アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - プレダトリー・カウアード-01

最終更新:

uranaishi

- view
だれでも歓迎! 編集

プレダトリー・カウアード 日常編 01


 僕は、少しだけオカルトに興味を持っている。
 といっても、それは単なる趣味以外のなんでもないし、それに全人生をかける気なんてさらさらない。
 週末に週刊「超常現象」を買うために書店を巡ったり、心霊スポットをちょっとだけ覗きに行く程度の、数ある趣味の一つ。
 ―――清く、正しく、堅実に。
 それが、僕の信条だ。

「……あれ、おかしいな」

 夕刻。町がほんのひと時赤く輝く時間。
 僕は、町外れの本屋さんの前に立っていた。
 今日は土曜日。一週間待ち続けた「超常現象」の発売日だ。
 なぜ廃刊にならないのか、未だに不思議なほど発行部数自体が異様に少ないこの雑誌は、本来ネット通販でも使わない限り手に入らない。

 「今日、土曜日だよね?」

 それを唯一揃えてくれるのが、この寂れた商店街にある本屋さんだったのだけれど……。
 いつもの所に、雑誌が置かれていない。
 おそらく、まだ仕入れていないのだろう。
 本屋のご主人に聞いてみると、配送の都合で一日か二日ほど遅れるらしい。
 珍しい……というほどのことでもないのだろうけれど、若干僕の顔が曇る。
 とりあえず雑誌が届いたら連絡してくれるようご主人に頼んで、今日は一先ず帰ることにする。
 老年となり腰の曲がり始めたご主人が、さらに腰を低くして謝罪してくれたのを、僕は笑顔でとりなした。
 この本屋は、ただ雑誌を入荷してくれるだけ。何も入荷を頼んでいるわけじゃない。
 僕が勝手に期待して、勝手に落胆しているだけなのだから、ここで文句を言うのは筋違いだろう。
 何より、無駄な諍いは避けるに限る。
 一歩だけ引いて、薄い壁を作ること。
 処世術としては初歩の初歩かもしれないけれど、僕は常にそれを意識している。

 清く、正しく、堅実に。
 その信条を曲げるつもりは、ない。
 ――――少なくとも、今日までは、そのつもりだった。


【Continued...】



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー