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連載 - ※ただしイケメンに限る-14

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匿名ユーザー

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【平唯の人間観察 第十五話「二人」】

「と言うわけで今日は調査しますよ調査!
 この前に教えてくれた占い師さんのところへ私たちで向かうんです!」
「あれ、笹木師匠は?」
「鵲崎さんなら書類仕事が忙しいとかで引きこもってますよ。
 煙草の本数増えてましたからね、ありゃ相当溜まってる。」
「じゃあ今あったら八つ当たりされちゃうね!」
「ええ、まず間違いなくやられますね。」

今日は組織からの任務ということでF-No.333さんと仲良く駅前で遊んでいた。
任務の内容はシンプル。
駅前で評判の占い師の正体を調べてこいという物である。
だが問題が一つ。

「ねーねー、唯ちゃん!任務終わったら二人で遊びに行こうよー。」
「駄目ですよ、私勉強有るんで。」
「むーひどいなー、私としては唯ちゃんともっと仲良くなりたいのに。」
「いやいやいや、前そんな事言ってついていったら襲ってきたじゃないですか。」
「大分襲われ慣れてたよね、まさか笹木さんの手によって経験済み!?」
「違うからね!?前話した久瀬って子がそういう趣味なだけだから!」
「いやー、私は唯ちゃんに素質有ると思うよー。
 男装して町を歩いている時なんてこんなイケメンが男の子の筈無いって思うもん。」
「くっ、相変わらず日本語で喋ってくれない人だ!」

そう、F-No.333さんっていうか三原さんは本格的な女性好きでことあるごとに私にアプローチを仕掛けてくるのだ。
何時襲いかかられるか正直気が気ではない。




「ほら、居ましたよ。あの占い師です。」
「成る程成る程あれですか、じゃあうち合わせた設定通り行きますよ。」

三原さんが私と腕を組む。
大きな胸が腕に当たる。
今回は私が男装してラブラブカップルという設定らしいのだ。

「当ててるんですよ。」

別に当てないでよろしい。
ため息が出る。

「さ、行きますよ。」

占い館の中に入っていく私と三原さん。
傍目から見れば本当にカップルである。
三原さんは口を閉じてさえいれば基本的にエロイ身体したお姉ちゃんだし、
私も口を閉じていれば只の美男子である。
特に怪しまれはしない。

「次の方、どうぞ。」
「あっー!」

店の入り口で悲鳴をあげている人が居る。
聞き覚えのある声だ。
後ろを振り返る。




「唯ちゃん、私というものが有りながらそんな女と……!」
「げげぇ、由美ちゃん!」
「ひどい!酷いわ!今日は貴方との相性をこっそり占いに来てたのに!」

周囲の視線が一気に私に突き刺さる。
私がまるで浮気をした男みたいじゃないか。
どうしてこうなった……。

「性別の壁なんて関係ないわ!そう言ったじゃない!」

ああ、確かに“お前が”言ってたな……。

「待ちなさい小娘、唯ちゃんは私のものよ。」

三原さんなに言い出しているんですか。

「何よどきなさい!唯ちゃんの隣は私の指定席よ!」
「うるさいわね!あなたみたいに貧相な身体じゃ唯ちゃんは満足できないのよ!」
「まさか唯ちゃんあなたこの人と!?
 酷いわ!私の気持ちを裏切ったのね!
 でも良いわ、私貴方がどれだけ汚れても受け入れて上げる。
 だからさあ!」

どうしてこうなった!
どうしてこうなった!
店員の静止も聞かずにわめき合う二人。
周囲の人々もそろそろ私が女だと言うことに気付き始めてきたらしい。
全員が苦笑いである。





「お、お客様困ります!一旦店の外に出てください1」

まあなんだかんだで私たちは店の外に退去させられてしまった。
二人のバトルはいまだ続いている。

「大体貴方は唯ちゃんと何時からの仲だっていうの!?
 私は小学校の時から彼女とずっと一緒だったんだから!」
「あら、時間しか誇れる物が無いの?
 私なんて何度も(組織の訓練的な意味で)熱い夜を過ごしたわ!」
「唯ちゃん、本当なの!?」
「いえ、全く身に覚えがございません。」
「まあ言えなくて当然よね、だってあーんなこと(新必殺技的な意味で)やこーんなこと(新必殺技的な意味で)もしちゃったし。」
「あーんなこと(無論、性的な意味で)や、こーんなこと(勿論、性的な意味で)……。
 ちょっとそれ詳しく聞かせなさい!」
「ふっふっふ、良いでしょう。
 なんなら貴方相手に実践して上げましょうかぁ?」
「私は身も心も唯ちゃんのものよ!」

ああもうこいつら死ねば良いのに。

「貴方が平唯ね、待っていたわ。」

突然、耳元で声が響く。
それと同時に目の前が真っ暗になった。
二人の悲鳴だけが聞こえてきた。
【平唯の人間観察 第十五話「二人」】

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