夏休みが終わる、少し前のこと
図書館で夏休みの課題を済ませてきた姉妹。
「ね、紗江ちゃん。今日は涼しいし、ちょっと遠回りして帰ろうか」
「うん」
「ね、紗江ちゃん。今日は涼しいし、ちょっと遠回りして帰ろうか」
「うん」
しばらく二人でゆっくり歩いていく。
「あれ?なんだか嬉しそうだね」
「だって…紗奈ちゃんと二人きりでいれるんだもの」
「いつも一緒に帰ってるし、家でも一緒でしょ?」
「でも…今日も、明日も、明後日もその次の日も、ずっとずっと一緒にいたいんだもん
…紗奈ちゃんは、私といるの、嫌?」
「嫌じゃないよ…嫌だったら今こうして歩いてないもの
私も紗江ちゃんとずっとずっと一緒にいたいよ」
「だって…紗奈ちゃんと二人きりでいれるんだもの」
「いつも一緒に帰ってるし、家でも一緒でしょ?」
「でも…今日も、明日も、明後日もその次の日も、ずっとずっと一緒にいたいんだもん
…紗奈ちゃんは、私といるの、嫌?」
「嫌じゃないよ…嫌だったら今こうして歩いてないもの
私も紗江ちゃんとずっとずっと一緒にいたいよ」
その言葉を聞いて、紗江の表情が明るくなる。
どっちが姉なんだか…と思いつつも、姉が笑ってくれたことが嬉しくて―自分も相当だな、と思う。
どっちが姉なんだか…と思いつつも、姉が笑ってくれたことが嬉しくて―自分も相当だな、と思う。
ふと、何か聞こえたような気がした。
「…あれ……紗奈ちゃん、何か聞こえない?」
「え?……そう言えば」
紗江に言われて、紗奈も耳を澄ませる。
……かすかに、銃声のような音が聞こえた。
「……銃声?」
いや、銃声のような、ではない。聞こえてきたのは明らかに銃声だった。
「…あれ……紗奈ちゃん、何か聞こえない?」
「え?……そう言えば」
紗江に言われて、紗奈も耳を澄ませる。
……かすかに、銃声のような音が聞こえた。
「……銃声?」
いや、銃声のような、ではない。聞こえてきたのは明らかに銃声だった。
何か、都市伝説絡みの事件だろうか?
そうでなければ、平和な町中で銃声などしないだろう。
都市伝説絡みの事件なら、通りかかった自分達がなんとかしなければ―
そう感じた姉妹は、銃声の響く方向へ駆けて行く。
そうでなければ、平和な町中で銃声などしないだろう。
都市伝説絡みの事件なら、通りかかった自分達がなんとかしなければ―
そう感じた姉妹は、銃声の響く方向へ駆けて行く。
自分達の手は、そんなに大きくはない。全ての人を救うなんて出来ない。だから、せめて身近な人達だけでも守りたかった。
「…!紗江ちゃん、上!」
「………っ!!」
「…!紗江ちゃん、上!」
「………っ!!」
銃声の主は、姉妹の頭上にいた。
たくさんのミニスカ美少女天使達が、手に持った物騒な重火器で人間大の蛾を攻撃していた。
ひらひらと天使達の攻撃を避けていた蛾だったが、銃弾が羽根にかすり、ぼすん、と姉妹の前方に落ちて…天使達に止めを刺され、光の粒になって消えていった。
たくさんのミニスカ美少女天使達が、手に持った物騒な重火器で人間大の蛾を攻撃していた。
ひらひらと天使達の攻撃を避けていた蛾だったが、銃弾が羽根にかすり、ぼすん、と姉妹の前方に落ちて…天使達に止めを刺され、光の粒になって消えていった。
「やっつけたー!」
「ご主人様に褒めてもらえる~!」
「やっつけたのは私―!」
「違う、あたしだもーん!」
「ご主人様に褒めてもらえる~!」
「やっつけたのは私―!」
「違う、あたしだもーん!」
天使、と聞くと、荘厳な、もしくは清楚なイメージがあったのだが…
目の前ではしゃぐ天使達に、しばし呆然とする姉妹。
と、天使達がこちらに気がついた。
目の前ではしゃぐ天使達に、しばし呆然とする姉妹。
と、天使達がこちらに気がついた。
「目撃者?」
「見られちゃった?見られちゃった?」
「どうしよう、どうしよう?」
「消しちゃう?消しちゃう??」
「口封じ?」
「見られちゃった?見られちゃった?」
「どうしよう、どうしよう?」
「消しちゃう?消しちゃう??」
「口封じ?」
物騒な事を口にし出した天使達。
紗奈が紗江を庇うように立ち、
紗江が紗奈を庇うように犬神を紗奈の前に立たせる。
紗奈が紗江を庇うように立ち、
紗江が紗奈を庇うように犬神を紗奈の前に立たせる。
そんな状態の中…天使達の契約者らしき青年が姿を現した。
天使達が、一斉に青年に近づいていく。
天使達が、一斉に青年に近づいていく。
「見られちゃった」
「目撃されちゃいました~」
「御免なさい、御免なさい」
「どうしましょう?どうしましょう?」
「ん?………一般人か?」
「いや、どうやら、都市伝説契約者のようだな」
もう一人、眼鏡をかけた青年が姿を現した。
「目撃されちゃいました~」
「御免なさい、御免なさい」
「どうしましょう?どうしましょう?」
「ん?………一般人か?」
「いや、どうやら、都市伝説契約者のようだな」
もう一人、眼鏡をかけた青年が姿を現した。
(あれ…?)
紗奈は、二人に見覚えがある事に気づいた。
学園祭の時、妄想をさせてもらった二人だ。
女性と見紛うようなその人が、優雅に一礼する。
「レディ達、驚かせて申し訳ない。何分、人を害する都市伝説だったものでね。説得できなかった為、可哀想だが消えていただいていたのだよ」
「「組織」が何か忙しい分、こっちで判断して動けるからな」
紗奈は、二人に見覚えがある事に気づいた。
学園祭の時、妄想をさせてもらった二人だ。
女性と見紛うようなその人が、優雅に一礼する。
「レディ達、驚かせて申し訳ない。何分、人を害する都市伝説だったものでね。説得できなかった為、可哀想だが消えていただいていたのだよ」
「「組織」が何か忙しい分、こっちで判断して動けるからな」
組織、と天使達の契約者らしい青年が口にした。
「…あなた達も、「組織」の契約者、なんですか?」
「…は?」
「…むぅ?」
紗江に問いかけられて、二人の青年が顔を見合わせる。
「…は?」
「…むぅ?」
紗江に問いかけられて、二人の青年が顔を見合わせる。
…組織で、他の黒服が担当する契約者と接するなんて初めてだった。
担当の黒服以外で接したのは、警告してきたあの黒服だけだったし、組織に入って日が浅いため、誰かと組んで任務をしたこともなかった。
担当の黒服以外で接したのは、警告してきたあの黒服だけだったし、組織に入って日が浅いため、誰かと組んで任務をしたこともなかった。
女性のような外見の青年が姉妹に問いかける。
「ふむ、どうやら、君達も、こちらの天地と同じく「組織」契約者のご様子。これも何かの縁だ……お茶でも、いかがかな?」
それは、女性に誘いを掛けるような言葉で―しかし、そこに下心は感じられず、
まるで、自分達の担当の黒服への不信や不安、今後どうすればいいのか、といった迷いを見抜いているかのように―それに手を差し伸べるかのような言葉だった。
「ふむ、どうやら、君達も、こちらの天地と同じく「組織」契約者のご様子。これも何かの縁だ……お茶でも、いかがかな?」
それは、女性に誘いを掛けるような言葉で―しかし、そこに下心は感じられず、
まるで、自分達の担当の黒服への不信や不安、今後どうすればいいのか、といった迷いを見抜いているかのように―それに手を差し伸べるかのような言葉だった。
「「……はい」」
気がつけば、頷いていた。
――この人たちになら、話せるかもしれない、と思った。
気がつけば、頷いていた。
――この人たちになら、話せるかもしれない、と思った。
続く…?