(ルート>・・・おっかしいなぁ・・・?
月が傾きかけた時刻、肩の上で眠るエーヴィヒを撫で、ルートは首を傾げて夜道を歩いていた
(ルート>本ッ当に見かけないねぇ、「組織」の連中・・・どうしちゃったのかなぁ?
ここ暫くの間、彼女は「組織」の黒服達に出くわさなくなった
故に戦利金は民間人から得る、筈だったのだが、
行動に出ようとする度に以前出会った「魔女」を名乗る少女の言葉が頭に過ぎり、
結局、上手にやりくりしながら今日まで空腹を凌いでいたのだった
しかし、狙われていた筈の自分に刺客が全く来なくなるのは、逆に気味が悪いものである
故に戦利金は民間人から得る、筈だったのだが、
行動に出ようとする度に以前出会った「魔女」を名乗る少女の言葉が頭に過ぎり、
結局、上手にやりくりしながら今日まで空腹を凌いでいたのだった
しかし、狙われていた筈の自分に刺客が全く来なくなるのは、逆に気味が悪いものである
(ルート>ん~・・・あの堅物の姉貴が諦めるとは思えないしぃ・・・
喉を唸らせ、星空を眺めながら考える
と、
と、
(ルート>・・・あぁ、そぉいうことぉ?
ぴたり、歩みを止め、その拍子に起きたエーヴィヒを足元に立たせる
エーヴィヒがちょこちょこと前を歩いていくのを見届け、彼女は背後に振り返った
エーヴィヒがちょこちょこと前を歩いていくのを見届け、彼女は背後に振り返った
(ルート>テメェがわざわざ探しに来てたんだねぇ!!
振り返ると同時に、ウィルスの塊を弾丸のように撃ち出す
水よりも粘性のある液体が弾ける音が響き、それは翡翠の鞭によって掻き消された
その鞭の主は、黒いスーツを着た緑色の髪の少女――R-No.1、六条 蓮華
水よりも粘性のある液体が弾ける音が響き、それは翡翠の鞭によって掻き消された
その鞭の主は、黒いスーツを着た緑色の髪の少女――R-No.1、六条 蓮華
(蓮華>クスッ・・・ようやく見つけましたよ、元R-No.10
(ルート>ずぅっとアタシを探してたのぉ? 1人でぇ?
(蓮華>人員削減ですよ、貴方の為に多くの命を犠牲にしてしまいましたからね
今度は・・・前のようにはいきません
(ルート>ずぅっとアタシを探してたのぉ? 1人でぇ?
(蓮華>人員削減ですよ、貴方の為に多くの命を犠牲にしてしまいましたからね
今度は・・・前のようにはいきません
握り締めた幾つもの種を口に放り、水で押し流す
蓮華の身体から根が伸び、葉が広がり、花が咲き、蔓が絡み、果実が熟れ、そして幹が成長していった
“世界樹”をイメージした彼女の技―――『ユグドラシル』
蓮華の身体から根が伸び、葉が広がり、花が咲き、蔓が絡み、果実が熟れ、そして幹が成長していった
“世界樹”をイメージした彼女の技―――『ユグドラシル』
(ルート>またぁ? それって「馬鹿の一つ覚え」って言うんでしょぉ?
大きければいいってものじゃないと思うけどなぁ?
(蓮華>【負けた癖にヤケに強気ですね・・・まぁ、叩き潰すまでですが】
大きければいいってものじゃないと思うけどなぁ?
(蓮華>【負けた癖にヤケに強気ですね・・・まぁ、叩き潰すまでですが】
無数の蔓がしゅるりとルートに狙いを定め、その先端を突き立て小さな身体を貫かんとする
(ルート>ヒャッハハハ・・・『ドリンゲント・オペラツィオン』!
ルートは己の十指の先端からウィルスによって出来た刃を出現させ、蔓を細切れにし、
さらに向かってくるハエトリソウを横一文字にぶった切る
さらに向かってくるハエトリソウを横一文字にぶった切る
(蓮華>【どう足掻こうと無駄です
『メリア・アゼダラク』のお陰で、私はインフルエンザに感染しません】
(ルート>そんなの、全ッ然関係ない!!
(蓮華>【む? どういうことでしょうか?】
『メリア・アゼダラク』のお陰で、私はインフルエンザに感染しません】
(ルート>そんなの、全ッ然関係ない!!
(蓮華>【む? どういうことでしょうか?】
スイカの果実を、鉄球の要領で振り回し、投げつける
それはものの見事に両断され、赤い果汁がまるで血のように辺りに飛び散った
それはものの見事に両断され、赤い果汁がまるで血のように辺りに飛び散った
(ルート>アタシが負けた理由はそんなんじゃない・・・あの時のアタシが弱かっただけよぉ!
(蓮華>【頭でも打ちましたか? 何の理由にもなってません】
(蓮華>【頭でも打ちましたか? 何の理由にもなってません】
ウツボカズラ、ハエトリソウ、モウセンゴケ、それぞれをルートに向ける
溶かされる前に避け、食われる前に切り裂き、粘液が迫る前に撃ち抜いた
溶かされる前に避け、食われる前に切り裂き、粘液が迫る前に撃ち抜いた
(蓮華>【なら、今は前より強くなっているとでも言うのですか?】
(ルート>そんなっ、ところかなぁ!
(蓮華>【クスッ・・・馬鹿馬鹿しい】
(ルート>そんなっ、ところかなぁ!
(蓮華>【クスッ・・・馬鹿馬鹿しい】
ぼごっ、と鈍い音と共に、ルートの足元から根が飛び出し、彼女の足首に巻きついた
(ルート>し、しまっ―――――――
そのまま根は天に向かって伸び、彼女は宙吊りになってしまった
(蓮華>【デジャヴュですね・・・さて、本番はここからですよ】
クスッ、と小さく、怪しく笑う蓮華
だが、
だが、
(蓮華>【・・・っ?】
微かに聞こえた声に、耳を澄ませた
それは、ルートから発せられているようだった
彼女はこの状況下でも、笑っていた
それは、ルートから発せられているようだった
彼女はこの状況下でも、笑っていた
(ルート>ッヒャハハハハハハハハ!!
(蓮華>【何がそんなに可笑しいのでしょうか?】
(ルート>待ってたよぉ、この瞬間!
(蓮華>【何がそんなに可笑しいのでしょうか?】
(ルート>待ってたよぉ、この瞬間!
ばっ、と勢いよく右腕を真横に突き出すと、
幾兆ものインフルエンザウィルスが彼女の腕に纏わりつき、
それらは蓮華の作り出した『ユグドラシル』と同等の大きさの刃となった
幾兆ものインフルエンザウィルスが彼女の腕に纏わりつき、
それらは蓮華の作り出した『ユグドラシル』と同等の大きさの刃となった
(蓮華>【なっ!?】
(ルート>『ゴットアルム』!!
(ルート>『ゴットアルム』!!
振るった刃は、大木の幹を一刀両断し、
バランスを失ったそれは、轟音と共に崩れ落ちた
そして、根も、葉も、蔓も、何もかもが、何事も無かったかのように消え、
後には、倒れた蓮華の姿だけが残った
バランスを失ったそれは、轟音と共に崩れ落ちた
そして、根も、葉も、蔓も、何もかもが、何事も無かったかのように消え、
後には、倒れた蓮華の姿だけが残った
(蓮華>くっ・・・こ、んな・・・ことが・・・
立ち上がろうと、腕で支えて上体を持ち上げようとした
その瞬間、影が目に映ったと同時に、
その瞬間、影が目に映ったと同時に、
(ルート>足掻こうとしてるのは姉貴の方だったねぇ?
手の甲を、ウィルスで出来た細長い針で貫かれた
(蓮華>――――――ッ!?
(ルート>今度はアタシがテメェを痛めつける番だよねぇ!?
(ルート>今度はアタシがテメェを痛めつける番だよねぇ!?
蓮華を腹部から蹴り上げ、宙に浮いた彼女を再び蹴り、壁に叩きつける
ケホッ、と小さく咽る蓮華に、
ケホッ、と小さく咽る蓮華に、
(ルート>『カイザーシュニット』♪
容赦なく刃を振るい、腹を切り裂いた
真っ紅な華が、夜闇に咲く
真っ紅な華が、夜闇に咲く
(蓮華>あぁっ!?
(ルート>ヒャハハハハハハ!! あぁ良い声! 堅物の姉貴のこぉんな声が聞けるなんて思ってなかったよぉ!!
(ルート>ヒャハハハハハハ!! あぁ良い声! 堅物の姉貴のこぉんな声が聞けるなんて思ってなかったよぉ!!
血が溢れ出す傷口を、蹴りを入れる勢いで踏み躙り、壁に押し付ける
(蓮華>うあぁあああっぁぁぁぁああ!?
(ルート>ヒャハ♪ あぁ良い! 良いよその声ぇ!! もっと叫んでよ姉貴ィ!! ヒャハハハハハハハ!
(ルート>ヒャハ♪ あぁ良い! 良いよその声ぇ!! もっと叫んでよ姉貴ィ!! ヒャハハハハハハハ!
何度も、何度も傷口を踏みつける
叫び声と、赤黒い血が一緒に口から漏れ出る
頬に飛んだ吐き出された血を、ぺろりと舐め、
叫び声と、赤黒い血が一緒に口から漏れ出る
頬に飛んだ吐き出された血を、ぺろりと舐め、
(ルート>う~ん、次はどうしてあげちゃおっかなぁ?
腕ぇ? 足ぃ? それとも胴体半分にしちゃうぅ??
腕ぇ? 足ぃ? それとも胴体半分にしちゃうぅ??
狂気の混じった笑みを浮かべ、そして、
(ルート>そぉだぁ、トップの姉貴にその首を送り返すのもいいよねぇ?
トップの姉貴どんな顔するかなぁ?? 泣くぅ? 壊れるぅ??
見たいなぁどうなるか! ヒャッハハハハハハハ!! ヒャァッハハハハハハハハハハハ!!
トップの姉貴どんな顔するかなぁ?? 泣くぅ? 壊れるぅ??
見たいなぁどうなるか! ヒャッハハハハハハハ!! ヒャァッハハハハハハハハハハハ!!
高らかに、楽しげに、邪悪に笑いながら、
彼女はその刃を、蓮華の首に添え、
彼女はその刃を、蓮華の首に添え、
(ルート>今まで楽しかったよぉ、Danke♪
ふっと離し、力を入れて刃を振るった
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