「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・万能の魔法使い-05b

最終更新:

guest01

- view
だれでも歓迎! 編集
 空から、星が降ってくる
 ぱらぱら、ぱらぱらと
 こんぺいとうが、学校街中に降り注ぐ

「あはははははははっ!よし、成功した!」

 降り注ぐコンペイトウの雨に
 カラミティは、満足したように笑う
 イタズラを成功させた、子供のような無邪気な笑顔

「あーぁ……知ーらねっ。俺っち、知らないっすー。これ、絶対後始末面倒ー。いくつの組織が隠蔽処理に動くんだか。空からお菓子が降ってくるか何これファンタジー?」
「悪魔のセリフじゃねぇなぁ、アムドゥシアス?俺様は素敵な魔法で、子供が喜ぶファンタジーをプレゼントしてやっただけだぜぇ?」
「今時のお子様は心が冷め切ってるから、コンペイトウ程度じゃ喜ばないと思ってみるっす」
「いや、そうでもねぇぜ?……ほら」

 つい、とカラミティが杖を振る
 っふ、と、召喚された魔法の鏡に映る光景
 幼い子供が、空から降ってきたコンペイトウを手に、無邪気に笑っている
 突然の、事態に、大人は呆然としているが、子供は無邪気に、カラミティの魔法で生み出されたコンペイトウを喜んでいた
 そんな映像をいくつか映し出してから、魔法の鏡は消えた

「ほら、喜んでるだろ?」
「ピンポイントで喜んでいる子供だけ映し出すとか。マスゴミみたいなやり方っす。きったねー」
「よーし、お前、あとで馬刺し決定な。っつか、いつの間にこの国の情報得てんだ」
「馬刺しは嫌ぁああああああああああっ!!??俺っち達も、色んな国の事を勉強しなきゃいけねー時代なんっす!!特に、この国は!!油断したら一気に萌え化させられるっす!恐ろしいっす!!!」

 本気で馬刺しにされかねない為、わりと本気で叫ぶアムドゥシアス
 まぁ、カラミティは気まぐれなので馬刺しにされずにすむ可能性もあるが、だが、ぶっちゃけ、本気で馬刺しにされる可能性の方が高い
 …カラミティはカラミティで、どこで馬刺しを覚えたのか不明だが、それはどうでもいいことである

「…とりあえず、目的がすんだなら、俺っちを解放してほしいっす」
「え?何言ってんだ。俺様、星を降らせる魔法は完成させたけど。まだ、お前を馬刺しにしてないぞ?」
「っいやぁああああああああああああっ!!??馬刺し決定事項!?助けてカインしさーーーーーーーーいっ!!??」

 届かぬと知っていながら、悲鳴をあげるアムドゥシアス
 悲鳴でもあげないとやっていけない
 一応悪魔だから、馬刺しにされても死ねなさそうなのが一番嫌だ

 …そして

「そうか、また、お前は他の者に迷惑をかけて」

 神は
 悪魔の願いすらをも、聞き届けるのか



「へ?」
「---っああああああああああ!!!カイン司祭、助けてぇええええええええええええ!!??」

 獏が引くソリに乗って
 …アムドゥシアスが助けを求めた存在、その人がそこにいた

「え?あれ?カイン、なんで怒って」
「っの、馬鹿がぁああああああっ!!」

 だんっ!!と
 ソリから、飛び出したカイン
 ジャンプの踏み込みでソリが揺れ、落っこちそうになったミナワを、裂邪が慌てて抱きしめる

 それなりの距離が開いていたはずだった
 だが、カインは、その跳躍でカラミティまで接近し

 ごがっ!!と
 重い一撃を、カラミティに叩き込んだ

 避ける気になれば避けられたはずのその一撃を、カラミティはあっさりと受けて

 そして

「……って、カインの兄ちゃーーーーーんっ!?」
「っちょ、カラミティ卿はともかくカイン司祭ーーーーーっ!!??」

 カインとカラミティは
 一緒に、地面に向かって落下していった

 当たり前だ
 アムドゥシアスの背に横向きで座っていたカラミティ
 殴り飛ばされたら、当然、下に落下する
 魔法で飛べば別だが、殴られた衝撃で意識を失っており、それは不可能

 そして
 ソリから跳躍して、カラミティを殴り飛ばしたカイン
 ここは上空だ
 そんな事をしたら、落ちる
 カインは、飛行能力なんて持っていない

「あぁぁああ、もう………『伸びろ』、『曲がれ』、『受け止めろ』っ!!」

 下は……学校
 正門から校舎に向けての道や、裏門周りに木々が生えている

 ならば、受け止められる!

 アムドゥシアスの言葉にしたがって……木々が、「動く」
 ありえない速度で伸び、そして、不自然に曲がり……木々の枝が、カインとカラミティを受け止めた
 悪魔・アムドゥシアスの植物支配制御能力
 それが、発動されたのだ
 これで、あの二人は助かったはずだ
 多少の擦り傷は負っただろうが

「…あー、もう。俺っち何やってるかなー。でも、カイン司祭マジ天使だし、死なれたくないんだよなー」
「オ前ハ悪魔ラシイノニ、司祭ヲ助ケテイイノカ。シカモ、天使等ト呼ンデモイイノカ」

 アムドゥシアスの言葉に、シェイドが突っ込む
 裂邪が慌ててウィルにカイン達の無事を確認させに行っているその最中
 アムドゥシアスは、耳をぴこぴこ動かしながら答えた

「んー……まぁ、カイン司祭も、俺っち達の事、認めてくれてるしー。マジ、「教会」所属とは信じられねぇっす。マジ天使」
「魔法使イヤ悪魔ヲ認メル「教会」所属ノ司祭ニ、司祭ニ助力スル悪魔カ……例外同士ダナ」

 獏がソリを引いて降下し始める
 アムドゥシアスはその横についていきながら、シェイドの言葉に再び答える

「あっはっは!まぁ、その通り。でもまぁ、カラミティ卿とカイン司祭両方を知ってる大半の悪魔は、カイン司祭の味方っす。今んとこ、カイン司祭はカラミティ卿を完全制御できる唯一の存在っす。ぶっちゃけ、俺っち達のようにカラミティ卿に関わってしまった悪魔達の命綱っす」

 最近では、「美緒」とか言う女性もカラミティを制御できる存在となっているようだが
 まだ、カイン程ではない
 何せ、カインは

「カイン司祭は、色んな意味でカラミティ卿の唯一無二。カラミティ卿が完全な化け物にならずにすんでいるのは、今はカイン司祭のおかげっすから」

 アムドゥシアスが支配した木の上で、気絶しているカラミティを治癒しているカイン
 ……あぁ…また、軽くあの世に落ちかけているな
 カインの拳が重すぎるのかもしれないが、カラミティの体も弱すぎだろう

 ぱらぱら
 ぱらぱらと
 カラミティが気絶しても、コンペイトウは降り続ける
 きっと、一晩中降り続けるのだろう


 …色んな組織の皆さん、後片付けマジお疲れ様


 アムドゥシアスは他人事のように、そんな事を考えたのだった





to be … ?




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー