プレダトリー・カウアード 日常編 01
僕は、少しだけオカルトに興味を持っている。
といっても、それは単なる趣味以外のなんでもないし、それに全人生をかける気なんてさらさらない。
週末に週刊「超常現象」を買うために書店を巡ったり、心霊スポットをちょっとだけ覗きに行く程度の、数ある趣味の一つ。
―――清く、正しく、堅実に。
それが、僕の信条だ。
といっても、それは単なる趣味以外のなんでもないし、それに全人生をかける気なんてさらさらない。
週末に週刊「超常現象」を買うために書店を巡ったり、心霊スポットをちょっとだけ覗きに行く程度の、数ある趣味の一つ。
―――清く、正しく、堅実に。
それが、僕の信条だ。
「……あれ、おかしいな」
夕刻。町がほんのひと時赤く輝く時間。
僕は、町外れの本屋さんの前に立っていた。
今日は土曜日。一週間待ち続けた「超常現象」の発売日だ。
なぜ廃刊にならないのか、未だに不思議なほど発行部数自体が異様に少ないこの雑誌は、本来ネット通販でも使わない限り手に入らない。
僕は、町外れの本屋さんの前に立っていた。
今日は土曜日。一週間待ち続けた「超常現象」の発売日だ。
なぜ廃刊にならないのか、未だに不思議なほど発行部数自体が異様に少ないこの雑誌は、本来ネット通販でも使わない限り手に入らない。
「今日、土曜日だよね?」
それを唯一揃えてくれるのが、この寂れた商店街にある本屋さんだったのだけれど……。
いつもの所に、雑誌が置かれていない。
おそらく、まだ仕入れていないのだろう。
本屋のご主人に聞いてみると、配送の都合で一日か二日ほど遅れるらしい。
珍しい……というほどのことでもないのだろうけれど、若干僕の顔が曇る。
とりあえず雑誌が届いたら連絡してくれるようご主人に頼んで、今日は一先ず帰ることにする。
老年となり腰の曲がり始めたご主人が、さらに腰を低くして謝罪してくれたのを、僕は笑顔でとりなした。
この本屋は、ただ雑誌を入荷してくれるだけ。何も入荷を頼んでいるわけじゃない。
僕が勝手に期待して、勝手に落胆しているだけなのだから、ここで文句を言うのは筋違いだろう。
何より、無駄な諍いは避けるに限る。
一歩だけ引いて、薄い壁を作ること。
処世術としては初歩の初歩かもしれないけれど、僕は常にそれを意識している。
いつもの所に、雑誌が置かれていない。
おそらく、まだ仕入れていないのだろう。
本屋のご主人に聞いてみると、配送の都合で一日か二日ほど遅れるらしい。
珍しい……というほどのことでもないのだろうけれど、若干僕の顔が曇る。
とりあえず雑誌が届いたら連絡してくれるようご主人に頼んで、今日は一先ず帰ることにする。
老年となり腰の曲がり始めたご主人が、さらに腰を低くして謝罪してくれたのを、僕は笑顔でとりなした。
この本屋は、ただ雑誌を入荷してくれるだけ。何も入荷を頼んでいるわけじゃない。
僕が勝手に期待して、勝手に落胆しているだけなのだから、ここで文句を言うのは筋違いだろう。
何より、無駄な諍いは避けるに限る。
一歩だけ引いて、薄い壁を作ること。
処世術としては初歩の初歩かもしれないけれど、僕は常にそれを意識している。
清く、正しく、堅実に。
その信条を曲げるつもりは、ない。
――――少なくとも、今日までは、そのつもりだった。
その信条を曲げるつもりは、ない。
――――少なくとも、今日までは、そのつもりだった。
【Continued...】