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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ハーメルンの笛吹き-101

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【上田明也の探偵倶楽部after.act10~修行進行中~】

「今週のCOA!
 三つの出来事!
 一つ!ミー☆ミー☆ハナたんが予想以上に強い!見た目でゆだんしてたごめんなさい!
 二つ!イッチーがモンスター包囲網を抜けてきた!
 三つ!ノゾミーまで俺に追いついてきた!
 つまりピンチということである!」
「うまっ!無駄に似てるわね!?」
「ふん、俺ほどの男になればその程度のこと当たり前だ。
 何せ俺は常に己の限界を超え続ける男だからな。」
「……ミー☆ミー☆ハナたんってなんなの?」
「お前の渾名だ花子さん!イッチーは龍一君な。」
「……解ったの。」

そんな訳で修行は進んでいた。
状況はあまり良くない。
龍一の剣戟が、花子さんのトイレットペーパーが、望のはないちもんめが。
俺を地道に地道に追い詰める。
ここに裂邪と正義の黄昏ブラザーズが加わってきたら流石の俺でもちとヤバイ。

「さて、お前ら思ったより強くて困ってるんだよね。
 ここは調子に乗り気味なお前らを倒して『キャーウエダサンフダンハフザケテルケドジツハスゴーイ』ってなる予定だったのに。」
「良いから素直にネコミミ渡しなさいよ!
 主にそれのせいでアレな雰囲気になってるのはあんたもわかってるんでしょうが!」
「ならぬ!」

ネコミミだけは譲れない。
なんてすっとぼけてると龍一君の攻撃が真後ろから襲いかかる。




「背中の傷は剣士の恥だぜ。」

そう言って、俺は二本の刀を器用に使い攻撃を受け止める。
引力と斥力を操って俺はその場から華麗に飛び立つとこっそり呼んでいた鷹のようなモンスターに掴まってその場を離れる。

「み、逃げたの!」
「さっきのお前の姿を参考にさせてもらったぜ!」
「……やらせない。」

龍一の飯綱が鷹に直撃する。
蝙蝠は俺ごと墜落した。
地面に激突しそうになったところで斥力を発生させてふわふわ浮く。

「容赦無いなあ……。」
「追い詰めたわよ!」
「追い詰められているかは俺が決めることだ。
 自分の状況程度、思うように操作できずして何が操作系特化だ。」

カチィン!
村正を鞘に収める。
収めた左腕に黒紫色の光が灯る。
カチィン!
正宗を鞘に収める。
収めた右腕に無垢な白い光が灯る。

「先ほど、剣士の恥なんて事言っていたが……俺は剣士じゃない。」

全員が何を今更、みたいな顔をしている。
酷い話だ。






「むしろ剣を使うのは嫌いだ。剣を使ってても勝てないからね。
 どうせ俺より強い剣士なんて幾らでも居るんだ。」

フワフワと宙に浮いたまま俺はおしゃべりを続ける。
龍一が再び飯綱の構えに入った。

【平伏せ】

そう俺が呟くと飯綱の軌道は真下にそれた。
汗に濡れた髪をかき上げながら俺は説明を続ける。

「その技、やっぱりすごいよ。俺には一生かかっても無理だ。
 正しく研鑽と才能の賜物、精密機械が如き美しさを秘めている。
 だがそれ故に、微妙な“ズレ”が起きるだけで全てフイになる。
 たとえば今みたく、抜刀の直前にお前の手元に斥力を集中させるとかな。」

斥力を龍一と俺の間に発生させて彼を少しだけ吹き飛ばす。
やはり距離が空いていると思うほど斥力が発生しない。
そして花子さんが俺の長話の間に大量の水をかき集めていたようだ。
巨大な水の塊が真っ直ぐ俺に向かってくる。
左腕に灯った白い光を水の塊に向けた。






「時にミー☆ミー☆ハナたん、俺の戦闘を見て策を練ってくるタイプだと思ってるかな?」

巨大な膨大な絶大な絶対な無体なまでの水塊による一撃。
正に力任せと行った所か。
まず斥力を働かせやすいようにギリギリまでそれをひきつける。
そして斥力を操る白い光を水の中に差し込むと水塊を真ん中から無理矢理左右に引き裂く。
まっすぐ突っ込んでくる物を止められる自身が無い以上、これがベストだ。
真っ二つになった水塊がしぶきを上げて俺の放つ白と黒の光を反射する。
まるでここだけ桜でも散っているかのような淡い光。
花子さんの目を見て高らかに告げる。

「でも本当に、俺の場合仲間にすら忘れられがちだが、俺って本来はパワーファイターなんだよ。
 強さが表面に出てこないと言えば良いのか?
 まあその分実戦だと油断して貰えるから楽なんだけどね。」

望の方を向いて微笑む。同じ操作系なのだから彼女だって思うところがあるはずだ。
操作するとは本来的に弱者の能力ではないのだ。
操作する力とは即ち最強たる素質のある人間にのみ贈られる能力だ。
操作系特化の俺がたどり着いた境地を彼女には見せてみたい。

「どれほど策を練ろうと最終的には力の強い奴が勝つ。
 むしろ策を練れば練るほどに足を取られるよ。」

愛美さんには見せられない物を見せる。
それもこの修行で俺が仮想敵に設定された理由だろう。
だったら滅茶苦茶な都市伝説による力を見ても尚退かないように慣れさせてやる。





「そうそう、そういえば操作系ってモヤシみたいなイメージ有るじゃん。
 あれは間違いなんだよ。対象を屈服させ操作する能力の持ち主自身が弱くて良い訳がない。
 たとえばハーメルンの笛吹き
 あれの能力半径って基本的に音が届く範囲だから割とぶれるらしいんだよ。
 でも俺は違う。」

パン、と掌を叩く。

「聞こえたか?
 操作完了までの速度は今の五百倍、そして操作可能範囲は……13kmだ。
 ここまで豪快な能力を保有する操作系が何故テクニック偏重の系統だと思われねばならん。」

無論ウソである。
そんな遠くまで届かないしそんな素早く操作もできない。
この動きは全て演技。
俺がまだとんでもない力を秘めていると思わせるための行動だ。
わざわざ宙に浮いて見せてるのも真上から声をかけることで威圧感を与えるためだ。
いかにも圧倒的な状態を演出せねば意味がない。

「さて、お話はここまでにしよう。」

近くに落ちていた小さめな岩を斥力で龍一達に幾つも幾つも飛ばす。
大事なのは大きさではない。
数だ。
操作する物がある程度の軽さならば幾ら操ろうと俺に負担はない。
数を稼げばいかにも強く見えるだろう。

「第二ラウンドだ!」
【上田明也の探偵倶楽部after.act10~修行進行中~】

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