「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・咎負い人-06

最終更新:

guest01

- view
だれでも歓迎! 編集
 夕暮れの学校街
 平和な住宅街

「待て~!」
「にゃんこ待て~!」

 その、住宅街の一角にて

「ぎゃしゃーーー!!」
「しゃげーーーーっ!!」

 今、まさに
 お子様と猫(科動物)の、決死の追いかけっこ(猫科動物的に)が、繰り広げられてい



「むぅ、マドレーヌ、あの猫、とってもすばしっこいよ」
「そうね、リュリュ。でも、力をあわせれば、きっと捕まえられるわ」
「そうだよね。きっと、抱きしめられるよね!」
「あんなに可愛いんだもの、連れ帰れば、レティもきっと喜ぶわ」
「でも、飼うの、許してもらえるかな?」
「一緒に、カイザーにお願いしましょうよ、リュリュ。一生懸命お願いすれば、きっと許してもらえるわ」
「そうだよね、頑張ろう、マドレーヌ!」
「えぇ、頑張りましょう、リュリュ!」

 何が起こっているか?
 まぁ、簡潔に答えるならば、ちみっこが猫を追いかけている、といったところか
 12歳をちみっこに加えていいかどうかは、読者の皆様に任せるが
 そして、子ライオンを猫と呼んでも良いかどうかも、読者の皆様に任せる

 自由行動、と言う事で、早速街へと飛び出した「13使徒」のリュリュとマドレーヌ
 好奇心に任せて歩き回っていた二人は、2匹の子ライオン……ゴーストとダークネスを見つけたのだ
 そして、「可愛い」と認識
 抱きしめたいと言う欲求のまま、追いかけだしたのである
 ついでに、連れ帰る気満々である……ゴーストとダークネスが、首元にお揃いのリボンをつけていて、明らかに誰かに飼われているっぽい事実はスルーしている
 そんなちみっこ達のターゲットにされたゴーストとダークネス、先ほどまで、レティに追い掛け回されていたところから、やっと逃げてきたところだ
 ここで捕まってはたまらない、とばかりに、全速力でアクロバティックに逃げていく

「ぎしゃ!」
「しゃげ!」

 身軽に塀へとのぼり、そして民家の屋根まで逃げていくゴーストとダークネス
 …通常ならば、これで逃げられるだろう
 だが

「待てー!」
「待て待てー!!」
「ぎゃしゃっ!?」
「しゃぎゃっ!?」

 リュリュとマドレーヌは、平然と、屋根の上まで2匹を追いかけてきた
 正直、普通の12歳の身体能力ではない
 どちらも契約者であるが故に、そして、日頃の訓練の賜物故、身体能力が高いのだろう

「追い詰めろー!」
「捕まえろー!」
「ぎゃしゃしゃー!」
「しゃぎゃぎゃー!!」

 てちちちちちち!!

 ゴーストとダークネスは逃げる、逃げる、逃げる
 捕まってなるものか、とどこまでも逃げ続ける

 屋根と屋根をジャンプして移動し、走り走り…

「「ぎゃしゃーーーーっ!!!」」
「「あ!?」」

 不意打ちで、飛び降りる
 とっさの事に、対応しきれなかったリュリュとマドレーヌ
 ゴーストとダークネスを、見失ってしまった

 ……こうして、ゴーストとダークネスは、本日2度目の修羅場から、無事逃げ切ったのだった

「見失っちゃったね、マドレーヌ」
「そうね、リュリュ……残念」

 しょぼ~ん、となってしまう二人
 ひとまず、屋根から飛び降りる

 すると

「にゃっ!?」
「「にゃ??」」

 ちょうど、道を歩いていた少女の目の前に、降りてしまったようだ
 びっくりしたのか、少女が猫のような声をあげる

『あ、御免ね、御免ね、びっくりした?』
『大丈夫?ぶつかったりしてない?踏んでない??』

 おろおろあぅあぅ
 相手は、自分達より年下と思われる幼い少女
 びっくりさせただろうか、とおろおろしてしまう双子
 うっかり、英語で話してしまった

 にゃ?と、双子を見上げた少女
 二人が、慌てて日本語で言いなおそうとすると…

『うん、だいじょーぶだよ!』

 と
 元気に、英語で答えてきた

『あれ?あれれ?英語、わかるの?』
『わかるよ、アキナリおにーちゃんに教えてもらったから!』

 少女は、元気に無邪気に答えてくる
 その答えに、二人はほっとした

『良かった、なら、このまま英語でいいかな?』
『本当はフランス語が一番話やすいけど、英語も平気なの』
『うん、英語でだいじょーぶだよ。フランス語は、まだ難しいから、吉静、よくわかんないの』

 吉静、とあっさり名前まで名乗ってしまった少女
 若干、危機管理が心配である

『吉静、って言うんだね。僕はリュリュだよ。よろしくね』
『私はマドレーヌよ、よろしくね、吉静ちゃん』
『穀雨 吉静なの。よろしくね、リュリュおにーちゃん、マドレーヌおねーちゃん』

 が
 リュリュとマドレーヌも、あっさり自分達の名前を名乗ってしまっているので、割とどっこいどっこいだろう
 時として、ちみっこ同士、こうやってあっさり友達になれるものである

『吉静は、この街の人なの?』
『うん、そうだよ!おにーちゃん達と、皆で一緒に暮らしてるの!リュリュおにーちゃんとマドレーヌおねーちゃんは、旅行で来たの?』
『いいえ、私達は、任務でやってきたのよ』
『任務??』

 にゃ?と首をかしげる吉静
 ロリコンがいたら一発でノックダウンな愛らしさだが、幸いというか何というか、この場にロリコンはいない
 シスコンとブラコンならいるが

『そうだよ、任務だよ』
『でも、極秘任務なの。だから秘密よ』
『うん、わかった!秘密にするの!!』

 色々と、情報管理とか心配になってくる現場だが
 まぁ、ちみっこ同士なので、大目に見るしかないだろう
 むしろ、この双子にそれなりの情報を持たせた状態で自由行動させるほうが悪い


 もっとも
 それが目的なのかも、しれないが


『吉静はいい子だね』
『えぇ、とってもいい子ね』
『うん、吉静、いい子になるの!だから、お使いだって、一人でできるの!………にゃ?』

 あれ?
 お使い?
 そう言えば、吉静は、色々と食材の入ったエコバックを持っている
 …ピコーン!!と
 吉静は、重要な事を思い出した

『あ、そうなの、吉静、お使いの最中だったの』
『ありゃ、そうだったんだね』
『あら、そうだったのね。御免なさい、引き止めちゃって』
『ううん、大丈夫なの。道に迷ったり、悪い人に襲われた訳じゃないから大丈夫なの!』

 気遣う二人に、元気に答える吉静
 …悪い人
 その単語に、リュリュとマドレーヌは反応する

『悪い人?この街には、悪い人がいるの?』
『えっとね、アキナリおにーちゃん達から、知らない人とか、ハァハァしてる人にはついていっちゃいけません、って言われてるの。それと、学校街は、悪い人が集まりやすいから気をつけなさい、とも言われてるの』

 悪い人…人間だけではなく
 都市伝説も、どうしても、集まりやすくなってしまう
 それが、この学校街


 ……最も
 邪悪なる者は、ほぼ確実に成敗されるのもまた、この学校街の法則のようだが


『それは大変だね、マドレーヌ』
『そうね、リュリュ。噂で聞いていた通り、やっぱり、ここは危険なんだわ』
『吉静みたいな小さな子が一人で歩くには危険なんじゃないかな、マドレーヌ』
『私もそう思うわ、リュリュ』

 うん、と
 リュリュとマドレーヌは、見つめあい、頷きあう

『そうだよ、マドレーヌ!僕達が、吉静を護衛してあげればいいんだよ!』
『それは素敵な提案ね、リュリュ!それが一番いい考えだわ!!』
「にゃ??」

 二人の言葉に、吉静は首をかしげた
 双子はにっこり、そんな吉静に笑いかける

『吉静がお家に帰るまで。僕らが護衛してあげるよ!』
『悪い人がきたら、私達が追い払ってあげる!』
『リュリュおにーちゃんと、マドレーヌおねーちゃんが?』
『そうだよ。安心して、僕らはとっても強いんだ!』
『「抹消者」リュリュとマドレーヌ。それが私達。悪い人なんて消し去ってあげる!』

 無邪気で、しかしどこか物騒な双子の提案
 吉静は、う~ん、と考えて…

『…うん、それじゃあ、お願いしても、いいかな?』

 と
 了承してしまった

 なんだかんだで、吉静も、二人ともうちょっと一緒にいたいのだ
 護衛でついてきてもらえば、その間一緒におしゃべりできるから
 吉静は、二人と一緒に行動する事を了承した

『よし、それじゃあ行こうか、マドレーヌ。お姫様を護衛して!』
『そうね、リュリュ!私達は、お姫様を護る騎士ね!』
『にゃ?吉静、お姫様じゃないよ?』

 首をかしげる吉静に、双子は無邪気に笑って
 そっと、両サイドから、吉静の手を握った

『護られる女の子は、昔からお姫様って決まってるのさ!』
『そうよ、そして、お姫様を護るのは、騎士って決まってるの!』
『だから、吉静はお姫様で、僕らは騎士なのさ!』
『安心して。騎士の誇りにかけて、吉静をお家まで護衛するわ!』


 「13使徒」の一員、リュリュとマドレーヌ
 日頃、過酷な鍛錬や任務に勤しむ二人も、根はまだまだ子供だ
 「13使徒」以外の子供と関わる事が少ない二人
 吉静との出会いを喜び、そして、本気で護らねば、と考える



 後に、自分達の身に何が起こるのか
 それすら、予感すること、なく







to be … ?






タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
ウィキ募集バナー