“獣の王様 第七話「只の害悪」”
人間とはその本質において悪だ。
屑で間抜けで残忍で、しかもそのことに無自覚な最悪の生物だ。
そして、その最悪な生物の中でも自分は特に底辺に位置する存在だ。
地味な学校を卒業して地味な企業に就職。
地味に日々を暮らし、趣味もなく、家庭もなく、生き甲斐もなく、只漫然と日々を過ごすのみ。
しかも太っていて不細工、なんとも不幸だ。
人間とは僕みたいな境遇の人間を差別しがちだ。
下から他人を見上げれば、どいつもこいつも救いようのない悪に見える。
そう、これが下から目線性悪説。
屑で間抜けで残忍で、しかもそのことに無自覚な最悪の生物だ。
そして、その最悪な生物の中でも自分は特に底辺に位置する存在だ。
地味な学校を卒業して地味な企業に就職。
地味に日々を暮らし、趣味もなく、家庭もなく、生き甲斐もなく、只漫然と日々を過ごすのみ。
しかも太っていて不細工、なんとも不幸だ。
人間とは僕みたいな境遇の人間を差別しがちだ。
下から他人を見上げれば、どいつもこいつも救いようのない悪に見える。
そう、これが下から目線性悪説。
「人間が皆素晴らしい、その本質において善であるというならば、人間は幸せになるべきだったよ。
でも人間は皆僕より優れていて、それでも悪なのだから、皆不幸になることしかできない。
悪い奴が幸せになって良いわけがないだろう。
悪い奴に与えられるのは歪な欲望の充足と偽りの安穏だけさ。」
でも人間は皆僕より優れていて、それでも悪なのだから、皆不幸になることしかできない。
悪い奴が幸せになって良いわけがないだろう。
悪い奴に与えられるのは歪な欲望の充足と偽りの安穏だけさ。」
僕はステーキハウスで昼食を取っていた。
頼んだのはジューシーグリルダブルステーキエンペラーセットというとにかく大盛りなステーキセット。
汚れがナプキンにかかるのにも構わずに食べ続ける。
頼んだのはジューシーグリルダブルステーキエンペラーセットというとにかく大盛りなステーキセット。
汚れがナプキンにかかるのにも構わずに食べ続ける。
「でも、例外的に善人だって居るかも知れませんよ?」
「そんな奴、全人類の悪としての調和を乱す存在だ。
悪人よりも質が悪い理外にして埒外の存在だ。
それこそどんな手を使ってでも排除せねばなるまいね。」
「ふーん。」
「もっとも、そいつを中心に人類を浄化・改革してやるなんて神様みたいなことを言うなら別だが。」
「馬鹿げてますね。」
「そんな奴、全人類の悪としての調和を乱す存在だ。
悪人よりも質が悪い理外にして埒外の存在だ。
それこそどんな手を使ってでも排除せねばなるまいね。」
「ふーん。」
「もっとも、そいつを中心に人類を浄化・改革してやるなんて神様みたいなことを言うなら別だが。」
「馬鹿げてますね。」
まったくだよ、そう言って僕は笑った。
「あーあ、数寄屋町まで来てなんで俺はステーキを食ってるんだろう。」
「少年、ステーキは不満か?偶然再開したよしみでこうして昼食を共にしているというのに。」
「自分、草食系男子なんですよ。」
「草食系男子?なんだそれ?」
「最近自分が作った造語です。」
「その内流行ると良いね。」
「はい、流行らせます。」
「少年、ステーキは不満か?偶然再開したよしみでこうして昼食を共にしているというのに。」
「自分、草食系男子なんですよ。」
「草食系男子?なんだそれ?」
「最近自分が作った造語です。」
「その内流行ると良いね。」
「はい、流行らせます。」
目の前の少年は先ほどからサラダバーを何度もお代わりして店員さんをブルーにしている。
あれじゃあ草食動物は草食動物でも森を食い荒らすブロントサウルス辺りである。
あれじゃあ草食動物は草食動物でも森を食い荒らすブロントサウルス辺りである。
「悪い人間は幸せになっては駄目ですか。」
「うん、皆不幸になるべきだ。」
「そうでしょうか?」
「というと。」
「確かに人間存在の本質とは悪だ。
でも悪だからと言って幸せになってはいけないなんて事はないはずです。」
「……ほう。」
「例え悪であったとしても、生まれてきた以上、幸せを求めて手に入れる権利はある。
誰かを愛し、誰かに愛され、自分の居場所を見つける権利はある。
その経過として誰かを不幸にしたとしても、それが愛や夢や未来のためなら仕方ない。」
「君にとって他人の不幸とは経過でしかないのだね。」
「貴方にとって他人の不幸とは結果になるのですか?」
「君はまだ人間の救いようの無さを理解してないと見える。」
「うん、皆不幸になるべきだ。」
「そうでしょうか?」
「というと。」
「確かに人間存在の本質とは悪だ。
でも悪だからと言って幸せになってはいけないなんて事はないはずです。」
「……ほう。」
「例え悪であったとしても、生まれてきた以上、幸せを求めて手に入れる権利はある。
誰かを愛し、誰かに愛され、自分の居場所を見つける権利はある。
その経過として誰かを不幸にしたとしても、それが愛や夢や未来のためなら仕方ない。」
「君にとって他人の不幸とは経過でしかないのだね。」
「貴方にとって他人の不幸とは結果になるのですか?」
「君はまだ人間の救いようの無さを理解してないと見える。」
サラダバーお代わり二十杯目。
もはやお店の人も諦めたようである。
もはやお店の人も諦めたようである。
「でも面白いねえ。」
「人間は最低ですよ、ええ。
最低の生き物ですけど、最低で最悪だからって、幸せになる権利がない訳じゃない。
ありとあらゆる人間に等しく幸福追求の権利は用意されています。
その暴走を止めるために公共の福祉云々って話があるんでしょうけどね。
でも……。」
「でも?」
「昔から公共の福祉って言葉に納得できない。」
「何故?」
「だって一輪の薔薇の為に皆は雑草を刈るでしょう?」
「人と植物は違うんじゃないか。」
「同じですよ、同じ地球上に生きる命ですよ。」
「博愛主義者だね。」
「一周回って破壊主義者です。
人間が公共の福祉を宣う裏で雑草を狩り殺せるのは力があるからです。」
「人間は最低ですよ、ええ。
最低の生き物ですけど、最低で最悪だからって、幸せになる権利がない訳じゃない。
ありとあらゆる人間に等しく幸福追求の権利は用意されています。
その暴走を止めるために公共の福祉云々って話があるんでしょうけどね。
でも……。」
「でも?」
「昔から公共の福祉って言葉に納得できない。」
「何故?」
「だって一輪の薔薇の為に皆は雑草を刈るでしょう?」
「人と植物は違うんじゃないか。」
「同じですよ、同じ地球上に生きる命ですよ。」
「博愛主義者だね。」
「一周回って破壊主義者です。
人間が公共の福祉を宣う裏で雑草を狩り殺せるのは力があるからです。」
ジャキジャキと良い音を立てて少年はサラダを食べ続ける。
本当に恐るべき食欲だ。
本当に恐るべき食欲だ。
「今の日本は一番力のある人が『とりあえずお互い傷つけ合わないでいこうぜ』と言ったから表向き平和な社会が形成されている。
でも同じ地球上では『力がある奴は何をやっても良い』というルールの世界だってある訳で。」
でも同じ地球上では『力がある奴は何をやっても良い』というルールの世界だってある訳で。」
少年は机におかれたナプキンで口を拭く。
「円卓が一つあったとしてですよ。
そこに十二個のナプキンと十二人の人間が居たとします。
只野さん、貴方は右のナプキンと左のナプキンどちらを取るべきでしょう?」
「それは……」
そこに十二個のナプキンと十二人の人間が居たとします。
只野さん、貴方は右のナプキンと左のナプキンどちらを取るべきでしょう?」
「それは……」
どっちだ。
「貴方が取るべきナプキンは最初にナプキンを取った人と同じ方向のナプキンなのですよ。」
「……ああ、確かに。」
「誰か一人が、“他の人間のナプキンの選択権”を奪わなければ何も始まらないのです。
人間は“ナプキンを取る為に”競争する権利がある。
その優勝賞品が、幸福です。」
「……ああ、確かに。」
「誰か一人が、“他の人間のナプキンの選択権”を奪わなければ何も始まらないのです。
人間は“ナプキンを取る為に”競争する権利がある。
その優勝賞品が、幸福です。」
成る程ね。
あくまで彼は不幸は誰かの幸せの結果だというのか。
なんて前向きなんだ。
恵まれた人間の我が儘な意見だ。
不幸な人間の側ではないから言える意見だ。
どうやら彼は不幸の皮を被った只の異常者らしい。
同類かと思っていたのだが駄目だ。
こいつは確かに他人を散々不幸にするだろうがそんなの僕の求める不幸ではない。
僕は他人を手段としない。
この少年は他人を手段にしかしない。
この少年に道徳はない。
この少年はどこまで他人を見下ろしているのだろうか。
上から目線で性悪説なんて……、あんまりではないか。
しかも悪であろうと幸せでいて良いなんて。
それは間違っている。
あくまで彼は不幸は誰かの幸せの結果だというのか。
なんて前向きなんだ。
恵まれた人間の我が儘な意見だ。
不幸な人間の側ではないから言える意見だ。
どうやら彼は不幸の皮を被った只の異常者らしい。
同類かと思っていたのだが駄目だ。
こいつは確かに他人を散々不幸にするだろうがそんなの僕の求める不幸ではない。
僕は他人を手段としない。
この少年は他人を手段にしかしない。
この少年に道徳はない。
この少年はどこまで他人を見下ろしているのだろうか。
上から目線で性悪説なんて……、あんまりではないか。
しかも悪であろうと幸せでいて良いなんて。
それは間違っている。
「とまあそう思ってたんですがね。」
「ん?」
「偶然出会った可愛い女の子にそれを否定されてしまいました。」
「気にすることはないだろう。」
「散々女性関係で傷ついてきたところに差してきた光明なんですよ。
なんていうか自然体で居られるって言うか。」
「それは幸せなんだろうね。」
「はい、でも俺の考え方はなんか違うって。
誰かを犠牲にして得る幸福は偽物だって。」
「成る程ねえ。」
「ん?」
「偶然出会った可愛い女の子にそれを否定されてしまいました。」
「気にすることはないだろう。」
「散々女性関係で傷ついてきたところに差してきた光明なんですよ。
なんていうか自然体で居られるって言うか。」
「それは幸せなんだろうね。」
「はい、でも俺の考え方はなんか違うって。
誰かを犠牲にして得る幸福は偽物だって。」
「成る程ねえ。」
恐らく、それは彼の思想の問題ではない。
彼の思想からにじみ出てくる彼のキャラクターの異常性に恐怖を懐かれているのだろう。
私も今は正直この少年が怖い。
今も逃げ出す機会をうかがって居るぐらいだ。
彼の思想からにじみ出てくる彼のキャラクターの異常性に恐怖を懐かれているのだろう。
私も今は正直この少年が怖い。
今も逃げ出す機会をうかがって居るぐらいだ。
「それなら君には二つの道がある。
その人と生きるために自らと彼女に嘘を吐くか。
あとはその人と別れるか。
君はそこそこ優秀だが純粋で、悪く言えば利用価値のある上に利用しやすい少年だよ。
彼女だってもしかしたら君を利用しているに過ぎないかも知れない。」
「そう言う節も……有るかもなあ。」
その人と生きるために自らと彼女に嘘を吐くか。
あとはその人と別れるか。
君はそこそこ優秀だが純粋で、悪く言えば利用価値のある上に利用しやすい少年だよ。
彼女だってもしかしたら君を利用しているに過ぎないかも知れない。」
「そう言う節も……有るかもなあ。」
とにかく、彼には真の不幸を知って貰おう。
まだ純粋だというのならば黒く染まって貰おう。
純粋なままにその純粋さ故に誰かを傷つけ不幸にする恐ろしい存在になってもらおう。
叶わぬ愛情への欲望を胸に抱き、悲しい夢を見続けて貰おう。
僕一人では世界人類を不幸にするなんて無理なんだから。
幾ばくか話をして、僕は少年の持つ女性への不信を加速させることに成功した。
ここまで人を信じなくなれば良いだろう、そう思って僕は彼と店を出た。
まだ純粋だというのならば黒く染まって貰おう。
純粋なままにその純粋さ故に誰かを傷つけ不幸にする恐ろしい存在になってもらおう。
叶わぬ愛情への欲望を胸に抱き、悲しい夢を見続けて貰おう。
僕一人では世界人類を不幸にするなんて無理なんだから。
幾ばくか話をして、僕は少年の持つ女性への不信を加速させることに成功した。
ここまで人を信じなくなれば良いだろう、そう思って僕は彼と店を出た。
「それじゃあここでお別れだ。」
「はい、縁が有ったらまた会いましょう。」
「色々言ったが君は君のやりたいようにやればいい。
なんせ僕は女性経験があまりないし、女性という物が苦手だからね。
意見は偏っていると思うんだ。」
「そうなんですか?
それにしてはなんていうか遊び慣れてる雰囲気がしてますけどね。」
「はい、縁が有ったらまた会いましょう。」
「色々言ったが君は君のやりたいようにやればいい。
なんせ僕は女性経験があまりないし、女性という物が苦手だからね。
意見は偏っていると思うんだ。」
「そうなんですか?
それにしてはなんていうか遊び慣れてる雰囲気がしてますけどね。」
……そうか、ある意味遊び慣れているかも。
間違ってはいないね。
間違ってはいないね。
「あ、明也!貴方何か見つけた?」
「ん、何も見つからなかったよ。」
「ん、何も見つからなかったよ。」
おや、見慣れた顔。
確かあれは冬木華恋。
まさかこの少年が言っていた少女とは――――
確かあれは冬木華恋。
まさかこの少年が言っていた少女とは――――
「明也!そいつがモンゴリアンデスワームの契約……」
彼女がそこまで言った時点で僕の目の前には刃が迫っていた。
痛みを感じたのは最初の一撃だけ。
それだってあまりに短い時間のことだったからハッキリしない。
ただ、まるでダルマ落としのように僕の身体はバラバラに寸断されてしまっていた。
モンゴリアンデスワームを集めて再生しようと思っても肉体の再構成が上手く行かない。
痛みを感じたのは最初の一撃だけ。
それだってあまりに短い時間のことだったからハッキリしない。
ただ、まるでダルマ落としのように僕の身体はバラバラに寸断されてしまっていた。
モンゴリアンデスワームを集めて再生しようと思っても肉体の再構成が上手く行かない。
「ラッキーだね、見つかって。」
「……え!?」
「これじゃ作戦も何も無いや。折角結構良い作戦だと思ってたのに。」
「……え!?」
「これじゃ作戦も何も無いや。折角結構良い作戦だと思ってたのに。」
あまりに一瞬のことであの不死鳥の少女も何が起きたか解っていないようだ。
しかしまだ僕が息をしていると言うことはあの少年、急所をわざと外したのだろうか?
しかしまだ僕が息をしていると言うことはあの少年、急所をわざと外したのだろうか?
「はい、これ貸してあげるからトドメ刺してください。
積もる話もあるから僕はちょっと席を外しますね。」
積もる話もあるから僕はちょっと席を外しますね。」
少年はそう言うと僕の血がべっとりとついた小刀を彼女に渡す。
あれの能力が僕の再生を防いでいるのか。
死にかけているというのに頭の中が驚くほどクリアだ。
冬木華恋が私に近づいてくる。
あれの能力が僕の再生を防いでいるのか。
死にかけているというのに頭の中が驚くほどクリアだ。
冬木華恋が私に近づいてくる。
「なあ不死鳥の少女よ。死ぬ間際に一つだけ聞かせてくれ。」
どうせ死ぬなら最後の仕事だ。
この少女が持っているらしいあの少年の異常性への恐怖。
それを極限まで揺さぶり高めてやる。
あの二人、今は群れているが根本からして別の生き物なのだ。
それを少し自覚してやれば愉快な悲劇の一つだって生まれるだろう。
この少女が持っているらしいあの少年の異常性への恐怖。
それを極限まで揺さぶり高めてやる。
あの二人、今は群れているが根本からして別の生き物なのだ。
それを少し自覚してやれば愉快な悲劇の一つだって生まれるだろう。
「あの少年、ついさっきまで俺と仲良く飯を食って語らっていたんだよ。
それどころかここに来るまでの間にも一度レストランで相席になってそこでは俺に悩み相談までしてたんだ。
そんな相手を躊躇いなく斬るんだぜ、あの少年。
怖いと……思わないか?」
それどころかここに来るまでの間にも一度レストランで相席になってそこでは俺に悩み相談までしてたんだ。
そんな相手を躊躇いなく斬るんだぜ、あの少年。
怖いと……思わないか?」
少女の手が止まる。
「図星か。
死ぬついでのお土産に少し教えて上げるよ。
僕が死ぬと僕が日本中に卵の状態で仕込んでいるモンゴリアンデスワームが生まれる。
仕込んだ場所は幼稚園や小学校。
あいつらは食えば食った分だけ大きくなって増えるからねえ。
きっと、“君のせいで”愉快な地獄が生まれると思うよ。
こればかりは仕方ないよねー。」
「そ、そんなことさせない!」
「ごめんね、もう遅いんだ。」
死ぬついでのお土産に少し教えて上げるよ。
僕が死ぬと僕が日本中に卵の状態で仕込んでいるモンゴリアンデスワームが生まれる。
仕込んだ場所は幼稚園や小学校。
あいつらは食えば食った分だけ大きくなって増えるからねえ。
きっと、“君のせいで”愉快な地獄が生まれると思うよ。
こればかりは仕方ないよねー。」
「そ、そんなことさせない!」
「ごめんね、もう遅いんだ。」
僕は身体から湧いてくる虫に僕の切られて潰れて食い荒らされた心臓を彼女の目の前まで運ばせる。
少女が小刀を落とす。
これで完璧だ。
少女が小刀を落とす。
これで完璧だ。
「これからやることを正義の味方に説明するなんて三流悪役のやることだ。
何も言わないで悪いことをするのは二流悪役だ。
そして、やってから説明して上げて始めて一流。」
何も言わないで悪いことをするのは二流悪役だ。
そして、やってから説明して上げて始めて一流。」
最高だ。
この表情は最高だ。
心からの笑い声が出た。
ハジメテだ。
生まれて初めてこんなにも嬉しいと、幸せだと思った。
僕なんかが幸せで良いわけ無いのに。
あえて言い訳するならば僕だってもうすぐ死ぬんだからこれくらいは許してくれってところか。
ぬふふふ、良いぞ、絶望しろ。
泣け、わめけ、叫べ!
お前はこの無力な僕より無力なんだ!
この表情は最高だ。
心からの笑い声が出た。
ハジメテだ。
生まれて初めてこんなにも嬉しいと、幸せだと思った。
僕なんかが幸せで良いわけ無いのに。
あえて言い訳するならば僕だってもうすぐ死ぬんだからこれくらいは許してくれってところか。
ぬふふふ、良いぞ、絶望しろ。
泣け、わめけ、叫べ!
お前はこの無力な僕より無力なんだ!
「うるせえよ。」
少年の拳が僕の顔面に振り下ろされる。
鼻が折れた。
目が破裂した。
歯が二三本飛んだ。
耳がちぎれた。
頭皮がそぎ取られた。
一体どんな力で殴ればこうなるのだ。
鼻が折れた。
目が破裂した。
歯が二三本飛んだ。
耳がちぎれた。
頭皮がそぎ取られた。
一体どんな力で殴ればこうなるのだ。
「僕を殴る暇が有ったら子供達でも助けに行ったらどうだい?」
「そんなのは、知りもしないガキのことなんて、俺は知らない。
ただ俺は今、レンを泣かせたお前に腹が立っていて、
お前をもの凄く殴りたくてしょうがないんだ。」
「そんなのは、知りもしないガキのことなんて、俺は知らない。
ただ俺は今、レンを泣かせたお前に腹が立っていて、
お前をもの凄く殴りたくてしょうがないんだ。」
こいつは良い。
あのレンという少女を愛していても。
彼はあのレンという少女のことを見ていない。
理解出来ない訳でもないのに。
最初から人とは理解し合えないという悲観論で理解を投げ出している。
これだもの、誰とも通じ合えないさ。
誰かを思っていてもこの少年の行動原理は彼自身の感情だ。
それ故に、僕なんか百年有っても追いつけないくらいに強いのだろうが。
この少年が子供の純粋で残虐な心のままに大人になった姿を見てみたかった。
あのレンという少女を愛していても。
彼はあのレンという少女のことを見ていない。
理解出来ない訳でもないのに。
最初から人とは理解し合えないという悲観論で理解を投げ出している。
これだもの、誰とも通じ合えないさ。
誰かを思っていてもこの少年の行動原理は彼自身の感情だ。
それ故に、僕なんか百年有っても追いつけないくらいに強いのだろうが。
この少年が子供の純粋で残虐な心のままに大人になった姿を見てみたかった。
目が潰れたせいで何も見えない。
激痛が走っているのは解る。
脳漿が零れていくのも解る。
僕を殴っているのはあの少年か。
好きな女の子を泣かせたから、僕に対して怒っているのか。
愚かだ。
そんな真似をすれば君が彼女に化け物扱いされるのに。
良いぞ、もっと殴れ。君の信じる力だけでは解決できないことがあることを私の死で教えてやる。
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
ナ………グ、レ
ほ、ラ、も……っtdあ、
キミが、hykジュウn、王とnaruそしtnoaru化けも……nの子供なら
せ、……め、てその、化け物と………て、の、誕生を……
激痛が走っているのは解る。
脳漿が零れていくのも解る。
僕を殴っているのはあの少年か。
好きな女の子を泣かせたから、僕に対して怒っているのか。
愚かだ。
そんな真似をすれば君が彼女に化け物扱いされるのに。
良いぞ、もっと殴れ。君の信じる力だけでは解決できないことがあることを私の死で教えてやる。
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、殴れ、
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ほ、ラ、も……っtdあ、
キミが、hykジュウn、王とnaruそしtnoaru化けも……nの子供なら
せ、……め、てその、化け物と………て、の、誕生を……
「誕生を祝ってやる!」
今の言葉が、kk、tれtだろう……か?
舌が、hajiketonda、意識g薄れ……
舌が、hajiketonda、意識g薄れ……
“獣の王様 第七話「只の害悪」 続”