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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 獣の王様-02

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匿名ユーザー

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“獣の王様 第二話「一年後」” 

 僕は、人が幸せそうにしているのが嫌いだ。
 僕は、人が幸せそうにしているのが嫌いだ。
 人は皆平等である筈なのに。
 なんで他人より幸せになる人間が居るのだ。

「さて、ゲームです。あなた方はこれから不幸になりますが、それがどちらかだけは選択させて上げたいと思います。」
「や、やめてくれ!子供だけは!」
「ええ、子供だけは見逃しますよ。
 両親を目の前で化け物に食い殺されて、一生癒えぬトラウマを背負うであろう子供は。
 おそらく死んだ方がマシなくらい辛いんじゃないでしょうか。」

 なんで世の中にはお父さんと仲良くキャッチボールをする子供が居るのだ。
 なんで世の中にはお母さんの作った暖かい料理を食べることができる子供が居るのだ。
 しかも、なんで世間はそれをまるで正義のように肯定するのだ。

「ルールはシンプル、これからこの部屋に虫を放します。
 この虫は人を食いますが、胃袋的に一週間で一人分が限界です。
 この部屋の中で一週間生活してください。
 そしたら救援か何かは来るでしょう。
 組織だかっていうおもしろおかしい連中も居るみたいですし。」
「こんなことをして何になるって言うんだ!」
「貴方達が不幸になるじゃないですか」

 至ってシンプルだ。
 モニターの向こうで子供が泣いている。
 子供が泣いている、ね。
 一年前のあの女子高生を思い出す。
 泣けるだけこの子供は幸福だ。




「お父さんが喰われれば子供の安全は保証します。
 ギャクモシカリデスケドネ
 しかしなんせゲームですからルールは守らないと。
 このことについて嘘は吐きません。」
「ま、待て!」
「ゲーム開始。」

 モニターの向こうの部屋に虫がなだれ込んでくる。
 男は虫と息子の間に立ちふさがった。
 目の前で虫がバリバリと男を食い始める。
 悲鳴一つあげないのは見上げたものだが……子供は部屋の隅で震えているだけか。
 駄目だなあ、このゲームの本質に気付いていない。

「このゲームには二人とも助かるウルテクがある。
 ねえボク、君はお父さんを助けたくないか?」

 教えて上げないと、二人仲良く不幸になって貰わないと。

「人間一人分を喰えば良いんだ。
 人間一人、解るかなあ?
 まあそれで生き残ったとしても治療とか大変だろうけどね。
 一週間保つか解らないし。
 只もし君が勇気ある選択をしたなら……」
「やめろ!」
「やめない。」

 ゲームを始めて早々に飽きが来た。
 どうしたものかなこれ。




 幸運にもゲームが五日目になったところで変化は起きた。
 突然、部屋のドアが開く。

「モンゴリアンデスワームの契約者だな!」
「はい、そうです。」
「――――男!?
 報告と違うぞ……。」

 いきなり黒い服の男が入ってきた。
 部屋に土足で入ってこられるのは……正直不快だ。

「最近買ったばっかのフィギュア蹴り飛ばさないでくださいよ。」
「うるさい!お前が人々を襲っていることはすでに解っているんだ!
 昔だったらお前みたいな小悪党すぐに殺してたんだが……大人しく捕まって貰うぞ!」

 黒服の男が僕の腕を掴む。
 僕の覗いてたパソコンのモニターを彼もまた覗く。
 彼の表情が一気に絶望に染まる。

「う、そ……だろ?」
「タイミングが悪かったですね。いや、この場合良かったのか。」
「金品目的の通り魔じゃねえのか!なんだよ!なんだよこれ!
 くそっ!聞いてねえぞ!」
「どうでも良いけどお留守ですよ。」

 ワームを呼び出して攻撃しようと思ったのだが腕を噛み千切られてしまった。
 だが、この黒服から逃げるためなら腕一本程度安い物だ。





「臓腑を食い破り、致死性の毒を流し込んで、生物を内側から破壊する。」
「……うごっ!?」

 地道に人を不幸にし続けた結果。
 僕のモンゴリアンデスワームは進化していた。
 そしてその進化の一つとして、今の僕の身体は無数のモンゴリアンデスワームで構成されているのだ。

「毒虫を食ったんですから、死んでください。」

 誰かを喰えばそれだけワームが増えて回復するし。
 とてつもなく便利な身体だ。
 黒服はすぐに動かなくなった。

「……居場所ばれてたのか。」

 となるとここに居続けられないな。
 さっさと会社に辞表出してここから逃げるとするか。
 ゲームは途中だけど放っていこう。
 途中で放り投げても問題無いのがゲームの良いところだ。
 行く先は何処が良いだろう。
 今の日本は基本監視社会だから面倒なんだよなあ。
 都会とかだったらまあそこそこ周囲の目も紛れるか。
 そうだ、学校町へ行こう。
 あの魔界都市ならば、僕程度の小悪党が一人居たところで問題有るまい。
 これから始まる旅のことを思い、僕は少し愉快な気分だった。

“獣の王様 第二話「一年後」 fin”

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