この想いが、伝わなくとも
この想いが、叶わずとも
この想いが、叶わずとも
ただ、想い続ける
いつまでも、いつまでも、いつまでも
いつまでも、いつまでも、いつまでも
その想いは、狂気にも似て
aika harukaze
目の前で、繰が未冬と戦っている
…繰が、都市伝説契約者だった
その事に驚くと同時に…ディランの中に、罪悪感が生まれる
…繰が、都市伝説契約者だった
その事に驚くと同時に…ディランの中に、罪悪感が生まれる
自分が
すぐに、動かなかったから
自分が、すぐに対処しなかったから
……繰が、危険な目にあってしまっている
自分が能力を使えば、未冬を無力化する事くらい、できたはずだと言うのに……!
すぐに、動かなかったから
自分が、すぐに対処しなかったから
……繰が、危険な目にあってしまっている
自分が能力を使えば、未冬を無力化する事くらい、できたはずだと言うのに……!
己を束縛する蜘蛛の糸を、引きちぎった
淫魔としての人並外れた身体能力は、人間を束縛する目的で離れた蜘蛛の糸など、あっさりと引きちぎる
淫魔としての人並外れた身体能力は、人間を束縛する目的で離れた蜘蛛の糸など、あっさりと引きちぎる
「橋本さんっ!」
「…?あら…?しっかし、束縛したはずなのに…?」
「…?あら…?しっかし、束縛したはずなのに…?」
小さく、首を傾げる未冬
その未冬を刺激しないように…ゆっくりとディランは未冬に近づく
その未冬を刺激しないように…ゆっくりとディランは未冬に近づく
「…橋本さん。君の目的は……僕、なんだよね?」
「……そう」
「……そう」
ゆらり
体を揺らし、ディランを見つめる未冬
その瞳には、狂気すら混じりかけている
体を揺らし、ディランを見つめる未冬
その瞳には、狂気すら混じりかけている
……その、瞳の奥で
女郎蜘蛛が、ケタケタ笑っている様子を錯覚した
女郎蜘蛛が、ケタケタ笑っている様子を錯覚した
「それ、なら……繰ちゃんは、関係…ない、よね?」
「……どうかしら」
「……どうかしら」
あと、数歩
あと数歩、近づけば…自分は、未冬を無力化できる
そうすれば、繰を助け出せる
あと数歩、近づけば…自分は、未冬を無力化できる
そうすれば、繰を助け出せる
「ッバカ、逃げなさいよ!」
蜘蛛の糸で拘束された状態の繰が叫ぶ
…恐らく、繰はまだこちらをただの人間だと思っている事だろう
…恐らく、繰はまだこちらをただの人間だと思っている事だろう
……それを、裏切る事に罪悪感を覚える
しかし、このままでは……繰が、殺されてしまうだろうから
それだけは、避けなければならない
しかし、このままでは……繰が、殺されてしまうだろうから
それだけは、避けなければならない
「……繰ちゃんは、逃がしてあげて」
「…そうね」
「…そうね」
あと、五歩
あと、三歩
あと、三歩
繰を巻き込まない範囲で、未冬を眠らせる誘眠の吐息をあびせられるまで、あと……
「…………先生が、ここで、私のものになってくれるなら………いいよ」
きゅう、と
未冬が、笑う
未冬が、笑う
直後、っぷ!!と、彼女が吹き付けてきたものを
ディランは、避ける事ができなかった
ちくり
首筋に、かすかに感じた痛み
ディランは、避ける事ができなかった
ちくり
首筋に、かすかに感じた痛み
「っ!?」
じわり、広がる熱
…首筋に……小さな
小さな…針が、刺さったのを、自覚して
直後、体中に、熱が広がったのを、感じた
…首筋に……小さな
小さな…針が、刺さったのを、自覚して
直後、体中に、熱が広がったのを、感じた
「っ今、何をしたの!?」
拘束状態から脱出しようとしながら、繰は未冬に問い詰める
繰の位置からでも…未冬が、ディランに何かを吹き付けたのが、見えたのだ
くすくすと、未冬は笑う
繰の位置からでも…未冬が、ディランに何かを吹き付けたのが、見えたのだ
くすくすと、未冬は笑う
「……先生を、私のものにする為に。少し、その気になってもらうだけ」
…蜘蛛には、毒をもっているものが存在する
未冬にとり憑いた女郎蜘蛛は、その力を独自解釈により捻じ曲げていた
………男を、性的に興奮させる、特殊な毒
それを含んだ針を、飛ばす事ができるのだ
この毒に抗える人間など、存在しない
そうして、男を手に入れて……
未冬にとり憑いた女郎蜘蛛は、その力を独自解釈により捻じ曲げていた
………男を、性的に興奮させる、特殊な毒
それを含んだ針を、飛ばす事ができるのだ
この毒に抗える人間など、存在しない
そうして、男を手に入れて……
------喰らう
それが、女郎蜘蛛の、本質
「…せんせ、一緒に、気持ちよく……」
「…………っ」
「…………っ」
自分の体を抱え込むようにして…その場に、崩れ落ちるディラン
呼吸が、目に見えて荒くなる
呼吸が、目に見えて荒くなる
「………め、だ、め………」
うわごとのように呟くディランに、未冬がゆっくりと近づいていく
…えぇい、身動き取れない場合ではないっ!?
破けた制服の事を気にしつつも、繰は必死に束縛から逃れようとする
菊花が、束縛をちぎるのを手伝ってくれようとはしているが……人形の力で、どうにかなる訳でもなく
焦り続けているうちに、未冬は、ディランに手を伸ばし………
…えぇい、身動き取れない場合ではないっ!?
破けた制服の事を気にしつつも、繰は必死に束縛から逃れようとする
菊花が、束縛をちぎるのを手伝ってくれようとはしているが……人形の力で、どうにかなる訳でもなく
焦り続けているうちに、未冬は、ディランに手を伸ばし………
「……駄目、駄目……違う、違う、違う、違う、違うっ!!この子達は、餌じゃ、ない………………………っもう、誰も殺したくない!!」
ディランが、そう、叫んだのが聞こえた、直後
…その、ディランの姿が、変化し始めた
…その、ディランの姿が、変化し始めた
髪が、伸びていく
耳がかすかにとがり、頭に山羊を思わせる角が生え始めた
ばさぁ……っ、と、背中から生えた、蝙蝠のような、翼
耳がかすかにとがり、頭に山羊を思わせる角が生え始めた
ばさぁ……っ、と、背中から生えた、蝙蝠のような、翼
そして
甘い
甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘いv
どこまでも甘ったるい、匂いが
教室全体を、包み込んだ
甘い
甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘いv
どこまでも甘ったるい、匂いが
教室全体を、包み込んだ
教室に充満する甘い匂いが、未冬の意識を昏倒させた
窓が開け放たれていた為、その匂いは徐々に外へと漏れ出し、薄らぎ、その効果を失っていく
しかし……ディランの間近にいた未冬には、その誘淫の力を持った香りは、強すぎた
人間の限界を超えるその力に体が耐えられず、気絶と言う手段をとる事で、本能が体を護ったのだ
窓が開け放たれていた為、その匂いは徐々に外へと漏れ出し、薄らぎ、その効果を失っていく
しかし……ディランの間近にいた未冬には、その誘淫の力を持った香りは、強すぎた
人間の限界を超えるその力に体が耐えられず、気絶と言う手段をとる事で、本能が体を護ったのだ
そして
『ぎぃいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!??』
その、香りは
未冬にとり憑いていた女郎蜘蛛にも、効果を及ぼした
未冬が昏倒した事で、女郎蜘蛛は彼女の体からはじき出される
っふ、と、未冬はそのまま、ばたんと倒れこんでしまった
未冬にとり憑いていた女郎蜘蛛にも、効果を及ぼした
未冬が昏倒した事で、女郎蜘蛛は彼女の体からはじき出される
っふ、と、未冬はそのまま、ばたんと倒れこんでしまった
はじき出された女郎蜘蛛は、その醜悪な姿でじたばたと暴れ、もがき苦しむ
『ぐぅぅ……!き、さまぁ…………人では、なかったのかぁ……!』
苦しみながら、必死に誘淫の力を制御し続けているディランに、憎々しげに言葉を吐きかける
答える余裕すらないディランに、ぎちぎちと足を蠢かせ、近づいていく
答える余裕すらないディランに、ぎちぎちと足を蠢かせ、近づいていく
『…ぐ、ぅ……疼きよる…………えぇい、この際、人でなくとも雄であるならば、構わぬ!喰ろうてくれようぞ!!』
牙を剥き出し、ディランに喰らいつこうとした女郎蜘蛛
その、女郎蜘蛛に
その、女郎蜘蛛に
『…………え?』
繰が…まだ、拘束されていなかった、髪で
渾身の一撃を、その身へと降り注がせてきて
渾身の一撃を、その身へと降り注がせてきて
ぐしゃり
あっさりと、叩き潰されてしまい
その体は、光の粒子となって消え去った
あっさりと、叩き潰されてしまい
その体は、光の粒子となって消え去った
「…く、ぅ…何よ、これ…」
熱い
体の芯が熱いような、妙な感覚
未知の感覚に戸惑いながら、繰は体を起こそうとする
女郎蜘蛛が消え去ったせいだろうか
蜘蛛の糸は、消え去った訳ではないが、束縛力が弱まったように思える
体の芯が熱いような、妙な感覚
未知の感覚に戸惑いながら、繰は体を起こそうとする
女郎蜘蛛が消え去ったせいだろうか
蜘蛛の糸は、消え去った訳ではないが、束縛力が弱まったように思える
教室内には、制服を切り裂かれた繰と
女郎蜘蛛から解放されて……その身を女郎蜘蛛へと変えていた際、制服の下半身部分が、完全にはじけ飛んでいた為に…下半身だけ、全裸になっている未冬と
女郎蜘蛛の毒は、それが消えてもその効果を残しているというのだろうか、苦しみ続けているディラン
そして、おろおろした様子の菊花だけが、残されて
女郎蜘蛛から解放されて……その身を女郎蜘蛛へと変えていた際、制服の下半身部分が、完全にはじけ飛んでいた為に…下半身だけ、全裸になっている未冬と
女郎蜘蛛の毒は、それが消えてもその効果を残しているというのだろうか、苦しみ続けているディラン
そして、おろおろした様子の菊花だけが、残されて
「…あぁ、もう、どうしろって言うのよ」
この現状に、自分は一体、どうしたらいいのか
体中を走り回る未知の感覚を前に、繰はまともに思考が働かないことを、自覚したのだった
体中を走り回る未知の感覚を前に、繰はまともに思考が働かないことを、自覚したのだった
to be … ?