「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-60a

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 …何故、紗江が、こうやって謝罪してくるのか
 ………謝罪する必要など、どこにもないと言うのに

「…都市伝説も、人間も、命である事に代わりは無い」
「……?」

 俺の言葉に、紗江が立ち止まった
 ゆっくりと、俺は続ける

「……あの時、俺が切ったのは元は人間だっただろう…だが、今は黒服と言う都市伝説だった」

 それを、俺は切った
 紗江が、俺があの黒服を切った事に関して、謝罪しているのならば
 …それは、彼女が謝罪する必要など、どこにも存在しない事だ

「俺は、今までも都市伝説を殺してきている。「退治」と言う名目で」
「……っ」
「……初めに、都市伝説を斬ったのは、12歳の頃だ。その時点で、俺はとうに、命を奪うと言う行為を行っている」

 あの時の
 刀で、相手を斬った感触を
 今でも、覚えている
 かかった血飛沫の暖かさも、その命が消える瞬間も
 どちらも、はっきりと覚えている
 …忘れては、いけない記憶だ

「その時も……あの、黒服を切った時も。どちらも、俺の意志で行った事だ。天倉が謝罪する事ではない」
「……っでも」
「…どちらにせよ………俺は、役目をやり遂げる為にも。いつかは、この手を血で染める必要性がある。ただ、それが早いか遅いかそれだけだ」

 獄門寺家
 …都市伝説の存在を知り、その真の役目を、はっきりと知ったからには
 俺は、それから逃げてはいけない

 …一度は、目をそらそうとした
 だが、それがいけなかったのだ
 一度の失敗で、目をそらそうとしたから
 …だから、今回のように、また「失敗」するのだ

 もう二度と、失敗するわけにはいかない
 だから、決して、その役目から目をそらしてはならない

 この身が、どれだけ血に濡れようとも
 己の背後に、いくつの屍を背負おうとも

 俺は、役目を果たす
 それが、気付いた俺の責務なのだから

「……せめて、お前達が無事だったならば、良かった……………お前達の両親を助けられなくて、申し訳ない」

 謝罪し、頭を下げる
 …その瞬間、紗江がどんな表情を浮かべたのかは、俺には見えない

「…引き止めてすまなかった。俺は、これで」
「ぁ………」

 紗江を置いて、将門公が待っている部屋に向かう
 彼女は、紗奈のところに戻ろうとしていた
 これ以上、話を引き伸ばしても悪いだろう
 それも、将門公を待たせる訳にもいかない

 ……広い部屋
 そこで、将門公は俺を待っていた

 …刀を、手にして

「……お待たせして、申し訳ありません」
「くくっ、気にするな」

 将門公が、小さく笑う
 そして…剥き出しの刀を、放り投げてきた

 どす、と
 俺の足元に、刀が突き刺さる

「さぁ、それを手にとれ!そして、我に刃を向けてみるが良い!!我の稽古は、ぬらりひょん程甘くないぞ………我の首を討ち取るつもりで来るが良い!」
「……本当に、討ち取る事などできないし、そこまでする訳にはいきません」

 答えながら、刀を手に取る
 都市伝説かどうかは、わからない
 だが、かなりの業物である事は…わかった
 構え、将門公を見据える

「………殺さないよう、殺すつもりで、いきます」

 床を蹴り、切りかかる


 …二度と失敗しない為に……俺は、さらに強くならなければ、ならないのだから






to be … ?






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