を感じた。
空気そのものが重くなった様な錯覚さえした。

その錯覚をもたらした人物は、店の入り口にいた。
灰色のコートを纏い、サングラスを身につけた男性が、セクハラ客を睨みつけているようだった。

「……お、おや、じ?」
「………貴様ら、表へ出ろ…………………貴様らの罪、理解させてやろう」
……大魔王が、そこにいた。
彼の背後に、黒いオーラが見えるような気がした。

「―――!!」

彼の怒りと威圧感を目の当たりにして…思わず、ユキが徹にしがみついた。


カオスとトラウマの混合物のような出来事は、素晴らしい制服の記憶すらも消し飛ばすような威力だった。

続く…?

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