アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ハーメルンの笛吹き-97

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
【上田明也の探偵倶楽部after.act6~洞察~】

意外なことに樹と我が父は知り合いだった。
詳しい経緯は「樹の弟子育成日記 一日目」にあるので省略させて頂きたい。
一つめは相手を威圧して堂々と叩きつぶす技。
俺好みの良い技だがいかんせん自分より強そうな相手には効きづらいだろう。
二つめは気配を完全に消して相手の不意を突く技。
これは純との遭遇がなければ手加減されても初見では躱せなかった。
二つを組み合わせれば大抵の局面に対応出来ると考えて良いだろう。
ところで、俺が技のお礼感覚で申し出ていた彼の弟子の捜索はあまり順調ではなかった。
一人目、清川誠は簡単に見つかったのだ。
見つかる、どころか既にニアミスしていた。
今も俺がやめた大学と同じ大学に通っているらしい。
さらにどうやら契約者らしく、俺がマッドガッサー戦の時に手痛い敗北を喫した都市伝説の契約者だったのだ。
意外な物だ。



樹との遭遇の数日後、俺はファミレスで樹と食事をしていた。
彼の探している人の居場所を探すためである。

「……とまぁ、清川誠については居場所も生活サイクルも人間関係も、
 人間の探偵が普通に調べられるレベルでは調べたぜ。
 これ、今の彼の住所。」
「おぅ、サンキュー」
「カイン、だったっけか?
 はっきりしたことは解らないが……あいつは結構面倒なことになっている。
 深入りこそしなかったけど、学校町に居るのに俺がここまで接触できないなんて……。
 外人が多い町とは言え異常だよ。」
「ふぅむ……。」
「ああ、そうそうところで前に見せてくれた技の極意?
 あれを真似して家の副所長と組み手を続けてたんだけどさ。
 解った、まあ当たらずといえど遠からずだろうから聞いてくれよ。」
「ほほう、早いな。聞いてやるぜ。」
「一つめのあの威圧する奴。
 最初は獅子とか虎とかをイメージした物だと思ったんだよ。
 相手をもの凄い勢いで圧倒してそのあと堂々と喰らうみたいな。
 でも、それだと何かおかしい。
 狩りにしては堂々としすぎてるんだよな。
 動物の狩りだったらもうちょっとコソコソするわ。
 そこであんたの言っていた『真の極意伝えたら怒られそうだったんで言えなかった』の台詞。
 怒られる、がこの場合どちらの意味か考える必要があるよな。」

俺はコーヒーをゴクリと飲み込んで口をしめらせてから話を続ける。





「仮に下ネタっていうかエロス関係な極意だった場合。
 まあ戦うこととセックスは似ているとどこぞの格闘家が言っていたからありえなくはないと思った。
 でもね、その場合一つ疑問が残る。
 『真の極意伝えたら怒られそうだったんで言えなかった』相手ってあんたと会った時はまだ子供の筈だ。
 下ネタに反応できるのか?
 恐らくその可能性は低い。
 だから俺は二つめの可能性を選んだ。
 その極意は『子供でも解るくらいに悪いことである』ということさ。
 たとえば泥棒、たとえば殺人、こういうことなら子供でも駄目だと解る。
 だが只単に殺すことを躊躇うな、とか言うだけだったらそんなの何処でも一緒だ。
 わざわざ聞く必要は無い。
 ここでさっきの対照的な二つの技そのものについて考察するぜ。
 一つめは正面突破、二つめは不意を突く技。
 これをさっき話した可能性で残った泥棒関係と絡めてみる。
 となると最初の技って命を盗む対象と考えた場合、押し込み強盗に近いよな。
 それと関連させれば次の技は怪盗、いやそんな格好良くないか。
 もっと泥臭い、……こそ泥。
 そんな感じじゃないかなあ……。」
「……その通り。」
「まあなんてのは冗談で、ふつうに……って、え?」
「そうだ、確かにその通りなんだよ。」
「ええええええ!」
「いや、技単体だけで見抜くかもしれないとは思ってたけど……。
 そういうアプローチで見抜いてくるか……。
 探偵っていうのもあながち名乗りだけじゃあないみたいだな。」
「まあ、一応名探偵ですから。」

チーズハンバーグセットが運ばれてきた。
俺の頼んだ料理だ。





「当たっていたならばご指導ご鞭撻のほどお願いしたいなあ……と。」
「ん、いいよいいよ。」

チラッと樹の様子を見る。
どうやらお腹は減ってないらしい。俺のハンバーグは無事だ。

「先に食ってて良いぜ。」
「いや、なんかそういうのって気分が悪い。」
「ふぅん、じゃあ待っててもらおうか。」

樹のスペシャル俵焼きハンバーグセットが来てから、俺は自らのハンバーグに箸を付けた。

「そういえばよ、お前が素手だけで戦いたい相手って誰よ?
 いや、男と男の戦いってんなら詮索するのもあれだけどよ。」
「ん?ああほら、俺の親父と一遍戦わないといけないんだよ。
 それと……今度生まれるらしい俺の子供が反抗期になった時に都市伝説の力使う訳にもいかないし。」
「おー、成る程ね。あのサムライポニーテールも暇なんだなあ。
 なんか何処の名家に婿として入って、貴重な戦力として地味に戦ってるって聞いたからさ。
 もうとっくに枯れたと思ってた。」
「いやいや、俺に勝てるのは俺の血を受けた男だけだ!
 とか豪語して子供達を鍛えてますよ。
 それが駄目だったんで孫鍛える気です。」
「駄目では、無いと思うけどな。」
「いやあ、好みじゃないらしいです。静かな強さっていうのは。」
「ふぅん。」

俺はナポリタンをフォークで巻いてちゅるんとすする。
行儀が悪いがまあ良いや、ここファミレスだし。
俺と樹さんはそのまま食べながら雑談を続けた。
【上田明也の探偵倶楽部after.act6~洞察~fin】

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー