マッドガッサーと愉快な仲間たち 12
「毎度、いつもありがとうよ」
「………けけけっ」
「………けけけっ」
路地裏の奥の、その店とすら呼べぬその店で、「爆発する携帯電話」の契約者は、大量の携帯電話を購入していた
…以前の使用者の個人データが入ったままの、中古携帯電話だ
水に落としたりなどして、壊れてしまった携帯電話
店に修理に持っていったがデータの修復は不可能などと言われて、壊れたそれを店に引き取ってもらった経験をした事がある者もいるだろう
……想像できるだろうか?
本当は、その携帯のデータはまだ生きていて…修理されたそれが、こうやって路地裏で取り引きされている、などと
…以前の使用者の個人データが入ったままの、中古携帯電話だ
水に落としたりなどして、壊れてしまった携帯電話
店に修理に持っていったがデータの修復は不可能などと言われて、壊れたそれを店に引き取ってもらった経験をした事がある者もいるだろう
……想像できるだろうか?
本当は、その携帯のデータはまだ生きていて…修理されたそれが、こうやって路地裏で取り引きされている、などと
もっとも、「爆発する携帯電話」の契約者は、そんな個人データには興味はない
彼は単に攻撃用の携帯電話を大量に購入しても怪しまれないからこそ、ここを利用しているだけだ
…何分、値段もかなり安いし
そんな訳で今日も大量に携帯電話を購入し、「爆発する携帯電話」の契約者は路地裏を後にしようとしていた
帰りに、ジャッカロープのためにウィスキーでも買って帰ろうか
そう、ぼんやりと考えていて
彼は単に攻撃用の携帯電話を大量に購入しても怪しまれないからこそ、ここを利用しているだけだ
…何分、値段もかなり安いし
そんな訳で今日も大量に携帯電話を購入し、「爆発する携帯電話」の契約者は路地裏を後にしようとしていた
帰りに、ジャッカロープのためにウィスキーでも買って帰ろうか
そう、ぼんやりと考えていて
「けけっ」
「おぉっと」
「おぉっと」
もふんっ
路地を出た瞬間、障害物にぶつかった
…おや
この、覚えのある感触は
路地を出た瞬間、障害物にぶつかった
…おや
この、覚えのある感触は
「大丈夫ですか?……おや、あなたは」
ばいーん
見事な、見事な巨乳
以前も、ぶつかってしまった事のある巨乳だ
以前と同じで恐らくシャツ一枚で、その下には下着もつけていないようで…
以前も、ぶつかってしまった事のある巨乳だ
以前と同じで恐らくシャツ一枚で、その下には下着もつけていないようで…
「…………けけっ」
ぶふぉっ!!!
前回と同じように、「爆発する携帯電話」の契約者は、盛大に鼻血を拭いて倒れた
この男、相変わらず女性に対する免疫が低い
きゅう、と、彼はそのまま、出血多量で気絶したのだった
前回と同じように、「爆発する携帯電話」の契約者は、盛大に鼻血を拭いて倒れた
この男、相変わらず女性に対する免疫が低い
きゅう、と、彼はそのまま、出血多量で気絶したのだった
*
「オーナー、どうした……って、その人」
ちょっと離れた隙に、一体何が
「人肉料理店」と契約しているその少年は、自分が契約しているオーナーの前で、また誰か鼻血を噴いた様子を見て駆け寄り
その姿に、激しく見覚えがあった
「人肉料理店」と契約しているその少年は、自分が契約しているオーナーの前で、また誰か鼻血を噴いた様子を見て駆け寄り
その姿に、激しく見覚えがあった
「確か、その人…」
「何らかの都市伝説と契約しているらしい人です……どうしたんでしょうね、また」
「何らかの都市伝説と契約しているらしい人です……どうしたんでしょうね、また」
胸だろ
多分、その胸のせいだろ
心の中で突っ込みを入れる少年
えぇい、このオーナーは自覚もなしに
いや、自覚もたれても困るが、元々男なんだし
多分、その胸のせいだろ
心の中で突っ込みを入れる少年
えぇい、このオーナーは自覚もなしに
いや、自覚もたれても困るが、元々男なんだし
「…とにかく、休ませた方がいいですね」
道の端に、その気絶した男性を壁に寄りかからせ、鼻血を拭く
…結構な出血多量に見えるが、大丈夫なのだろうか
あー、もってた鞄も血で濡れて…
…結構な出血多量に見えるが、大丈夫なのだろうか
あー、もってた鞄も血で濡れて…
(…それにしても、随分重たい鞄だな…?)
中から、ガチャガチャ音がするし
…何が入っているんだろう?
少年が、そう首をかしげていると
…何が入っているんだろう?
少年が、そう首をかしげていると
「………おや?どうしました?」
背後から、声をかけられた
突然背後に生まれた気配に、慌てて振り返り…しかし、すぐに警戒を解く
そこにいたのは、人の良さそうな司祭だったからだ
恐らく、西洋人なのだろう、ブロンドの綺麗な髪、ブルーアイ
めがねをかけた温和そうな表情をしていて、このところ寒いからか、肩にヴェールをかけている
…そのヴェールは女性物のようにも見えたが、不思議とその司祭によく似合っていた
突然背後に生まれた気配に、慌てて振り返り…しかし、すぐに警戒を解く
そこにいたのは、人の良さそうな司祭だったからだ
恐らく、西洋人なのだろう、ブロンドの綺麗な髪、ブルーアイ
めがねをかけた温和そうな表情をしていて、このところ寒いからか、肩にヴェールをかけている
…そのヴェールは女性物のようにも見えたが、不思議とその司祭によく似合っていた
「それが、この人が急に鼻血を拭いてしまいまして」
「おや、彼は………またですか」
「おや、彼は………またですか」
鼻血を拭いた男性の知り合いだったのか、司祭は困ったように苦笑する
「お知り合いですか?」
「えぇ、まぁ」
「えぇ、まぁ」
オーナーに頷き、司祭はゆっくりと、近づいてくる
ぺちぺち、と軽く男性の頬を叩いた
ぺちぺち、と軽く男性の頬を叩いた
「けけ……?」
「ほら、大丈夫ですか?帰りますよ」
「…けけけ、お前か………わかった」
「ほら、大丈夫ですか?帰りますよ」
「…けけけ、お前か………わかった」
目を覚ました男性
司祭に声をかけられ、こくこくと頷いている
司祭に声をかけられ、こくこくと頷いている
「…それでは、ご迷惑をかけました」
「………すまない………けけっ」
「いえ、お気になさらず」
「………すまない………けけっ」
「いえ、お気になさらず」
男性は、司祭とともに夜の街へと消えていく
…なんだか、妙な組み合わせだなぁ、と少年は考えた
何となく、浮いていると言うか、知り合い同士と言うのが一瞬、ピンと来ない関係と言うか…
…なんだか、妙な組み合わせだなぁ、と少年は考えた
何となく、浮いていると言うか、知り合い同士と言うのが一瞬、ピンと来ない関係と言うか…
「…あ、どんな都市伝説と契約してるか、聞いてとくべきだったか?」
「う~ん…あの司祭さんも都市伝説のようでしたし……案外、あの司祭さんと契約しているのかもしれませんね」
「へ!?あの人も都市伝説!?」
「う~ん…あの司祭さんも都市伝説のようでしたし……案外、あの司祭さんと契約しているのかもしれませんね」
「へ!?あの人も都市伝説!?」
司祭の姿の都市伝説なんてのもいるんだなぁ…
少年はこの日、一つ学習して
少年はこの日、一つ学習して
彼らが、自分たちを女性の姿に変えたマッドガッサーの仲間であると、気づかぬままだった
*
「…まったく、いい加減、女性に慣れたらどうです?」
「けけ………ほっとけ」
「けけ………ほっとけ」
マリ・ヴェリテに連れられて、街を歩く「爆発する携帯電話」の契約者
幼女姿では警戒されるようになったからか、街中を歩くのにも、時折、この司祭の顔を使うようになったようだ
一応、この姿では、争いは起こさないつもりだろう
流石に、この顔までバレるとヤバイ
幼女姿では警戒されるようになったからか、街中を歩くのにも、時折、この司祭の顔を使うようになったようだ
一応、この姿では、争いは起こさないつもりだろう
流石に、この顔までバレるとヤバイ
「武器の調達はできましたか?」
「…問題、ない…………くけけけっ」
「それなら良かった…あぁ、ついでですし、夕食の買い物もしていきましょうか」
「…問題、ない…………くけけけっ」
「それなら良かった…あぁ、ついでですし、夕食の買い物もしていきましょうか」
…つまりは、肉を買えと言う事か
グラムいくらの肉をお望みだと言うのか
……まぁ、いい
マリは、一番前線に立って戦っているのだ
それくらい、いいだろう
そう考え、「爆発する携帯電話」の契約者は、マリ・ヴェリテと共に夜の街に消えていくのだった
グラムいくらの肉をお望みだと言うのか
……まぁ、いい
マリは、一番前線に立って戦っているのだ
それくらい、いいだろう
そう考え、「爆発する携帯電話」の契約者は、マリ・ヴェリテと共に夜の街に消えていくのだった