「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

犬神憑きと怪人アンサー-09

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匿名ユーザー

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夏休みが終わる、少し前のこと

図書館で夏休みの課題を済ませてきた姉妹。
「ね、紗江ちゃん。今日は涼しいし、ちょっと遠回りして帰ろうか」
「うん」

しばらく二人でゆっくり歩いていく。

「あれ?なんだか嬉しそうだね」
「だって…紗奈ちゃんと二人きりでいれるんだもの」
「いつも一緒に帰ってるし、家でも一緒でしょ?」
「でも…今日も、明日も、明後日もその次の日も、ずっとずっと一緒にいたいんだもん
 …紗奈ちゃんは、私といるの、嫌?」
「嫌じゃないよ…嫌だったら今こうして歩いてないもの
 私も紗江ちゃんとずっとずっと一緒にいたいよ」

その言葉を聞いて、紗江の表情が明るくなる。
どっちが姉なんだか…と思いつつも、姉が笑ってくれたことが嬉しくて―自分も相当だな、と思う。


ふと、何か聞こえたような気がした。
「…あれ……紗奈ちゃん、何か聞こえない?」
「え?……そう言えば」
紗江に言われて、紗奈も耳を澄ませる。
……かすかに、銃声のような音が聞こえた。
「……銃声?」
いや、銃声のような、ではない。聞こえてきたのは明らかに銃声だった。

何か、都市伝説絡みの事件だろうか?
そうでなければ、平和な町中で銃声などしないだろう。
都市伝説絡みの事件なら、通りかかった自分達がなんとかしなければ―
そう感じた姉妹は、銃声の響く方向へ駆けて行く。

自分達の手は、そんなに大きくはない。全ての人を救うなんて出来ない。だから、せめて身近な人達だけでも守りたかった。
「…!紗江ちゃん、上!」
「………っ!!」

銃声の主は、姉妹の頭上にいた。
たくさんのミニスカ美少女天使達が、手に持った物騒な重火器で人間大の蛾を攻撃していた。
ひらひらと天使達の攻撃を避けていた蛾だったが、銃弾が羽根にかすり、ぼすん、と姉妹の前方に落ちて…天使達に止めを刺され、光の粒になって消えていった。

「やっつけたー!」
「ご主人様に褒めてもらえる~!」
「やっつけたのは私―!」
「違う、あたしだもーん!」

天使、と聞くと、荘厳な、もしくは清楚なイメージがあったのだが…
目の前ではしゃぐ天使達に、しばし呆然とする姉妹。
と、天使達がこちらに気がついた。

「目撃者?」
「見られちゃった?見られちゃった?」
「どうしよう、どうしよう?」
「消しちゃう?消しちゃう??」
「口封じ?」

物騒な事を口にし出した天使達。
紗奈が紗江を庇うように立ち、
紗江が紗奈を庇うように犬神を紗奈の前に立たせる。

そんな状態の中…天使達の契約者らしき青年が姿を現した。
天使達が、一斉に青年に近づいていく。

「見られちゃった」
「目撃されちゃいました~」
「御免なさい、御免なさい」
「どうしましょう?どうしましょう?」
「ん?………一般人か?」
「いや、どうやら、都市伝説契約者のようだな」
もう一人、眼鏡をかけた青年が姿を現した。

(あれ…?)
紗奈は、二人に見覚えがある事に気づいた。
学園祭の時、妄想をさせてもらった二人だ。
女性と見紛うようなその人が、優雅に一礼する。
「レディ達、驚かせて申し訳ない。何分、人を害する都市伝説だったものでね。説得できなかった為、可哀想だが消えていただいていたのだよ」
「「組織」が何か忙しい分、こっちで判断して動けるからな」

組織、と天使達の契約者らしい青年が口にした。

「…あなた達も、「組織」の契約者、なんですか?」
「…は?」
「…むぅ?」
紗江に問いかけられて、二人の青年が顔を見合わせる。

…組織で、他の黒服が担当する契約者と接するなんて初めてだった。
担当の黒服以外で接したのは、警告してきたあの黒服だけだったし、組織に入って日が浅いため、誰かと組んで任務をしたこともなかった。

女性のような外見の青年が姉妹に問いかける。
「ふむ、どうやら、君達も、こちらの天地と同じく「組織」契約者のご様子。これも何かの縁だ……お茶でも、いかがかな?」
それは、女性に誘いを掛けるような言葉で―しかし、そこに下心は感じられず、
まるで、自分達の担当の黒服への不信や不安、今後どうすればいいのか、といった迷いを見抜いているかのように―それに手を差し伸べるかのような言葉だった。

「「……はい」」
気がつけば、頷いていた。
――この人たちになら、話せるかもしれない、と思った。

続く…?

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