「「「「「「「ぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁあああああああああああああっ!!!!!」」」」」」」
住宅街のど真ん中に轟く雄叫び
獅子、牛、鷲、目元に札の貼られた人間の、4つの頭部を持ち、
その背に2対の翼を携え、子牛のような両足を持った、
筋骨隆々の化物と呼ぶに相応しい者の群れが、闇の中に炎を揺らめかせながら飛んでいた
しかしこれは化物でも悪魔でもなく、歴とした天使である
全く同じ姿をした2メートル程の男の群れの中に、唯一巨大な3メートル程の大男
彼こそがこの群れの核であり、「ケルビム」に飲まれた「13使徒」の1人
「ジャバヴォッグ」――サミュエル・プラタニア
獅子、牛、鷲、目元に札の貼られた人間の、4つの頭部を持ち、
その背に2対の翼を携え、子牛のような両足を持った、
筋骨隆々の化物と呼ぶに相応しい者の群れが、闇の中に炎を揺らめかせながら飛んでいた
しかしこれは化物でも悪魔でもなく、歴とした天使である
全く同じ姿をした2メートル程の男の群れの中に、唯一巨大な3メートル程の大男
彼こそがこの群れの核であり、「ケルビム」に飲まれた「13使徒」の1人
「ジャバヴォッグ」――サミュエル・プラタニア
(レクイエム>――――っちぃ! あの男、次に会ったら徹底的に殺す!!
サミュエルをこの場に置いて去っていったメルセデスを呪いながら、
彼女は「ヒエロニムスマシン」の能力で一度姿を消し、その上空に転移した
そして、真下に向けて携帯電話を構えてシャッターを切り、胸元にしまう
彼女は「ヒエロニムスマシン」の能力で一度姿を消し、その上空に転移した
そして、真下に向けて携帯電話を構えてシャッターを切り、胸元にしまう
(レクイエム>くぅ、これだけの数は流石に転移しきれんか・・・ならば
彼女が目を瞑り念じると、波動のようなものが彼女の身体から発せられ、
真下の家々へと拡がっていった
直後に、サミュエルの群れの数人が、住宅の破壊活動を始めた
が、それらは全てびくともしない
ふふふ、と笑って、レクイエムは再び地上に瞬間移動した
真下の家々へと拡がっていった
直後に、サミュエルの群れの数人が、住宅の破壊活動を始めた
が、それらは全てびくともしない
ふふふ、と笑って、レクイエムは再び地上に瞬間移動した
(レクイエム>悪いが被害は最小限に抑えさせてもらうぞ。この一帯は私の能力で幾分頑丈になっている
くるりと向きをレクイエムの方に替えるサミュエル達
(レクイエム>こちらも幾分腹が立っているのでなぁ・・・
もう貴様等の好きにはさせんぞ!「組織」の名においてぇ!!
もう貴様等の好きにはさせんぞ!「組織」の名においてぇ!!
彼女は胸元の小ビンを2つ、3つ取り出し、握り潰して水をばら撒いて、
普段よりも多くの霊魂を自らの周囲に展開し、それらを白い刃に変える
その瞬間、
普段よりも多くの霊魂を自らの周囲に展開し、それらを白い刃に変える
その瞬間、
「「「「「ぁああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」」
再び雄叫びをあげ、巨体の群れは一斉に動き出した
彼女は迫り来る無数の腕を、無数の刃で押さえ込む
その熱気、気迫、そして余りの多さに、思わず声を漏らす
彼女は迫り来る無数の腕を、無数の刃で押さえ込む
その熱気、気迫、そして余りの多さに、思わず声を漏らす
(レクイエム>「犬鳴村」の時とはっ、訳が違うな・・・
単体でなら、まともに戦えただろうに・・・嫌な置土産だ!
単体でなら、まともに戦えただろうに・・・嫌な置土産だ!
刃で巨体を弾き、数体のサミュエル兵の腹部を刃で貫く
さらに貫いた瞬間に刃はUターンし、首筋を掻き斬った
ぶあっ!!と血が噴き出し、それらは力無く倒れ光の粒子に変わっていった
頬を濡らした返り血を拭いながら、ふぅ、と一息吐くレクイエム
さらに貫いた瞬間に刃はUターンし、首筋を掻き斬った
ぶあっ!!と血が噴き出し、それらは力無く倒れ光の粒子に変わっていった
頬を濡らした返り血を拭いながら、ふぅ、と一息吐くレクイエム
(レクイエム>まずは・・・っと、数えてもあまり変わらんか
勢力が減ったことさえ感じさせないサミュエルの群れ
いや、先程よりも増えているかも知れない
―――1体や2体では話にならない・・・なら狙うは本体か!
ふっと姿を消し、彼女は群れの中央にいた巨人――サミュエル本人の目の前に移動して、
腕に作り上げた白い刃によってその身体を貫かんとする
しかしサミュエルの太い腕がそれを払い除け、逆にその大きな拳を叩きつけようとした
彼女は再びその場から消えると、今度は彼の真後ろに現れ、その翼に向けて刃を振りかざす
が、鷲の頭部がレクイエムの姿を捉えたと同時に、彼女は真横からの拳を受けてしまった
黒いスーツが焦げると同時に、みしり、と鈍い音
いや、先程よりも増えているかも知れない
―――1体や2体では話にならない・・・なら狙うは本体か!
ふっと姿を消し、彼女は群れの中央にいた巨人――サミュエル本人の目の前に移動して、
腕に作り上げた白い刃によってその身体を貫かんとする
しかしサミュエルの太い腕がそれを払い除け、逆にその大きな拳を叩きつけようとした
彼女は再びその場から消えると、今度は彼の真後ろに現れ、その翼に向けて刃を振りかざす
が、鷲の頭部がレクイエムの姿を捉えたと同時に、彼女は真横からの拳を受けてしまった
黒いスーツが焦げると同時に、みしり、と鈍い音
(レクイエム>っがぁ!?
飛ばされた小さな身体は、そのまま壁に激突する―――――――前に、
壁の前にいたサミュエルの分身が、飛んできたレクイエムをハンマーの如き拳で、地面に殴りつけた
べきっ、というまたもや鈍い音
すかさず拳が迫るが、その拳が砕いたものはアスファルトのみ
彼女は群れからある程度距離をおいた位置にテレポートした
血と一緒に、小刻みに息を吐き出す
壁の前にいたサミュエルの分身が、飛んできたレクイエムをハンマーの如き拳で、地面に殴りつけた
べきっ、というまたもや鈍い音
すかさず拳が迫るが、その拳が砕いたものはアスファルトのみ
彼女は群れからある程度距離をおいた位置にテレポートした
血と一緒に、小刻みに息を吐き出す
(レクイエム>ッハァ・・・くっ、何、て馬鹿力だ・・・
抑え込むのに3日かかるというのは、満更嘘では無さそう、だな・・・
抑え込むのに3日かかるというのは、満更嘘では無さそう、だな・・・
小さく舌を打ち、ぼろぼろになった上着を破いて脱ぎ捨てる
そして自らの能力で骨折した身体を治癒し、ワイシャツ1枚に包まれた胸を揺らしながら立ち上がると、
周囲に展開していた死霊の刃を使役し、サミュエル本体に狙いを定めて一斉にその切っ先を突き立てる
ぱっ、と紅い花弁が散る
サミュエルの両腕と、その分身数体の翼や胸、首から血が噴き出していた
心臓を突かれ、頚動脈を切られた分身達は、光となって絶命した
それでも、レクイエムの表情は曇ったままだ
彼女の狙いは、あくまでこの軍団の核であるサミュエル本人
幾ら分身を倒そうが、彼が生きている限り幾らでも増え続ける
荒い呼吸を少しずつ整えながら、彼女はサミュエルを睨みつけていた
そして自らの能力で骨折した身体を治癒し、ワイシャツ1枚に包まれた胸を揺らしながら立ち上がると、
周囲に展開していた死霊の刃を使役し、サミュエル本体に狙いを定めて一斉にその切っ先を突き立てる
ぱっ、と紅い花弁が散る
サミュエルの両腕と、その分身数体の翼や胸、首から血が噴き出していた
心臓を突かれ、頚動脈を切られた分身達は、光となって絶命した
それでも、レクイエムの表情は曇ったままだ
彼女の狙いは、あくまでこの軍団の核であるサミュエル本人
幾ら分身を倒そうが、彼が生きている限り幾らでも増え続ける
荒い呼吸を少しずつ整えながら、彼女はサミュエルを睨みつけていた
(レクイエム>っくそ・・・やはり、取巻きが厄介だな・・・纏めてやれるか・・・?
す、と右手を挙げ、霊魂を己の元に集わせる
ふわふわと浮いている魂は、次第に巨大な塊となり、
ふわふわと浮いている魂は、次第に巨大な塊となり、
(レクイエム>『イン・パラディズm―――――――――ッ!?
群れに襲いかかる、筈だったのだが、
サミュエル兵が1体、背後に来ているのに気が付いた
時既に遅し、彼女は灼熱の拳を背中に受けた
血を吐きながら宙を舞うその小さな身体を、背後にいた兵が髪を掴んで捕らえる
苦悶の表情を浮かべるレクイエムは、何とか脱出しようと瞬間移動を試みたが、
サミュエル兵が1体、背後に来ているのに気が付いた
時既に遅し、彼女は灼熱の拳を背中に受けた
血を吐きながら宙を舞うその小さな身体を、背後にいた兵が髪を掴んで捕らえる
苦悶の表情を浮かべるレクイエムは、何とか脱出しようと瞬間移動を試みたが、
(レクイエム>っぁあぁああああぁ!?
背中から伝わる衝撃で、集中が途切れてしまった
服が燃えて露出した背中に、炎の拳で殴りつける
熱さと痛みが、同時に彼女の脳を支配する
無論それだけではなかった
服が燃えて露出した背中に、炎の拳で殴りつける
熱さと痛みが、同時に彼女の脳を支配する
無論それだけではなかった
(レクイエム>――――――――っあ゙ぁ゙っ!?
腹部に感じる、今まで重い衝撃
サミュエル本人による3メートルという巨体が放つ拳は、胃の中のものを逆流させる
必死に抑えたレクイエムだったが、2発目を受けた瞬間に抑制することができなくなった
打撲音と共に、苦痛な叫びが響き渡る
数撃ほど殴ると、束縛を解放されたレクイエムは、殴られた勢いで他の分身の元へ飛んでいき、
そこから群れ全体へ、まるでキャッチボールの如く、1人、また1人へと殴り飛ばされる
彼女はその後最後の1人によって、地面へと勢いよく叩きつけられた
既に、虫の息である
「ヒエロニムスマシン」による再生も追いつかず、「お憑かれ様」の死霊も消えてしまった
成す術の無い彼女に、無慈悲にも拳が向けられる
ぎり、と歯を噛み締めながら、尚もサミュエルを強く睨む
気づかれ始めたのか、民家に侵入している分身もいた
サミュエル本人による3メートルという巨体が放つ拳は、胃の中のものを逆流させる
必死に抑えたレクイエムだったが、2発目を受けた瞬間に抑制することができなくなった
打撲音と共に、苦痛な叫びが響き渡る
数撃ほど殴ると、束縛を解放されたレクイエムは、殴られた勢いで他の分身の元へ飛んでいき、
そこから群れ全体へ、まるでキャッチボールの如く、1人、また1人へと殴り飛ばされる
彼女はその後最後の1人によって、地面へと勢いよく叩きつけられた
既に、虫の息である
「ヒエロニムスマシン」による再生も追いつかず、「お憑かれ様」の死霊も消えてしまった
成す術の無い彼女に、無慈悲にも拳が向けられる
ぎり、と歯を噛み締めながら、尚もサミュエルを強く睨む
気づかれ始めたのか、民家に侵入している分身もいた
(レクイエム>・・・っま・・・・て・・・・
声も出せず、力も出せない彼女に、拳が振り下ろされた
バチッ!!という電撃音と共に、サミュエルの拳がぴたりと止まった
レクイエムは無理に身体を起こし、目を見張った
長く真っ赤な髪を風に靡かせる黒いスーツの少女が、
その手に赤い光を伴いながら大男の拳を受け止めていた
喉に残った血を吐き出して、彼女は少女の名を呟く
レクイエムは無理に身体を起こし、目を見張った
長く真っ赤な髪を風に靡かせる黒いスーツの少女が、
その手に赤い光を伴いながら大男の拳を受け止めていた
喉に残った血を吐き出して、彼女は少女の名を呟く
(レクイエム>・・・ロー、ゼ・・・・
(ローゼ>ご苦労様でしたわ、ここから先はワタクシが引き受けますの
(ローゼ>ご苦労様でしたわ、ここから先はワタクシが引き受けますの
拳を払い、ジャンプしてその巨体を蹴り飛ばす
直後に民家の破壊活動を開始しようとした分身達に赤い光条が命中する
槍のように伸びたその鋭い光は急所を的確に捉え、それらは夕闇に消えていった
すたっ、と着地をしてすぐに周囲を見渡す
未だにサミュエルの軍団が減る様子は無かった
直後に民家の破壊活動を開始しようとした分身達に赤い光条が命中する
槍のように伸びたその鋭い光は急所を的確に捉え、それらは夕闇に消えていった
すたっ、と着地をしてすぐに周囲を見渡す
未だにサミュエルの軍団が減る様子は無かった
(ローゼ>厄介ですわね・・・世界を壊しかねないから、あまり本気は出したくはないのだけど
周囲に赤い壁を展開するローゼ
襲いかかる拳が、再び弾き返された
襲いかかる拳が、再び弾き返された
(ローゼ>ワタクシの仲間を酷い目に合わせる殿方には・・・お仕置きが必要ですわ
赤い瞳でサミュエル達を睨むと、両手を広げて背に赤い光の翼を生やした
辺り一帯に赤い燐光が漂い、きらきらと輝き始める
やがてその小さな光の粒子は互いにぶつかり合い、バチッ、バチッ、とスパークを打ち鳴らし、
辺り一帯に赤い燐光が漂い、きらきらと輝き始める
やがてその小さな光の粒子は互いにぶつかり合い、バチッ、バチッ、とスパークを打ち鳴らし、
(ローゼ>「フォトンベルト」の真の力、見せて差し上げますわ
次代に相応しき者達を選別しなさい・・・『フォトン・フィールド』!
次代に相応しき者達を選別しなさい・・・『フォトン・フィールド』!
燐光がゆらりと波を作り、大きな紋様を描いていく
次の瞬間、サミュエル達に異変が起きた
ある者は頭を、ある者は自らの身体を抱えて苦しみ始める
彼等の皮膚がぼこぼこと徐々に膨張し、
ぱんっ!という大きな破裂音と共に身体中から溶岩の如く血が噴き出す
飛び散った血液は、サミュエル自身を纏う炎によって蒸発してゆく
次の瞬間、サミュエル達に異変が起きた
ある者は頭を、ある者は自らの身体を抱えて苦しみ始める
彼等の皮膚がぼこぼこと徐々に膨張し、
ぱんっ!という大きな破裂音と共に身体中から溶岩の如く血が噴き出す
飛び散った血液は、サミュエル自身を纏う炎によって蒸発してゆく
(レクイエム>っな・・・何、が・・・?
(ローゼ>お静かに、今、治療いたしますわ
(ローゼ>お静かに、今、治療いたしますわ
状況を飲み込めてないレクイエムを、ローゼは取り出した薬で治療する
ワイシャツは焼け焦げたままだが、傷だらけの身体は完治し、体力も回復した
手を引いて彼女を立たせて、ローゼは口を開いた
ワイシャツは焼け焦げたままだが、傷だらけの身体は完治し、体力も回復した
手を引いて彼女を立たせて、ローゼは口を開いた
(ローゼ>「フォトンベルト」には恐ろしい噂がありますの
『地球がフォトンベルトに突入した時、地上は電子レンジに入ったような状態になる』・・・
あの方達には今、そんな状態を体験して頂いてますのよ
(レクイエム>なるほど・・・だが私や住民達は大丈夫なのか?
(ローゼ>ご心配なく、その噂は『この状態から無事生き残った者は、次の世――五次元世界に行ける』と続きますの
そこを少し捻じ曲げて、ワタクシが許可した方達だけが無事であるように致しましたわ
(レクイエム>・・・そう、か
『地球がフォトンベルトに突入した時、地上は電子レンジに入ったような状態になる』・・・
あの方達には今、そんな状態を体験して頂いてますのよ
(レクイエム>なるほど・・・だが私や住民達は大丈夫なのか?
(ローゼ>ご心配なく、その噂は『この状態から無事生き残った者は、次の世――五次元世界に行ける』と続きますの
そこを少し捻じ曲げて、ワタクシが許可した方達だけが無事であるように致しましたわ
(レクイエム>・・・そう、か
一度でも、この女を殺そうとしていた自分が馬鹿馬鹿しい
レクイエムは自重気味に小さく笑った
そして、2人は未だ立ちはだかる敵の群れを見た
レクイエムは自重気味に小さく笑った
そして、2人は未だ立ちはだかる敵の群れを見た
(ローゼ>流石に、これだけではお眠りになられませんわね・・・
ワタクシはこのままこの方達を鎮めなければなりませんが、R-No.4は―――
(レクイエム>貴様の命令など聞かんぞ、こいつらは元々私の獲物だ
まだあのデカブツに一発も決めてないのでな
それに、他人に尻拭いなどされては、いよいよ私の立場が危うくなる
(ローゼ>・・・では・・・死ぬ事のありませんように!
(レクイエム>あぁ!
ワタクシはこのままこの方達を鎮めなければなりませんが、R-No.4は―――
(レクイエム>貴様の命令など聞かんぞ、こいつらは元々私の獲物だ
まだあのデカブツに一発も決めてないのでな
それに、他人に尻拭いなどされては、いよいよ私の立場が危うくなる
(ローゼ>・・・では・・・死ぬ事のありませんように!
(レクイエム>あぁ!
互いに反対方向へ跳び、振り下ろされた拳を避ける
血塗れになった分身が迫るが、それを蹴りで止め、赤と白の刃で息の根を止める
拳は強靭な肉体を穿ち、
蹴りは猛進する豪腕を砕き、
刃は灼熱の炎さえも断ち斬る
次々と襲いかかる弱りかけた分身達にものともせず、2人は一撃、また一撃と決めてゆく
血塗れになった分身が迫るが、それを蹴りで止め、赤と白の刃で息の根を止める
拳は強靭な肉体を穿ち、
蹴りは猛進する豪腕を砕き、
刃は灼熱の炎さえも断ち斬る
次々と襲いかかる弱りかけた分身達にものともせず、2人は一撃、また一撃と決めてゆく
(レクイエム>邪魔を・・・するな!
(ローゼ>貴方達の相手をしている暇はありませんの!
(ローゼ>貴方達の相手をしている暇はありませんの!
2人の狙い、それは―――――群れの中核、サミュエル唯一人
瞬時にサミュエルの懐に入り込み、各々の能力で腕力を上げて腹を貫くように拳をぶつける
四つの頭に苦悶の表情を浮かべるサミュエルだが、
瞬時にサミュエルの懐に入り込み、各々の能力で腕力を上げて腹を貫くように拳をぶつける
四つの頭に苦悶の表情を浮かべるサミュエルだが、
(サミュエル>ぁあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああぁ!!!!
雄叫びをあげ、勢いよく拳を振るい少女を狙う
しかし意識が朦朧としているのか、それとも彼女達が速かったのか、
拳は2人を反れて地を抉り、隙を見てその頭部に2つの足が牙を剥いた
血を吐き出しながら、巨体は空中で大きく反りかえってゆく
態勢を整えようとして、サミュエルはその状態のまま堪えたが、
目の前に、星空をバックにして2つの人影が構えているのをはっきりと見た
右手の拳に赤い輝きを纏わせる赤髪の少女
左手の拳に白い霊魂を宿らせる白髪の少女
しかし意識が朦朧としているのか、それとも彼女達が速かったのか、
拳は2人を反れて地を抉り、隙を見てその頭部に2つの足が牙を剥いた
血を吐き出しながら、巨体は空中で大きく反りかえってゆく
態勢を整えようとして、サミュエルはその状態のまま堪えたが、
目の前に、星空をバックにして2つの人影が構えているのをはっきりと見た
右手の拳に赤い輝きを纏わせる赤髪の少女
左手の拳に白い霊魂を宿らせる白髪の少女
(ローゼ>これで・・・!
(レクイエム>終わりだ!!
(レクイエム>終わりだ!!
2つの拳がサミュエルの顔面を捉え、アスファルトごと全ての頭部を打ち砕く
地響きのような音と砂埃をたて、サミュエルの巨体は大の字になって地に伏した
同時に、周囲のサミュエルの分身も、尚一層苦しみ始め、
宇宙まで届くかの如く断末魔を最期に光となって消えていった
残ったのは、物言わぬ3メートルの大男のみ
地響きのような音と砂埃をたて、サミュエルの巨体は大の字になって地に伏した
同時に、周囲のサミュエルの分身も、尚一層苦しみ始め、
宇宙まで届くかの如く断末魔を最期に光となって消えていった
残ったのは、物言わぬ3メートルの大男のみ
(レクイエム>・・・やった、のか?
全てを終えて一気に力が抜けたレクイエムは、その場にへたり込んでしまった
慌ててその身体を支えるローゼ
慌ててその身体を支えるローゼ
(ローゼ>だ、大丈夫ですの!?
(レクイエム>あぁ、まぁな・・・手を煩わせて済まなかった
(ローゼ>・・・いいえ、貴方も本当にご苦労様でしたわ
(レクイエム>あぁ、まぁな・・・手を煩わせて済まなかった
(ローゼ>・・・いいえ、貴方も本当にご苦労様でしたわ
そう答えて、ローゼは微笑みを浮かべる
ふふっ、とまた小さく笑うと、レクイエムは息絶えた大男を見て、
ふふっ、とまた小さく笑うと、レクイエムは息絶えた大男を見て、
(レクイエム>・・・良かったのか?
(ローゼ>え?
(レクイエム>こいつ・・・サミュエル・プラタニアだったか・・・
殺してしまったようだが、貴様の信条に反するのではないか?
(ローゼ>え?
(レクイエム>こいつ・・・サミュエル・プラタニアだったか・・・
殺してしまったようだが、貴様の信条に反するのではないか?
彼女の言葉に、俯きがちになりながら、ローゼは答える
(ローゼ>・・・この方は、既に飲まれていて・・・人格が破壊されているようでしたわ
恐らく、ワタクシがやっているようなやり方では、救えなかったと思いますの
恐らく、ワタクシがやっているようなやり方では、救えなかったと思いますの
きゅっ、と唇を噛み締める
強い、強い怒りの念が露になってる
その怒りが、このような人間を生み出したエイブラハムに向けられているのか
それとも、そんな人間を救う事ができなかった自分に向けられているのか
察したように、レクイエムは小さく頷いた
強い、強い怒りの念が露になってる
その怒りが、このような人間を生み出したエイブラハムに向けられているのか
それとも、そんな人間を救う事ができなかった自分に向けられているのか
察したように、レクイエムは小さく頷いた
...To be Continued