…化け物、か
「……そうなれたら、どれだけ楽だろうな」
そう、呟いた俺は、どのような表情をしていただろうか
とりあえず、血を拭い、笛吹の後を追おうとする
迫ってくる魔物達を、また、追い払おうとしたが…
とりあえず、血を拭い、笛吹の後を追おうとする
迫ってくる魔物達を、また、追い払おうとしたが…
……駄目だ
今回は、俺より強い連中も集まっている
睨みつけた程度では、散らない
今回は、俺より強い連中も集まっている
睨みつけた程度では、散らない
…ならば、切り捨てるのみ
自分より弱いものをいたぶる気はないが、強いならば、戦う必要がある
俺は、自身に群がってくる魔物達に、切っ先を向けた
自分より弱いものをいたぶる気はないが、強いならば、戦う必要がある
俺は、自身に群がってくる魔物達に、切っ先を向けた
……龍一が、魔物と切りあいだした場所より、やや離れた場所
「ったくもう!どれだけ集まってきてるのよ!?」
「みー!」
「みー!」
花子さんや望も、魔物に囲まれていた
裂邪も追いついてきたが、やはり囲まれる
裂邪も追いついてきたが、やはり囲まれる
…とにかくにも、数が多い
相手を仕切れない程ではないが、どうしても消耗してしまう
相手を仕切れない程ではないが、どうしても消耗してしまう
そんな、乱戦の中だった
「み?」
ふわ、と
花子さんの体が、浮かんだ
花子さんの体が、浮かんだ
ばっさばっさばっさ
大きな
大きな、鷹だか鷲だかのような、魔物が
花子さんの体を掴んで……持っていった
本来、死体を貪る魔物のはずなのだが………雛鳥に生餌でもやるつもりなのだろうか
そもそも、雛鳥がいるかどうか不明だが
大きな、鷹だか鷲だかのような、魔物が
花子さんの体を掴んで……持っていった
本来、死体を貪る魔物のはずなのだが………雛鳥に生餌でもやるつもりなのだろうか
そもそも、雛鳥がいるかどうか不明だが
「みーーーーーーーーっ!?」
「っちょ!?花子たーーーーーんっ!?」
「っちょ!?花子たーーーーーんっ!?」
周囲がそれに気付いた時には、既に遅し
あっという間に、花子さんは持っていかれた
あっという間に、花子さんは持っていかれた
助けようにも…もはや、遠すぎて
攻撃が、届かない
追いかけようにも、無理だ
攻撃が、届かない
追いかけようにも、無理だ
その、様子は
なにやらごそごそと、仕掛けをしていた上田にも見えて
なにやらごそごそと、仕掛けをしていた上田にも見えて
「畜生、持っていかれたっ!?……って、フルメタルなアルケミストの真似してる場合じゃないっ!?俺がお持ち帰りしたかったかぁいいナマモノを横取りたぁいい度胸じゃないか、あの鳥めっ!?」
後でフルボッコだ、と上田が、やや、元来た道を引き返そうとした時
……くい、と
服を、引っ張られて
服を、引っ張られて
「みー」
と
愛らしい声がした
愛らしい声がした
「……は?」
「みぃ」
「みぃ」
ちょーーーん、と
そこには…確かに、先ほど取りにさらわれていったはずの、花子さんの姿が、あった
身間違えようもなく、間違いなく、花子さん
そこには…確かに、先ほど取りにさらわれていったはずの、花子さんの姿が、あった
身間違えようもなく、間違いなく、花子さん
その花子さんは、上田をじっと見上げて
…にぱ~、と、笑みを浮かべた
それは、喩えるならば、天使の笑み
天使の笑顔
それを前に……思わず、上田は意識を奪われた
…にぱ~、と、笑みを浮かべた
それは、喩えるならば、天使の笑み
天使の笑顔
それを前に……思わず、上田は意識を奪われた
「……え?」
花子さんが、上田に笑いかけている、様子は
裂邪達にも、見えた
裂邪達にも、見えた
…いつの間に、逃れたのか
いつの間に、あそこまで上田に接近していたのか
いつの間に、あそこまで上田に接近していたのか
理解しようにも、襲いくる魔物のせいで、まともに判断できない
(…よくわからないけど。龍一はわかってて、動揺一つしなかった訳ね)
前方で、一人、魔物の群れ相手に刀を振るい続けている龍一の姿を確認しながら、望はそう考えた
先ほど、花子さんが巨大な鳥にさらわれた時……龍一は、気付いたようだったが、それを一瞥すらしなかった
初めは、冷たい奴なのかと思ったが、違う
先ほど、花子さんが巨大な鳥にさらわれた時……龍一は、気付いたようだったが、それを一瞥すらしなかった
初めは、冷たい奴なのかと思ったが、違う
…あれは、信頼している証
花子さんならば大丈夫だ、と
そう、信じていた証だったのだ
花子さんならば大丈夫だ、と
そう、信じていた証だったのだ
都市伝説と、契約者
その、強い絆
その、強い絆
(………私も)
大樹と、そのような関係になりたい
強く、願う
都市伝説と契約者の絆
自分と大樹だって、同じくらい強いと願いたい
強く、願う
都市伝説と契約者の絆
自分と大樹だって、同じくらい強いと願いたい
…そして
自分達は、都市伝説と契約者以上の関係に、なっているのだ
それより強い絆になってみせる、と
襲いくる魔物を倒しながら、強く、誓った
自分達は、都市伝説と契約者以上の関係に、なっているのだ
それより強い絆になってみせる、と
襲いくる魔物を倒しながら、強く、誓った
にぱ~、と
上田に笑いかけ続けている、花子さん
上田に笑いかけ続けている、花子さん
…しゅるり
その足元で、白いものが蠢いて
それは、上田に、上田のネコミミに、迫って………
その足元で、白いものが蠢いて
それは、上田に、上田のネコミミに、迫って………
「おぉっと!?」
寸前で、気付いて
上田は、慌ててそれを避けた
上田は、慌ててそれを避けた
上田を束縛しようとしていたトイレットペーパーが
上田のネコミミを奪おうとしていたトイレットペーパーが、空を切る
上田のネコミミを奪おうとしていたトイレットペーパーが、空を切る
「っちぃ…!天使の笑顔で誘惑たぁ、やってくれるぜみぃみぃ少女!」
花子さんから、距離をとった上田
…にぱ~、と
花子さんは、上田に微笑みかけ続けている
…にぱ~、と
花子さんは、上田に微笑みかけ続けている
くら、と
それに、思考を奪われかけ
慌てて、上田は首を振って…
それに、思考を奪われかけ
慌てて、上田は首を振って…
「--------っ!!??」
気付いた
己の頭上に、出現している、ものに
己の頭上に、出現している、ものに
それは、水
地下水脈の水を集めたのだろうか
かなりの量の水が、上田の頭上に集められていた
地下水脈の水を集めたのだろうか
かなりの量の水が、上田の頭上に集められていた
もし
これを、一気に落下させられたら
上田は、その水の質量に、潰される
これを、一気に落下させられたら
上田は、その水の質量に、潰される
そろそろと、花子さんに視線を戻す上田
花子さんはやっぱり、にぱ~、と微笑んでいて
花子さんはやっぱり、にぱ~、と微笑んでいて
「……みぃ!」
と、無邪気に言い放った、瞬間
大量の水は、上田を押しつぶそうとするように、ものすごい勢いで落下してきた
轟音があたりに響き渡り、辺りに水飛沫が飛び散る
大量の水は、上田を押しつぶそうとするように、ものすごい勢いで落下してきた
轟音があたりに響き渡り、辺りに水飛沫が飛び散る
水があたりに飛び散った後、地面は、大きくえぐれていて
上田だった物体は………ない
上田だった物体は………ない
「……あっぶねぇええええええ!!??」
瞬間的に、何とか水を避けた上田
が、水飛沫をもろに浴びて、全身ずぶぬれだ
が、水飛沫をもろに浴びて、全身ずぶぬれだ
「死ぬからね!?あれだけの量の水一気にぶつけられたら、いくら俺でも圧死するからね?!」
「みー??」
「みー??」
上田の訴えに、かっくん、首をかしげる花子さん
その仕種に、思わずきゅん、ときた上田に
その仕種に、思わずきゅん、ときた上田に
「殺してネコミミを奪い取るのは、反則じゃないの」
と
あっさりと、言い切った
あっさりと、言い切った
「っちょ、おま!?反則じゃないけどね!?反則じゃないけどねっ!!??他に手段はなかったのかな!?」
「みーーーー!」
「みーーーー!」
しゅるり
飛び散った水が、浮かび上がる
飛び散った水が、浮かび上がる
本来、トイレの水しか操れないはずの花子さん
しかし、COA内では、その制限がやや弱くなり、水ならば問題なく、操れる
その浮かび上がった水は…まるで、弾丸のように、上田に向かって撃ち放たれた
目を、心臓を、股間のゴールデンボール二個を狙ってきた容赦ない攻撃を、上田は避けていく
しかし、COA内では、その制限がやや弱くなり、水ならば問題なく、操れる
その浮かび上がった水は…まるで、弾丸のように、上田に向かって撃ち放たれた
目を、心臓を、股間のゴールデンボール二個を狙ってきた容赦ない攻撃を、上田は避けていく
「殺してでも奪い取る一択っ!?殺してでも奪い取る一択なのっ!!??冥府ルート一直線じゃねぇかぁあああ!!??」
「みー?元々、このCOAって言う世界は、冥府の一部に足を突っ込んでるの」
「いや、そうなんだけどそう言う問題じゃな………!?」
「みー?元々、このCOAって言う世界は、冥府の一部に足を突っ込んでるの」
「いや、そうなんだけどそう言う問題じゃな………!?」
悪寒
身をよじって、迫ってきた刃を避ける
身をよじって、迫ってきた刃を避ける
……龍一だ
粗方、襲い掛かってきた魔物を返り討ちにし、返り血を浴びた姿で、上田に追いついてきたのだ
上田のネコミミを切り落とそうとするように、刀を振るってくる
再び集まってきた魔物は、今度は花子さんが相手をし始めた
粗方、襲い掛かってきた魔物を返り討ちにし、返り血を浴びた姿で、上田に追いついてきたのだ
上田のネコミミを切り落とそうとするように、刀を振るってくる
再び集まってきた魔物は、今度は花子さんが相手をし始めた
(あぁ、くそ、本当、思ったよりもやるな、こいつら…!)
先ほど、天井にこっそりと爆弾を仕込んでいた上田
…だが
先ほど、花子さんが盛大に、水を撒き散らしてくれた
はたして、爆弾は無事だろうか?
…だが
先ほど、花子さんが盛大に、水を撒き散らしてくれた
はたして、爆弾は無事だろうか?
地下水脈を弄ろうか、とも思ったのだが…
…そもそも、この辺りの水の支配権だが、どうにも花子さんが握っているような気配がしないでもない
弄れるか?
…そもそも、この辺りの水の支配権だが、どうにも花子さんが握っているような気配がしないでもない
弄れるか?
「うわっと!?」
「っち…ちょこまかと!」
「っち…ちょこまかと!」
そして
こうやって、上田が思考をめぐらせている間に、望まで追いついてきた
そのうち、裂邪も正義も追いついてくるだろう
こうやって、上田が思考をめぐらせている間に、望まで追いついてきた
そのうち、裂邪も正義も追いついてくるだろう
…あれ?もしかして、俺、追い詰められている?と
上田は、その事実にどうしようか、とさらに思考を進めていくのだった
上田は、その事実にどうしようか、とさらに思考を進めていくのだった
to be … ?