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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - プレダトリー・カウアード-02

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uranaishi

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プレダトリー・カウアード 日常編 02


 日曜日。
 本屋から雑誌入荷の連絡を受け、昨日同様、日が落ち始めた頃に外出する。
 夕刻。夜の闇が世界を覆うわけでも、昼の光が世界を明るく染め上げるわけでもない時間。
 平生は白黒青赤多々入り混じった町並みも、この時だけは朱一色に染まる。
 ――――逢魔が時。
 黄昏でも夕暮れでもなく、真っ先にこの言葉が頭に浮かぶのは、やはり僕の趣味が関係しているのだろうか。
 その言葉が不幸の象徴というわけではないが、心に小さな鉛が入ったような感じがする。
 すぐに頭を振って、嫌な考えを外へと放逐する。
 この時間帯は駄目だ。どうしても「あの時」のことを考えてしまう。
 脳裏に浮かぶのは赤い風景。
 夕日の赤。服の赤。そして……血の、赤。
 今と同じような夕刻。学校の屋上へと続く階段の上に立っていた「あの人」の表情は、今でも、僕の脳裏から抜け落ちてはくれない。
 一年ほど経ってすら、腑抜けた僕が、責めてられているような気分にさせる。

 ――――もう、過ぎたことだ。

 僕は自分にそう言い聞かせて、いつの間にか止まっていた歩みを、再開させた。
 清く、正しく、堅実に。
 あそこで何もしなかった僕は、悪くない。信条に背かなかった僕は、決して、悪くないのだ。

*****************************************

 本屋からの帰り道を、僕はほくほく顔で歩く。
 手には、薄い茶色の紙袋が握られている。
 時分は既に、夕から夜へと移り変わっていた。
 黒は赤を排斥し、僕の心も少しだけ、軽くなっている。
 来た時と同じ、しかし今は電灯に照らし出された道を、僕は帰る。

 すぐに、僕の家が見えてきた。
 大きくもなく、といって小さくもない、二階建ての建売住宅。
 何十年かのローンで買ったその家は、「中流階級」を地で行く僕ら家族にぴったりだ。
 門から玄関口までの僅かなスペースを通り、ドアの前へ。
 紙袋を左手に持ち替え、右手でポケットから鍵を取り出す。
 銀色の鍵が、月明かりを浴びて鈍く光った。
 僕はそれを鍵口へと差込み、回し、ドアノブに手をかけて――――

「――――あれ?」

 ――――家の電気が、灯っていないことに、気づいた。
 夕闇の時刻を過ぎ、辺りは夜の趣を呈している。
 今夜は満月だから、確かに月明かりはある。
 しかし、電気をつけずにいられる程、明るくはないと思うのだけれど……。

 首をひねりながら、僕はノブを回した。
 音を立てずに、ドアが開く。
 中から押し出されるようにして出てきた生暖かい空気が、僕の頬をなでる。
 誰もが持つ、我が家の匂い。
 いつもなら違和感なく、匂いを匂いとすら気づかず、受け入れる、はずなのに

「………………?」

 何かが、違う。
 おかしい。
 鼻が、脳が、異常を訴える。
 「いつも」の中に、「何か」が混じっている?
 この、異物は、違和感は、どこかで――――?

 僕は、そっと家の中へと「侵入」した。
 「帰宅」のイメージが、なぜか出てこない。
 そろり、そろり、玄関脇手にある階段を無視し、足音を殺して、廊下の突き当たり、リビングへと向かう。

 ――――違和感は、少しずつ、強くなっていく。

 ついに、リビングが目の前に迫る。
 明りのないリビング。
 廊下とその部屋を繋ぐのは、一枚の薄い、ガラスの嵌め込まれた扉だけ。

 ――――本能が、警鐘を鳴らす。

 扉の取っ手を、掴む。
 いつの間にか汗が、僕の頬を、顎を、伝わっていた。

 ――――やめろ。

 慎重に、物音一つ立てないように、取っ手をひねる。

 ――――やめろ、開けるな。

 ひねって、それを、前へと押し出す。
 体重をかけて、少しずつ、少しずつ。

 ――――やめろ、引き返せ。今なら、今なら、まだ…………。

 扉が、開いた。

*****************************************


 最初に目に飛び込んできたのは、真正面の壁。

 ――――おかしい。

 僕の家の壁は、真っ白な、清潔感溢れる、純白の壁だったはずだ。
 なのに、月明かりに映えるそれは、どう、見たって

「…………あ」

 ……その時、思い出した。
 そうだ。この違和感、この匂い。
 どこかで嗅いだ事があると、思ってたんだ。
 「あの時」と同じなんだ。
 どうして忘れてたんだろう。そうだ、これは、「あの時」と同じ

 「血」の――――

「おや、おや、今日はついている」

 …………真横から、声。
 知らない、声。
 僕の首が、軋みを上げて、横を、家族の座るテーブルがあるはずの場所を、見る。
 カーテンから、月明かりが漏れる。
 淡い光が、居間を、家族の暖かな空間だった居間を、照らす。

「ちょうど今、帰って来てくれるとは……いや、いや、全く今日は運が良い」

 そこには、一人の、黒い「何か」が、いた。
 ……人間?
 きっと、違うはずだ。いや、人であるはずが、ない。
 人、なら、もしも、「人」であるのなら――――

「母さん…………?」

 ――――どうしてその口に、僕の「母」が、ぶら下っているのか。
 細い首に、「何か」の牙が、突き立っている。
 その腕はだらりと垂れ下がっていて、どうしようもないくらい白くて、あれじゃ、まるで■んだみたいじゃ、ないか。

「おいしかったよ、ありがとう」

 場違いな程穏やかな声を出して、「何か」が、母さんを放す。
 最近体重が増えている事を嘆いていたはずの母さんは、驚くほど柔らかく、軽く、まるで羽かなにかのように、落ちていく。
 ぱさり、と。ほとんど音を立てずに、母さんだったモノが、床に倒れる。
 ……床には既に、先客が居た。
 母さんと同じように、白く、細く、けれど母さんよりも赤く染まっている、ソレは。
 どうしてか、今朝見た父さんと、同じ服を着ている、気が――――

「さて、さて。メインディッシュの前に、楽しい前菜と洒落込もうじゃないか、坊や」

 黒い影が、足を踏み出す。

 ――――逃げなくちゃ。

 足が震える。いや……足も、腕も、歯も、全てが、震えていた。
 僕の身体が、僕のものではないような感覚。
 力の抜けた僕の手から、茶色の紙袋が落ちた。
 上口をセロハンで止めていなかった紙袋から、中身が転げ出る。
 今週の、週間「超常現象」。
 その表紙一面を飾っているのは、漆黒のマントを身に纏い、その鋭い歯を女性に突き立てている、都市伝説。
 その姿は、滑稽なほど、先ほどの情景に、似ていた。

「――――おや、おや、私の同族じゃないか。いやなに、私の方が格好いいがね」

 嬉しそうに、「何か」が――――「吸血鬼」が、雑誌を見やる。

「どれ、どれ、君、記念に私に、この雑誌を――――」

 ――――僕は、走り出した。
 全力で、死に物狂いで、走った。
 既に開いている扉を抜け、廊下を走る。
 目の前には、外へ通じる玄関と、二階へと通じる階段。
 走りながら、どちらへと行くべきか、一瞬悩む。
 外へ出れば、誰かが助けてくれるかもしれない。
 誰もいなくても、隠れる場所くらい、あるだろう。
 そうだ、外へ出よう。外へ出て、誰かに助けを…………。

 ――――違う。

 違う、違う。そうじゃない。
 さっきあいつは、なんて言ってた?
 考えろ、思い出せ、僕の家族は「何人」だ?

『さて、さて。メインディッシュの前に、楽しい前菜と洒落込もうじゃないか、坊や』

 「メインディッシュ」
 あいつは確かに、そう言った。
 僕は「前菜」だろう。そして床に横たわった「二人」も、きっと僕と同じ。
 なら――――なら、他に誰が、いるのか?
 考えるまでも、ない。
 僕の家は「四人」家族だ。
 父さんでも、母さんでも、僕でもなければ、残ったのは――――

「…………くそっ!」

 ――――僕が家から出れば、あいつは間違いなく、「姉ちゃん」を、殺す。

 玄関へ向きかけた足を強引に曲げ、階段へと向ける。
 袋小路だ。分かってる。
 しかし、時間が稼げれば、それでいい。
 誰かが、近所の人が少しでもおかしいと思えば、きっと助けは、来る。
 僕の仕事は、助けを求める事と、それが来るまでの間、時間を稼ぐ事。

 階段を、駆け上る。
 右手と左手に、二つのドア。僕と姉ちゃんの、二つの部屋。
 僕はまず、左手のドアを開けた。
 もしかしたら、姉ちゃんがいるかもしれない。
 しかし、開けた先に見えたのは、ダンベルにバーベル、そしてサンドバックの置いてあるだけの、いつもの姉ちゃんの部屋だった。
 その部屋の主は、いない。

 舌打ちをして、ドアを閉める。
 つまり、姉ちゃんがいるのは、階下……?

「――――いや、いや。元気がいいのは喜ばしい事だと、そうは思わないかね」

 声。階段の下からだ。
 のんびりとした声だった。あいつはきっと、急いでいない。
 それだけ余裕だと言うことなのだろう。

 右手のドアを開ける。
 僕の部屋。乱雑に散らかった雑誌の上には、古今東西様々な「霊装」がさらに乱雑さの度合いを強めて、散らばっている。
 それらをの中からニ、三拝借してから、まず窓へと駆け寄った。 
 焦りで手元を狂わせながら、鍵を解除し、大きく開け放つ。

「助けてくれぇぇええええええええええええっ!! 人殺しだぁぁあああああああああっ!!」

 息を吸い込み、ありったけの声で、僕は叫んだ。
 誰でも、いい。
 誰でもいいから、今の声に気づいて、警察に電話してくれれば、それでいい。

「――そうだ。携帯」

 僕自身があれで警察にでも連絡すれば、完璧だ。
 ――――どこにある?
 考える。
 土曜に学校から帰ってきてから、制服から出した記憶がない。
 ……制服か。

 足をクローゼットへと、向ける。
 制服は、クローゼットを開ければ、すぐの、所に――――

「――――さて、さて。満足したかね? 坊や」

 固まった。
 僕の目の前、僕とクローゼットの間に、黒い影が、立っていた。
 一体いつの間に、この部屋に入ったというのか。
 足音はなかった。そもそも、この雑然とした部屋で音を立てずに行動する事自体、不可能だ。
 ……なら、どうして?

「ふむ、ふむ。驚いてくれると私もやり甲斐があるね」

 満足げに頷く吸血鬼の元へ、小さな何かが、寄り添った。
 黒く、小さいながらも翼を持つそれは、コウモリ。

 ――――吸血鬼は、その姿をコウモリへと変えることが出来る。

 なるほど。以前「超常現象」で読んだ記事は、間違っていなかったらしい。

「……それで? 私と『食事』する決心は、ついたかね?」

 目の前で、吸血鬼が尋ねる。
 優しげな声なのが、妙に気持ち悪かった。

「決心なら――――」

 ポケットの中へ、手を入れる。
 先ほどモノの山から抜き取った、二つの「武器」。

「――――とっくについてるに、決まってるだろっ!」

 抜き出した手に持っているのは、ニンニクと、水の入った小瓶。
 その二つを、僕は吸血鬼めがけて、ぶん投げた。

*****************************************

 吸血鬼は、ニンニクに弱い。そして、聖水にも、弱い。
 僕は今投げたのは、その二つだ。
 コウモリに関する雑誌の記事は、正確だった。

 ――――ならば、これも、きっと。

 聖水とニンニクが、吸血鬼に当たる。

「…………ふむ?」

 当たって――――しかし、それだけだった。
 吸血鬼は、不可解そうな顔をして、僕を見、そして投げつけられたモノを見

「ああ、ああ。なるほど、確かにそういう『勘違い』もある」

 要を得たように、頷いた。
 呆然として、僕は馬鹿みたいに、投げつけた後の姿勢で固まっている。

「残念だがね。それを弱点に設定したのはどこだかの宗教なのだよ」
「…………え?」
「いや、いや。そんな不可解そうな顔をしなくてもいい。私が言いたいのはつまりだね、それを設定する『前』にも、吸血鬼は存在したと、そういうことだよ」

 誇らしげに、そのマントを翻し、吸血鬼が一礼する。

「私はね、そんな『最古』の吸血鬼の一人なんだ。最近の『まがい者』どもとは、一味も、二味も……違う」

 言って、吸血鬼は、僕の眼前に迫ってきた。
 目と鼻が触れる距離。
 そんな近くで、吸血鬼が、笑う。

「そんな私に食べられるなんて、君は『幸運』だと、そうは思わないかね?」
「あ……ひ……」

 腰が、抜ける。
 さっきまでの覚悟は砕け、だらしなく、上を、吸血鬼を、見上げる。

 ……くそ、まだか。
 まだ、警察は――――

「ああ、ああ。助けなら、来ないよ」

 吸血鬼が、笑う。
 獲物を甚振るのを楽しむように、彼は、笑う。

「だ、だって、僕、さっき窓から…………」
「そうだね。確かに辺りに『人がいれば』それで良かったかも、しれないね」

 どもりながら反撃を試みるの言葉に、吸血鬼は外を見る。
 目を細め、外の暗がりを、見る。

 ――――暗がり?

「おや、おや。ようやく気づいたかね?」

 僕は慌てて、地に腰をつけたまま、ベランダへと通じる大きなガラス窓へと、視線を向けた。
 ……外は、暗い。
 夜なのだから、当たり前?
 ……いいや、暗「過ぎる」。

 何故、目の前の家には明りがついていない?
 何故、その隣の家にも、明りがついていない?
 何故――――

「そん、な……」

 ――――辺り一体の家全ての電気が、消えているのか。

「言っただろう? 私は最近の『まがい者』どもとは違う。一軒や二軒の人家で満足するような、胃袋の小さな奴らとは、違うんだよ」

 ……目の前が、暗くなる。
 それじゃ、僕の今まで、やった事は……。

「いや、いや。いいね、その顔だ。怯えてくれ、怖がってくれ、絶望してくれ! アドレナリンが出れば出るほど、血は美味しくなるんだよ!」

 二歩、三歩、吸血鬼が近づいてくる。
 聖水を投げた。けれど全く効かなかった。
 助けを呼んだ。けれど助ける「人」がいなかった。

 ――――万事、休す。

「さて、さて。果たして、君はどんな『味』なんだろうね?」

 吸血鬼が、迫る。
 僕は、動けない。
 何も、出来ない。
 出来る事なら、全てした。
 それでも……それでも、駄目だった。
 僕は、やっぱり駄目なままだ。
 「あの時」から、何の進歩も、ない。
 臆病なままの僕が死ぬのも、結局、仕方が――――

≪――――それで、いいのか?≫

 ――――え?

 どこからか、声が、する。

≪貴様は、それで、満足なのか?≫

 この声は、何だ?

≪このまま死んで、それで、貴様は、本当に満足なのか?≫

 誰が、どこから発しているのかすら、分からない声。
 けれど、その言葉に、身体の血が一瞬沸き立ったような気が、した。

 ――――怒り。そう、怒りだ。
 このまま死んで満足? そんなはず、そんなはずは、ないだろう。
 嫌だ、怖い、死にたくない。
 まだ十七年しか生きてないのだ。
 やりたい事も、やり残した事も、まだまだ、数え切れないほどある。

≪ならば、何故諦める?≫

 ――――だって、仕方がないじゃないか。
 やれることは全てやった。それで駄目なら、仕方がないじゃないか。
 それに、僕一人が死んだ所で、別に――――

≪本気か? 貴様は、本気で、そう思っているか?≫

 本気も何も、それが現実だ。
 そうだろう。だって、僕の家族は――――

 ……いや、違う。

 まだ、姉ちゃんが生きている。

≪ああ、そうだ≫

 ――――僕の欠点で、僕が被害を受けるのは、いい。
 僕の臆病で、僕が死ぬのは、いい。
 けれど……ここで、僕が死んだら、どうなる?
 吸血鬼は、すぐに僕を「食べ終え」るだろう。
 そして、「前菜」の僕の次、この飢えた吸血鬼は、必ず

≪ああ、そうだとも。仮にそうなれば、貴様の姉は死ぬ。確実に≫

 それでも、と、見知らぬ声は、続けた。

≪貴様は本当に、諦められるのか?≫

 ――――無理だ。
 まだ、死ねない。
 そう、少なくとも、姉ちゃんが生き残るのを見届けるまで、僕は…………。

≪そう、そうだ。それでいい。貴様にはやり残したことがある≫

 けれど、やる為の力がない。何よりもまず、時間がない。
 ――――いや、待て。
 時間? 一体さっきから、何十秒たった?
 何故、僕はまだ生きている?
 何故、吸血鬼はまだ、僕を殺さない?

 僕は、そっと顔を上げ――――

「なっ…………」

 ――――目の前の光景に、凍りついた。

 吸血鬼が、停止している。
 ついさっきまでと同じ姿勢で、止まっている。
 何だ、これは。
 まるで、時間でも、止まっているかのような――――?

≪貴様には、覚悟があるか≫

 僕に構わず、声が、無機質な声が、語りかける。

≪貴様には、命を捨てる、覚悟があるか≫

 静かな部屋。全てが停止した部屋で、声だけが、語り続ける。

≪命を捨て、戦う覚悟が、貴様には、あるか?≫

 声が、途切れる。
 声はきっと、待っている。
 後に残された作業は、ただ一つ。

「――――覚悟は、ある」

 僕は、混乱する頭で、考え、しかしはっきりと、口にした。
 そう、僕は、ここで死ぬわけには、いかない。
 やりたいことがある、やり残したことがある。
 そして、何より。

 やらなければいけないことが、ある。

≪そうか≫

 声は、一瞬、沈黙した。
 僕の言葉を、吟味するように、間をおいて
 そして、告げる。

≪ならば――――≫

 僕は、思い出していた。
 以前、雑誌の記事で、読んだ事がある。
 「契約者」――――都市伝説と「契約」を交わし、都市伝説と戦う、ただの「人間」
 これが、そうなのだろうか。
 僕は今、この声の持ち主と、契約を――――

≪――――死ね≫

 …………え?

 ずぶり、と、何か不快な音が、下から、僕の腹部の辺りから、した。
 暖かいモノが、腹を、足を、伝う。
 僕は、恐る恐る、下を、奇妙な感覚のする、腹を、見て
 絶句、した。

 ――――僕の腹から、一本の巨大な、丸太程もある腕が、生えていた。


【Continued...】




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